飲食店が直予約を増やすには?予約手数料を減らすための戦略

最初に結論

飲食店が直予約を増やすには、Googleマップ、SNS、自社サイト、LINEなどの予約経路をまとめて整え、すべての経路を公式予約ページへつなぐことが重要です。

今後はChatGPTなどのAIを使って飲食店を探す人も増えると考えられます。しかし、AIだけを対象にした特別な対策を行えばよいわけではありません。

Googleビジネスプロフィール、自社サイト、SNSなどで正確で詳しい店舗情報を継続的に発信し、どの経路から店舗を知った人でも、スマートフォンから迷わず予約できる状態を作ることが直予約の増加につながります。

グルメサイトは、新しいお客様に店舗を知ってもらうための重要な媒体です。一方で、ネット予約が増えるほど、予約手数料の負担も積み上がります。

例えば、グルメサイトによってはディナー予約で来店者1人あたり約200円の手数料が発生します。予約されたコースの販売金額に対して、一定割合の成果報酬が発生するサービスもあります。

そのため、グルメサイトをすべてやめるのではなく、新規顧客との接点として活用しながら、Google、公式サイト、SNS、LINEなどから入る直予約の割合を高めることが大切です。

飲食店の直予約はどのくらい増えている?

株式会社エビソルが提供した「ebica」の予約データによると、2024年9月時点では、全予約のうちネット予約が67%を占めています。さらに、ネット予約のうち48%が、グルメサイトを介さないダイレクト予約でした。

ebica予約データ・2024年9月
全予約に占めるネット予約 67%
ネット予約に占める直予約 48%

67% × 48% = 約32%
全予約のおよそ3件に1件が直予約

ここで注意したいのは、48%が全予約に占める割合ではないことです。ネット予約67%のうち48%が直予約なので、全予約に占める直予約の割合は単純計算で約32%となります。

店舗の知名度やリピーター比率、公式サイトの集客力などによって結果は変わりますが、直予約はすでに補助的な経路ではなく、主要な予約経路の一つになっていると考えられます。

詳しいデータの読み方は、飲食店の予約を効率化する方法でも解説しています。

飲食店における4つの直予約経路

1

Google検索・Googleマップ

「地域名+料理名」「駅名+個室」「近くのランチ」などで店舗を見つけた人を、公式予約ページへ誘導します。

2

SNS・自社サイト

Instagramなどの投稿や店舗の公式ページを通じて、メニューや店内の雰囲気を確認した人から予約を獲得します。

3

LINE・メールマガジン

来店経験のあるお客様に再来店のきっかけを作り、グルメサイトを介さず予約してもらいます。

4

ChatGPTなどのAI

利用目的や好みに合う飲食店としてAIに紹介された際に、公式サイトの店舗ページから予約につなげます。

重要なポイント
AI経由の予約だけを増やす独立した対策があるわけではありません。AIが店舗を理解し、利用者へ紹介するためにも、Google、自社サイト、SNSなどに正確で具体的な情報が存在することが前提になります。

直予約を増やすための具体的な対策

1.Googleビジネスプロフィールを正確に整える

Google検索やGoogleマップから直予約を増やすには、Googleビジネスプロフィールに正確な店舗情報を登録します。

営業時間や電話番号だけでは十分ではありません。「中華料理店」「居酒屋」といった大きな業態だけでなく、提供している料理や利用目的が伝わる情報まで掲載しましょう。

  • 通常営業時間と祝日などの特別営業時間を正しく登録する
  • 料理名、コース名、価格、料理の特徴を具体的に掲載する
  • 個室、貸切、子ども連れ、アレルギー対応などの情報を掲載する
  • 外観、店内、座席、料理、ドリンクの写真を揃える
  • 公式予約ページにつながる予約リンクを設定する

例えば「中華料理」という情報だけでなく、「麻婆豆腐」「北京ダック」「個室で利用できるコース」などの具体的なメニュー情報を掲載すると、料理名や利用目的を含む検索との接点を増やせます。

口コミは高評価の依頼ではなく、投稿数と具体性を重視する

口コミを増やす際は、高い評価を付けてもらうことを条件にしたり、満足したお客様だけを選んで依頼したりするのではなく、幅広いお客様に公平に投稿をお願いします。

「実際に注文した料理や利用した場面について、率直な感想をお寄せください」と案内すると、料理名や接客、店内の雰囲気などが伝わる具体的な口コミが集まりやすくなります。

2.Instagramを店舗のカタログとして運用する

Instagramでは、料理や店内の雰囲気を画像や動画で確認してから店舗を選ぶ人が少なくありません。投稿を一時的な告知で終わらせず、店舗の特徴を一覧できるカタログとして蓄積します。

  • 店舗名と料理名を投稿文に自然に入れる
  • メニュー、価格、提供時間を分かりやすく記載する
  • 地域名、駅名、店舗名、メニュー名のハッシュタグを使う
  • 店内、個室、カウンター、外観など利用前に知りたい情報を載せる
  • プロフィールと投稿から公式予約ページへ移動できるようにする

ハッシュタグだけに頼らず、投稿文やプロフィールにも店舗名、地域名、料理名を明記することが重要です。予約方法を毎回探させないように、プロフィールの目立つ位置へ予約リンクを設置しましょう。

3.自社サイトの店舗ページを充実させる

複数店舗を運営している場合、会社全体の紹介ページだけでなく、各店舗の個別ページを用意します。検索やAIから紹介されたユーザーが、予約前に必要な情報を一つのページで確認できる状態が理想です。

  • 店舗のコンセプトと他店との違い
  • 料理、ドリンク、コースの内容と価格
  • 店内の雰囲気、席の種類、個室の有無
  • 営業時間、定休日、住所、最寄り駅
  • 駐車場、支払い方法、子ども連れへの対応
  • 貸切、記念日、接待、団体利用への対応
  • キャンセルポリシーと予約時の注意事項

店舗ページには、画面上部とページ下部の分かりやすい位置に予約ボタンを設置します。スマートフォンで読みやすく、ボタンを押してから少ない操作で予約を完了できることも重要です。

予約ボタンを設置するだけでは不十分です。
ページの表示が遅い、予約画面で入力項目が多い、外部サイトへ移動したことが分かりにくいといった問題があると、予約の途中で離脱されます。実際にスマートフォンから予約し、完了までの流れを確認しましょう。

4.LINEやメールでリピーターの直予約を増やす

すでに店舗を知っているリピーターが、毎回グルメサイトから予約している場合は、直予約へ切り替えられる余地があります。

店内の案内や会計時のカード、レシート、公式サイトなどでLINE公式アカウントを案内し、リッチメニューから予約できるようにします。

季節限定メニュー、コースの変更、記念日プラン、空席情報など、再来店する理由と予約リンクをセットで配信すると効果的です。ただし、配信回数を増やしすぎるとブロックや配信停止につながるため、店舗側の都合だけでなく、お客様に役立つ情報を中心に配信します。

5.AIに紹介された後の予約導線を整える

ChatGPTなどのAIサービスでは、質問内容に加え、サービスの機能や設定によっては、過去の会話や利用者が伝えた好みが提案に反映される場合があります。

例えば、利用者が以前から「静かな店」「女性同士で利用しやすい店」「個室がある店」を探していれば、その条件に合う店舗が候補になる可能性があります。

ただし、店舗情報を一度発信しただけで、すぐにすべてのAIへ反映されるとは限りません。AI対策だけを切り離して考えるのではなく、次のような情報を公式サイトやGoogleビジネスプロフィールで継続的に整備します。

  • どのような料理を提供しているのか
  • どのような利用目的に向いているのか
  • 価格帯やコース内容はどうなっているのか
  • 個室、駐車場、子ども連れなどに対応しているか
  • どこから、どのような手順で予約できるのか

AIが公式サイトの店舗ページを案内した場合、そこから迷わず直予約できる状態を作ることが、AI経由の予約を売上につなげるポイントです。

直予約を受け付ける予約管理システム

直予約の入口を増やすと、電話、Google、公式サイト、SNS、グルメサイトなど、複数の経路から予約が入るようになります。

予約を別々に管理すると、転記漏れやダブルブッキングが起きやすくなるため、予約台帳や空席情報をまとめて管理できるシステムを検討しましょう。主な候補として、ebicaとTableCheckが挙げられます。

比較項目 ebica TableCheck
主な特徴 グルメサイト、電話、公式サイトなど、複数経路の予約を一つの台帳で管理しやすい 公式予約、顧客管理、多言語対応、キャンセル対策などを重視した設計
直予約 自社サイト、SNS、Googleなどから専用予約フォームへ誘導できる 公式サイトやSNSから送客手数料のかからない公式ウェブ予約を受け付けられる
予約の一元管理 グルメサイトコントローラーを利用し、複数媒体の予約や空席をまとめて管理できる 予約台帳を中心に予約と顧客情報を管理。利用媒体に応じて連携内容の確認が必要
ノーショー対策 予約確認・来店前のリマインド配信や、連携サービスによる事前決済などを活用できる カード情報の入力、事前決済、キャンセルプロテクションなどに対応
向いている店舗 複数のグルメサイトや電話予約を含め、予約業務全体を効率化したい店舗 高単価店、インバウンド対応店、顧客管理やキャンセル対策を重視する店舗

ebicaが向いている飲食店

ebicaは、グルメサイト、電話、公式サイト、Googleなどから入る予約をまとめて管理したい店舗に向いています。複数の予約経路を運用しながら、空席管理や予約情報の転記にかかる負担を減らしたい場合に検討しやすいシステムです。

TableCheckが向いている飲食店

TableCheckは、公式ウェブ予約に加え、多言語対応、顧客情報の蓄積、事前決済やカード情報を使ったキャンセル対策を重視する店舗に向いています。高級レストランやホテル内レストラン、インバウンド利用が多い店舗でも検討しやすいでしょう。

料金は総額で比較しましょう。
両サービスとも、店舗数、必要な機能、外部サービスとの連携などによって費用が変わります。月額料金だけでなく、初期費用、連携費用、決済手数料、SMS料金、サポート範囲を含めた総額で比較することが重要です。

直予約を増やすために確認したい指標

直予約を増やす目的は、単に予約フォームの利用件数を増やすことではありません。予約数を維持しながら手数料と現場負担を抑え、店舗に利益を残すことが目的です。

  • 予約全体に占める直予約の割合
  • 予約1件または来店者1人あたりの獲得費用
  • 公式サイトから予約画面へ進んだ割合
  • 予約画面を開いた人の予約完了率
  • Google、SNS、LINEなど経路別の予約件数
  • 直前キャンセルと無断キャンセルの割合
  • 新規顧客とリピーターの直予約比率

毎月、予約経路別の件数と費用を集計すると、どの対策が直予約につながっているのかを判断しやすくなります。

まとめ

飲食店が直予約を増やすには、特定の媒体だけに力を入れるのではなく、Googleマップ、SNS、自社サイト、LINE、AIから公式予約ページへつながる仕組みを作ることが重要です。

  • Googleビジネスプロフィールに正確で具体的な店舗情報を登録する
  • Instagramをメニューや店内を確認できるカタログとして運用する
  • 自社サイトの店舗ページを充実させ、スマートフォンから予約しやすくする
  • LINEやメールを活用し、リピーターの直予約を増やす
  • AIだけを対象にせず、AIが参照できる公式情報を継続的に整える
  • 予約管理システムを導入し、予約経路が増えても一元管理できるようにする

グルメサイトは新規顧客との接点として活用しながら、店舗名を知っている人やリピーターを直予約へ誘導します。すべての予約経路を連携させ、予約件数を落とさずに手数料の割合を下げていきましょう。

小形 洸太

この記事を書いた人

小形 洸太

マーケティングプロデューサー、集客コンサルタント。大学卒業後、店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入支援業務に従事。その後、2009年からコンサルティングを提供開始。助言だけではなく、対策もできるコンサルタントとして活動。主に、マーケティング関連のディレクション業務を行い、オウンドメディア運用、SNSキャンペーン、実店舗の集客支援を実施。

集客の専門家として、ミラサポや信用保証協会専門家、商工会専門家などの立場で事業主向けに助言業務を実施。また、リクルートや第一興行のメディアでSNSを使った集客の記事の監修。

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