飲食店は儲かる?儲かりやすい業態と利益を残す店の作り方

最初に結論

飲食店で儲けることは可能です。利益を重視するなら、同じ食材費でも高い価格で選ばれる商品を、少品目・少人数で提供できる店が有力な候補になります。

具体的には、主力商品を絞った専門店や、小規模な予約制店舗などです。商品の価値を高めながら、仕入れ・仕込み・人員を管理しやすいためです。この記事では、儲かりやすい業態の考え方と、薄利と言われる飲食店で利益を残す方法を解説します。

飲食店は儲かる? 薄利でも利益を残せる店の条件

飲食店は薄利と言われます。料理を売るたびに食材と手間が必要になり、客数の少ない日も家賃や設備の費用がかかるからです。さらに、仕入れや人件費が上がっても、競合店との比較があるため、すべてを販売価格に反映できるとは限りません。

飲食店経営の教科書では、FL比率60%以内、FLR比率70%以内が目安として語られます。しかし、この水準でも、光熱費や広告費、修繕費などを払えば、利益に十分な余裕があるとは限りません。

今後のコスト高を見越すなら、従来の目安より低いコスト比率を維持できる経営を目指すことが重要です。そのためには、同じ食材費の商品でも、より高い価格でお客様に選ばれる理由を作る必要があります。専門性や味、接客、店で過ごす体験によって商品の価値を高め、それを効率よく提供できれば、利益を残しやすくなります。

儲かる店を考える軸は、高付加価値・少品目・少人数・専門性です。高い価格に納得してもらえる価値と、提供にかかる負担の両方から業態を選びましょう。

儲かりやすい飲食店の業態・ジャンルは?

候補になるのは、看板商品を中心に運営できる専門店、予約に合わせて営業する小規模店、客席の負担を抑えた持ち帰り店です。以下は利益率のランキングではなく、利益を作る仕組みから見た比較です。

業態・具体例利益を残すための設計確認したい条件
少品目の専門店
カレー・ハンバーグ・餃子など
看板商品に専門性を持たせ、食材や仕込みを共通化する。セットや追加商品も工程を増やしすぎない主力商品をその価格で買う客がいるか。調理に手間をかけすぎていないか
小規模な予約制店舗
コース中心の料理店など
料理と接客に価値を持たせ、予約数に合わせて仕入れ・仕込み・人員を調整する少ない席数でも採算が合う客単価か。集客とキャンセルへの備えがあるか
テイクアウト専門店
弁当・惣菜・菓子など
客席やホール業務を小さくし、商品を絞って製造と受け渡しを効率化する容器代や販売手数料を含めても利益が残るか。持ち帰り後も品質を保てるか
カフェ専門性のある飲料や菓子、セット、物販などで、一人当たりの購入額を設計する滞在時間と席数に対して売上が足りるか。商品を増やして仕込みが複雑にならないか
ラーメン店主力商品と調理工程を絞り、注文から提供までを効率化する競合店より選ばれる理由があるか。スープなどの仕込み時間や光熱費を見込んでいるか
居酒屋・焼き鳥店看板料理と飲料で客単価を作り、少人数の来店でも利益が残る規模にする多品目の在庫や仕込み、接客の負担を抑えられるか。宴会がない日も採算が合うか

少品目の専門店は、商品の価値と運営効率を両立しやすい

たとえばハンバーグを看板商品にするなら、肉の配合、焼き方、ソース、提供方法に店の特徴を集中できます。幅広い料理をそろえるより、何に強い店なのかを伝えやすくなります。同時に、仕入れる食材と調理工程を絞れれば、在庫、廃棄、教育の負担も抑えられます。

ただし、専門店でも一皿ごとに複雑な作業が必要なら、人件費は増えます。お客様が価値を感じる部分に手間をかけ、それ以外の作業を共通化できるかが、儲けやすさを左右します。

カフェ・ラーメン・居酒屋も、売り方によって儲けやすさが変わる

カフェは飲料の食材費だけを見ると魅力的でも、一杯で長く滞在する客が多ければ、席数に対する売上は伸びにくくなります。ラーメン店は注文や調理を標準化しやすい一方、仕込みや競合との差別化が課題になります。居酒屋は飲料で客単価を上げられても、多品目の料理や広い客席を維持する負担があります。

「このジャンルだから儲かる」と判断せず、想定する客単価で、何人に、何人のスタッフで提供する店なのかまで具体化しましょう。同じ業態でも、その組み合わせで利益は変わります。

儲かる飲食店は、同じ食材費でも高い価格で選ばれる

原価率を下げたいからといって、安い食材に替えたり、量を減らしたりすれば、店の魅力を損なうことがあります。食材費を大きく増やさずに、お客様が感じる価値を高めるという視点が重要です。

専門性・体験・伝え方で、価格に納得できる理由を作る

同じ食材でも、調理技術、香りや温度を生かした提供、料理に合う接客によって体験は変わります。「何でも食べられる店」よりも、「この料理を食べるならこの店」と思ってもらえれば、価格だけで比較されにくくなります。

その価値は来店前にも伝える必要があります。メニューや写真、店頭の案内、SNSなどで、看板商品の特徴と価格に見合う理由を具体的に示しましょう。専門性や店の雰囲気が伝われば、単に価格を載せるより、来店する理由を作れます。

高く売るための費用も含めて、利益が残るかを見る

高い価格にするために、内装や食材、スタッフを大幅に増やせば、利益が増えるとは限りません。少品目に絞って料理の完成度を高める、盛り付けを標準化するなど、運営の負担を増やしすぎずに価値を高める工夫が大切です。

また、値上げ後は一品当たりの利益だけでなく、注文数と再来店の変化も確認します。高い価格で売り続けられるかは、お客様が実際に選び、満足して戻ってくるかで判断してください。

少品目・少人数で、売上を利益につなげる

メニューは、売れ行きと仕込みの負担から絞る

注文の少ない料理のためだけに食材を仕入れると、廃棄と仕込みが増えます。商品ごとの売れ行き、食材費、調理時間を確認し、主力商品と食材を共通化できるメニューを中心に構成しましょう。

追加の一品やセットも、利益を増やす候補です。ただし、そのために仕入れや作業が増えすぎないかを確認します。同じ仕込みを生かして、お客様の満足度と購入額を上げられる商品なら、少品目の強みを保ちやすくなります。

人気が出ても、人員を大幅に増やさずに対応できるようにする

客数が増えるたびに厨房とホールの人員を増やす店では、売上が伸びても人件費が膨らみます。仕込みをまとめる、調理中の移動を減らす、注文から会計までの流れをそろえるなど、少人数でも無理なく提供できる形を作ります。

その延長にあるのが、モバイルオーダーやセルフ会計、予約管理の活用です。注文や会計にかかる時間を減らし、接客や調理に集中できれば、利益を残す助けになります。導入費用に対して、実際に作業時間や対応できる客数が改善するかを確認しましょう。

開業前に「この店は儲かるか」を確かめる4つのポイント

業態の候補が決まったら、商品の魅力と店の採算を一緒に確認します。次の4点を具体化すると、利益が出る計画かを判断しやすくなります。

  • その価格で買うお客様はいるか:誰が、どんな場面で利用する店かを決め、周辺店の価格や客層と照らし合わせる。可能なら試食販売などで反応を確かめる。
  • 必要な客数を集められるか:費用と確保したい利益から目標売上を決め、客単価と営業日数で割って必要な1日の客数を求める。席数、立地、調理能力で対応できるかを確認する。
  • 費用を払い、店主の生活も成り立つか:食材、人員、家賃に加え、決済・販売手数料、広告、修繕などの費用と、店主の生活費まで見込む。
  • 売上が少ない月も営業を続けられるか:初期投資、借入返済、手元に残す資金を確認する。満席が続くことを前提に物件や設備を決めない。

日本政策金融公庫の創業計画書セルフチェックも、売上の計算根拠、経費の漏れ、返済可能性を確認項目としています。家賃や初期投資は契約後に変えにくいため、店を借りる前に確かめることが大切です。

飲食店の儲けについてよくある質問

飲食店オーナーは、どのくらい儲かる?

月商だけでは判断できません。食材費や人件費、家賃などを差し引いても、借入返済や設備更新のために残すお金が必要です。個人経営なら、店主自身の働きに見合う生活費も確保できているかを見ます。売上の大きさと、オーナーが自由に使えるお金を分けて考えましょう。

個人経営の小さな飲食店でも儲かる?

可能です。看板商品を絞り、家賃や必要な人員を抑えられれば、小さな店でも利益を残せます。一方、店主が仕込みから接客まで抱えると、売上の上限と労働時間が課題になります。少ない席数でも採算が合う価格と、無理なく続けられる提供方法を組み合わせることが重要です。

田舎の飲食店は、家賃が安ければ儲かる?

家賃を抑えられても、必要な客数を集められなければ利益は出ません。地域の普段使いを狙うのか、遠方から目的を持って来る客を狙うのかで、商品と価格の設計が変わります。周辺人口、来店手段、駐車場、繰り返し利用する理由まで含めて検討しましょう。

まとめ:高い価格で選ばれる商品を、少人数で提供できる店へ

飲食店で儲けるには、同じ食材費でも高い価格で選ばれる価値を作り、少品目・少人数で提供することが重要です。これから業態を選ぶなら、その条件を作りやすい専門店や小規模店が候補になります。

まずは看板商品、買ってくれるお客様、販売価格を決め、その商品を何人で提供できるかを考えてください。十分な需要と効率のよい運営がそろえば、コスト高を見越して利益を残せる店づくりにつながります。

小形 洸太

この記事を書いた人

小形 洸太

マーケティングプロデューサー、集客コンサルタント。大学卒業後、店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入支援業務に従事。その後、2009年からコンサルティングを提供開始。助言だけではなく、対策もできるコンサルタントとして活動。主に、マーケティング関連のディレクション業務を行い、オウンドメディア運用、SNSキャンペーン、実店舗の集客支援を実施。

集客の専門家として、ミラサポや信用保証協会専門家、商工会専門家などの立場で事業主向けに助言業務を実施。また、リクルートや第一興行のメディアでSNSを使った集客の記事の監修。

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