Cloudflare Pages無料版へのWordPress静的化移行はおすすめ?注意点を解説

企業サイトの移管・運用を考える
最初に結論

Cloudflare Pagesへの移管は、今あるWordPressのホームページを攻撃から守るための選択肢です。検討しやすいのは、会社案内が中心でページ数が多くなく、更新も少ないサイトです。

頻繁に更新・ページ追加する企業には、おすすめしていません。移管する場合も、更新やトラブル対応を頼める相手を決めておきます。

SNSで「WordPressのホームページをCloudflare Pagesに移すと、無料で使えて安全性も高まる」と知り、自社でも使えそうだと感じた方もいるでしょう。

この方法で目指すのは、ホームページを動かすプログラムの弱点を狙った攻撃を受けにくくすることです。移した後には、更新や問い合わせの仕組みを整え、困ったときの対応先も決める必要があります。

集客のカチプロでは、頻繁に記事を更新・追加する企業には、この移管方法をおすすめしていません。 また、問い合わせや予約を担う企業サイトについて、無料環境だけで運用することにも慎重です。

まずは「何を移すのか」を押さえたうえで、自社に合うか、どのような費用と支援が必要かを見ていきましょう。

情報確認日:2026年10月26日

Cloudflare Pagesとは?今のホームページをどう変えるの?

Cloudflare Pages(クラウドフレア・ページズ)は、ホームページのデータを預け、インターネット上に公開できるサービスです。

今回取り上げるのは、今のサーバーにあるWordPressのホームページを、完成したページのデータに変換し、Pagesへ移して公開する方法です。サーバーとは、ホームページのデータを置き、閲覧者に届けるコンピューターのことです。

WordPressは、文章や画像を編集できるホームページ作成・更新の仕組みです。通常は、閲覧者がアクセスすると、サーバー上のプログラムが働いてページを表示します。

移管後は、あらかじめ作っておいたページをPagesから届けます。このように公開用のページを書き出すことを、「静的化」と呼びます。WordPressを編集用に残す場合は、編集する場所と、お客様が見るページの公開先が分かれます。

図1|今のホームページを、完成したページとして移す
今あるホームページWordPressこれまでのサーバーにある
文章・画像・ページ
静的化する完成したページに変換公開用のデータを作る
制作会社などが作業
新しい公開先Cloudflare Pages完成したページを届ける
お客様はここを見る

公開先でWordPressを動かす必要がなくなり、攻撃の入口を減らせます。更新用に残すWordPressは、編集する人だけが使えるように保護します。

なぜ、攻撃を受けにくくなるの?

WordPressは、PHPというプログラムを動かす仕組みや、機能を追加する「プラグイン」などを使っています。こうしたソフトウェアには、後から安全上の弱点が見つかることがあります。この弱点を「脆弱性(ぜいじゃくせい)」といいます。

静的化すると、お客様にページを見せる場所で、WordPressやPHPを動かす必要がなくなります。攻撃の対象になるプログラムを公開先から減らすことで、将来そこに弱点が見つかった場合にも備えられます。

例えば、あるプラグインに弱点が見つかっても、Pages側でそのプラグインを動かしていなければ、その動作を狙う攻撃の入口を減らせます。これが、今回の移管を検討する主な理由です。

更新用に残すWordPressも保護する

元のWordPressを誰でもアクセスできる状態で残すと、そちらは攻撃の対象になり得ます。編集する人だけがアクセスできるようにするなど、制作・保守会社に保護を依頼します。

問い合わせを送る仕組みや、ログインに使うアカウントの管理も必要です。移管の効果を確かめるときは、「攻撃される可能性を減らせる部分」と「引き続き管理する部分」を説明してもらいましょう。

どんな会社のホームページに向いている?

会社概要・サービス紹介・アクセスなどが中心で、ページ数が一般的な企業ホームページ程度に収まり、更新頻度も低い場合が検討対象です。 以下は、集客のカチプロの判断の目安です。

表は横にスクロールできます。

自社のホームページの使い方当社の考え方
会社・サービスの案内が中心で、内容を変える機会が少ない移管を検討しやすい
記事を頻繁に更新し、新しいページを継続して追加するこの移管方法はおすすめしない
大量の記事や商品ページを掲載している今回おすすめする対象から外れる
問い合わせや予約が、日々の売上につながっている移管後の受付と、故障時の対応体制を重視する
会員のログインや、買い物かごの機能がある機能を引き継ぐ方法と費用を先に確認する

ページ数だけで一律に決めるより、実際のページ構成と更新の多さを制作会社に見てもらうと判断しやすくなります。

更新が多い会社におすすめしない理由

移管後は、WordPressで文章を直した後に、公開用のページを作り直し、Pagesへ反映する工程が加わります。例えば、営業時間の変更は次のように進みます。

  1. WordPressで営業時間を書き換える。
  2. 変更した内容で、公開用のページを作り直す。
  3. Pagesに反映し、お客様が見る画面で確認する。

Cloudflare公式が紹介する無料ツールを使った手順でも、更新のたびに書き出しと再公開を行います。自動化できる範囲は、利用するツールや依頼内容によって変わります。

更新が少なければ、この作業を必要なときに行う運用を考えられます。頻繁に記事を公開する企業では、反映や確認の回数が増え、担当者や外注先の負担につながります。

問い合わせや予約は、今までどおり使える?

問い合わせ・予約などの機能は、移管に合わせて動かし方を確認します。 ページの見た目が同じでも、入力した内容を送る仕組みまで引き継げているかは、別途確認が必要です。

例えば、問い合わせの入力欄だけが表示され、送信しても会社にメールが届かない状態では、仕事に支障が出ます。移管時には、実際に送信して、受付まで確かめてもらいます。

表は横にスクロールできます。

今使っている機能制作会社に確認すること
問い合わせフォーム送信した内容が届くか。迷惑な送信への対策もあるか
予約・申し込み予約や申し込みを完了できるか
サイト内検索ページや記事を探す機能を引き継げるか
会員ページ・ネット販売ログインや購入の仕組みをどこで動かすか

公式の移行ガイドでも、WordPressのフォームやコメント機能は、静的化した環境でそのまま使える機能には含まれていません。利用中の機能を制作会社に伝え、移管費用に対応作業が含まれるか確認しましょう。

無料プランなら、毎月の費用もなくなる?

Pagesから通常の静的ページを届ける料金は無料にできます。ホームページ全体の維持費は、別に見積もります。

無料プランでも、自社のドメインを使って公開できます。ドメインとは、ホームページの住所にあたる「example.co.jp」などの文字列です。ドメイン自体の取得・更新には費用がかかります。

費用は、次のように分けると比較しやすくなります。

表は横にスクロールできます。

費用の項目確認したいこと
Pagesでページを公開する費用通常の静的ファイルへのアクセスは無料・無制限
最初に移す作業の費用静的化、公開先の切り替え、機能の調整を含むか
ドメイン・会社のメール移管後も必要な契約と費用はいくらか
更新用WordPress・フォームなど残すサービスや追加サービスに料金がかかるか
更新・トラブル対応依頼のたびに費用がかかるか、月額契約に含まれるか

静的ファイルの配信とは別に、フォームの受付などのプログラムを実行する場合には、その処理の利用枠や料金が適用されます。

無料で置けるデータにも上限がある

無料プランには、1サイト20,000ファイルまで、1ファイル25MiB(約26MB)までといった上限があります。ファイルはページのデータや画像などを指し、1ページに複数のファイルを使うことがあります。

依頼する側は、これらを自分で数える必要はありません。制作会社に、「今のサイトが無料プランの範囲に収まるか。今後増える分も含めて確認してほしい」と伝えましょう。

費用の比較では、移管時に払う金額と、その後1年間の維持費をセットで見積もってもらうと判断しやすくなります。

無料と有料で、困ったときの対応はどう違う?

無料プランでは、技術的な相談は利用者同士のコミュニティが中心です。企業サイトでは、自社の代わりに原因を調べ、直してくれる相手を決めておくことが重要です。

Cloudflare全般の公式サポート案内では、次の窓口が掲載されています。Pagesで使う機能にどの窓口が適用されるかは、契約時に確認します。

表は横にスクロールできます。

プラン名技術的な相談の主な窓口
Free(無料)利用者同士のコミュニティや交流の場で質問する
Proサポート窓口へ問い合わせを登録する
Business問い合わせの登録に加え、チャットで相談できる
Enterprise契約に応じて、緊急時の電話窓口も利用できる

無料プランでも、請求やアカウントなどの問題は問い合わせ窓口の対象です。回答時間などの条件はプランによって変わります。

制作会社への保守依頼も必要になる

Cloudflareへの相談と、自社のホームページを直す作業は、それぞれ担当を決めます。Cloudflareのサポートには、利用者の代わりに設定を変更する作業や、利用者が作ったプログラムの修正・調査は含まれていません。

例えばフォームが動かないとき、Cloudflareの問題か、フォームの設定の問題かを調べる人が必要です。制作会社には、「ページが開かないときや、問い合わせが届かないときも対応してもらえるか」と確認しましょう。

Cloudflareには複数のサービスと契約があります。有料化するときは、制作会社や契約窓口に、自社が使うPagesと追加機能のどこまで支援が付くのかを説明してもらいます。

攻撃でホームページが止まったら、保証はある?

攻撃を防ぐ機能は無料でも提供されます。停止時の対応や補償については、契約ごとに確認します。

大量のアクセスを送りつけ、ホームページを見られなくする攻撃の一つを「DDoS(ディードス)攻撃」といいます。Cloudflareは、全プラン・全サービスで、通信量に応じた追加課金のないDDoS保護を提供すると案内しています。

図2|「守る」「相談する」「補償を受ける」を確認する
守る

攻撃を防ぐ機能

大量のアクセスによる攻撃の影響を抑える機能。無料でも提供されます。

相談する

困ったときの窓口

問題が起きたときの相談先。契約によって窓口や対応条件が変わります。

補償を受ける

停止した場合の扱い

対象となる障害への対応。何が補償されるか、契約内容を確認します。

制作会社には、この3点を自社のホームページに当てはめて説明してもらいましょう。

「稼働率100%」という表示は、どう読む?

例えばCloudflareのBusinessプランに関する契約には、稼働率100%というサービス水準と、それを満たせなかったときの対応が定められています。このような取り決めを「SLA」と呼びます。

条件に当てはまる障害が起きた場合、利用料金に充当する形で対応します。これは、実際に停止が起こる可能性も踏まえた契約です。Pagesを含む自社の利用範囲に適用されるかも確認が必要です。

問い合わせを逃した分の売上も補償される?

上記のSLAによる対応は、サービス利用料金への充当です。例えば、半日問い合わせが止まって商談を逃した場合、その商談の金額を埋め合わせる仕組みではありません。

自社では、電話などの別の連絡方法と、復旧を依頼する相手を用意します。「無料か有料か」に加えて、「止まったときに誰が動いてくれるか」まで確認して選びましょう。

無料プランを使うとき、規約で気を付けることは?

掲載内容、決済の方法、契約する名義を確認します。 制作会社へ移管を依頼する場合は、規約に沿った使い方になっているかも確認してもらいましょう。

不正な利用や、他人の権利を侵害する掲載は避ける

悪意のあるプログラムの配布、偽サイトで情報をだまし取る行為、他者への攻撃などは禁止されています。違法・有害な内容や規約違反が疑われる場合には、削除や利用停止などの対象になることがあります。掲載する写真・文章の権利にも注意します。

利用上限を回避する使い方も制限されています。

カード決済と、制作会社に任せる契約方法を確認する

共通規約には、無料サービスを使うWebサイトで、クレジットカード情報を集めたり処理したりする行為を制限する規定があります。決済機能を使う場合は、カード情報をどこで受け取るのか、依頼先に確認します。

また、サービスの再販売や、第三者の代わりに登録する行為にも制限があります。制作会社へ依頼するときは、誰の名義で契約し、誰に作業権限を渡すのかを整理してもらいます。

サービスが制限される場合もある

ネットワークに過大な負荷がかかる場合などには、一時的に利用を制限できると規約に定められています。攻撃を受けた無料サイトを一律に停止するという規定とは区別して考えます。

ホームページを長く運用するには、別の場所にもデータを保存し、必要に応じて公開先を移せるようにしておくことが大切です。

制作会社に依頼する前に、何を聞けばよい?

専門的な設定を自分で判断するよりも、移管後の仕事と費用を具体的に説明してもらいましょう。 次の質問を、そのまま依頼先に伝えると確認しやすくなります。

表は横にスクロールできます。

確認することそのまま使える質問
自社との相性「今のページ数と更新頻度で、この移管方法は合いますか?」
更新の方法「文章や画像を変えたいときは、誰に頼み、何日くらいで反映されますか?」
問い合わせ・予約「今ある機能を引き継げますか?実際の送信や予約まで確認してもらえますか?」
検索からの訪問「今のページのアドレスや、検索向けの設定を引き継ぐ作業は含まれていますか?」
会社のメール「今のサーバーを解約しても、会社のメールは使えますか?」
安全性と管理「更新用WordPressをどこに残し、誰が保護・管理しますか?」
トラブル対応「ページが開かないとき、誰が何時から何時まで対応しますか?」
契約と費用「最初の移管費用と、その後1年間の総額はいくらですか?」
将来の引き継ぎ「制作会社を変更しても、自社で契約とデータを引き継げますか?」

特に、今のサーバーで会社のメールも使っている場合は、ホームページの移管と合わせて対応が必要です。解約は、必要な機能を引き継ぎ、動作を確認した後に進めます。

集客のカチプロが、無料環境だけの運用に慎重な理由

会社のホームページは、公開できることに加えて、困ったときに使える状態へ戻せることも重要だからです。

「問い合わせが届かない」と気づいたとき、対応する相手が決まっていれば調査を依頼できます。依頼先を探すところから始めると、その間も仕事の機会を失う可能性があります。

そのため、集客のカチプロでは、Cloudflareを使う場合も、必要な支援を受けられる有料契約と、サイトの管理・修理を任せられる体制を優先して検討します。

静的化してPagesへ移す方法は、一般的な企業ホームページ程度のページ数で、更新頻度が低いサイトが検討対象です。頻繁に記事を更新・追加する企業にはおすすめしていません。

SNSで紹介されている利点を自社で生かせるかは、ホームページの使い方によって変わります。「自社に合うか」「困ったときに誰が対応するか」「年間でいくらかかるか」を説明してもらってから、移管を決めましょう。

出典・参考資料

確認日:2026年10月26日。以下はCloudflareの公式資料です。機能・利用上限・契約条件は変更されるため、契約時には対象サービスの最新条件を確認してください。移管の判断基準と運用上の推奨は、集客のカチプロの見解です。

小形 洸太

この記事を書いた人

小形 洸太

マーケティングプロデューサー、集客コンサルタント。大学卒業後、店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入支援業務に従事。その後、2009年からコンサルティングを提供開始。助言だけではなく、対策もできるコンサルタントとして活動。主に、マーケティング関連のディレクション業務を行い、オウンドメディア運用、SNSキャンペーン、実店舗の集客支援を実施。

集客の専門家として、ミラサポや信用保証協会専門家、商工会専門家などの立場で事業主向けに助言業務を実施。また、リクルートや第一興行のメディアでSNSを使った集客の記事の監修。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

検索