「ドタキャンが多くて困っている」飲食店向けにおすすめする対策方法とは?

飲食店のドタキャン対策では、予約時にキャンセルの条件を取り決め、キャンセル料を請求できる仕組みを整えたうえで、来店前に予約内容を確認することが重要です。
予約確認で来店忘れを減らすことはできますが、それだけですべてのドタキャンを防げるわけではありません。キャンセルが発生した場合も想定して、席や食材、準備にかけた労力を守れる予約の受け方にしておきましょう。
- キャンセル料と人数変更の条件を決め、予約時に同意を得る。
- カード登録やキャンセル料の請求に対応した仕組みを整える。
- 仕入れや仕込みの前に、予約日時と人数を確認する。
ドタキャンが多いと、飲食店にはどのような損失が生じる?
ドタキャンには、来店直前に連絡が入るキャンセルと、連絡なく来店しない無断キャンセルがあります。このうち、無断キャンセルは「ノーショー」と呼ばれます。
飲食店は予約を受けると、その時間の席を確保し、人数に合わせて仕入れや仕込みを進めます。団体予約であれば、スタッフを増やして対応することもあるでしょう。
ところが、直前にキャンセルされても、その席をすぐに別のお客様で埋められるとは限りません。用意した料理や食材をほかに使えず、廃棄する場合もあります。
- 予約席を販売できず、予定していた売上を失う
- 仕入れた食材や仕込みが無駄になる
- 準備にかけた人件費を回収できなくなる
- 予約を優先して断った、ほかのお客様の来店機会を失う
例えば、1人5,000円のコースを10人で予約していた場合、予定売上は5万円です。無断キャンセルになれば、その売上を失うだけでなく、すでに進めた仕入れや仕込みの負担も店舗に残ります。
そのため、ドタキャンをお客様のマナーの問題だけで終わらせず、経営上の損失として対策する必要があります。
対策1.キャンセル料と人数変更の条件を予約時に取り決める
最初に整えるのは、キャンセルポリシーです。キャンセルした場合に、いつから、いくらの負担が発生するかを明確にします。
予約されたコース料金を基準に、負担する金額を明示する
予約されたコース料金は、無断キャンセル時に全額をキャンセル料として請求できる場合があります。
例えば、1人5,000円のコースを10人で予約する場合、「無断キャンセルはコース料金の100%」という条件を説明し、同意を得ていれば、5万円を請求する根拠になります。
また、人数が減った場合の条件も必要です。10人の予約が当日8人になったとき、減った2人分をどう扱うのかまで決めておきましょう。
| 項目 | 記載例 |
|---|---|
| 発生時期と割合 | ご予約日の○日前の○時以降は、コース料金の○%を申し受けます。 |
| 無断キャンセル | 無断キャンセルの場合は、コース料金の100%を申し受けます。 |
| 人数の減少 | 人数が減る場合も、上記の期限以降は、減った人数分に対して同じ割合のキャンセル料が発生します。 |
| 連絡方法 | ご予約の変更・キャンセルは、○○までご連絡ください。 |
期限と割合は、自店の仕入れや仕込みに合わせて設定する
上の表は記載の形を示す例です。「100%」と書けば、どんな場合でも全額請求できるわけではありません。
早い時期のキャンセルまで一律に全額請求するのではなく、自店の仕入れや仕込みの時期、ほかのお客様に提供できる食材などを踏まえて、期限と割合を設定します。法律上も、その事業者に生じる「平均的な損害」を超える部分は無効になります。
また、5,000円のコースしか予約されていないのに、「高級なワインも注文したはず」と考えて、根拠なく請求額を増やすことはできません。
席のみの予約についても、料理の注文が決まっていないから請求できないとは限りません。ただし、コース予約とは分けて、自店の平均客単価や損害を踏まえた料金と算定根拠を用意する必要があります。
条件を決めたら、予約が成立する前に提示しましょう。ホームページに掲載するだけでなく、予約画面や電話受付でも案内し、お客様の同意を得て記録に残すことが大切です。
対策2.キャンセル料を請求できる予約システム・サービスを利用する
キャンセルポリシーを設けても、請求をすべて手作業で行うと、連絡や入金確認に時間がかかります。こうした負担を減らす方法が、カード登録に対応した予約システムや、キャンセル料の請求を支援するサービスの利用です。
TableCheckと、Paynに連携したebicaの違い
| サービス | キャンセル対策の仕組み |
|---|---|
| TableCheck | 予約時にクレジットカード情報を取得し、キャンセル発生時にキャンセル料の請求を試みられる。事前決済にも対応。 |
| ebicaとPaynの連携 | キャンセル予約の情報を連携し、発生後の請求書作成、メッセージ送信、支払いのリマインドなどを効率化する。 |
TableCheckの「キャンセルプロテクション」は、団体予約や特定のメニューなど、対象を設定して利用できます。ebicaとPaynの連携は、キャンセル発生後の請求・回収業務の負担を減らす仕組みです。
TableCheckの導入を検討する場合は、TableCheckの機能・料金・連携POSレジの解説も参考にしてください。
導入前には、対応する予約経路と総額を確認する
- 電話やグルメサイトなど、自店が受け付けている予約経路でも利用できるか
- 予約時のカード登録と、キャンセル後の請求のどちらが自店の運用に合うか
- 利用に必要な契約・設定と、月額費用や手数料はいくらか
- お客様の同意や、予約・請求の履歴をどのように残せるか
サービスを導入しても、キャンセル料を必ず回収できるとは限りません。予約時の条件提示と同意、請求の仕組みをセットで整えることが大切です。
すべての予約への導入が難しければ、団体予約や高額コースなど、キャンセル時の損失が大きい予約から始める方法もあります。
予約管理や電話対応も含めて比較したい場合は、飲食店向け予約システムの比較と選び方をご覧ください。
対策3.仕入れや仕込みの前に、日時と人数を確認する
キャンセル料への備えと並行して、来店忘れや日時の勘違いを減らすために、予約確認を行います。
確認のタイミングは、自店の仕入れや仕込みに合わせましょう。例えば、団体予約の専用食材を2日前に発注するのであれば、その発注前に人数変更の有無を確認します。
- 来店日時
- 予約人数
- コースや予約した料理
- キャンセル料が発生する期限
- 変更・キャンセルの連絡方法
「ご来店をお待ちしています」だけでなく、予約内容と変更方法を一緒に伝えると、お客様も間違いや変更に気づいた時点で連絡しやすくなります。
予約件数が多い場合は、リマインドメッセージの自動送信が役立ちます。例えば、TableCheckには、来店前にSMSやメールで予約確認を自動送信する機能があります。
団体予約など、影響の大きい予約は必要に応じて電話でも確認しましょう。ただし、確認メッセージに返信がないという理由だけで、キャンセルになったと判断しないようにします。
予約システムを使わずにできるドタキャン対策はある?
予約システムがなくても、予約内容を文面に残す、来店前に確認する、団体予約では予約金を受け取るといった対策はできます。
電話による口約束でも、合意内容によって契約は成立します。ただし、記録がなければ、「何人で予約したのか」「キャンセル料について説明を受けたのか」といった点で、認識の違いが生じやすくなります。
電話予約が中心の店舗では、次の流れを決めておきましょう。
予約者の氏名と、連絡の取れる電話番号を確認します。
日時・人数・コースを復唱し、キャンセル料や人数変更の条件を案内します。
同じ内容をSMSやメールで送り、同意の返信を残します。
仕入れや仕込みの前に、人数変更の有無を確認します。
団体予約などでは、飲食代への充当方法と返金条件を明示したうえで、予約金を受け取ります。
予約件数が少なければ、手作業でも運用できます。ただし、件数が増えるほど、確認漏れや記録のばらつきが生まれやすくなります。日々の受付手順も見直したい場合は、飲食店の予約管理方法と予約台帳システムの選び方も参考にしてください。
ドタキャン対策は、条件の明示・請求の仕組み・事前確認をそろえる
まずはキャンセル条件と確認手順を統一し、スタッフの負担が大きい部分から仕組み化しましょう。
導入後は、無断キャンセルの件数、食材の廃棄額、キャンセル料の回収額、確認・請求にかかる時間を記録しましょう。費用に見合う効果が出ているか、どの作業を改善すべきか判断しやすくなります。
参考資料・出典
サービスの機能・連携情報は2026年9月7日時点の確認内容です。契約時には、各社へ最新の対応範囲と費用をご確認ください。
- 消費者庁「消費者契約法第9条の逐条解説」(PDF):平均的な損害を超えるキャンセル料の扱い。
- 中小機構 J-Net21「契約書を取り交わしていないのに、契約が成立した?」:口頭による契約と記録を残す重要性。
