七宝麻辣湯のマーケティング戦略|選ぶ体験・FC展開・監修商品で接点を広げた仕組み

七宝麻辣湯のマーケティング戦略|選ぶ体験・FC展開・監修商品で接点を広げた仕組み

成長企業のマーケティング分析

七宝麻辣湯のマーケティング戦略選ぶ体験・FC展開・監修商品で、顧客との接点を広げた仕組み

分析の結論

七宝麻辣湯の特徴は、具材・量・辛さを選ぶ体験を商品に組み込み、FCの運営体制を整えて出店先を広げてきたことです。さらに2026年には監修商品やデリバリー販促で、店舗以外にもブランドに触れる機会を増やしています。本記事では、商品設計・出店・販促がどうつながるかを、公開情報と独自分析を分けて整理します。[1][2][7][9]

公表資料に記載された店舗数

76店舗

2026年9月4日付
10月8日の営業店舗総数ではありません

量り売りの基本料金

620円

税込・スープ+春雨
トッピング料金は別途

具材の量に応じた料金

3.1円/g

税込・量り売り方式
店舗により注文方式が異なります

店舗数・料金の根拠:[4][5]

調査日:2026年10月8日対象ブランド:七宝麻辣湯(チーパオマーラータン)分析期間:2016~2026年

企業の現状と成長実績

七宝麻辣湯は2007年に渋谷で創業した店舗ブランドです。2024年の発表では、ダイニングイノベーションがマスターライセンスを持ち、FC展開を進める立場であると説明しています。各店舗の運営主体や加盟店を含むブランド全体と、同社の企業業績は区別して扱います。[1][2]

2024~2026年の公表指標

ブランド単独の売上高・営業利益について、直近3年の比較可能な系列は今回の調査では確認できませんでした。以下は各年の公表時点の店舗数で、年度末・年末の連続データではありません。

各年に確認できた店舗数と業績情報
年・基準日店舗数ブランド単独の売上・営業利益出典
2024年1月22日11店舗今回の調査では未確認[2]
2025年11月28日48店舗今回の調査では未確認[3]
2026年9月4日付76店舗今回の調査では未確認[4]

スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

店舗数の増加は確認できますが、既存店売上、客数、客単価の継続的な数値や、新店・既存店・M&Aによる売上寄与の内訳は揃っていません。異なる基準日の店舗数から「売上が何倍になった」とは評価しません。

FC募集資料の数値は、対象範囲を確認する

2024年のFC募集発表には、女性客の比率75%、展開店舗の坪月商50万円超との説明があります。集計期間や対象店舗の詳細が十分に示されていないため、現在の全店平均やブランド売上の推計には使いません。[2]

競合との比較:店舗網と商品体験

主要競合の公表情報
ブランド規模の参考指標商品・展開上の特徴比較上の条件
七宝麻辣湯76店舗(2026年9月4日付)具材・量・辛さを選ぶ店舗体験[4][5] 全国のブランド店舗数
福恩麻辣湯FC加盟40店舗以上(2026年7月現在)FC展開に加え、大分・鹿児島・福岡に直営店[10] 加盟数であり、営業店舗数との一致は未確認
楊国福麻辣湯国内総店舗数は今回の調査では未確認大天元の紹介では70種類以上の具材と辛さ調整[11] 紹介上の商品仕様。全店共通とは断定しない

スマートフォンでは表を横にスクロールできます。

規模指標の定義と時点が揃わないため順位は付けません。また、具材を選ぶ仕組みは競合にもあるため、それだけで独自性を説明するのは不十分です。味、案内の分かりやすさ、価格への納得、アクセスまで含めて比較する視点が実務に役立ちます。

過去10年間のマーケティング施策

過去10年を目安に、確認できた施策を整理します。初期には商品体験と立地を広げ、近年はFC展開と店舗外の商品・販促へ接点を増やした流れが見られます。目的の解釈は本記事の考察です。

  1. 2016年4月

    オフィス街への展開

    飯田橋店を開業。働く人が利用する立地への展開を開始したと、公式の沿革に記載されています。[1]

    確認できた成果・範囲:出店の事実を確認。ランチ客の獲得数などの効果は未確認。

  2. 2019年6月

    量り売りと麺の選択肢を導入

    恵比寿店で具材の量り売りを導入し、麺の種類も拡充。注文時に量や組み合わせを決められる商品体験へ変化しています。[1]

    確認できた成果・範囲:導入時期を確認。客単価や再来店率への効果は未確認。

  3. 2021年12月~2022年7月

    FCと住宅地への展開を開始

    池袋に初のFC店舗を開業。その後、学芸大学店で住宅地への出店を開始し、利用する地域・場面を広げました。[1]

    確認できた成果・範囲:開始時期を確認。立地別売上の比較データは未確認。

  4. 2024年1月

    立地検証と運営体制を踏まえFC募集を拡大

    繁華街・オフィス街・住宅地での出店検証と、研修・マニュアル等の整備を説明。首都圏と地方主要都市の出店枠を広げる方針を発表しました。[2]

    確認できた成果・範囲:会社は対象店舗の売上が好調と説明。出店枠の募集数は実際の店舗数ではありません。

  5. 2025年~2026年9月

    地方展開と地域に合わせた商品

    金沢や那覇などへ展開。那覇の開業発表では沖縄そばを選べる麺に加える予定と、開業2日間の全品半額施策を案内しています。[3][4]

    確認できた成果・範囲:出店と販促の発表を確認。値引き後の再来店や地域限定商品の成果は未確認。

  6. 導入事例:調査日現在

    会計と店舗運営を整える

    三鷹店のPOS+導入事例では、多言語対応とセルフレジを紹介。顧客が選ぶ体験を、会計や店舗運営の仕組みで支える取り組みです。[6]

    確認できた成果・範囲:インタビューでは会計待ちの解消と回転率向上を説明。全店での数値効果や導入開始日は未確認。

  7. 2026年1月・3月

    周年販促と家庭向け監修商品

    19周年に数量限定グッズを配布する企画を発表。3月にはセブン‐イレブンで冷凍の監修商品を全国に順次発売する発表がありました。[1][7]

    確認できた成果・範囲:販促と発売の発表を確認。物販購入から店舗への来店転換は未確認。

  8. 2026年8月

    調査を踏まえてデリバリーの利用を促す

    東京都在住20~49歳のデリバリー利用者1,000人への調査を受け、Uber Eatsとロケットナウで期間限定の割引施策を告知しました。[8]

    確認できた成果・範囲:Uber Eatsは初利用・1,500円以上で10%OFF、ロケットナウは2,000円以上で20%OFF。一部店舗は対象外。終了後の売上効果は未確認。

  9. 2026年10月

    ピザの監修で異業態の顧客と接点を作る

    ピザハットの監修商品3種が、Uber Eatsで10月1日から先行販売、公式サイト・アプリ等では10月8日から販売する発表がありました。[9]

    確認できた成果・範囲:販路別の開始日を確認。七宝麻辣湯への送客効果は未確認。

ブランドの訴求と、商品の効能を分ける
美容・健康への関心を意識したコンセプトは分析対象になります。一方、「痩せる」「デトックスできる」などの身体的効果は、本記事では立証された商品効果として扱いません。

フレームワーク分析

以下は確認済みの公開情報をもとにした独自分析です。企業が公表した戦略図や成果指標そのものではありません。

① STP分析

公開情報からの考察

Segmentation

食の好み、辛さへの慣れ、量や具材を調整したい程度、利用場面で分ける。

Targeting

具材を自分で選びたい人や、一人で日常的に利用したい人が対象と考えられる。女性比率の公表値だけで対象を女性に限定しない。

Positioning

好みに合わせて一杯を作れる、日常の食事としての専門店。競合にもカスタマイズがあるため、味や利用体験も位置づけの条件となる。

分析の要点:商品体験と出店先を合わせると、「誰に、どの場面で選ばれるか」が具体的になる。[1][2][5]

② 3C分析

公開情報からの考察

Customer

味の好みや食事量を調整したい需要を想定できる。デリバリー調査は東京都の利用者が対象で、全国の消費者へ一般化しない。

Competitor

同じ麻辣湯の専門店に加え、ランチや持ち帰りで選ばれる麺・スープの店が競争相手となる。比較には一杯の総額と待ち時間も含める。

Company

商品体験、FCの運営体制、店舗網、監修先との接点を組み合わせる。店ごとの案内や提供品質を揃えることも運営上の課題になる。

分析の要点:顧客が選ぶ価値と、それを安定して届ける運営を一緒に考える。[2][8][10][11]

③ 4P分析

公開情報からの考察

Product

具材・辛さ・麺を調整する麻辣湯。店舗限定品と家庭向け監修商品もあるが、店舗の商品と同じ仕様とは限らない。

Price

量り売りは税込620円+具材1gあたり3.1円。小袋売りは具材3品付きで925円。選び方や追加注文で総額が変わる。

Place

店舗、テイクアウト、デリバリーに加え、監修冷凍食品などの販路。FC展開は顧客の生活圏に接点を増やす手段と解釈できる。

Promotion

開業割引、周年グッズ、デリバリー割引、異業態との監修商品。それぞれ初回体験、再利用、認知のどれを狙うか整理する。

分析の要点:選ぶ楽しさに、価格と注文方法の分かりやすさを組み合わせる。[4][5][7][8][9]

量り売りは「基本料金」と「一杯の支払額」を分けて示す
公式の量り売り方式で具材を200g選んだ場合、620円+3.1円×200g=1,240円(税込)です。追加トッピングや麺・スープの変更は別途かかる場合があります。これは料金表からの計算例で、平均客単価ではありません。[5]

他社が参考にできる施策

以下は他社への応用提案です。KPIは七宝麻辣湯が公表した管理指標ではありません。中小企業では、選択肢を少し増やす、価格例を掲示するなど、日常の運営で試せる施策から始められます。

施策 01

選ぶ体験を商品に入れる

飲食店・惣菜店・小売店で、サイズや組み合わせを選べるようにする。

応用方法
まずは3つの基本パターンと少数の追加項目で試す。
測定するKPI
選択別の購入率、客単価、2回目利用率
実施条件
原価、提供時間、初回客の迷いやすさを確認する。
施策 02

注文前に予算が分かるようにする

量や追加項目で価格が変わる商品に、総額の例を添える。

応用方法
小・標準・多めなどの具体例と追加料金を、選ぶ場所に掲示する。
測定するKPI
価格に関する質問数、注文離脱率、購入後の満足度
実施条件
表示例と実際の会計が一致するように更新する。
施策 03

出店前に立地ごとの利用場面を検証する

飲食・美容・小売などで、オフィス街と住宅地の需要を分けて見る。

応用方法
既存店の時間帯別データや短期出店から需要を確認する。
測定するKPI
時間帯別客数、再来店、店舗別利益
実施条件
出店数を増やす前に、研修と現場の品質管理を整える。
施策 04

未利用の理由に合わせて販促する

持ち帰り・宅配・新メニューの利用促進に応用する。

応用方法
知らない、使い方が分からない、試す機会がないを短い質問で分ける。
測定するKPI
初回注文率、通常価格での再注文率、注文あたり利益
実施条件
割引費用と配達手数料を含めて採算を測る。
施策 05

提携先で知った顧客の来店を測る

地域の食品店や異業種との共同商品・企画に応用する。

応用方法
一商品・一地域から始め、専用案内やQRコードで店舗情報へつなぐ。
測定するKPI
案内の閲覧、初回来店、提携後の再来店
実施条件
使用できるブランド表現と品質の責任範囲を決める。

商品体験と、届ける仕組みを一緒に設計する

七宝麻辣湯の取り組みから参考にできるのは、顧客が選ぶ楽しさを作り、それを店舗や別の販売チャネルで届ける考え方です。自社では、選択のしやすさ、注文の分かりやすさ、再利用、採算をつなげて確認することが、施策を続ける判断に役立ちます。

参考資料・出典
  1. 創業19周年の発表と沿革ダイニングイノベーション/2026年1月16日。商品体験の変化と出店の沿革。
  2. FC募集・出店体制の拡大ダイニングイノベーション/2024年1月22日。11店舗、マスターライセンス、立地検証と運営体制。
  3. クロスゲート金沢への出店発表クロスゲート金沢/2025年11月28日。全国48店舗を記載。
  4. 那覇久茂地店の出店発表ダイニングイノベーション/2026年8月20日。76店舗(9月4日付)、地域限定商品と開業販促。
  5. 公式メニュー・注文方法七宝麻辣湯/2026年10月8日確認。料金、量り売り・小袋売り・モバイルオーダーの違い。
  6. POS+セルフレジ導入事例ポスタス/発表日記載なし、2026年10月8日確認。三鷹店へのインタビュー。導入27店舗は2025年6月現在の記載。
  7. 冷凍食品の初監修セブン‐イレブン・ジャパン/2026年3月10日。3月17日から全国で順次発売。
  8. 夏のデリバリー販促と利用者調査ダイニングイノベーション/2026年7月31日。調査対象と8月のキャンペーン条件。
  9. ピザハットの監修商品日本ピザハット/2026年10月1日。販売チャネルごとの開始日。
  10. 福恩麻辣湯の事業紹介TPS/2026年10月8日確認。FC加盟40店舗以上(2026年7月現在)。
  11. 楊国福麻辣湯のブランド紹介大天元/2026年10月8日確認。具材と商品体験。国内店舗数の同一時点の総数は未確認。

ブランド単独の売上・営業利益の3年系列、同一基準日の店舗数系列、既存店売上・客数・客単価、広告媒体別の獲得効果は今回の調査では揃っていません。施策の発表と実施後の成果は区別し、企業発表だけで全店の効果を断定していません。2026年9月4日付の76店舗は発表資料の記載であり、調査日現在の営業店舗総数を再集計した値ではありません。一般用語の解説用参考リンクは省略しています。

小形 洸太

この記事を書いた人

小形 洸太

マーケティングプロデューサー、集客コンサルタント。大学卒業後、店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入支援業務に従事。その後、2009年からコンサルティングを提供開始。助言だけではなく、対策もできるコンサルタントとして活動。主に、マーケティング関連のディレクション業務を行い、オウンドメディア運用、SNSキャンペーン、実店舗の集客支援を実施。

集客の専門家として、ミラサポや信用保証協会専門家、商工会専門家などの立場で事業主向けに助言業務を実施。また、リクルートや第一興行のメディアでSNSを使った集客の記事の監修。

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