マーケティングで押さえたい広告指標38選|意味・計算式・集計方法を解説

広告の管理画面には、表示回数、クリック数、CPA、ROASなど、多くの数字が並びます。大切なのは、それぞれの意味を押さえ、広告が届いてから売上・継続利用に至る流れに沿って読むことです。
この記事では、代表的な広告指標38項目を6つに分類し、意味・計算式・代表的な集計方法・活用法を整理します。調べたい用語の確認にも、広告効果を分析する際の手引きにもお使いください。
広告への反応を見るならCTR・CPC、問い合わせや予約の効率を見るならCVR・CPA、売上と採算を見るならROAS・ROIが入り口です。継続利用がある事業では、LTVとCACまでつなげて判断します。
計測ツールの仕様確認日:2026年10月30日。式は代表的な定義を示しています。媒体によって集計条件が異なる項目は、本文で補足しています。
広告指標とは?KPIとの違いと読み方
広告指標とは、広告の配信状況や、広告を通じて生まれた反応・成果を数値で捉えるものです。広告が何回表示されたか、何人がサイトに訪れたか、何件の予約・購入につながったかなどを表します。
広告指標の中から、事業目標の達成に特に重要なものとして選んだ指標がKPI(重要業績評価指標)です。たとえば予約を増やす広告なら予約数や予約CPAをKPIにし、CTRやCVRを改善箇所を探すための指標として使います。38項目すべてを追う必要はありません。
この流れで見ると、「クリックは増えたが予約が増えない」「予約は増えたが利益が残らない」といった課題を分けて考えられます。SNSや動画の反応は、それぞれの段階を補う情報として読みます。
また、指標によって集計先も変わります。広告の表示やクリックは広告管理画面、サイト内の行動はGA4、来店や売上・継続利用はPOS・予約管理・CRMなどが主な確認先です。
広告指標一覧:38項目を6分類で確認
一覧の指標名を選ぶと、意味・計算式・集計方法の解説に移動します。まず目的に近い分類から確認してください。
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| 指標名 | 略称 | 日本語での意味 | 主な集計先 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| IMP | IMP | 広告表示回数 | 広告管理画面 | 配信量を把握する |
| Reach | — | 広告到達人数 | 広告管理画面 | 商圏内への到達を見る |
| Frequency | — | 平均広告接触回数 | 広告管理画面 | 接触回数を調整する |
| CPM | CPM | 広告表示1,000回当たりの費用 | 広告管理画面 | 表示にかかる費用を比べる |
| vCPM | vCPM | 視認可能な表示1,000回当たりの費用 | 広告管理画面 | 視認可能な表示の費用を比べる |
| Impression Share | IS | 表示機会に対する広告表示の割合 | 広告管理画面 | 追加配信の余地を調べる |
| Viewability | — | 広告の視認可能率 | 広告管理画面 | 配信面の表示品質を見る |
| Brand Lift | — | 認知・好意などの増分 | ブランドリフト調査 | 認知・好意の変化を調べる |
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| 指標名 | 略称 | 日本語での意味 | 主な集計先 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| Clicks | — | 広告クリック回数 | 広告管理画面 | 広告への反応量を把握する |
| CTR | CTR | 広告表示に対するクリックの割合 | 広告管理画面 | 広告文・画像の訴求を比べる |
| CPC | CPC | クリック1回当たりの費用 | 広告管理画面 | 送客の費用を把握する |
| LPV | LPV | 広告クリック後のページ到達回数 | 広告管理画面 | クリック後の到達を確かめる |
| Sessions | — | サイト・アプリへの訪問単位の数 | GA4 | 広告経由の訪問を把握する |
| Engagement Rate | — | 有効な関与があった訪問の割合 | GA4 | 訪問後の関与を比べる |
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| 指標名 | 略称 | 日本語での意味 | 主な集計先 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| CV | CV | 設定した成果の件数 | 広告管理画面・実績データ | 目的の成果が増えたかを見る |
| CVR | CVR | 成果につながった割合 | 広告管理画面・実績データ | 予約・購入までの導線を調べる |
| CPA | CPA | 成果1件当たりの広告費 | 広告管理画面・実績データ | 成果の獲得効率を比べる |
| CPL | CPL | 見込み顧客1件当たりの獲得費用 | 広告管理画面・実績データ | 見込み顧客の獲得効率を見る |
| CPO | CPO | 注文1件当たりの獲得費用 | 広告管理画面・実績データ | 注文ごとの採算を見る |
| CPS | CPS | 販売成立1件当たりの獲得費用 | 広告管理画面・実績データ | 販売成立までの獲得費用を見る |
| CPI | CPI | アプリ導入1件当たりの獲得費用 | アプリ広告・計測サービス | アプリ導入の効率を見る |
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| 指標名 | 略称 | 日本語での意味 | 主な集計先 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| ROAS | ROAS | 広告費に対する売上の割合 | 売上・原価・広告費データ | 広告の売上効率を比べる |
| ROI | ROI | 投資額に対する利益の割合 | 売上・原価・広告費データ | 投資後の利益を評価する |
| MER | MER | 全体の売上とマーケティング費の比率 | 売上・原価・広告費データ | 事業全体の費用効率を見る |
| POAS | POAS | 広告費に対する広告費控除前利益の比率 | 売上・原価・広告費データ | 商品ごとの利益効率を比べる |
| AOV | AOV | 注文1件当たりの平均売上 | EC・POS・受注管理 | 注文金額の変化を追う |
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| 指標名 | 略称 | 日本語での意味 | 主な集計先 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| CAC | CAC | 新規顧客1人当たりの獲得コスト | POS・CRM・会計データ | 新規獲得の投資全体を見る |
| nCAC | nCAC | 新規顧客に絞った獲得コスト | POS・CRM・会計データ | 新規顧客に絞って効率を見る |
| LTV | LTV | 顧客との取引全体から生まれる価値 | POS・CRM・会計データ | 継続利用を含む価値を見る |
| LTV/CAC | LTV/CAC | 顧客価値が獲得費用の何倍か | POS・CRM・会計データ | 顧客価値と獲得費用を比べる |
| Retention Rate | — | 既存顧客が継続している割合 | POS・CRM・会計データ | 既存顧客の継続を追う |
| Repeat Rate | — | 再購入・再来店した顧客の割合 | POS・CRM・会計データ | 初回からの再利用を追う |
| Payback Period | — | 獲得コストを回収するまでの期間 | POS・CRM・会計データ | 回収時期と資金計画を考える |
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| 指標名 | 略称 | 日本語での意味 | 主な集計先 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| ER | ER | 表示などに対する反応の割合 | 広告管理画面・インサイト | 内容に対する反応を比べる |
| CPE | CPE | 反応1件当たりの費用 | 広告管理画面・インサイト | 反応獲得の費用を比べる |
| CPV | CPV | 動画の有効視聴1回当たりの費用 | 広告管理画面・インサイト | 動画視聴の費用を比べる |
| VTR | VTR | 表示から有効視聴に至った割合 | 広告管理画面・インサイト | 視聴につながる訴求を調べる |
| Video Completion Rate | VCR | 最後まで再生された割合 | 広告管理画面・インサイト | 終盤まで内容が届いたかを見る |
以下の式は代表例です。対象期間、媒体、成果の種類、費用範囲をそろえて計算します。分母が0なら単価や率は算出できません。「0円」「0%」と置かず、算出不可として扱います。
認知・広告表示に関する指標
認知の段階では、広告がどれだけ配信され、何人に、何回届いたかを確認します。表示の量に加え、視認性や認知の変化を見ていくと、配信の広がりと届き方を整理できます。
IMP(インプレッション)
Impressions
インプレッションは、広告が表示された延べ回数です。同じ人に5回表示されると、表示回数は5回になります。まず広告がどれくらい配信されているかを知りたいときに確認する数値です。
- 計算式・単位
- 計算式はなく、媒体の基準で表示をカウント(単位:回)。
Google広告などの管理画面で、期間を指定して表示回数を集計します。キャンペーン別だけでなく、広告や配信面ごとに分けると、表示の偏りも分かります。
新メニューの広告で表示回数が増えていても、同じ人への繰り返し表示が増えただけかもしれません。次に説明するリーチと組み合わせると、広告が広く届いたのか、繰り返し届いたのかを判断しやすくなります。
Reach(リーチ)
Reach
リーチは、広告が届いた人やアカウントの数です。同じ人に何度表示されても、対象範囲の中では重複を除いて数えます。インプレッションが「何回」なら、リーチは「何人に届いたか」を見る指標です。
- 計算式・単位
- 単純な足し算では算出できず、対象範囲内の重複を除いて集計(単位:人・アカウントなど)。
リーチを提供する広告管理画面で、対象期間を指定して確認します。人数の識別や推計の仕組みは媒体ごとに異なるため、実際の人数と完全に一致するとは限りません。
店舗の認知を商圏内に広げたいときは、表示回数に加えてリーチの伸びを見ます。同じ人が複数の日や媒体で広告を見ている場合があるので、日別・媒体別のリーチをそのまま足して全体人数にすることはできません。
Frequency(フリークエンシー)
Frequency
フリークエンシーは、広告が届いた人などに、平均で何回表示されたかを表します。たとえば表示回数が30,000回、リーチが10,000人なら、平均接触回数は3回です。
- 計算式・単位
- インプレッション ÷ リーチ(単位:回)。
広告管理画面の平均表示頻度を確認するか、同じ期間・対象範囲のインプレッションをリーチで割って集計します。
認知が進むかを確かめながら、表示の繰り返し方を調整するために使います。回数の増加とともにCTRが下がった場合は、広告素材や対象者の見直しが候補です。ただし適切な回数は目的や期間によって変わり、平均値だけでは一部の人への集中は分かりません。
CPM(インプレッション単価)
Cost per Mille
CPMは、広告を1,000回表示するためにかかった平均費用です。たとえば広告費3万円で30,000回表示された場合、CPMは1,000円になります。認知を広げる際の配信費用を把握できます。
- 計算式・単位
- 広告費 ÷ インプレッション × 1,000(単位:円/1,000回)。
広告管理画面の費用と表示回数から求めます。媒体や配信面を比較するときは、対象地域・期間・配信形式もそろえます。
商圏内への配信でCPMが上がっているなら、到達人数や反応も確認します。少ない費用で表示できても、対象外の人への配信が多ければ集客につながりにくいため、リーチや成果と一緒に評価します。
vCPM(視認可能インプレッション単価)
Viewable Cost per Mille
vCPMは、視認可能と判定された広告表示1,000回当たりの平均費用です。画面内の表示面積や継続時間など、所定の条件を満たした表示を対象にします。表示された広告のうち、見られる可能性があった表示の費用を考える指標です。
- 計算式・単位
- 対象広告費 ÷ 視認可能インプレッション × 1,000(単位:円/1,000回)。
対応する広告管理画面で、視認可能インプレッションと費用を集計します。ここで示す式は実績の単価であり、入札時の設定額とは分けて扱います。
CPMと併用すると、表示回数だけでは分からない配信効率を比べられます。どの表示を視認可能とみなすかは、媒体や形式の計測条件を確認します。
Impression Share(インプレッションシェア)
Impression Share
インプレッションシェアは、広告を表示できたと媒体が推定する機会のうち、実際に表示された割合です。表示可能な機会が10,000回、実際の表示が6,000回なら60%となります。
- 計算式・単位
- 実際の表示回数 ÷ 表示可能だった推定回数 × 100(単位:%)。
Google広告などの対応レポートで確認します。表示できたはずの機会は媒体側が推定するため、表示回数だけから自社で分母を求めることはできません。
配信を増やす余地を調べる際に使います。シェアが低い場合は、予算や広告ランクによる損失を確認し、採算が合う範囲で調整を考えます。市場全体に占める自社広告の割合を示すものではありません。
Viewability(ビューアビリティ)
Viewability
ビューアビリティは、視認性を測定できた表示のうち、所定の視認条件を満たした表示の割合です。広告が配信されただけでなく、ユーザーの画面内に見える状態で表示されたかを捉えます。
- 計算式・単位
- 視認可能インプレッション ÷ 視認性を測定できたインプレッション × 100(単位:%)。
対応媒体の視認可能インプレッションと測定可能インプレッションから集計します。Googleの一般的なディスプレイ広告では、面積の50%以上が1秒以上表示されることなどが基準です。大型広告や動画には別の条件があります。
配信面ごとの表示の状態を比べるときに役立ちます。分母は表示全数ではなく測定可能な表示数なので、測定できなかった表示の割合も確認します。視認可能という判定は、内容を読んだことまでは意味しません。
Brand Lift(ブランドリフト)
Brand Lift
ブランドリフトは、広告による認知や好意、購入意向などの変化を捉える指標です。広告に接触したグループと対照グループのアンケート結果などを比較し、短期の購入数には表れにくい効果を調べます。
- 計算式・単位
- 絶対リフトの例:接触群の肯定回答率 − 対照群の肯定回答率(単位:ポイント)。相対リフトは差を対照群の率で割って算出。
媒体のブランドリフト調査や、比較条件をそろえた調査で集計します。どのアカウントでも同じ条件で使えるとは限らないため、調査の利用条件と回答数を確認します。
たとえば肯定回答率が接触群30%、対照群20%なら、絶対リフトは10ポイント、相対リフトは50%です。単なる配信前後の変化とは分けて、調査設計に沿って読み取ります。
クリック・Webサイト集客に関する指標
集客の段階では、広告への反応と、クリック後のサイト訪問をつなげて確認します。クリック数やCTRで広告の反応を捉え、LPV・セッション数で訪問、GA4のエンゲージメント率で訪問後の行動を見ます。
Clicks(クリック数)
Clicks
クリック数は、ユーザーが広告をクリックした回数です。広告からサイトへの送客を見たいときは、画像の拡大なども含むクリック全数ではなく、リンクへのクリックなど目的に合う数値を使います。
- 計算式・単位
- 計算式はなく、対象とするクリックをカウント(単位:回)。
広告管理画面で期間とキャンペーンを指定し、対象のクリック数を集計します。比較する広告では同じ種類のクリックを選びます。
クリックが増えた後は、ページへの到達や予約・購入が増えているかまで確認します。クリックは広告上の操作なので、その回数がそのままサイトの訪問数になるわけではありません。
CTR(クリック率)
Click-Through Rate
CTRは、広告表示のうち、クリックにつながった割合です。1,000回表示されて20回クリックされた場合は2%になります。広告の見せ方や訴求に対する反応を把握できます。
- 計算式・単位
- 対象クリック数 ÷ インプレッション × 100(単位:%)。
広告管理画面の同じ期間のクリック数とインプレッションから求めます。リンククリック率など、クリックの種類が分かれている場合は集計列をそろえます。
広告文や画像を変更したときに、反応がどう変わったかを比べます。予約獲得が目的なら、CTRと併せてCVRや予約数も追うことで、集客につながる訴求を選びやすくなります。
CPC(クリック単価)
Cost per Click
CPCは、クリック1回を獲得するための平均費用です。広告費1万円で200クリックなら50円となります。サイトへ人を呼び込む段階で、どれくらい費用がかかったかを確認できます。
- 計算式・単位
- 対象広告費 ÷ 対象クリック数(単位:円/回)。
広告管理画面の費用を対象クリック数で割って算出します。実際の平均単価と、入札時に設定する上限や目標の単価は区別します。
CPCが上がったときは、CVRやCPAも併せて確認します。クリック単価が高くても、予約や購入につながる割合が上がっていれば、成果1件当たりの費用は下がることがあります。
LPV(ランディングページビュー)
Landing Page Views
LPVは、広告クリック後に、遷移先のページが読み込まれた回数を示します。広告をクリックした後、読み込み前に離脱する人もいるため、クリック数とページ到達を分けて見るために使います。
- 計算式・単位
- 計算式はなく、媒体の到達判定を満たした回数を集計(単位:回)。
LPVを提供する広告管理画面で確認します。TikTokでは、広告のクリックと遷移先ページの読み込み成功が計上条件です。
クリック数に対してLPVが少ない場合は、ページの表示速度、リンク先、計測の状態を確認します。GA4のページビューやランディングページ別セッションとは集計の仕組みが異なります。
Sessions(セッション数)
Sessions
セッション数は、サイトやアプリへの訪問を一連の利用単位で数えたものです。1回の訪問でメニュー、料金、予約案内の3ページを見ても、3セッションになるわけではありません。
- 計算式・単位
- 計算式はなく、アクセス解析のセッション条件に沿って集計(単位:回)。
GA4のトラフィック獲得レポートなどで、広告に対応する参照元・メディア・キャンペーン別に確認します。
広告からどれだけ訪問につながったかを調べ、訪問後の行動を追う起点にします。同じ訪問中の複数クリックや計測タグの動作によって、広告クリック数と差が出ることがあります。
Engagement Rate(GA4のエンゲージメント率)
Engagement Rate
GA4のエンゲージメント率は、全セッションのうち、一定の関与があった訪問の割合です。ページを開いた後に、閲覧や成果につながる行動が起きているかを把握するために使います。
- 計算式・単位
- エンゲージメントのあったセッション数 ÷ セッション数 × 100(単位:%)。
GA4で、エンゲージメントのあったセッション数と全セッション数を確認します。判定には所定の継続時間、キーイベントの発生、複数ページ・画面の閲覧などが使われます。
広告別に比べると、どの流入がサイト内の行動につながっているかを調べられます。実際の閲覧ページや予約完了も併せて確認します。SNSの「いいね」などを使うERとは別の指標です。
コンバージョン・成果獲得に関する指標
成果獲得の指標は、何を成果とするかで選びます。問い合わせ、注文、販売成立、アプリ導入などを分けることで、どの段階にどれだけ費用がかかったかが分かります。
CV(コンバージョン)
Conversion
CVは、広告の目的に合わせて設定した成果です。商品購入、予約完了、問い合わせ、資料請求など、事業にとって価値のある行動を数えます。最初に何を成果とするかを決めることが、効果測定の出発点です。
- 計算式・単位
- 対象とする成果を定義してカウント(単位:件)。
広告タグやGA4のキーイベント、予約管理・受注管理の実績から集計します。購入完了とカート追加などは、成果の段階ごとに分けておきます。
予約完了をCVにした場合は、予約数に加えて実来店も追います。途中の行動と最終成果を区別すると、どこまで広告の効果が出ているかを把握しやすくなります。
CVR(コンバージョン率)
Conversion Rate
CVRは、クリックや訪問などに対して成果が発生した割合です。100クリックから2件の購入があれば、クリック基準のCVRは2%になります。サイトや申込導線の成果へのつながり方を見る指標です。
- 計算式・単位
- クリック基準の例:CV数 ÷ クリック数 × 100(単位:%)。セッション基準で成果発生率を見る場合は、成果のあったセッション数 ÷ 全セッション数 × 100。
広告管理画面やGA4で集計します。Google広告では追跡可能な広告インタラクションが分母になるため、社内でクリック基準・訪問基準の率を計算する際は、どの分母を使ったかを明記します。
広告から料金案内、予約フォームまでの流れを改善する際に使います。成果件数を割った率と、成果が起きたセッションの割合は別の数値なので、同じ条件で比較します。
CPA(成果獲得単価)
Cost per Acquisition / Cost per Action
CPAは、設定した成果を1件獲得するためにかかった平均広告費です。広告費10万円で問い合わせ40件なら2,500円です。成果の定義が同じ広告同士で、獲得効率を比べられます。
- 計算式・単位
- 対象広告費 ÷ 対象CV数(単位:円/件)。
広告管理画面で、対象の費用とCV数から求めます。予約、問い合わせ、購入が混ざっている場合は、成果の種類ごとに分けて集計します。
問い合わせCPAを使うなら、その後の成約率まで確認して許容額を決めます。顧客獲得単価と呼ぶ場合もありますが、問い合わせ1件の獲得と新規顧客1人の獲得は区別する必要があります。
CPL(リード獲得単価)
Cost per Lead
CPLは、見込み顧客の情報を1件獲得するための費用です。資料請求や問い合わせフォームなど、商談・購入の前段階で連絡先や関心を得る広告の評価に使います。
- 計算式・単位
- 対象広告費 ÷ 獲得リード数(単位:円/件)。
広告管理画面やCRMからリード数を集計し、広告費と対応づけます。重複、テスト送信、営業対象外の問い合わせをどう扱うかも決めておきます。
リードの獲得量とともに、有効な問い合わせや商談につながった割合も見ます。成約しやすい見込み顧客に届いているかまで追うと、獲得費用に見合う広告かを判断できます。
CPO(注文獲得単価)
Cost per Order
CPOは、注文を1件獲得するための平均費用です。1人が複数回注文することもあるため、顧客1人当たりの獲得費用とは異なります。注文ごとの採算を調べたいときに使います。
- 計算式・単位
- 対象広告費 ÷ 対象注文数(単位:円/件)。
広告経由の注文を受注管理などで確認し、注文IDで重複を除いて集計します。取消や返品を反映するタイミングもそろえます。
注文1件から得られる利益と比較して、広告費を回収できるかを見ます。広告経由注文と全注文、新規注文とリピート注文を分けておくと、数値の変化を説明しやすくなります。
CPS(販売獲得単価)
Cost per Sale
CPSは、販売・成約が成立した1件に対する獲得費用です。たとえば申込受付と決済完了を分けている場合、受付段階の費用ではなく、販売成立まで進んだ成果の費用を把握できます。
- 計算式・単位
- 対象広告費 ÷ 販売成立件数(単位:円/件)。
受注・決済システムやCRMで成立件数を確認し、対応する広告費で割って求めます。何をもって販売成立とするかを集計ルールに残します。
注文受付後のキャンセルなどが多いときに、最終成果の採算を確かめられます。CPOと同じ条件で集計するなら同じ値になります。略称には異なる用法もあるので、レポートには意味を併記します。
CPI(アプリインストール単価)
Cost per Install
CPIは、アプリのインストール1件当たりの広告費です。広告を通じてアプリの利用を始める人を、どれくらいの費用で獲得したかを表します。
- 計算式・単位
- 対象広告費 ÷ 広告に帰属するインストール数(単位:円/件)。
アプリ広告のレポートや計測サービスで、広告に帰属するインストール数を集計します。初回起動などの判定条件や、再インストールの扱いは利用ツールに合わせます。
導入後に使われているか、課金や継続利用につながったかまで追います。CPIは導入段階の効率を表すため、その後の利用実績を組み合わせてアプリ広告の採算を評価します。
広告の売上・収益性に関する指標
売上が増えた理由と、利益が残るかは分けて確認します。ROASやMERで売上と費用の関係を捉え、ROIやPOASで原価などを反映した採算を確かめます。
ROAS(広告費用対効果)
Return on Ad Spend
ROASは、広告費に対して広告経由の売上がどれくらい発生したかを示します。広告費10万円で売上40万円なら400%、倍率では4倍です。広告の売上効率を確認するときに使います。
- 計算式・単位
- 広告経由売上 ÷ 広告費 × 100(単位:%)。倍率表示なら×100せず「倍」で表記。
広告管理画面の購入金額や、広告と対応づけた受注・売上データから算出します。問い合わせなどに仮の評価額を設定している場合、そのコンバージョン値を実売上とは分けて扱います。
商品や配信先の売上効率を比べます。利益を判断する際は、原価、値引き、配送費なども加味します。同じROASでも、商品の利益率によって広告費を回収できる水準は変わります。
ROI(投資利益率)
Return on Investment
ROIは、投資額に対して、費用を差し引いた利益がどれくらい残ったかを表します。売上効率を見るROASに対し、広告への投資が利益につながったかを評価するために使います。
- 計算式・単位
- 広告投資の評価例:(対象売上 − 原価・関連変動費 − 広告投資額)÷ 広告投資額 × 100(単位:%)。
売上と原価・関連変動費、対象となる広告投資額を集計します。制作費や委託費も投資に含める場合は、その範囲を固定し、分子でも同じ費用を差し引きます。
広告費を増やすか、どの商品を優先するかを考える材料になります。本記事では投資額控除後の利益を分子とし、売上から広告費だけを引いた金額を利益として扱わないようにします。
MER(マーケティング効率比)
Marketing Efficiency Ratio
MERは、同じ期間の総売上を、マーケティング費用で割った比率です。広告以外からの購入や既存顧客の売上も含め、事業全体の費用効率を捉えます。
- 計算式・単位
- 同一期間の総売上 ÷ 総マーケティング費用(単位:倍)。
会計・販売データの総売上と、対象マーケティング費用を集計します。広告費だけで運用するか、制作費・委託費・人件費まで含めるかを決め、期間を通して統一します。
複数媒体を運用している場合に、全体の売上と費用のバランスがどう変わったかを追えます。広告がなくても生じた売上も含むため、個々の広告の上乗せ効果や利益は別途確認します。
POAS(広告費に対する利益)
Profit on Ad Spend
POASは、広告費に対して利益がどれくらい生まれたかを示す比率です。本記事では、売上から原価・配送費・決済費などの対象変動費を引いた、広告費控除前の限界利益を使います。
- 計算式・単位
- 広告経由の限界利益(広告費控除前)÷ 広告費(単位:倍)。
受注や商品ごとの売上・費用を集計し、対応する広告費で割って求めます。ツールや社内で利益の範囲が違うことがあるため、差し引く費用を明記します。
利益率が異なる商品を比較するときに役立ちます。この定義では1倍が広告費と対象変動費を回収する水準です。固定費を含む事業全体の利益は、会計実績も併せて確認します。
AOV(平均注文金額)
Average Order Value
AOVは、注文1件当たりの平均購入金額です。売上10万円、注文20件なら5,000円になります。セット提案や関連商品の案内が、購入金額にどう影響したかを把握できます。
- 計算式・単位
- 対象売上 ÷ 対象注文数(単位:円/件)。
EC、POS、受注管理などの売上と注文数から求めます。税、送料、値引き、返品を含めるかをそろえ、同じ注文群で集計します。
AOVと購入件数を組み合わせると、売上増減の要因を分けて考えられます。値引きやセット販売で金額が変わった場合は、利益額も確認します。顧客1人当たりの期間売上とは区別します。
顧客獲得・継続利用に関する指標
継続利用がある事業では、初回の獲得費用と、その後の顧客価値をつなげます。商圏が限られる店舗でも、再来店や継続利用を追うことで、新規獲得に使える予算を考えやすくなります。
CAC(顧客獲得単価)
Customer Acquisition Cost
CAC(顧客獲得単価)は、新規顧客1人を獲得するためのコストです。本記事では広告費に加え、獲得に関わる営業・マーケティング費用も含め、顧客を増やすための投資全体を評価します。
- 計算式・単位
- 対象の営業・マーケティング獲得費用 ÷ 新規顧客数(単位:円/人)。
CRMやPOSで初回購入・初回契約の顧客数を集計し、会計データの広告費、制作費、人件費など対象費用と対応づけます。費用から成約まで時間がかかる事業では、そのずれも考慮します。
利益ベースのLTVや回収期間と比較して、新規獲得に使える予算を考えます。問い合わせCPAと比べる際は、成果の段階と含まれる費用が違うことを押さえます。
nCAC(新規顧客獲得単価)
New Customer Acquisition Cost
nCACは、新規顧客の獲得に絞った単価を明示する呼び方です。CAC自体を新規顧客基準で計算している場合、両者は同じ意味になります。略称だけで違いを判断せず、費用の範囲を確認します。
- 計算式・単位
- 新規獲得に配賦した費用 ÷ 新規顧客数(単位:円/人)。広告費だけなら「広告費ベースnCAC」と明記。
顧客IDなどで既存顧客を除き、新規顧客数と新規獲得に配賦した費用を集計します。広告費のみで計算する場合は「広告費ベース」と併記します。
既存顧客からの購入が多い広告で、新規獲得の効率を確かめたいときに使います。全購入のCPAが下がったときも、新規顧客の獲得費用はどう変わったかを分けて追えます。
LTV(顧客生涯価値)
Lifetime Value
LTV(顧客生涯価値)は、顧客1人との取引が続く期間に、自社にもたらされる価値です。1回の購入金額だけでなく、再購入・再来店を含めて捉えるため、店舗の広告予算を考える際にも役立ちます。
- 計算式・単位
- 利益ベースの簡易例:平均購入単価 × 購入頻度 × 継続期間 × 対象利益率(単位:円/人)。頻度と期間の単位を統一。
POSやCRM、予約管理で顧客別の売上と利用履歴を追い、対象の原価や費用を反映します。売上ベースと利益ベース、これまでの実績と将来予測を区別します。
広告の採算判断では、利益の範囲をそろえたLTVをCACと比較します。ここでは代表式と集計の考え方にとどめ、詳しい計算手順や継続利用を増やす施策は個別記事で解説します。
LTV/CAC(顧客価値と獲得費用の比率)
LTV to CAC Ratio
LTV/CACは、顧客価値が獲得費用の何倍に当たるかを示します。獲得費用控除前の利益ベースLTVが3万円、CACが1万円なら3倍です。中長期で見た獲得投資の採算を考えられます。
- 計算式・単位
- 利益ベースLTV ÷ CAC(単位:倍)。LTVは顧客獲得費用を差し引く前の定義に統一。
同じ獲得時期や顧客層について、POS・CRMの利益ベースLTVと獲得費用を対応づけます。獲得費用をLTVから既に引いている場合は、そのまま比較しないようにします。
比率とともに、いつ回収できるかを見ます。許容できる水準は利益率や継続性、資金繰りによって変わるため、特定の倍率を全業種共通の目標にはせず、自社の実績から判断します。
Retention Rate(顧客維持率)
Retention Rate
顧客維持率は、対象の既存顧客のうち、一定期間後も利用や契約を継続している割合です。期首の100人のうち80人が期末にも継続していれば80%になります。
- 計算式・単位
- 期首顧客のうち期末にも継続する人数 ÷ 期首顧客数 × 100(単位:%)。
CRMなどで期首の顧客を固定し、期末の継続を判定します。来店型の事業では、通常の利用周期に合わせて「直近90日以内に来店」などの条件を決めます。
獲得した顧客との関係が続いているかを追います。新規顧客を混ぜずに既存顧客の動きを見ることで、初回利用後の案内やサービス改善の効果を考えやすくなります。
Repeat Rate(リピート率)
Repeat Rate
リピート率は、初回利用後に再購入・再来店した顧客の割合です。本記事では、初回利用から一定期間内にもう一度利用した人数を、対象の初回利用顧客数で割って求めます。
- 計算式・単位
- 本記事の定義:初回利用から所定期間内に再利用した人数 ÷ 対象の初回利用顧客数 × 100(単位:%)。
POSや予約管理で初回利用月ごとに顧客を分け、同じ期間だけ再利用を追います。たとえば「初回来店から90日以内の再来店率」と定義すると、比較条件が明確になります。
初回体験や次回来店の案内を見直す際に使います。対象期間の全来店客に占めるリピーター比率とは別の数値です。獲得直後の顧客群は観測期間が短いため、十分な期間がある顧客群と分けて集計します。
Payback Period(顧客獲得費用の回収期間)
Customer Acquisition Cost Payback Period
顧客獲得費用の回収期間は、新規顧客から得る利益の累計が、獲得コストに達するまでの期間です。LTVが高い見込みでも、回収まで時間がかかる場合は先に運転資金が必要になります。
- 計算式・単位
- 月次利益が一定と仮定した簡易式:CAC ÷ 顧客1人当たり月次利益(獲得費用控除前)(単位:月)。
獲得月などで分けた顧客群について、POS・CRMの月次利益を積み上げ、獲得費用を回収する月を調べます。毎月の利益が一定なら、下の簡易式でも目安を求められます。
広告予算と資金計画をつなげるために使います。来店間隔が不規則な店舗では月次の累積実績を追い、まだ回収していない顧客群は未回収として管理します。
SNS広告・動画広告に関する指標
SNS広告・動画広告では、いいねや保存、視聴などの反応も手掛かりになります。媒体や配信形式で集計条件が異なるため、何を反応・視聴として数えているかをそろえて比較します。
ER(SNSのエンゲージメント率)
Engagement Rate
SNSのERは、広告や投稿の表示などに対して、いいね・コメント・保存・シェアといった反応がどれくらいあったかを表します。反応の種類と分母を決めることで、広告の内容への関心を捉えられます。
- 計算式・単位
- 表示回数基準の例:対象エンゲージメント数 ÷ インプレッション × 100(単位:%)。
広告や投稿のインサイトから、対象にする反応を集計します。表示回数、リーチ、フォロワー数のどれを分母にするかによって率が変わるため、レポートに条件を残します。
保存を促す案内、共有されやすい情報など、反応の内訳を見ながら訴求を検討します。同じ人の複数反応を含む件数の率は、反応した人数の割合とは異なります。
CPE(エンゲージメント単価)
Cost per Engagement
CPEは、エンゲージメント1件を得るための平均費用です。いいね、保存、シェアなど、目的に合う反応を獲得する費用を把握できます。
- 計算式・単位
- 対象広告費 ÷ 対象エンゲージメント数(単位:円/件)。
広告管理画面で費用と対象の反応数を集計します。比較する広告では、含める反応の種類をそろえ、可能であれば内訳も残します。
認知や情報の保存・共有を促す施策で、反応獲得の効率を見ます。購入や来店が目的の場合は、その先の成果も追い、どの反応が事業の目標につながっているかを確かめます。
CPV(動画視聴単価)
Cost per View
CPVは、媒体の視聴条件を満たした動画視聴1回当たりの費用です。条件には所定秒数の視聴や操作などがあり、単なる再生開始とは異なる場合があります。
- 計算式・単位
- 対象広告費 ÷ 媒体が定義する視聴回数(単位:円/回)。
動画広告のレポートで費用と対象の視聴回数を確認します。Google広告では、該当する指標にTrueView視聴回数という名称が使われています。
同じ媒体・配信形式・視聴条件で、動画素材ごとの効率を比べます。商品説明を見てもらう目的なら、完全視聴やサイト遷移も併せて追うと、内容がどこまで届いているかを調べられます。
VTR(動画視聴率)
View-Through Rate
VTRは、広告表示のうち、所定の動画視聴につながった割合です。本記事では「視聴回数÷表示回数」の意味で使います。最後まで再生された割合は、次の完全視聴率で分けて扱います。
- 計算式・単位
- 対象視聴回数 ÷ インプレッション × 100(単位:%)。
動画広告レポートで、同じ形式の視聴回数とインプレッションから求めます。媒体によって用語や視聴の条件が異なるため、比較時には「どの条件を満たした視聴か」を確認します。
動画冒頭の見せ方や、配信対象との相性を調べるために使います。視聴率が改善した後は、途中の再生到達率やサイト遷移を見て、その先の行動にもつながったかを確かめます。
Video Completion Rate(動画完全視聴率)
Video Completion Rate
動画完全視聴率は、動画が最後まで再生された割合です。商品説明や利用方法などを、どの程度終盤まで見てもらえたかを把握できます。
- 計算式・単位
- 再生開始基準の例:完全再生数 ÷ 再生開始数 × 100(単位:%)。表示回数基準の率とは分けて記載。
媒体の100%再生などの指標を確認します。Google広告の「動画再生時間の割合」はプレーヤー開始を基準とし、形式ごとの条件があります。表示回数を分母にした率とは分けて扱います。
動画の長さや配信形式をそろえて比較し、途中の再生到達率と合わせて離脱箇所を探します。予約方法など大切な案内を末尾に置いている場合は、そこまで見られているかを確かめます。
広告指標の計算例
広告費10万円で、100,000回表示され、2,000クリックから40件の購入が生まれ、売上が40万円になったとします。この仮の実績から、主な指標を計算してみましょう。CVは購入完了、CVRはクリック基準で計算します。
表は横にスクロールできます →
| 指標 | 計算過程 | 結果 |
|---|---|---|
| CTR | 2,000 ÷ 100,000 × 100 | 2% |
| CPC | 100,000円 ÷ 2,000 | 50円 |
| CVR | 40 ÷ 2,000 × 100 | 2% |
| CPA | 100,000円 ÷ 40 | 2,500円 |
| CPM | 100,000円 ÷ 100,000 × 1,000 | 1,000円 |
| ROAS | 400,000円 ÷ 100,000円 × 100 | 400%(4倍) |
ROAS400%は、広告費の4倍の売上が発生したという意味です。原価など広告以外の変動費を差し引いた限界利益率が30%なら、広告費控除前の利益は12万円です。広告費10万円を引くと2万円となり、この例の広告投資ROIは20%、POASは1.2倍です。固定費などは別途考慮します。
この例で広告費と変動費を回収するために必要なROASは「1 ÷ 0.30 × 100 ≒ 333.3%」です。この水準は全業種共通の目標ではなく、対象商品の利益率によって変わります。
広告指標を使った効果測定と分析方法
広告の分析は、目的を決め、成果までの流れを数字で確かめ、改善箇所を絞る順に進めると整理しやすくなります。ここでは予約・問い合わせ・販売を例に、指標の組み合わせ方を紹介します。
広告の目的からKPIを決める
まず、広告で増やしたい成果を決めます。「新規予約を増やす」なら新規の予約完了数、「商品を利益の出る形で販売する」なら購入数と利益額が判断の軸になります。認知拡大を目的にする場合は、対象地域へのリーチや認知の変化が候補です。
そのうえで、最終成果の量を測る指標と、効率を測る指標を組み合わせます。予約数と予約CPA、購入数とROIのように管理すると、費用を抑える一方で成果も減っていないかまで確認できます。
CTRとCPCで、広告への反応と集客費用を見る
クリックが伸びていない場合は、表示回数が足りないのか、表示されてもクリックされないのかを分けます。後者なら広告文や画像、配信対象との相性を調べ、変更前後を同じ条件で比べます。
CPCが上がっているときは、クリック後のCVRも見ます。単価だけで配信を止めず、成果につながりやすい訪問を獲得できているかを確認すると、予算の判断をしやすくなります。
CVRとCPAで、予約・購入までの流れを調べる
CTRが高いのに予約が増えない場合は、広告クリック後の流れを確認します。広告とページで案内する内容が合っているか、料金や利用条件が伝わるか、予約フォームを使いやすいかが確認の候補です。計測の不具合がないかも先に確かめます。
同じクリック・費用・CVの範囲なら、CPA=CPC ÷ CVR(小数表記)で分解できます。CPC50円、CVR2%ならCPAは2,500円です。CPAが上がった原因を、クリック単価と成果率に分けて追えます。
成約率・実来店率まで追い、成果の質を確かめる
問い合わせや予約をCVにしている場合は、その後の成約・来店を対応づけます。問い合わせが増えても営業対象外が多い、予約が増えてもキャンセルが多いといった場合、途中の成果だけでは事業への貢献が分かりません。
仮に広告Aは問い合わせCPA2,000円・成約率5%、広告BはCPA4,000円・成約率25%だったとします。成約1件当たりの広告費は、Aが40,000円、Bが16,000円です。成約まで追うと、予算判断が変わることがあります。
ROASとROIで、売上と利益への貢献を確認する
ROASは売上効率を比べるのに役立ちます。予算を増やすときは、商品ごとの原価や値引き、返品、配送費なども加え、ROIや利益額を確かめます。利益率が違う商品を比べる場合はPOASも判断材料になります。
複数媒体の運用では、各媒体のROASとともに、MERや会計実績から事業全体の売上・費用も見ます。媒体に配分された売上は、その広告によって純粋に増えた売上と同じとは限りません。上乗せ効果を調べる場合は、対象を分けた比較実験などを検討します。
LTVとCACで、継続利用を含む採算を評価する
初回だけでは獲得費用を回収できなくても、再来店によって利益が積み上がる事業があります。獲得した月ごとに顧客を分け、再利用、累積利益、獲得費用を追うと、どの広告が長期の採算につながったかを考えられます。
LTV/CACと回収期間はセットで確認します。将来のLTVが高い見込みでも、回収までの支払いを賄えるかは別の判断です。予測値と観測できた実績を分けて、無理のない予算を決めます。
広告指標を正しく集計するための注意点
数字を比べる前に、成果の定義、期間、分母、費用範囲をそろえます。ここが変わっていると、広告の改善による変化なのか、集計条件による変化なのかを判断できません。
広告管理画面とGA4の違いを押さえる
広告のクリックは広告上の操作、セッションはサイト内の一連の利用です。訪問中に複数回広告をクリックした場合や、読み込み前に離脱した場合、計測タグが動かなかった場合などに数値の差が出ます。
差が大きくなったときは、期間・タイムゾーン・対象キャンペーンをそろえ、リンク先やタグの動作、流入情報の引き継ぎを確認します。LPV、ページビュー、セッションも、それぞれが数える行動を区別して読みます。
成果を数える条件と、貢献を配分するルールを記録する
成果を1回だけ数えるか、発生した回数をすべて数えるかによってCV数は変わります。さらに、どの広告接点へ成果を配分するかというアトリビューションのルールや、クリック・表示後の計測期間も数値に影響します。
比較レポートには、成果の種類、カウント設定、配分モデル、計測期間を残します。クリックした日と購入した日が異なる場合は、どちらの日付で集計する数値なのかもそろえます。直近の成果は後から追加されることがあるので、成約までの時間を踏まえて評価します。
重複を除き、受注・予約の実績と照合する
タグの二重発火などによって、同じ購入や予約が複数回送られていないかを確認します。注文ID・予約IDなどを使って実績と照合し、取消・返品・キャンセルの扱いも決めます。
複数の媒体が同じ購入を自社の成果として計上する場合もあります。媒体別CVを合計するときはこの重なりに注意し、全体の売上や件数は受注・予約データで確認します。
同意状態などによる計測の差を把握する
ブラウザの制限、ユーザーの同意状態、タグの実装によって、観測できる行動が変わります。たとえばGoogleの同意モードは、同意状態に応じてタグの動作を調整する仕組みです。
管理画面の観測・推計を含むデータと、POSや決済システムで確定したデータは役割を分けます。設定を変更した時期を記録しておくと、その前後で数値が変わった際に理由を調べやすくなります。
電話・店頭の成果も追える集計を整える
Webで問い合わせた後に電話予約や店頭契約へ進む場合、Web上のCVだけでは成約まで把握できません。CRMや予約管理に流入情報と対応結果を残し、来店・売上までつなげます。
媒体が対応している場合は、オフライン成果の取り込みも選択肢です。利用するサービスの条件を確認し、Webの成果と重複しないよう集計ルールを決めます。
率や単価は合計値から計算し直す
複数広告のCPCやCPA、CTRをまとめるときは、各広告の率・単価を単純平均せず、分子と分母をそれぞれ合計して求めます。100クリック・費用1万円と、900クリック・費用4万5,000円なら、全体のCPCは55,000円÷1,000回=55円です。
分母が0の率や単価は算出不可として扱います。また、リーチは対象者の重複があるため単純な合計には向きません。顧客維持率やリピート率では、対象顧客と観測期間をそろえて比較します。
成果の定義/対象キャンペーンと期間/分母/含める費用・利益の範囲/成果の配分・計測期間/取消・重複の扱い。この条件をそろえると、担当者が変わっても同じ基準で追えます。
広告指標に関するよくある質問
最初に覚えるべき広告指標は何ですか?
表示から成果までの流れを押さえるなら、インプレッション、クリック数、CTR、CPC、CV、CVR、CPAが入り口です。売上を評価する段階でROAS・ROI、継続利用を評価する段階でLTV・CACへ広げると整理しやすくなります。
広告運用で最も重要な指標は何ですか?
広告の目的によって変わります。予約獲得なら有効な予約数とCPA、販売の採算なら利益額やROIが候補です。事業の成果に近い指標をKPIにし、その途中の指標で改善箇所を調べます。
CTRとCVRは何が違いますか?
CTRは広告が表示されてからクリックされる割合、CVRはクリックや訪問などから成果に至る割合です。広告の反応を調べたいならCTR、その後の予約・購入への流れを調べたいならCVRを確認します。CVRは使う分母も併記します。
CPAとCACはどう使い分けますか?
本記事では、CPAを成果1件当たりの広告費、CACを営業・マーケティング費用も含む新規顧客1人当たりの獲得コストとしています。問い合わせや予約の効率はCPA、顧客を増やす投資全体はCACで見ると整理できます。
ROASが高ければ、広告は黒字ですか?
ROASは売上ベースなので、それだけでは黒字か分かりません。原価や配送費などを差し引いた利益と広告費を比べ、ROIやPOAS、会計実績で採算を確かめます。
広告指標はどのツールで集計できますか?
表示・クリック・広告に配分されたCVはGoogle広告やYahoo!広告などの管理画面、サイト内の行動はGA4が主な確認先です。実来店や継続利用はPOS・予約管理・CRM、実売上や利益は販売・会計データから集計します。
どのくらいの頻度で効果測定すればよいですか?
運用の一例として、配信停止や費用急増は日次、広告やページの改善は週次、売上・利益の照合は月次で行います。成果発生までの時間とデータ量に合わせて調整し、少数の成果による日々の振れだけで判断しないようにします。
広告指標を、次の改善につながる判断に使う
広告指標は、表示、訪問、成果、収益、継続利用という順で見ると、それぞれの役割が分かります。まず目的に合うKPIを選び、途中の指標を組み合わせて、どの段階に課題があるかを確かめましょう。
予約や購入が増えた後は、実来店、利益、再利用まで追います。広告管理画面と実績データをつなげることが、予算配分や集客施策を見直す土台になります。
どの指標を見るべきか、予約や売上までどう集計するかで迷ったときは、集客のカチプロへご相談ください。現在の目標と計測状況を整理するところからお話しいただけます。
計測ツールの公式ヘルプ
管理画面での計測条件や設定を確認する際は、次の公式ヘルプを参照してください。
- Google広告「アクティブ ビュー」 — 視認性の条件・vCPM
- Googleアナリティクス「エンゲージメント率と直帰率」 — GA4のエンゲージメント率
- TikTok「Landing Page View」 — LPVの計上条件と他ツールとの差
- Google広告「コンバージョンのカウント方法」 — CVのカウント設定
- Google広告「計測期間について」 — コンバージョン計測期間
- Google広告「コンバージョン トラッキング データについて」 — コンバージョン値・計測データの解釈
- Googleアナリティクス「同意モードについて」 — 同意状態によるタグの動作
- Google広告「YouTube広告と視聴に関する指標」 — YouTubeの視聴率・100%再生の条件
