AIに口コミを書かせても大丈夫?AI搭載型口コミ収集ツールの違法・ガイドライン違反リスク

最初に結論

店がAIで作った文章を、お客様が自分で書いた口コミのように投稿させる運用は避けるべきです。 特に、本人の具体的な感想がないまま文章を生成する方法には高いリスクがあります。

判断には、景品表示法のステルスマーケティング(ステマ)規制と、Googleや食べログなどの投稿ルールを分けて考える必要があります。違反の要件も、受ける措置も異なります。

ステマと投稿サイトの規約違反は、何が違う?

ステマは法律の問題、規約違反は投稿先のルールの問題です。ひとつの口コミが両方に該当することも、片方だけに該当することもあります。

確認する点ステマ(景品表示法)投稿サイトのルール
問題になる内容店が内容を決めた広告・宣伝を、独立したお客様の感想に見せかけること実体験に基づかない投稿、店による評価・内容の誘導、特典付きの口コミなど
主な措置事業者への措置命令と、その内容の公表口コミの削除、投稿・口コミ機能の制限、警告表示など

法律上ステマと判断されない口コミでも、投稿先のルールには違反する場合があります。

ステマとは? 該当する要件と罰則

ステマに該当する要件

ステマは、店が宣伝のために表示内容の決定に関与しているのに、見る人には店の広告だと分からない表示です。口コミ投稿も対象になります。判断の鍵は、感想の内容を誰が決めたかです。

  • 店が内容の決定に関与:好意的な文面を用意する、特定の評価を書くよう依頼する、第三者の投稿を都合よく編集するなど。
  • 広告だと分かりにくい:店が用意した文章を、独立した来店客の口コミとして見せるなど。

お客様が自主的に内容を決めた感想は、店が投稿をお願いしただけで直ちにステマにはなりません。実際の判断には、依頼内容、対価、店と投稿者の関係なども考慮されます。

具体的に、どのような措置や罰則がある?

ステマ告示違反が認められると、事業者には消費者の誤認をなくすための対応や再発防止を命じる措置命令が行われます。命令の内容は事業者名とともに公表されます。

段階具体的な措置
ステマ告示違反措置命令の対象。告示違反そのものには課徴金はかかりません。
別の不当表示も含む優良誤認・有利誤認などを含む場合は、別途課徴金の対象となることがあります。
措置命令に違反違反行為をした者には、2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が定められています。

公表後のブランド毀損にも注意が必要です。 消費者庁は公式サイトで措置命令を公表し、公式Xでも報道資料の更新情報を発信しています。SNSやニュースで注目を集めれば、事業者名と違反内容が一気に拡散され、深刻なブランド毀損につながる可能性があります。公開情報は後から検索されるため、影響が長く残ることもあります。

Googleや食べログは、どんな口コミを求める?

Googleマップの要件

口コミは実際の体験を反映し、真正で偏りのない内容であることが必要です。店が体験を正しく表さない投稿を促すこと、特典と引き換えに投稿させること、好意的な口コミだけを集めること、特定の内容を書くよう求めることは認められていません。違反時は口コミの削除、新規口コミの受付停止、虚偽口コミの削除を知らせる警告表示などがあり得ます。

食べログの要件

実際に食事をしたユーザーの主観的な感想・評価が基本です。店舗関係者による関係店舗への投稿、報酬や割引、無料招待を受けての投稿は認められていません。違反する口コミは修正依頼や削除の対象になります。

投稿先が変われば要件も変わります。利用するサイトの現行ガイドラインを確認してください。

AIに口コミを書かせる、3つのパターン

AIの利用方法によってリスクは変わります。特に、お客様自身の体験と評価をAIや店が作り替えていないかを確認してください。

方法判断
① AIに全文を書かせるお客様の具体的な感想がないまま店が文章を生成し、「来店客の口コミ」として出す方法。本人の体験と評価を表す投稿とは言いにくく、プラットフォーム違反の可能性が高い方法です。店が決めた広告を第三者の感想に見せかけるなら、ステマにも該当する可能性が高くなります。
② 選択式から文章を生成店が用意した「料理がおいしかった」などの選択肢からAIが口コミを作文する方法。回答が実際のものであっても、主観的な感想の表現を店側が誘導しやすい方法です。投稿先のルールに違反する可能性が大きく、店の関与の程度によってはステマも問題になります。
③ 自由記述を整えるお客様自身が書いた体験と評価を、誤字修正や読みやすい整形の範囲で支援する方法。新しい感想を足さず、否定的な部分を削らず、本人が完成文を確認して自分で投稿するなら、上の2つよりリスクは低くなります。ただし、無条件に許されるわけではありません。

安全な口コミ集めの基本

来店客に公平に投稿を案内し、評価と文章の内容はお客様に委ねましょう。 AIは口コミを「作る」ためではなく、本人がすでに書いた感想を、本人の意思を保ったまま読みやすくする補助にとどめるのが基本です。

Googleは、人が作った投稿にもAIが作った投稿にも同じポリシーを適用しています。AIを使った事実だけで一律に違反になるわけではありません。 問題は、投稿が本人の実体験と自主的な評価を正しく表しているかどうかです。

集客のカチプロからの注意喚起

口コミ収集ツール自体使うことは問題がありませんが、よく見かけるのが、AIに全ての口コミを書かせるタイプのツールと、AIに選択式アンケートから口コミを書かせるタイプのツールです。どちらも使っている証拠がツールである以上残りますので、通報が可能です。

そのため、各種罰則やGoogleマップに非表示にされる可能性がありますので、今回の記事をまとめています。

小形 洸太

この記事を書いた人

小形 洸太

マーケティングプロデューサー、集客コンサルタント。大学卒業後、店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入支援業務に従事。その後、2009年からコンサルティングを提供開始。助言だけではなく、対策もできるコンサルタントとして活動。主に、マーケティング関連のディレクション業務を行い、オウンドメディア運用、SNSキャンペーン、実店舗の集客支援を実施。

集客の専門家として、ミラサポや信用保証協会専門家、商工会専門家などの立場で事業主向けに助言業務を実施。また、リクルートや第一興行のメディアでSNSを使った集客の記事の監修。

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