来店予測AIとは?飲食店向け5製品の特徴・料金を解説

来店予測AIとは、過去の来店客数や売上に、天候・曜日・祝日・イベントなどの情報を組み合わせ、将来の来店客数を予測する仕組みです。雨の日や繁忙期の客数変動を見越して、スタッフ配置・仕入れ・仕込みを調整することで、食品ロスや過剰なスタッフ配置を抑え、欠品や提供の遅れによる機会損失の防止にも役立ちます。[1][2][4]
導入の判断では、予測した客数を使って、どの業務を改善できるかが重要です。この記事では、仕入れ・シフトへの活用方法、必要なデータ、主要5製品の特徴と料金、選び方を解説します。
来店予測AIとは?
来店予測AIは、来客予測AI、客数予測AIとも呼ばれます。過去の実績から曜日や天候と客数の関係を学び、今後の営業日や天気予報などに当てはめて、「明日は何人来るか」「どの時間帯が混みそうか」を予測します。
雨の日の客数減少や、祝日・イベント時の混雑を見越して、食材とスタッフの準備に活用できます。売上や商品別の販売数まで扱う「需要予測AI」の機能として提供される場合もあります。
製品選びでは、予測できる対象と、その先の業務支援の範囲を確認しましょう。客数の表示に加え、必要なスタッフ数や発注量まで提案するかは製品によって異なります。[1][2][4][5]
飲食店は来店予測AIをどう活用できる?
雨の日の仕入れ・仕込みを調整する
天気予報と自店の実績を踏まえて客数の減少が見込まれる日には、日持ちしない食材や売れ残りやすい商品の準備量を見直します。逆に、混雑が予想される日には、仕込み不足や品切れを防ぐための準備を進めます。
以下は運用を説明するための仮定例です。通常は100人の来店を見込む店で、翌日の予測が80人、あるメニューの注文率が30%であれば、その商品の需要は24食が出発点になります。ただし、団体予約の注文内容、残り在庫、追加調理のしやすさなども確認して準備量を決めます。
予測80人 × 注文率30% = 24食
来店客数と商品ごとの注文数は異なるため、商品別の販売実績やレシピまで扱える製品かを確認することが大切です。来店予測から実際の発注に進める際には、在庫や納品予定も判断材料になります。[2][4]
雨の日は、予測に合わせて準備量を調整するとともに、来店を後押しする施策も組み合わせましょう。雨の日限定サービスやSNSでの発信など、具体的な方法は飲食店の雨の日の集客対策で紹介しています。
時間帯ごとの繁閑に合わせてシフトを組む
シフトを組むときは、1日の合計だけでなく、時間帯別の客数を確認します。同じ100人の来店でも、ランチに集中する店と終日分散する店では、必要なスタッフ数が変わります。
ホール・キッチンの役割、スタッフの習熟度、開店準備や片づけの作業も考慮してシフトを決めます。HANZO 人件費のように、時間帯別の来客数から必要なスタッフ数の目安を提案するサービスもあります。[4]
店長の予測業務を共有し、複数店舗の判断をそろえる
AIの予測を共有すれば、店長が前年実績や天気予報を見比べる作業の負担を軽減できます。複数店舗では、本部と店舗が同じ予測を確認し、応援配置や発注の見直しを相談できます。[5]
現場だけが把握している貸切予約や近隣イベントも記録し、対応製品では予測に反映させましょう。AIの予測と現場の情報を組み合わせて運営することが、継続的な改善につながります。[4]
来店予測AIの導入を検討しやすい飲食店は?
客数の変動による廃棄や人手不足、店長の判断負担が大きい店は、導入を検討しやすいでしょう。課題と必要な機能を整理すると、比較候補を絞れます。
表は横にスクロールして確認できます。
| 店舗の課題 | 確認したい機能 |
|---|---|
| 雨や気温によって客数が変わり、仕込みが余る | 気象データを使った予測、商品別の需要予測 |
| 日持ちしない食材や作り置き商品の廃棄が多い | 販売数予測、在庫・納品予定を踏まえた発注支援 |
| ピーク時は人手不足、閑散時間はスタッフが余る | 時間帯別の客数予測、必要なスタッフ数の提案 |
| 店長しか仕入れ量やシフトを判断できない | 予測結果の共有、操作・運用サポート |
| 複数店舗で運営基準にばらつきがある | 本部での確認、既存の店舗管理システムとの連携 |
たとえば、カフェでは時間帯別の混雑、パン・惣菜の製造販売では商品別の販売数、居酒屋では予約人数や宴会内容も踏まえた仕入れが検討軸になります。
完全予約制で必要食数を把握でき、廃棄も少ない店は、改善の余地を先に確認しましょう。改善できる費用・作業量と利用料金を比較することが大切です。
来店予測AIを活用するには、どんなデータが必要?
基本となるのは、日付と対応づけた過去の来店客数・売上データです。必要な項目は製品ごとに異なりますが、次の情報を整理しておくと、導入の相談や運用を進めやすくなります。
表は横にスクロールして確認できます。
| データ | 収集する内容 | 主な使い道 |
|---|---|---|
| 来店客数 | 日別の人数。可能なら時間帯別、店内・持ち帰り別 | 客数の変動パターンを学習する |
| 売上・客単価 | 日別・時間帯別の売上、客単価 | 売上の予測や、客数変化との関係を確認する |
| 商品別の販売実績 | メニュー別の販売数、価格、品切れの記録 | 商品需要や仕込み量を検討する |
| 営業情報 | 営業時間、定休日、臨時休業、座席数、店舗所在地 | 営業条件を踏まえて予測する |
| カレンダー情報 | 曜日、祝日、連休、季節 | 曜日ごとの傾向や季節変動を捉える |
| 天候 | 天気、気温、降水量などの過去実績と予報 | 雨や暑さ・寒さに伴う需要変化を捉える |
| 販促・イベント | 割引、クーポン、広告、近隣イベントの日程 | 通常と異なる客数変動を予測に反映する |
| 予約情報 | 予約人数、来店予定時間、団体予約 | 確定している需要を運営判断に反映する |
天候や人流のデータは、サービス提供会社が用意する場合があります。 サキミルでは、ソフトバンクが人流統計データ、日本気象協会が気象データを提供します。[1]
サキミルのWebダッシュボード版は最低3か月の過去実績が必要で、15か月分の用意を推奨しています。前年同時期も参照できるよう、日々の記録を蓄積しましょう。必要期間は製品によって異なります。[1]
実務上は、休業日の客数ゼロと入力漏れを区別し、客数を「人数」で管理するのか「会計件数」で管理するのかを統一することも重要です。発注量まで判断したい場合は在庫・廃棄・レシピ・納品日、スタッフ配置まで判断したい場合は勤怠や作業量の情報も追加して整理します。
来店予測AIの製品と料金
以下は2026年10月11日に確認した公式サイト・公式資料の掲載内容です。料金は店舗数、予測対象、連携内容などによって変わるため、比較時には初期費用と月額費用の総額を確認してください。
表は横にスクロールして確認できます。
| 製品・サービス | 主な特徴 | 初期費用 | 月額費用 |
|---|---|---|---|
| サキミル | 店舗実績・人流・気象データで来店客数または売上を予測 | Web版:1店舗3,000円(税抜) | Web版:1店舗7,900円(税抜)。API版:1店舗4,900円※ |
| EBILAB「TOUCH POINT BI」来客予測 | 翌日・45日・365日の予測。POS連携による時間帯別・メニュー予測 | 合計40万円〜※ | 合計29,600円〜/店舗※ |
| AI-Hawk | 45日先までの予測。時間帯別予測や商品別データ追加に対応 | 0円 | 1店舗10,780円〜(税込) |
| HANZOシリーズ | 来客・売上などの予測をスタッフ配置、発注支援、自動発注に活用。導入するサービスで機能が異なる | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| まかせてネット「AI来客数予測」 | 最大1か月先・15分単位の予測を店舗管理業務に活用 | 公開金額を確認できず、要問い合わせ | 公開金額を確認できず、要問い合わせ |
※サキミルのWeb版は公式サービス説明書、API版は製品ページの掲載額です。API版の税区分・初期費用・連携費用は別途確認してください。[1]
※EBILABは通常、来客予測と店舗分析の同時契約が必要です。比較表は両機能の掲載額を合算した目安です。税区分と契約総額は要確認です。[2]
※AI-Hawkは「2021年3月の価格」と記載された公開料金です。最新の契約価格はお問い合わせください。[3]
サキミル
サキミルは、ソフトバンクが提供する飲食・小売業向けのAI需要予測サービスです。店舗の来店客数や売上の実績に、人流統計データと日本気象協会の気象データを組み合わせ、将来の需要を予測します。Webダッシュボード版では、ブラウザ上で実績を登録し、来店客数または売上の予測と天気予報を確認できます。自社システムに予測結果を取り込むAPI版も用意されています。
日々のデータ入力で予測結果が更新されるため、天候の変化を踏まえた仕入れやスタッフ配置の判断に活用できます。既存システムとの連携状況と、店舗での入力負担を基準に導入方法を選ぶとよいでしょう。[1]
コスト: Web版は1店舗につき初期3,000円・月額7,900円(税抜)。API版は月額4,900円/店舗で、初期費用・税区分・連携費用は要確認です。
EBILAB「TOUCH POINT BI」来客予測
EBILABの来客予測は、飲食店「ゑびや大食堂」での実践を背景に開発された店舗向けのサービスです。過去の売上やイベント情報、天気データなどから来客数を予測し、翌日の発注・仕込みから、45日先のシフト作成、365日先の予算計画まで支援します。POSレジとの連携によって、メニュー別や時間帯別の予測も可能です。
店舗分析と組み合わせて、商品構成や広告効果の検討にもつなげられる点が特徴です。来客予測を日々の作業だけでなく、店舗経営全体の改善に活用したい場合の比較候補になります。通常は店舗分析との同時契約が必要なため、導入費用は両機能を含めて確認しましょう。[2]
コスト: 来客予測は初期10万円〜・月額9,800円〜/店舗。通常併用する店舗分析との掲載額合計は、初期40万円〜・月額29,600円〜/店舗。税区分は要確認です。
AI-Hawk
AI-Hawkは、株式会社ROXが提供する店舗型ビジネス向けの来店客数予測AIです。パン屋などの店舗データ分析経験を生かし、客数動向に影響する天気データを重視して、当日から45日先までの客数や売上を予測します。パン・ケーキ・惣菜など、売れ残りが食品ロスにつながりやすい業態に加え、飲食店や社員食堂、テイクアウトにも対応しています。
時間帯別予測や商品別の予測データ追加はプラン・オプションで選べます。過去データをExcelで提出して設定を進められ、パソコンやスマートフォンで利用できるため、既存のレジを変えずに導入を検討しやすい点も特徴です。[3]
コスト: 公開料金は初期0円。月額はスタンダード10,780円、ワイド12,980円、サポート54,780円/店舗(税込)。スタンダード・ワイドの同一店舗でのデータ追加オプション(最大5データ)は月額11,000円(税込)。2021年3月の価格表のため、最新価格は要確認です。[3]
HANZOシリーズ
HANZOシリーズは、株式会社Goalsが提供する飲食企業向けの需要予測・店舗運営支援サービス群です。「HANZO 人件費」は45日先までの需要を予測し、時間帯別の来客数や必要なスタッフ数、労働時間の目安を提案します。「HANZO 自動発注」は、売上・出数・消費量の予測に在庫や配送スケジュールを組み合わせ、発注案の作成と発注システムへの連携を支援します。
「HANZO 発注AIアシスト」は、次回納品までの予測消費量や納品予定数を表示し、現場の発注判断を助けます。スタッフ配置と食材発注の課題に応じて導入するサービスを選べる点が特徴です。利用中のPOS・予約・発注システムとの連携可否を確認するとよいでしょう。[4]
コスト: 導入するサービス、店舗数、利用機能などによって異なるため個別見積もりです。初期設定・データ連携と月額利用・サポートを含めた総額を確認しましょう。
まかせてネット「AI来客数予測」
まかせてネットのAI来客数予測は、株式会社ジャストプランニングが提供する飲食店管理システムの機能です。蓄積された売上・来客実績に、曜日、祝日、季節、天候、イベントなどの情報を組み合わせ、店舗ごとの客数を予測します。日別・時間帯別に加えて15分単位の予測にも対応し、発注に使う数日先からスタッフの配置計画に使う最大1か月先まで見通せます。
勤怠・シフト・発注・売上管理と連携して、店舗と本部が共通の予測を運営判断に使える点が特徴です。すでにまかせてネットに実績を蓄積している企業や、来客予測と店舗管理をまとめて整備したい企業の比較候補になります。[5]
コスト: 公式ページではAI来客数予測の初期費用・月額料金の金額を確認できませんでした。システム本体と予測機能の費用、導入条件を含めて問い合わせが必要です。
飲食店が来店予測AIを選ぶときのポイント
改善したい業務に必要な予測ができるか
仕込みには日別・商品別、シフトには時間帯別の予測を選びます。発注量の提案まで必要なら、在庫・レシピ・納品日程を扱えるかも確認しましょう。予測が出る時刻が、発注締切やシフト確定に間に合うかも大切な比較点です。
既存のPOSレジや予約・発注システムと連携できるか
現在のPOSレジから実績を出力できるか、CSV・Excelで取り込むか、自動連携するかを確認します。入力方法によって日々の負担が変わります。[1]
あわせて、「誰が」「いつ」「何分程度で」実績を登録するかを決めましょう。毎日の入力を継続でき、営業前に予測を確認できる運用にすることが重要です。
自店の実績で、予測と運営改善を検証できるか
公表される予測精度は、対象店舗・期間・計算方法が異なり、自店での精度を保証するものではありません。AIと従来の店長の予測を、同じ期間の実績と照らした検証で比較しましょう。[2][4]
客数の誤差は雨の日・週末・ピーク時間帯ごとに確認します。あわせて廃棄額、品切れ件数、作業時間、スタッフ配置を記録すると、運営への効果を評価できます。
月額料金に加えて、初期費用や運用の負担も含めて判断する
比較時には月額料金だけでなく、初期設定、データ連携、必要な関連機能、サポートの費用も含めます。初期費用を何か月で回収するかも検討しましょう。
仮に、月額1万円のツールで食材の廃棄原価が月1万5,000円減れば、差額は5,000円です。以下は初期費用や追加作業の負担を含まない仮定例で、導入実績ではありません。
廃棄原価の改善15,000円 − 月額10,000円 = 5,000円
作業時間の短縮は、接客やスタッフ育成に時間を回せる効果として評価します。人件費の削減額に含めるのは、実際に残業代などの支払いが減った分です。
来店予測AIを導入する手順
- 解決したい課題を一つ決める。 廃棄、品切れ、時間帯別の過剰配置、店長の作業負担など、改善したい項目と現在の状況を記録します。
- 過去データを整理する。 客数・売上・営業日などを用意し、利用したい製品の必要期間と形式に合わせます。
- 連携・機能・総額を確認する。 現在のシステム名と改善したい業務を伝え、手入力の範囲、導入支援、契約期間も確認します。
- 対象店舗や業務を絞って検証する。 予測と実績を並べ、曜日や天候による誤差、現場が使えるかを確認します。利用できる検証・契約条件は提供会社に相談します。
- 運営に反映して効果を振り返る。 仕込みや発注、シフトの判断基準を決め、廃棄・欠品・作業量・接客への影響を確認しながら運用を調整します。
最初は予測を確認する担当者と、発注・シフトへの反映を判断する担当者を明確にすると進めやすくなります。
来店予測AIについてよくある質問
個人経営の飲食店でも使える?
個人経営の店舗も比較検討できます。1店舗単位の料金を参考に、受付条件やデータの要件を確認し、自店の廃棄額・作業負担に見合うか判断しましょう。[1][2][3]
POSレジを買い替える必要はある?
既存のレジを使える製品もあります。AI-Hawkは過去データをExcelで提出する方法を案内しています。利用中のPOSの機種名を伝え、連携可否と追加費用を確認してください。[3]
開業したばかりで過去データが少なくても使える?
必要期間に満たない場合は、利用可能な予測方法や類似店舗データの活用可否を提供会社に相談しましょう。開業時から日付・客数・売上・営業情報を記録しておくと、導入準備を進められます。
雨の日は必ず客数が減る?
雨の影響は立地・アクセス・予約状況・業態で異なります。また、45日先の客数予測でも、全期間の天候を正確に把握できるわけではありません。直前の予報や予約に合わせて準備量を見直しましょう。
来店予測AIを入れると売上は増える?
来店予測は、見込まれる需要に合わせて営業の準備をする判断材料です。品切れや人手不足による機会損失を抑える効果は期待できますが、新規客の獲得や再来店を促すには、認知を広げる施策や予約導線、商品・接客の改善も組み合わせましょう。
来店予測AIは、自店のロスと運営負担から選ぼう
飲食店で来店予測AIを生かすには、予測結果を仕入れ・仕込み・シフトの具体的な判断につなげることが大切です。まず、廃棄、品切れ、スタッフ配置、店長の作業負担のうち、どこを改善したいかを決めましょう。
そのうえで必要な予測の細かさ、既存システムとの連携、毎日の入力負担、費用を比較し、自店のデータで検証すると、導入の判断がしやすくなります。
各サービスの公式サイト
料金・機能の確認日:2026年10月11日。契約時には各社の最新条件をご確認ください。
