飲食店の東京進出が失敗する理由とは?出店前の確認事項と集客戦略

東京進出を判断する前に

飲食店の東京進出では、「誰が、なぜ自店を選ぶか」「必要な客数で利益が残るか」「開業前から来店につなぐ準備ができるか」を、候補商圏ごとに確認することが重要です。地方店の実績や東京の人口の多さだけでは、出店の実現性を判断できません。

地方で成功した飲食企業が東京進出で苦戦する理由の一つは、地元の知名度、業態の希少性、既存客の支持によって成立していた集客を、東京でも再現できると考えてしまうことです。

東京では出店先によって競合、顧客の利用目的、館内動線、必要な売上が変わります。有名な商業施設に入り、食べログやInstagramを使っても、それだけで必要な来店客数を確保できるとは限りません。

東京進出では、「そのジャンルの料理を食べたい人」から選ばれるだけでなく、「この店に行きたい人」を増やすマーケティング戦略が必要です。自店舗の価値を明確にし、認知・比較検討・予約・来店・再来店をつなぎましょう。

この記事は、地方で複数の飲食店を運営し、東京への初出店を検討している経営者・マーケティング担当者や、東京進出後の売上が計画に届かず、集客戦略を見直したい事業責任者に向けた内容です。

東京出店を一律に難しいとするのではなく、地方で得た強みを東京でも収益につなげるために、何を検証し、どこを改善するべきかを解説します。

この記事の目次

飲食店の東京進出前に確認すべきこと|出店判断のチェック項目

まず、東京進出の目的を決めましょう。単店の利益拡大、首都圏での多店舗展開に向けた検証、ブランド認知の拡大では、候補立地と成果の見方が変わります。認知拡大が目的でも、許容する投資額と検証期限を定め、赤字を無期限に容認しない計画にします。

出店前の確認は、「良い物件が見つかったか」で終わらせません。東京店の顧客、選ばれる理由、収支、集客の実行担当までを一つの計画にします。

確認項目経営者・事業責任者が答えられるようにしたいこと
既存店の成功要因料理・接客・希少性・知名度・立地のうち、何が来店理由だったのか。東京にも持ち込める要素は何か
顧客と利用目的誰の、どの曜日・時間帯の、何の利用を増やすのか
競合との違いその顧客が比較する店舗に対して、価格・料理・席・体験のどこで選ばれるのか
区画と移動経路駅や建物入口から店まで、顧客が発見し、迷わず移動できるか
採算と供給能力必要な客数は何人か。席数・滞在時間・人員・厨房能力で無理なく提供できるか
集客の予算と担当開業前後に何を発信するか。撮影・ページ更新・予約設定・効果確認を誰が担うか
計画未達時の対応どの数字をいつ確認し、改善・追加投資・運営条件の見直しを判断するか

出店判断で未確認の項目を残さない

候補商圏の需要、競合と比べて選ばれる理由、無理のない客数で成立する収支、実行担当がそろっているかを確認します。必要客数を満席前提でしか達成できない場合や、顧客像が「東京にいる人」のままの場合は、契約を急ぐ前に計画を見直すべきです。

地方店の人気が東京でも通用するか、出店前に確かめる

候補地では、平日・休日の昼夜に実際の来店経路を歩き、同じ利用目的で選ばれる店舗の価格、料理、席、予約条件を比較します。本部の想定だけでなく、東京で利用する可能性のある人に、来店したい場面と迷う理由を確認しましょう。

実施可能なら、催事や期間限定の提供などで価格や料理への反応を確かめる方法もあります。ただし、イベントの物珍しさや開催場所の集客力が含まれるため、その売上を常設店の売上予測にそのまま置き換えないことが大切です。

開業前に東京店の情報と予約先を用意し、発信や広告の受け皿を整えます。新店紹介で関心を集めても、価格やメニューが不明で、予約もできなければ、その機会を生かし切れません。

本部と現場の役割も明確にしましょう。本部が企画と媒体管理を担い、現場が写真素材・空席・顧客の反応を共有するなど、開業後も情報が止まらない体制が必要です。

飲食店の東京進出が失敗する理由とは?

東京進出で売上が伸びない原因は、料理の品質だけでは説明できません。地方で成功した条件と、東京の出店先で必要な条件がずれている場合があります。

例えば、地元では長年の口コミや地域メディアでの露出が蓄積され、店名を知っている人が自然に訪れていたとします。しかし、東京の新店舗には同じ認知の蓄積がありません。料理と内装を再現しても、お客様との接点までは移植できないのです。

地方での成功要因を、東京出店の前提にしない
地元で成立していた条件の例東京進出時に起こり得るずれ検証すること
地域内で店名が知られている東京では初めて知るブランドとして比較される新規客が店を知り、来店を決める経路
同じ業態の店が少ない似た価格・料理・利用体験の選択肢がある業態名以外に選ばれる理由があるか
車で来店しやすく、広域から集まる駅・出口・徒歩経路が来店判断に影響する顧客の移動手段と、実際の来店経路
既存客や系列店から紹介される地元の顧客基盤が東京店の利用に結びつかない東京で来店できる顧客との接点
既存の費用構造で利益が出る新店舗の費用と販売条件では採算が変わる必要な売上・客数と集客費用

もちろん、地方で支持されている料理やブランドが東京でも強みになる場合はあります。問題は、その強みが東京の顧客にも伝わり、必要な価格で選ばれるかを検証せず、既存店の実績だけで判断することです。

東京進出では、既存店で成功した施策だけでなく、その施策が成果を出せた条件まで確認する必要があります。

地方で成功した業態が東京では通用しない理由

地方では希少性が集客力になる

仮に、牛タン専門店が少ない地方都市で店舗を展開している企業を考えてみます。その地域で「牛タンを食べに行く」ときの候補が限られていれば、専門店であること自体が店を選ぶ理由になり得ます。

加えて、地元での知名度や紹介が重なれば、細かな違いを説明しなくても来店につながる場合があります。このとき、経営側は料理そのものへの支持と、地域内での希少性や認知の効果を分けて把握する必要があります。

東京には、すでに比較候補になる店舗が存在する

東京では、牛タン・とろろ・麦めしを提供する「ねぎし」のように、既存のブランドが営業しています。新たに牛タン専門店を出す場合、「牛タンが食べられる」という情報だけでは、既存店との違いが伝わらない可能性があります。

これは、特定のブランドの方が必ず集客力に優れているという意味ではありません。出店先の商圏で、お客様がどの店を候補にし、何を理由に選んでいるかを調べる必要があるということです。

参考:牛たん・とろろ・麦めし「ねぎし」公式サイト

東京では料理・価格・アクセス・利用目的を比較される

お客様は、料理の味だけを比較するわけではありません。「仕事の休憩中に食べたい」「取引先との会食に使いたい」「休日に家族で訪れたい」では、店を選ぶ条件が変わります。

牛タン専門店なら、ランチでは価格や提供時間、ディナーでは料理の構成やドリンク、会食では席の落ち着きや予約のしやすさも判断材料になります。

また、利用目的によっては、牛タン専門店以外の焼肉店や和食店も比較対象です。料理がおいしいことを前提に、どの利用場面で選ばれる店なのかを明確にしましょう。

※牛タン専門店に関する説明は、競争条件の違いを示す仮例です。特定の企業・相談案件の経営状況を示したものではありません。

東京進出では立地が売上を大きく左右する

高級商業施設への出店が成功を保証するわけではない

商業施設の知名度と、自店舗への来店需要は別です。施設への来訪目的が買い物や仕事であれば、その人たちが店の価格帯や業態を求めているとは限りません。

施設全体の来館者数だけでなく、自店舗の区画まで誰が来るのか、その人たちはどの時間帯に何を食べたいのかを確認する必要があります。

商業施設が実施する集客と、テナントが自ら行う集客も分けて考えます。施設から提供される情報発信の機会を確認しながら、店名を検索して訪れる人や予約客を、自店舗でも増やす設計が必要です。

上層階や地下フロアでは認知されにくい場合がある

同じ施設でも、主要な通路沿いの店と、エレベーターを降りて奥に進む店では、通行人との接点が違います。

地下だから不利、駅直結だから有利と一律には判断できません。駅からの接続、エスカレーターの位置、案内表示、建物入口の営業時間まで含めて、実際に歩いて確認しましょう。

特に地方本部が離れた場所で意思決定する場合は、施設図面だけで判断せず、平日・休日、昼・夜の現地の様子を共有できるようにします。

レストランフロアでは競合店との比較が避けられない

レストランフロアに来た人は、その場で複数の店を比較できます。店名と料理写真だけでは、価格や食事の内容がわからず、判断を見送られることもあります。

牛タン専門店なら、定食中心なのか、夜は料理とお酒を楽しめるのか、少人数の会食に対応できるのかを伝えます。実際に提供できる内容と、店頭・オンライン上の見せ方を一致させましょう。

曜日や時間帯によって商圏人口と需要が変わる

ビジネス街の平日ランチ需要を、そのまま土日祝の売上予測に使うことはできません。勤務者が多くても、休日にその街まで訪れる理由がなければ、別の顧客を呼ぶ必要があります。

オフィス街、住宅街、観光地、商業施設では、人が集まる理由が異なります。東京全体の人口の多さではなく、自店舗が営業する時間に、利用可能性のある人がどれだけ接触できる場所にいるかを確認しましょう。

東京は人口が多い一方で、売上目標も高くなり得る

既存店より高い固定費が、必要売上を押し上げる

東京出店では、物件や採用条件によって、既存店よりも家賃や人員確保の費用が増える場合があります。ただし、東京と地方のすべての店舗で同じ差が生じるわけではありません。候補物件・採用条件ごとの実額で検証します。

最低賃料に加え、共益費、施設関連費用、固定的な人件費などを整理します。売上歩合賃料、予約手数料、食材原価などは、売上に応じて増える部分も分けて確認してください。

広告宣伝費も、月額契約の固定費と、配信量や成果に応じて発生する費用を区別します。開業後に必要になってから捻出するのではなく、集客費と運用する人の工数まで計画に含めましょう。

売上が増えても、利益が増えるとは限らない

東京店が地方店より高い月商を上げても、家賃、人件費、食材原価、販促費などが増えていれば、利益が多く残るとは限りません。

日本政策金融公庫も、売上を客数と客単価に分けて予測し、損益分岐点を把握する重要性を説明しています。東京店でも、売上目標を必要な客数まで分解して考えましょう。

月間売上 = 営業日・時間帯ごとの「客数 × 客単価」の合計

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷(1 − 変動費率)

変動費率は、売上に対する変動費の割合です。ランチとディナー、平日と休日などを分けて計画し、席数・滞在時間・回転数・稼働率から客数の実現性を確認します。

満席時の売上だけで計画を立てず、空席が生じる時間や、客数が少ない曜日も織り込みます。会食中心で長時間滞在する店が、短時間の定食店と同じ回転を前提にしてはいけません。

また、損益上の黒字と資金繰りは別です。借入返済、入金時期、開業後の立ち上がり期間も含め、売上が計画を下回った場合の資金計画を確認します。

参考:日本政策金融公庫「売上予測と損益分岐点分析をしよう」

自然流入だけでは必要な売上に届かない場合がある

店の前を通る人が多くても、その全員が飲食店を探しているわけではありません。価格帯や利用目的が合い、その場で入店を決める人はさらに限られます。

必要な客数と自然流入による実来店数に差があるなら、その差をどの顧客・どの媒体・どの利用目的で埋めるかを決めます。「人通りがあるから、そのうち増える」という期待だけでは、固定費の負担が先行します。

東京の飲食店集客では「自店舗に行きたい人」を増やす必要がある

この記事の核となる考え方

地方では業態そのものが集客力になっていた。しかし、東京では店舗そのものに集客力が必要になる。

業態の希少性が来店理由になっていた企業ほど、東京では「同じ料理を提供する店の中から、なぜ自店を選ぶのか」を具体化する必要があります。

牛タンを食べたい人に店を見つけてもらうことは、集客の入口です。そこから、「今日はこの店で食べたい」「次の会食に使いたい」と思ってもらうための理由が必要になります。

「本場の味」「厳選素材」「こだわりの料理」だけでは、お客様が違いを判断できない場合があります。切り方、焼き方、食感、コースの構成、席の使い方など、実際の違いがわかる情報に変えましょう。

牛タン専門店の価値を、来店理由に変える仮例
伝えたい強み具体化する情報結びつける利用目的
調理の専門性部位・厚さ・焼き方による食べ比べ、調理工程の写真普段と違う牛タン料理を楽しみたい
地域で育てた料理料理が生まれた背景、実際の食材・調理との関係土地の食文化を体験したい
夜の食事体験牛タン以外の料理、コース、ドリンクの組み合わせ食事とお酒をゆっくり楽しみたい
会食の使いやすさ席の写真、利用人数、料理内容、予約条件相手を安心して招ける店を選びたい

※上記は価値の整理方法を示す仮例です。提供していない料理・設備・サービスを訴求するのではなく、実際の店舗の強みから組み立てます。

地元での実績も、東京のお客様にとっての価値に翻訳します。「地方で複数店を運営している」という企業情報に加え、その経験が料理やサービスにどう表れているのかを伝えてください。

店名を覚えて探し、予約して訪れる顧客を増やすことが、通行量や施設の集客だけに依存しない経営につながります。

東京進出のマーケティング戦略|開業前から来店までの準備

必要なのは、媒体ごとの投稿数を増やすことだけではありません。東京店を初めて知った人が、価値を理解し、予約・来店し、次の利用を考えるまでの流れを整えます。

開業前・開業時・開業後で、集客の仕事を分ける

開業してから媒体を選び始めると、店を知った人が来店を判断するための情報がそろいません。経営者は顧客・商品・価格と予算を決め、マーケティング担当者は、それを伝えるページや発信、予約・来店の経路に落とし込みます。

段階準備・実行すること完了を判断する状態
出店計画・物件検討候補商圏の顧客、競合、価格、来店目的を整理し、必要客数と集客予算を確認誰に何を売り、なぜ選ばれるかを説明できる
開業準備店舗ページ、写真、メニュー、アクセス案内、予約先を用意。本部と店舗の更新担当を決定初めて知る人が価格・利用方法を確認し、予約や来店の判断をできる
開業告知来店できる顧客が使う媒体で告知し、東京店の情報へ誘導発信から店舗情報・予約先まで迷わず進め、流入や予約を確認できる
開業後曜日・時間帯別の実来店、客単価、集客費、顧客の反応を確認し、再来店の接点を整備計画との差と、次に直す箇所を本部・現場で共有できる

集客予算は、必要な来店数と採算から決める

東京進出に一律の適正広告費はありません。まず昼夜・曜日別の必要客数を求め、自然流入や既存顧客の利用で見込む人数と、新たな施策で獲得する人数を分けます。既存顧客についても、東京店まで来られるかを確認して見込みに入れましょう。

媒体費だけでなく、撮影・制作・予約手数料・運用工数も予算に含めます。想定客単価だけで費用対効果を判断せず、原価などを差し引いて残る利益と照らし合わせ、初回来店だけで回収するのか、再来店を含めてどの期間で回収を目指すのかを決めます。

マーケターは、フォロワー数より来店までの数字をつなぐ

認知段階では東京店を利用できる人への到達、比較段階では店舗ページの閲覧、予約段階では予約件数、営業結果では実来店人数・客単価を確認します。予約はキャンセルや人数変更があるため、そのまま売上として扱いません。

予約リンクの計測や来店時の任意の聞き取りなど、現場が続けられる方法で接点を把握します。一人がSNS、地図、グルメサイトを併用することもあるため、各媒体の成果を単純に足し合わせず、店舗全体の実来店・売上とも照合してください。

公式ホームページで店舗独自の価値を伝える

本部の会社案内に住所だけを追加するのではなく、東京店を利用する人が判断できる店舗ページを用意します。料理、価格、席、利用場面、アクセス、予約方法をまとめましょう。

地元で有名なブランドでも、東京では初めて知る人がいます。「知られているはず」を前提にせず、どのような体験ができる店なのかを説明することが必要です。

東京店で提供していない地方店のメニューが混在しないようにし、変更を反映する担当者も決めます。これらの店舗情報を検索サービスやAIからも確認できる形で公開し、他媒体の情報とそろえていきます。

Googleマップを活用して地域検索からの接点をつくる

出店直後は、店名を知らない人との接点も必要です。Googleビジネスプロフィールに、所在地、営業時間、料理・メニュー、外観、入口、予約先などの情報を整えます。

商業施設内の店では、建物入口と店の入口が別です。階数や館内の目印まで案内し、検索して近くまで来た人が迷わない状態にしましょう。

本部が管理する場合は、臨時休業やメニュー変更を現場から反映する流れが必要です。情報が古いままでは、認知を増やしても来店時の不一致が生じます。

グルメサイトで比較検討される情報を充実させる

料理写真だけでなく、価格、量や構成がわかるメニュー、席、コース、ドリンク、予約条件をそろえます。初見のお客様が、競合店と比べながら利用を判断できる状態にしてください。

食べログなどの有料プランは、契約したという事実ではなく、閲覧から実来店・利益までで評価します。閲覧はあるのに予約されないなら、上位プランより先に情報や販売条件の見直しが必要な場合があります。

詳しくは、食べログの集客の仕組み・プランの選び方・費用対効果を解説しています。

Instagramで料理だけでなく利用体験を伝える

地方店で獲得したフォロワーが多くても、その人たちが東京店を利用できるとは限りません。東京店の集客では、来店可能な人に届き、東京店の利用場面が伝わるかを確認します。

牛タンのアップ写真に加え、一人で入りやすい席、夜の料理とドリンク、グループ利用の様子など、誰がどう過ごせるかを伝えましょう。

本部と店舗で別アカウントを持つかは、投稿を継続できる体制や店舗間の違いで判断します。アカウントを増やすこと自体を目的にせず、プロフィールから東京店の情報と予約先にたどり着けるようにします。

運用の考え方は、インスタ集客で来店を増やすためのポイントも参考にしてください。

予約導線を整備して来店機会の損失を防ぐ

会食やディナーの集客を強化するなら、ホームページ・Googleマップ・SNS・グルメサイトのそれぞれから、予約へ進めるかを確認します。

希望日時の空席、人数条件、コース内容、キャンセル条件がわかりにくいと、予約前に離脱される可能性があります。満席ではないのに予約枠が閉じていないか、現場と予約設定も照合しましょう。

一方、予約を中心にしないランチ業態なら、営業時間、アクセス、価格、提供内容がすぐに確認できることが重要です。すべての業態に同じ予約施策を当てはめる必要はありません。

口コミやリピート施策で継続的な集客につなげる

初回来店したお客様が満足できる料理・接客を整えたうえで、感想を寄せてもらえる案内や、次回利用のきっかけを用意します。

口コミは、実際の利用者に率直な感想を任意で寄せてもらいます。高評価だけを求めたり、投稿への見返りを設けたりせず、利用媒体のルールに沿って案内してください。

LINEやメールは、配信に同意したお客様に、季節メニューや利用シーンを知らせる接点になります。毎回値引きするのではなく、その店の料理や体験をもう一度楽しむ理由を届けます。

新規集客に費用をかけた後、再来店までつながる仕組みがなければ、新しいお客様を獲得し続ける負担が残ります。

これらを商品・価格・提供方法から整理する際は、飲食店のマーケティング戦略とリピーター育成の考え方もご覧ください。

東京進出後に売上が伸びない場合の改善策

すでに出店して苦戦している場合も、すぐに広告を増やしたり、値下げしたりする前に、どこで計画との差が生じているかを分けて確認します。

現状確認すること改善の方向性
店舗情報が見られていない媒体経由の閲覧・流入、東京で来店できる人との接点客層に合う媒体の選定、地域に合う発信、検索・地図情報の整備
見られているが予約されない料理・価格・席・利用目的の伝わり方、予約条件・空席写真・コース・説明文の改善、予約手順や受付枠の修正
近くまで来ても入店されない入口の認識、営業状況の表示、価格や料理の案内看板・館内案内・経路写真の改善
初回来店はあるが再来店が少ない料理・接客への反応、次回利用の理由、来店後の接点体験の改善、商品提案、LINEなどによる再来店施策
来店しても客単価が計画を下回る注文構成、昼夜の売上比率、コース・ドリンクの選ばれ方顧客の利用目的に合う商品構成と案内を見直す
売上はあるが利益が残らない原価、シフト、賃料条件、手数料、値引き、集客費採算を確認し、商品・販路・運営条件を組み合わせて改善する

改善は、曜日・時間帯・媒体を分けて確認する

月全体の売上だけでは、何が原因かわかりません。平日ランチは好調でも、ディナーの客数や客単価が計画を下回り、採算が合わない場合があります。

曜日・時間帯ごとの客数・客単価・売上、媒体ごとの閲覧・予約・実来店・費用を確認します。再来店率を測る場合は、「初回来店後のどの期間までを見るか」をそろえ、単月のリピーター比率と混同しないようにします。

改善内容と実施日を記録し、同じ条件で比較できる期間を設けます。複数の施策を同時に変えた場合は、どの施策がどこまで寄与したかを断定しないことも大切です。

広告で解消できる問題と、事業側の見直しが必要な問題を分ける

情報が届いていないのであれば、媒体や発信の改善が候補になります。一方、顧客が求める価格と原価が合わない、必要客数を提供できる席数や人員がないといった問題は、広告を増やすだけでは解決できません。

集客施策が効く状態なのかを確認し、必要に応じて商品、営業時間、人員配置、提供方法などの経営判断と連動させましょう。

東京23区では地域特性に合わせた集客戦略が必要

東京進出の事業方針を決めたら、次は出店先の地域に合わせて実行方法を調整します。「東京の顧客」を一括りにせず、来店できる人と利用目的に落とし込む段階です。

例えば、オフィス街なら勤務者の日常利用と会食を分け、休日には別の需要があるかを検証します。住宅街なら生活圏で繰り返し使う理由、主要駅なら複数人が集合しやすい経路や、比較候補の中で選ばれる理由が重要になります。

同じ牛タン専門店でも、仕事の合間の定食、夜の食事とお酒、休日の家族利用では、商品、写真、説明、予約条件を変える必要があります。

東京進出の経営課題を整理する → 地域・客層・時間帯を定める → 媒体・予約・再来店の施策を選ぶ

「どの媒体を使うか」は、この順番で考えます。地域特性に合うグルメサイトや発信者を選び、店舗の発見から再来店までの接点を組み合わせましょう。

食べログとInstagramが有力でも、そこだけで狙う顧客との接点を確保できるとは限りません。逆に、媒体を増やし過ぎて更新や予約管理が止まると、機会を取りこぼします。地域で必要な接点と、店舗・本部が運用できる範囲の両方で判断します。

出店先の立地・客層に応じた媒体選定や、店舗の発見から再来店までの具体策は、東京23区の飲食店集客|立地・客層に合わせたマーケティング対策で詳しく解説しています。

まとめ|東京進出では立地依存から脱却する集客戦略が必要

地方で成功した飲食企業でも、東京では既存店と異なる認知、競争、立地、費用の条件に対応する必要があります。

出店前なら、地元で成功した理由を分解し、東京店で選ばれる価値と必要売上を検証しましょう。出店後に苦戦しているなら、認知、比較検討、予約・入店、再来店、採算のどこに問題があるかを確認します。

業態の希少性や施設の集客だけに頼らず、自店舗を目的に訪れる顧客を増やすこと。そのために、店舗の価値をオンラインで伝え、実際の来店体験と継続的な関係づくりまでつなげることが重要です。

東京進出の集客課題を、実行まで一緒に整理

東京店の集客は、カチプロ飲食店集客ブースターにご相談ください

カチプロ飲食店集客ブースター:認知から予約・来店・再来店までの集客支援

「東京に出店したいが、開業前の集客準備と予算の配分が決まらない」「地方では集客できていたのに、東京店だけが伸びない」「商業施設に出店したが、自然流入が計画に届かない」「本部も現場も忙しく、対策を動かす担当者がいない」。このような課題をご相談ください。

カチプロ飲食店集客ブースターでは、店舗の課題と予算に合わせて集客方法を選び、制作・運用・改善までを支援します。

課題と優先順位を整理

東京店で、どこを直すべきかを確認

立地、客層、価格帯、競合、曜日・時間帯別の状況を共有。認知不足と予約の取りこぼしなどを分け、着手する対策を決めます。

店舗の価値と接点を整える

発見から来店までの流れを改善

公式サイト、Googleマップ、グルメサイト、SNSなどを確認。選ばれる理由と、来店判断・予約に必要な情報をそろえます。

再来店につなげる

新規獲得後も顧客との接点を持つ

LINEなどの配信や再予約への案内を整理し、初回来店から継続利用につながる仕組みを設計します。

実行と改善を支える

本部・店舗と作業を分担

店舗内だけでは手が回らない施策の実行を支援。結果を確認し、次の改善まで進められる体制をつくります。

支援内容・作業範囲は店舗の課題と予算に応じて決定します。編集権限がある媒体は実際の修正を行い、外部管理の媒体は修正指示書などで支援します。

まずは、出店計画と集客準備の状況をお聞かせください。

検討しているエリア・業態・想定客単価・開業予定時期・集客予算・社内の運用体制を、わかる範囲で共有してください。出店後であれば、曜日・時間帯別の売上や利用中の媒体も踏まえて、改善の優先順位を整理します。

小形 洸太

この記事を書いた人

小形 洸太

マーケティングプロデューサー、集客コンサルタント。大学卒業後、店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入支援業務に従事。その後、2009年からコンサルティングを提供開始。助言だけではなく、対策もできるコンサルタントとして活動。主に、マーケティング関連のディレクション業務を行い、オウンドメディア運用、SNSキャンペーン、実店舗の集客支援を実施。

集客の専門家として、ミラサポや信用保証協会専門家、商工会専門家などの立場で事業主向けに助言業務を実施。また、リクルートや第一興行のメディアでSNSを使った集客の記事の監修。

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