「食べログをやめたい」そんな飲食店が解約前にチェックしたい判断基準

最初に結論

予約手数料を減らしたいという理由で食べログをやめるなら、解約する前に、直予約の受け皿と新規集客の代替手段を整えましょう。

食べログ以外で同じだけの新規客を集めるには、広告費だけでなく、情報発信や運用の手間がかかる場合があります。総費用が変わらないのであれば、少ない手間で予約を獲得できる食べログを残した方がよいケースもあります。

「予約が入るたびに手数料がかかる」「常連さんの予約にも費用が発生する」。毎月の請求額を見て、食べログをやめたいと考える飲食店オーナーや責任者もいるでしょう。

予約手数料を圧縮したいという考えは自然です。ただし、食べログへの集客依存が大きいほど、費用を減らす判断が売上の減少につながるおそれがあります。まずは既存客の予約を自社の窓口へ分散し、その後も食べログがどれだけ新規客を連れてきているかを確認することが大切です。

食べログをやめたいと感じるのは、予約のたびに費用がかかるから

食べログのネット予約では、来店人数に応じた従量料金が発生します。PRサービスなども利用している場合は、契約に応じて基本料金と従量料金の両方がかかります。予約を多く獲得できるほど、請求額も大きくなる構造です。食べログ公式の料金説明

特に気になりやすいのは、すでに店舗を知っているお客様の再予約です。新しく店を見つけてもらった予約と、何度も来店している常連客の予約では、店舗側が感じる手数料の意味が違います。

初めて店を知ったお客様の予約

比較・検討の場で見つけてもらい、来店につながった費用として評価します。やめた後に、同じお客様との接点をつくれるかが課題です。

すでに店を知っているお客様の予約

予約しやすい公式窓口があれば、直予約に移る余地があります。まず見直したいのは、この再予約の受け方です。

ただし、「食べログ経由の予約=すべて食べログが獲得した新規客」ではありません。反対に、食べログで店を知り、公式サイトや電話から予約するお客様もいます。予約経路と、店を知ったきっかけを分けて把握しましょう。

手数料が高いからといって、すぐにやめない方がよい理由

別の方法で新規客を集めるにも、費用と手間がかかる

公式サイトを作れば、食べログの予約がそのまま移るわけではありません。店名を知らない人に見つけてもらうには、Googleマップの情報整備、SNSを活用した飲食店集客、広告、地域での認知づくりなどが必要です。

SNSの投稿自体に料金がかからなくても、写真撮影、企画、投稿、問い合わせ対応には時間を使います。外注すれば委託費が発生し、自分で行えばオーナーやスタッフの作業時間が必要になります。

比較するのは「食べログの請求額」と「同じ集客を補うための総費用」です。広告費だけでなく、予約システム代、制作費、外注費、店舗側の作業時間も含めて考えます。

たとえば、食べログの費用が月5万円で、代わりの広告・システム・運用作業にも月5万円相当がかかるとします。同程度の新規客数と売上を獲得できるなら、日々の手間が少ない方法を選ぶ合理性があります。これは仮の比較であり、代替費用が必ず同額になるという意味ではありません。

予約機能を止めることと、露出を減らすことでは影響が違う

「食べログをやめる」には、ネット予約を止める、PRサービスを解約する、店舗会員を退会するなど、異なる手続きがあります。何を止めるかによって、予約の受け皿や利用できる機能への影響も変わります。

費用を見直す際は、契約内容を確認し、新規集客に役立っている部分まで一度に外す必要があるかを検討しましょう。公式サイトへの移行が進んでいても、まだ店を知らない人との接点まで代替できているとは限りません。

食べログをやめる前に進めたい4つのステップ

ステップ1:従量の送客手数料がかからない予約窓口を用意する

最初に、飲食店向け予約システムを導入し、自社で予約を受けられる窓口を用意します。選ぶ際は、公式サイトやLINEからの予約に、人数・件数に応じた送客手数料がかからないかを確認してください。

「送客手数料なし」でも、月額料金、初期費用、決済手数料、SMS送信料などが必要な場合があります。月間の予約人数をもとに、現在の費用と導入後の総額を比べましょう。

  • スマートフォンで空席確認から予約完了まで進めるか。
  • コース、人数、席の希望、キャンセル条件を分かりやすく案内できるか。
  • 食べログや電話予約と在庫を一元管理できるか。連携できない場合は、誰がどのタイミングで席数を更新するか。
  • 予約経路別に件数や来店実績を確認できるか。

窓口を増やしても、二重予約や確認漏れが増えれば現場の負担になります。まずは店舗側の管理とお客様の予約操作を試し、無理なく運用できる状態を作ります。

ステップ2:公式サイトを開設し、店選びに必要な情報をそろえる

公式サイトは、食べログで確認していた情報を自分の店の言葉で伝える場所です。すでにサイトがある店舗は、新しく作り直す前に、情報の不足や古さを点検しましょう。

そろえる情報お客様が判断できること
メニュー・税込価格・コース内容・追加料金予算に合うか、何を食べられるか
料理・外観・店内・席の写真入りやすいか、利用したい場面に合うか
個室・席数・貸切条件・子連れ対応人数や同行者に合った使い方ができるか
営業時間・定休日・住所・アクセス・支払い方法いつ、どのように利用できるか
空席確認・予約ボタン・キャンセル条件希望日に予約できるか、変更時にどうすればよいか

店舗の魅力だけを並べるより、「接待で使える個室はあるか」「子どもと入れるか」「コース以外に費用はかかるか」といった具体的な疑問に答える方が、予約の判断に役立ちます。口コミの転載ではなく、自店の写真と説明で情報を充実させましょう。

公開後は、GoogleビジネスプロフィールやSNSの公式サイト・予約リンクも整理します。サイトを開設することと、サイトへ人を集めることは別の作業です。

ステップ3:LINE公式アカウントやアプリから、既存客の直予約を増やす

来店したお客様が次回は直接予約できるよう、LINE公式アカウントを活用した集客を進め、予約ボタンを設けます。会計時の案内、卓上のQRコード、ショップカードなどから、希望するお客様に登録してもらいましょう。

たとえば、「次回のご予約は、こちらから空席を確認できます」と伝えれば、店舗側の費用事情を説明せずに利用方法を案内できます。季節のメニューや営業日の案内にも予約先を添えると、再来店のきっかけと予約の操作をつなげられます。

アプリは開発・利用料に加えて、インストールしてもらう手間もあります。まずLINEなどで予約導線を整え、会員証や特典管理などが必要になった段階でアプリを検討する進め方もあります。値引き特典を設ける場合は、減らせた手数料以上に費用がかからないかを確認します。

直予約への案内は、次回以降の予約を対象に進めます。成立済みの食べログ予約を手数料回避のために取り消して取り直す運用にせず、お客様が使いやすい窓口を選べるようにしましょう。

ステップ4:移行後の予約数と新規客数を測ってから判断する

直予約の仕組みを整えたら、食べログ経由の予約がどれだけ残り、それが誰の予約なのかを確認します。目安として導入前後の各2〜3カ月を比べ、繁忙期・閑散期、営業日数、価格改定、イベントの影響を分けて見ましょう。季節差が大きい店舗は前年同時期も参考にします。

毎月見る数字確認する目的
食べログ・直予約それぞれの予約組数、実来店人数、売上予約が移ったのか、来店そのものが減ったのかを区別する
初回来店客数と、店を知ったきっかけ食べログが新規集客に担う役割を把握する
既存客の直予約数・再来店数継続的に再予約を受けられているかを見る
食べログ費用と、直予約側の費用・作業時間費用が別の場所に移っただけになっていないかを見る
店舗全体の売上・利益・曜日別の空席費用削減が経営の改善につながっているかを見る

来店時に「当店を最初に知ったきっかけ」を簡単に聞き、予約経路とは別に記録すると、食べログを見た後で直予約したお客様も把握しやすくなります。組単位で集計する場合は、新規客の割合も組数で統一し、人数と混ぜないようにします。

ROASが300%未満でも、食べログをやめてよいとは限らない

ROASは、広告費に対してどれだけ売上があったかを見る指標です。この記事では、食べログ経由の実来店売上を、食べログの基本料金・従量料金・対象オプションの合計で割った値として扱います。売上と費用は、税込・税抜の基準をそろえます。

食べログの費用対効果を見る計算

ROAS(%)= 食べログ経由の実来店売上 ÷ 食べログの費用 × 100

例:月間売上12万円 ÷ 月間費用5万円 × 100 = 240%

ROASが300%なら、費用1円に対して売上3円です。ただし、売上から食材費などを引いた利益率は店ごとに異なるため、300%を全店舗共通の継続・解約の基準にはできません。初回来店後にどれだけ再来店するかによっても評価は変わります。

毎月の新規客の3割超を食べログに頼っているなら、縮小は慎重に進める

たとえば、毎月の新規客が100人で、そのうち35人が食べログをきっかけに来店しているなら、新規集客の35%を食べログが担っています。ROASが300%を下回る240%でも、食べログをやめた後に別の集客経路で35人分を補えなければ、新規客の減少を実感する可能性があります。

ROASだけで解約を決めず、食べログが連れてきている新規客を、ほかの集客方法で補えるかまで確認しましょう。

逆に、食べログ経由の予約が多くても、その大半が店名を知っている既存客で、直予約へ無理なく移行できるなら、費用を圧縮できる可能性があります。見るべきなのは、予約数だけでなく「食べログがなくても来店につながるか」です。

食べログをやめる前にチェックしたい3つの項目

1.食べログ以外にも、店舗を見つけてもらえる場所があるか

公式サイト、Googleマップ、SNS、地域メディアなどで、店名を知らない人とも接点ができているでしょうか。アカウントが存在するだけでは不十分です。閲覧、問い合わせ、予約、初回来店までつながっているかを確認します。

店名検索からの直予約が増えていても、最初に店を知る場所が食べログに偏っているなら、新規集客の代替はまだ進んでいません。

2.店の特徴が伝わり、継続的に話題や紹介が生まれているか

「何を食べるならこの店か」「どんな場面で選ばれる店か」が伝わり、店名で探される状態かを点検します。看板料理、接客、空間などの特徴が、お客様の投稿や知人への紹介につながっているかも手がかりです。

一度だけSNSで話題になったことよりも、店名検索や紹介での来店が継続していることが重要です。投稿への反応が多くても、予約につながっていなければ代替できているとは判断できません。

3.固定客の再予約で、必要な売上を支えられているか

常連客がいることと、必要な予約が安定して入っていることは別です。週末だけでなく平日も含め、固定客の再予約と他経路の新規客で、目標売上に必要な席数を埋められているかを確認します。

固定客も転勤や生活の変化で来店が減ることがあります。今月の予約が十分でも、新規客との接点を残す必要がないとは限りません。

判断の目安
  • 代替集客が弱い:食べログを継続し、先に直予約と既存客の再来店導線を整える。
  • 直予約は増えたが、新規客は食べログに依存:新規集客に必要な機能を見極め、契約上可能な範囲でプランや使い方を見直す。
  • 他経路の新規客と固定客で必要な集客を維持:契約条件を確認し、縮小・解約を検討する。変更後も店舗全体の来店数と利益を追う。

解約すると決めたら、契約の種類と手続き期限を確認する

食べログの店舗向けサービスは、契約の種類によって更新期間や手続きが異なります。最初に管理画面で契約名・契約満了月・申込先を確認してください。

  • ネット予約サービス:公式ヘルプでは1カ月単位の自動更新で、毎月9日までの手続きによる月末の継続停止が案内されています。
  • PRサービス:公式ヘルプでは6カ月・12カ月パックが案内され、原則として契約最終月の9日までが継続解除の申し出期間です。
  • 集客サービス:契約期間の定めがあり、公式ヘルプでは原則として期間途中の解約はできないと案内されています。プラン別に更新停止の時期を確認します。

専用窓口への連絡だけでなく、案内される確定手続きが必要です。通常の申し出期間を過ぎた場合の取り扱いも公式ヘルプにあるため、期限を過ぎた場合は早めに窓口へ確認してください。代理店経由の契約は、契約先の代理店へ相談します。

手続きの確認先:食べログ店舗会員ヘルプ「契約内容の確認・変更」から、契約中のサービスの解約案内をご確認ください。

解約後の予約対応と、店舗会員の退会は分けて考える

サービス終了時点で将来の予約が入っている場合、その予約分の従量料金は後から請求されることがあります。受付済みの予約内容、来店予定日、最終請求の見込みを確認し、予約対応を引き継ぎましょう。食べログ公式の請求説明

また、無料の店舗会員を退会しても、店舗ページは原則として削除されません。退会すると管理画面での編集ができなくなるため、費用削減のためのサービス解約と、店舗情報を管理する会員の退会は分けて判断してください。食べログ店舗会員ヘルプ「退会する」

食べログをやめる判断は、予約を分散してからでも遅くない

食べログの手数料が負担なら、まずは自社予約システムと公式サイトを整え、LINE公式アカウントなどから既存客の直予約を増やしましょう。そのうえで、食べログが担っている新規集客と、他の方法で補う費用・手間を比較します。

目指すのは、手数料をゼロにすることではなく、必要な集客を維持しながら店に残る利益を増やすことです。食べログを残す・縮小する・やめるのどれがよいかは、予約の分散後の実績から判断しましょう。

小形 洸太

この記事を書いた人

小形 洸太

マーケティングプロデューサー、集客コンサルタント。大学卒業後、店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入支援業務に従事。その後、2009年からコンサルティングを提供開始。助言だけではなく、対策もできるコンサルタントとして活動。主に、マーケティング関連のディレクション業務を行い、オウンドメディア運用、SNSキャンペーン、実店舗の集客支援を実施。

集客の専門家として、ミラサポや信用保証協会専門家、商工会専門家などの立場で事業主向けに助言業務を実施。また、リクルートや第一興行のメディアでSNSを使った集客の記事の監修。

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