立地が悪い飲食店の集客方法はどうすれば良い?店舗作りから対策する立地対策

「駅から遠く、店の前を歩く人が少ない」「路地裏にあるため、近所の人にも気づかれていない」。立地の悪さで来店客が増えず、どのように集客すればよいのか悩んでいる飲食店もあるでしょう。
ただし、人通りが少ない店と、入口が分かりにくい店では、先に取り組むことが異なります。立地が悪いという理由だけで集客方法を選ぶのではなく、来店を妨げている原因を整理することが重要です。
立地が悪い飲食店の集客は、店を知ってもらうこと、来店しやすくすること、選ばれる理由を作ることから始めましょう。
まずは店舗情報、看板、アクセス案内、近隣へのマーケティングなど、今の店で改善できることを確認します。そのうえで、遠方からの目的来店や、催事出店やケータリングなどの顧客側に接近する販売方法を検討すると、自店に合った対策を選びやすくなります。
立地が悪い飲食店でも集客を改善できる?
立地が悪くても、集客を改善できる余地はあります。例えば、近隣に住む人が店の存在を知らない場合は、マーケティングによって利用の候補に入る可能性があります。店を知っていても入口や駐車場が分からない場合は、案内を整えることが来店の後押しになります。
一方で、周囲の人口が少ない過疎地域や、移動の負担に対して料理やサービスの魅力が伝わっていない場合は、単純な広告だけでは集客しづらいでしょう。
重要なのは、立地の悪さを一つの問題として扱わず、どの段階で来店につながっていないのかを確認することです。「知られていない」「行き方が分からない」「選ぶ理由が伝わらない」「一度来ても次につながらない」のどこに問題があるかで、対策は変わります。
駅から遠いかどうかだけで、立地の悪さが決まるわけではありません。
車で利用する家族客が中心なら、駅との距離より駐車場や道路からの入りやすさが重要です。徒歩で短時間のランチを探す人が中心なら、勤務先からの距離や提供時間が判断材料になります。狙う客層と利用場面に合わせて立地を評価しましょう。
まずは「立地のどこが悪いのか」を確認する
対策を始める前に、店舗周辺を歩き、駅や道路から店に向かう経路も確認してみましょう。普段使う入口だけを見ていると、初めて来る人が迷う場所や、看板が見えない方向を見落とすことがあります。
立地の問題は、主に次のように整理できます。複数が重なっている場合は、来店への影響が大きく、改善しやすいものから取り組みます。
表は横にスクロールできます。
| 立地の問題 | 確認すること | 優先して検討する対策 |
|---|---|---|
| 人通りが少ない | 近隣に住む人・働く人へ、店の存在が伝わっているか | Googleマップの情報整備、近隣へのチラシ、地域媒体での紹介 |
| 路地裏・上階などで見つけにくい | 通りから店を認識できるか、入口まで迷わず進めるか | 看板、入口の案内、曲がり角や建物の写真 |
| 駅から遠い・アクセスが不便 | 利用できる交通手段、駐車場所、移動してまで利用する理由が分かるか | 駐車場・交通手段の案内、予約方法の明示、料理や利用シーンの訴求 |
| 周辺の人口や利用需要が少ない | 近隣客だけでは集客が難しいため、遠方からでも目的来店につながる料理や体験などの要素があるか | 商圏や対象客の見直し、目的来店の強化、店外販売の検討 |
店舗主導で、来店を妨げる理由を潰し、来店動機を作る
立地が悪く集客に苦戦している店では、来店客が少なく、営業日によっては来店がないこともあります。既存客の声だけで原因を判断するのは難しいため、店舗側で周辺の需要や入店のしやすさを検証し、来店したくなる理由を作ることが重要です。
表で整理した立地の問題をもとに、スタッフと次の3つを確認します。
- 「知らない」:対象客に店の存在と利用する理由が届いているか
周辺の住宅、事業所、交通動線、競合店を調べ、誰がどの時間帯に、どのような食事を必要としているかを考えます。その需要に合う料理や利用方法を用意し、対象客に届く媒体と伝える内容を決めます。周辺人口が少ない場合は、遠方のどのような人に来てもらうかまで設定します。 - 「入店しづらい」:初めての人が迷わず、安心して入れるか
スタッフと駅・道路・駐車場から店まで実際に移動し、看板の見え方、入口の分かりやすさ、照明、営業中と分かる表示を検証します。店の前でメニューや価格、店内の様子が分かるかも確認し、分かりにくい箇所を直します。徒歩と車、昼と夜など、狙う客層の来店条件に合わせて確かめましょう。 - 「どこにでもあるので行かない」:移動してまで選ぶ理由があるか
対象客が普段利用できる店と比較し、自店へ足を運ぶ理由を作ります。近隣だけで十分な需要が見込めないなら、遠方の人にとっても未体験となる料理や過ごし方を軸に、店舗のコンセプト、メニュー、接客、空間を一貫して設計します。何を体験でき、どのような満足を得られるかを具体化し、実際に提供できる費用と体制も確認します。
既存客の感想は、得られる場合に検証を補う材料として使います。客数が増えるのを待たず、店舗側で仮説を立て、入店の障壁を減らし、来店動機を作って実際の反応を確かめましょう。
立地以外の原因も切り分ける
営業時間が地域の生活に合っていない、価格が分からず入りにくい、料理の提供に時間がかかるなど、立地以外の問題が来店や再来店を妨げている場合もあります。来店客が少ないという結果だけで、立地が原因と決めつけないようにしましょう。
周辺人口や交通動線の調べ方は、飲食店の商圏分析で詳しく解説しています。
ここまでの確認を踏まえ、看板や案内、商品・サービスの改善で補える立地の悪さなのか、周辺需要や交通条件から今の場所での営業自体を見直す必要があるのかを判断します。
立地の悪さを補う飲食店の集客方法
最初から大きな広告費や新しい設備に投資する必要はありません。店を発見してから再来店するまでの流れに沿って、今の店舗でできる改善を確認しましょう。
1.Googleマップや近隣へのマーケティングで、店の存在を知らせる
向いている店:人通りが少なく、近くに住む人や働く人にも十分に知られていない店。
Googleビジネスプロフィールで、住所、営業時間、電話番号、メニュー、料理写真などを確認します。店舗の種類や価格帯、どのような食事ができるかが分かる状態にし、公式サイトやSNSの情報も揃えておきましょう。
Googleマップだけでなく、近隣へのチラシ、地域の情報誌、地域メディアへの情報提供も候補になります。チラシには、店名と場所だけでなく、「平日のランチに使える」「家族で夕食を楽しめる」など、利用する場面とメニュー・価格を載せます。
2.看板とアクセス案内で、迷わず来店できるようにする
向いている店:路地裏、地下、建物の上階などにあり、店や入口を見つけにくい店。
半径30m程度を目安に、路面から店舗の存在が分かる状態を目指しましょう。店舗の存在を視認できなければ、そのまま通り過ぎられ、入店を検討してもらえないことがあります。スタッフと通りの両方向から見え方を確認し、看板の位置や文字の大きさ、照明を調整します。
看板は店名だけでなく、「何の店か」「どんな料理を食べられるか」が伝わる内容にします。店舗の存在に気づいた人が利用を判断できるよう、入口にはメニューと価格も掲示しましょう。
公式サイトやSNSでは、最寄り駅・バス停からの道順、建物の外観、入口、駐車場の位置を写真で示しましょう。地図だけでは判断しにくい曲がり角や、駐車場から入口までの経路を補足すると、来店時の迷いを減らせます。
- 建物の何階にあり、どの入口から入るのか
- 駐車場はどこにあり、何台利用できるのか
- 満車の場合に利用できる駐車場があるか
- 予約が必要か、当日来店でも利用できるか
注意点:看板の設置は、建物の管理条件や設置場所に適用されるルールを確認して進めます。案内には実際に利用できる経路や設備を記載し、店舗側の感覚だけで「すぐ」「簡単」と表現しないようにしましょう。
3.その地域で独自のコンセプトを持つ店舗を作り、来店理由を生む
向いている店:近くの店で済ませず、わざわざ足を運んで何度も利用したいと思える理由が不足している店。
利用シーンを伝えるだけでは、同じ目的を満たす近くの店が選ばれる可能性があります。周辺地域の需要と競合店を調査し、料理、居心地、接客、設備などを組み合わせて、「この店にまた来たい」と思える要素が多い店舗を作りましょう。
奇をてらったオリジナルメニューや独特な雰囲気は、一度試すきっかけにはなっても、「1回行ってみればよい」と判断されることがあります。継続して選ばれるためには、その地域で一番人気になることを目指す看板メニューに、落ち着ける空間や安心して利用できる設備などを掛け合わせ、食事全体の満足を高めることが重要です。
看板料理 × 居心地の良さ
何度も食べたくなる看板料理に、座りやすい席、心地よい接客、落ち着いて過ごせる空間を組み合わせます。料理を食べることと、その店で過ごすことの両方が来店理由になります。
家族で楽しめる料理 × 個室・テラス席
家族で食べたい料理に、安心して過ごせる個室や、屋外で食事を楽しめるテラス席を組み合わせます。味、安心感、過ごし方に複数の魅力があれば、家族の外食先として繰り返し選ばれる理由を作れます。
上記は店舗づくりの例です。対象客の需要と、自店の設備・予算・運営体制に合う組み合わせを検討してください。
注意点:設備やメニューを増やすだけでは、独自のコンセプトにはなりません。誰に、どのような食事と時間を提供する店なのかを決め、その価値を高める要素を選びます。スタッフ間で提供する体験を共有し、何度訪れても満足できる味、接客、居心地を維持しましょう。
4.近隣の事業所や施設との接点を増やす
向いている店:近くに事業所、宿泊施設、地域の集会施設などがあり、その利用者に合う料理や席を提供できる店。
周辺の事業所へランチメニューを案内したり、宿泊施設へ夕食の利用案内を渡したりする方法があります。地域イベントの参加者向けに、営業日や予約条件を伝えることも考えられます。
案内先の人が説明しやすいよう、料理、価格、営業時間、所在地、予約方法を一枚にまとめます。団体利用を案内するなら、受け入れ人数、予算、予約期限も明示しましょう。
注意点:施設が近くにあるだけで利用が見込めるとは限りません。休憩時間や食事の予算、移動手段を確認し、相手の利用場面に合う提案をします。案内物の設置や配布は、相手の了承を得て行います。
5.LINEやSNSで、来店した人の再来店につなげる
向いている店:初回来店はあるものの、その後の再来店につながりにくい店。
一度来店したお客様には、味、接客、居心地などを通じて、また利用したいと思ってもらうことが基本です。そのうえで、LINE公式アカウントやSNSを案内し、営業日、新メニュー、季節の料理などを届けます。
会計時や店内掲示で、登録・フォローすると何が分かるのかを伝えましょう。「今週のランチ」「季節のおすすめ」「予約の空き状況」など、再来店の判断に役立つ情報があると、接点を維持する意味が生まれます。
注意点:フォロワー数や登録者数だけで判断せず、配信後に予約や来店があったかを確認します。案内ばかりを増やすのではなく、お客様が必要とする情報を無理なく継続できる頻度で届けましょう。
媒体ごとの特徴は、飲食店のSNS集客と使い分けを参考にしてください。
遠くても行きたいと思われる店を作る
駅から遠い店や、近隣の利用需要が小さい店では、「その店で食事をするために出かける」という目的来店を増やすことも検討します。
目的来店を生む価値は、お客様が時間をかけてでも利用したいと感じる料理や体験です。普段から丁寧に作っている料理や、落ち着いた空間、家族で過ごしやすい席も、客層によっては来店理由になります。
食べに行く理由になる料理
得意な調理法、食材の特徴、安定した味など、看板料理として勧められる理由を明確にします。写真に価格や内容を添え、実際の食事を想像できるようにします。
その場で過ごす価値
静かな席でゆっくり食事ができる、家族の集まりに使える、記念日の相談ができるなど、店内でどのように過ごせるかを伝えます。
対象客が体験したくなるコンセプトを、料理と空間に落とし込む
「おいしい」「こだわりがある」だけでは、初めての人には違いが伝わりにくいものです。対象客が普段利用できる店を調べ、そこで得られない食事や過ごし方を自店で提供できるかを考えます。特定の地域の食文化を一つのコースで楽しむ、料理ができる過程を間近で体験するなど、店まで出かけて何を楽しめるのかを具体化しましょう。
コンセプトは宣伝の言葉だけで終わらせず、料理、提供方法、接客、空間まで揃えます。そのうえで、体験できる内容を写真と文章で紹介し、価格や予約条件も示します。
例えば、落ち着いた空間を伝えるなら、席の配置や店内写真を見せます。看板料理を伝えるなら、材料や調理の特徴、量、価格を説明します。来店客の感想を掲載する場合は、本人の了承を得た実際の内容を使いましょう。
移動の負担と、来店した時の満足を一緒に考える
遠方から来る人には、営業日、予約、売り切れ、駐車場などの情報が特に大切です。せっかく訪れたのに利用できないという行き違いを減らすため、変更や利用条件を分かりやすく案内します。
初回来店の話題性だけでなく、味、接客、価格との釣り合いを確かめ、次に訪れる理由まで考えましょう。看板料理の考え方は、飲食店の看板メニューの作り方で解説しています。
来店客を増やす施策だけでは難しい場合の選択肢
周辺の需要が限られている場合や、来店の負担を十分に減らせない場合は、店内での食事以外の売上も検討します。店内集客の改善状況と、調理・配送に対応できる体制を踏まえて選びましょう。
デリバリーや企業向けの配送
店まで来てもらうことが難しくても、料理を届ければ利用できる需要があるかを確認します。周辺事業所の昼食や会議用の弁当など、注文する側の人数、予算、受け取り時間に合う商品を設計します。
デリバリーサービスを利用する場合は、対象地域と利用条件を確認します。自店配送の場合も、移動時間や受け渡しの人員が必要です。容器や配送にかかる費用と、配達後の料理の品質を含めて判断してください。
地域の催事やイベントへの出店
自店の商品に合う来場者がいるイベントでは、料理を試してもらう機会を作れます。店舗の所在地や営業情報も案内し、その後の来店や予約につなげます。
最初は単発の出店で、売れた商品、準備の負担、残る利益を確認しましょう。出店料や人件費に加えて、店舗営業への影響も考慮する必要があります。
追加の販売方法は、売上と運営負担の両方を確認します。
注文が増えても、調理や配送で店内のお客様への対応が遅れる場合があります。販売数、受注時間、対応エリアを絞り、無理なく提供できる範囲から試しましょう。
対策を続けても採算が合わない場合は、移転も比較する
広告や配送などの追加費用をかけ続けても、必要な利益を確保できない場合は、今の場所での営業と移転を比較する段階です。家賃の差だけでなく、初期費用、休業期間、既存客への影響、移転先の需要を確認します。
来店が少ないという理由だけで急いで移転を決めず、取り組んだ対策とその結果を整理し、今の店舗で改善できる範囲を見極めましょう。
自店に合う対策を選び、小さく試す
施策を同時に増やすと、費用や作業が膨らみ、何が来店につながったのかも分かりにくくなります。まず基本情報の不足を直し、その後は課題に合う施策を一つずつ試すと判断しやすくなります。
- 周辺需要と入店の障壁を調べる
周辺の人口、事業所、交通動線、競合店を調べ、対象客と利用場面を設定します。スタッフと実際の来店経路をたどり、看板、入口、メニュー、価格表示など、初めての人が入りにくい要因を確認します。
- 店舗情報とアクセス案内を整える
営業時間、メニュー、価格、入口、駐車場、予約方法を確認します。Googleマップ、公式サイト、SNSの情報を揃え、来店を検討する人が迷わない状態にします。具体的な施策は、飲食店の集客方法と成功事例も参考にしてください。
- 来店動機を作り、課題に合う施策を選ぶ
対象客が移動してでも利用したい料理や体験を設計します。その価値を知られていないなら対象客への情報発信、入店しづらいなら看板や入口の改善など、来店を妨げる理由に対応する施策を選びます。
- 予算と実施期間を決めて試す
チラシなら配布地域と枚数、SNSなら紹介する料理と投稿予定を決めます。実施前に、何を見て継続・改善を判断するかも決めておきましょう。
- 来店数、再来店、利益を確認する
「何を見て来店したか」の聞き取りや予約記録を使って変化を確認します。施策費用だけでなく、割引、追加の人員や容器などにかかった費用も含めて判断します。
閲覧数やフォロワー数だけで、効果を判断しない
Googleマップの閲覧やSNSの反応は、店を知るきっかけが増えたかを見る材料です。ただし、閲覧や経路検索が増えても、そのすべてが来店したとは限りません。店舗側の客数や予約記録と合わせて確認しましょう。
天候、祝日、地域イベントなどでも来店数は変わります。単日の増減や、施策を始める前後の数字だけで効果を断定せず、同じ曜日や営業条件も見ながら改善します。
迷ったら、最初は「既に興味を持っている人が来店しやすいか」を確認しましょう。
営業時間が古い、価格が分からない、入口が見つからないという状態を直してから認知を広げると、マーケティングで関心を持った人を受け入れる準備が整います。
まとめ:立地の悪さを整理し、できる改善から始める
立地が悪い飲食店の集客では、人通りの少なさ、店の見つけにくさ、アクセスの不便さ、周辺需要の小ささを分けて考えることが大切です。
店の存在を知らせる、看板と道順を整える、料理や利用シーンを伝える、近隣との接点を増やす、再来店につなげる。まずは、今の店舗でできる対策を確認しましょう。
自店の課題に合う対策を選び、実際の来店と利益を見ながら続けることが、集客改善の基本です。そのうえで、目的来店や店外販売を組み合わせ、地域の需要と店舗の体制に合う方法を探していきましょう。
立地と商圏に合う集客方法を整理する
カチプロ飲食店集客ブースターでは、店舗の立地や集客状況を踏まえ、Googleマップ、公式サイト、SNS、予約への案内などの改善を支援しています。
「何から直せばよいか分からない」「施策を続けているのに来店につながらない」という場合は、現在の状況から優先する対策を整理しましょう。


