マーケティングオートメーションとは?仕組み・できること・活用例を解説

マーケティングオートメーションとは?MAツールの機能・メリット・向いている企業を解説
マーケティングオートメーションの基本

マーケティングオートメーション(MA)とは、顧客の情報や行動に応じて、メール・LINEなどの配信やフォローを自動化する仕組みです。 見込み顧客への情報提供、購入後の案内、店舗への再来店促進など、BtoB・BtoCのさまざまな場面で活用できます。

例えば、資料請求した人に関連する導入事例をメールで送る、飲食店に来店した人にLINEで次回の案内を届ける、といった運用が可能です。顧客との接点を継続しながら、担当者が毎回行っていた作業を減らせます。

この記事では、MAの目的・仕組み・できること、主要ツールの違い、店舗や飲食店での活用方法まで解説します。

マーケティングオートメーションとは?

マーケティングオートメーションは、英語の「Marketing Automation」を略してMAと呼ばれます。顧客データを使って、対象者・タイミング・内容を決め、マーケティング施策の一部を自動で実行します。そのために使うソフトウェアが「MAツール」です。[1]

具体的には、「誰が何に関心を持っているか」「いつ購入・来店したか」「その後どのように行動したか」をもとに、次の働きかけを変えます。顧客との接点はWebサイト、展示会、店舗、ECサイト、アプリなど多様です。

例えば、全員に同じ日にメールを送る一斉配信に対し、MAでは「資料請求から3日後」「初回購入後」「一定期間来店していない」など、顧客ごとの条件を起点に動かせます。あらかじめ決めた条件に応じて、対象者・タイミング・内容を自動で変えられることが特徴です。

顧客との接点によって変わるMAの活用例
顧客との接点自動化する働きかけ目指す成果
オウンドメディア
→資料請求
関心のあるテーマに合わせ、導入事例やセミナー情報をメールで案内する相談・商談
展示会・セミナー
→顧客情報の登録
参加テーマや相談内容に応じて情報を送り、営業担当者に対応を促す商談・受注
店舗への来店
→LINE登録・連携
来店後のお礼や、来店間隔に合わせた案内をLINEで配信する再来店
ECサイトで購入
→購入履歴の蓄積
購入商品の使い方や、買い替え・再購入時期に合う情報を届ける再購入・関連商品の購入
アプリの登録・利用
→利用状況の把握
利用状況に応じて、プッシュ通知やアプリ内メッセージを送る継続利用・休眠顧客の復帰

上記は運用の設計例です。利用するデータ・配信先・条件に対応したツールと連携設定を組み合わせて実現します。

マーケティングオートメーションの目的とメリット

資料請求や来店などで一度接点を持った顧客も、その後の働きかけがなければ接触が途切れ、自社を思い出す機会が減っていきます。BtoBでは検討候補から外れて失注につながり、店舗では次の来店機会を逃しやすくなります。

MAの目的は、顧客との関係を継続し、商談・購入・再来店などの成果につなげることです。 必要な情報を届ける作業や顧客情報の更新を自動化することで、対応の漏れを減らし、担当者の負担も軽減できます。

BtoB:検討中の顧客をフォローし、商談につなげる

BtoBでは、資料請求や名刺交換から契約まで、継続的な情報提供が必要になることがあります。MAを使うと、検討しているテーマや行動に応じて情報を届け、関心が高まった段階で営業担当者へ引き継げます。

例えば、業務改善の資料を請求した人には同業種の導入事例を案内し、料金ページの閲覧や相談申込などの行動をもとに、担当者がフォローします。見込み顧客との関係を育てる取り組みは「リードナーチャリング」と呼ばれます。

BtoC:購入後のフォローと継続利用を支える

BtoCでは、購入やサービス利用の履歴に合わせて、その後の案内を行えます。初回購入者への使い方の説明、定期的に使う商品の再購入案内、利用が空いた顧客への情報提供などが代表的な活用です。

こうした接点を継続すると、再購入や継続利用を促し、顧客一人ひとりとの取引を長く育てることにつながります。顧客との取引を通じて得られる価値を表すLTV(顧客生涯価値)も、成果を見る際の指標になります。

店舗:来店後も接点を持ち、リピーターを増やす

店舗では、来店時にLINEや会員サービスで接点を持ち、来店後のフォローに活用できます。初回来店後のお礼、次回予約の案内、来店間隔に合わせた季節メニューの紹介などを、顧客の状況に合わせて届けます。

例えば、飲食店ではモバイルオーダーやPOSレジのデータとLINEを連携させることで、来店回数や注文内容を使った配信を設計できます。日々の営業に伴って顧客情報を蓄積し、その後の再来店施策へつなげる流れです。

共通のメリット:手作業と対応漏れを減らす

対象者の抽出、メッセージの配信、タグの付与、担当者への通知などを自動化すると、決めた手順に沿って対応を継続できます。配信結果や顧客の行動も確認できるため、施策の改善に必要な情報が蓄積されます。

繰り返す作業を仕組みに任せることで、担当者は提案内容の改善、接客、商談などに時間を使いやすくなります。

マーケティングオートメーションの仕組み

MAは、顧客データと実行条件を組み合わせて動きます。顧客との接点がメールでもLINEでも、基本となるのは次の5段階です。

MAが動く5つのステップ

  1. STEP 01集める登録・閲覧・購入・来店などの情報を取得
  2. STEP 02紐づける同じ顧客の属性と行動履歴をまとめる
  3. STEP 03判定する経過日数や行動が設定した条件に合うか確認
  4. STEP 04働きかける配信・情報更新・担当者への通知を実行
  5. STEP 05改善する商談・購入・来店などの成果を確認
対象者、タイミング、送る内容を決めておくと、条件に合う顧客への働きかけを継続できます。

顧客情報と行動データを集め、紐づける

問い合わせフォーム、会員登録、Webサイトの閲覧、購入、店舗の注文などから、施策に必要なデータを集めます。メールアドレスや会員IDなどを使って同じ顧客の情報をまとめると、過去の行動を踏まえた配信ができるようになります。

LINEでは、友だち情報と会員・予約・注文などの情報を紐づけることで、顧客ごとの履歴を活用できます。導入時には、既存のシステムから取得できるデータと、連携に使うIDを確認します。

条件とシナリオを設定する

シナリオは、「どの出来事をきっかけに、どの条件で、何を実行するか」を決めた手順です。資料請求、初回購入、来店、誕生日などを起点に、待機する日数や、その後の行動に応じた分岐を設定します。

BtoBのシナリオ例
資料請求 → お礼と資料の案内 → 関心テーマに合う導入事例を送付 → 料金ページの閲覧などをもとに営業担当者へ通知 → 商談後は商談状況に合うフォローへ移行

店舗のシナリオ例:初回来店から2回目の来店へ
来店履歴とLINEの友だち情報を紐づける → 初回来店の翌日にお礼を送る → 30日後に再来店の有無を確認 → 再来店がなければ季節メニューを案内し、再来店済みなら常連客向けのフォローへ移す。

日数は設計例です。店舗の利用周期に合わせて調整し、来店履歴の連携と条件分岐に対応するツールで設定します。

申込済み・購入済みの人を次の案内から外す、同じ案内の送信回数に上限を設けるなど、配信を終える条件も決めます。「送る条件」と「配信を切り替える条件」を一緒に設計すると、顧客の状況に合う運用を続けやすくなります。

成果を確認して、配信内容や条件を見直す

配信後は、クリックや回答に加え、商談・購入・再来店など目的に対応する成果を確認します。対象者、内容、タイミングを見直し、反応のよい組み合わせを育てていきます。

例えば、案内のクリックは多くても予約が少なければ、予約ページの使いやすさや案内したプランを確認します。配信から成果までの流れを見ると、改善する箇所が分かりやすくなります。

MAツールでできること

MAツールには、顧客情報の管理、対象者の抽出、シナリオ配信、営業連携、分析などの機能があります。自社で実行したい施策を決めると、必要な機能も整理できます。

MAツールの主な機能と使い道
機能できること使い道の例
顧客・見込み顧客の管理属性、登録情報、行動履歴を管理する資料請求、購入、来店などの履歴を確認
フォーム・LP(申込用ページ)作成問い合わせや資料請求、会員登録の窓口を作る申込情報を顧客データに反映
セグメント属性や行動の条件で対象者を絞り込む初回購入者、来店間隔が空いた人、特定商品に関心がある人を抽出
シナリオ・自動配信起点、待機、分岐、実行の流れを設定する購入後のフォローや来店後の案内
メール・LINE等の配信顧客に合うチャネルで情報を届けるメール、LINE、SMS、プッシュ通知を活用
行動の記録・表示の出し分け閲覧やクリックを記録し、状況に合う情報を表示する興味のある商品に合わせた案内
スコアリング・営業通知属性や行動に点数を付け、対応の優先度を整理する関心が高まった見込み顧客を担当者に共有
分析・テスト施策ごとの成果や、内容による違いを比較する配信内容、対象者、タイミングを改善

対応する機能やチャネルは、製品・契約プラン・連携するサービスによって異なります。LINE配信やPOSデータの利用が必要な場合は、対象機能と接続方法を確認して選びます。[2]

CRM・SFA・メール配信ツールとの違い

MAと一緒に比較されるのが、CRM(顧客関係管理)とSFA(営業支援)です。それぞれの主な役割を理解すると、既存システムとの組み合わせを考えやすくなります。

主な役割で見るツールの違い
ツール主な役割管理・実行すること
MA顧客の状態に応じて施策を実行する対象者抽出、シナリオ配信、フォロー、営業通知
CRM顧客を理解し、関係を継続する基盤を作る顧客情報、購入・対応履歴、関係の管理
SFA営業活動と商談の進捗を管理する案件、活動履歴、商談段階、売上見込み
メール配信ツールメールの作成・配信・結果確認を行う配信リスト、メール作成、配信予約、配信結果

製品によっては、CRMに自動配信機能が含まれたり、メール配信ツールで条件分岐を設定できたりします。ツールの分類に加え、「自社のデータを使って、必要なフォローを実行できるか」で比較することが大切です。 MAとCRMを連携させれば、購入後の顧客情報も施策に活用できます。[3]

主要なマーケティングオートメーションツール

主要ツールは、商談につなげるBtoB向けと、購入・継続利用を促すBtoC向けで比較の軸が変わります。営業への引き継ぎを重視するなら顧客管理・スコアリング・CRM連携、ECやアプリなら購入・利用データと配信チャネルの連携を確認します。

店舗の再来店施策を中心に始める場合は、LINEの自動配信や店舗向けシステムも比較できます。以下は主な用途による整理で、製品によってはBtoB・BtoCの両方に対応します。

BtoBのマーケティングで使われる主要ツール

BtoBでは、Webサイトや展示会などで接点を持った見込み顧客を管理し、継続的な情報提供と営業への引き継ぎを支える機能が比較の軸になります。

BtoBの商談創出・顧客育成で比較するツール
ツール特徴比較するポイント
HubSpot
Marketing Hub
CRMデータを使った配信やワークフローで、マーケティングと営業の連携を支える顧客管理・営業を含む運用範囲と、必要機能を使えるプラン
Adobe
Marketo Engage
リード管理、スコアリング、CRM連携などに対応するMAプラットフォーム施策の複雑さ、顧客データの連携、運用体制
Salesforce
Account Engagement
Salesforceと連携し、BtoBの見込み顧客の獲得・育成と営業連携を支援する既存のSalesforce環境との関係、引き継ぎ・管理方法
SATORI問い合わせ前の匿名訪問者を含む、行動に応じたコンテンツの出し分けに対応するWebサイト上の接点を見込み顧客の獲得・育成にどう使うか
SHANON
MARKETING PLATFORM
属性情報と、Web・メール・イベントなどの行動履歴を統合して活用するセミナー・展示会等も含めた顧客情報の管理と施策連携

掲載順は順位を示すものではありません。各ツール名から公式の機能情報を確認できます。Account Engagementは旧Pardotにあたる製品です。

BtoCのマーケティングで使われる主要ツール

BtoCでは、購入履歴や利用状況をもとに、多くの顧客へ個別の案内を届ける機能が役立ちます。ECサイト、アプリ、LINEなど、顧客が利用するチャネルを横断して施策を設計するケースもあります。

BtoCの購入・再購入・継続利用で比較するツール
ツール特徴比較するポイント
Salesforce
Marketing Cloud Engagement
メール、SMS、プッシュ通知などを組み合わせ、顧客との一連の接点を設計する顧客規模、チャネルの組み合わせ、既存環境との連携
Braze顧客の行動に応じた複数チャネルの配信を支えるカスタマーエンゲージメント基盤アプリ・Web・メール・LINEを使う配信とデータの連携
b→dash顧客データ基盤のCDPを中心に、MA、分析、Web接客などを提供するデータの統合から施策実行まで、まとめて管理する範囲
Synergy!顧客データベースを基盤に、メールやLINEでのコミュニケーションを支えるCRMシステム既存の顧客情報、配信条件、LINEとの紐づけ
Repro App
/Repro Web
アプリの通知・メッセージ、Web接客・Webプッシュなどで利用や購入を促す改善したい接点がアプリかWebか、必要な計測と施策

MAを専用で提供する製品に加え、CRMや顧客データ基盤、Web・アプリの改善ツールにも自動化機能があります。自社の利用場面に合わせて、必要な機能を持つ製品を比較しましょう。

店舗でMAを活用するなら、LINEを使った再来店施策も選択肢

店舗では、来店時にLINE公式アカウントの友だち追加を案内し、その後のコミュニケーションに活用できます。来店・予約・購入情報と連携できると、顧客の状況に応じたフォローへ発展させられます。

例えば、初回来店者にはお礼と店舗の楽しみ方を案内し、来店間隔が空いた人には季節のメニューを紹介します。常連客には、新メニューや特別な企画など、利用状況に合う情報を届ける設計が考えられます。

LINEを使うMAでは、友だちを増やす導線と、来店後のフォローを一緒に設計することが重要です。 具体的な運用は、飲食店のLINE公式アカウント活用方法も参考になります。

LINE公式機能・拡張ツール・業務システムから選ぶ

基本の自動配信にはLINE公式アカウントのステップ配信を使えます。顧客情報やタグに応じた配信には公式のCRMオプション、より細かい配信や予約等の運用には拡張ツール、来店・注文情報の活用には業務システムとの連携が選択肢になります。

店舗のLINE自動化を実現する主な選択肢
選択肢主な機能・使い道選ぶ際の確認点
LINE公式アカウント
ステップ配信
友だち追加などを起点に、用意した内容を決めたタイミングで自動配信する必要な開始条件、送り分け、配信通数
LINE公式アカウント
CRMオプション
顧客情報、フォーム、タグ、条件に応じたオートメーションを活用する自動化したい条件と、利用できるプラン
Lステップシナリオ配信や顧客情報の管理など、LINE運用に必要な機能を拡張する必要な分岐・予約・分析・外部連携への対応
funfoなどの業務システムPOSレジやモバイルオーダーの情報を、LINEの顧客管理や配信に活用する来店・注文データとの紐づけと、対象プラン

総費用は、ツールの月額に加え、LINE公式アカウントのプラン、配信通数、設定や運用支援などを含めて確認します。使いたい条件や既存システムとの連携を先に整理すると、選択肢を絞りやすくなります。

飲食店DXツールに含まれる自動化機能:funfo One AIの例

飲食店向けのfunfoは、POSレジとモバイルオーダーを備え、funfo One AIプランでLINEの顧客管理や自動配信を利用できます。ユーザープロフィールやアンケートなども含まれています。

来店回数、来店間隔、注文内容を使ってLINEを配信できるため、2回目の来店者への案内や、注文した商品に合う提案などに活用できます。配信後の来店人数や売上を確認する機能もあり、フォローと結果の確認をつなげられます。[5]

日々の注文・会計で蓄積する情報を、その後のリピーター向け施策に使えることが、飲食店DXとMAがつながるポイントです。

来店後のLINEフォローは、顧客の状況で変える

来店・注文 + LINEとの連携
来店回数・来店間隔・注文内容を蓄積
初めて来店した人

来店後のお礼やアンケート、次回の利用に役立つ情報を届ける。

来店間隔が空いた人

季節メニューや利用シーンを提案し、来店のきっかけを作る。

繰り返し来店している人

新メニューやイベントなど、常連客に合う情報を届ける。

特定の商品を注文した人

好みに合うメニューや、関連する商品の情報を案内する。

配信後の来店・注文を確認し、次のフォローへつなげる
店舗向けシナリオの設計例です。配信する日数や条件は、店舗の来店周期と使用するツールに合わせて設定します。

注文・会計の効率化と顧客へのフォローをまとめて見直したい店舗は、funfoの機能と導入の考え方も確認すると、店舗運用に合う構成を検討できます。リピーター施策全体は、飲食店のリピーターを増やす方法で詳しく解説しています。

自社に合うMAツールの選び方と導入の進め方

MAの導入は、自社で継続したいフォローを一つ決めるところから始めます。対象者、使うデータ、実行することを具体化すると、必要な機能と運用の規模を判断できます。

導入に向いているのは、継続する接点と繰り返す作業がある企業・店舗

検討中の顧客への情報提供、購入後のフォロー、再来店の案内など、継続的な接点が必要な業務はMAを活用しやすい場面です。対象者が増えて手作業での対応が難しくなっている場合も、導入を検討するきっかけになります。

自社は何から始める?

  • 顧客情報と継続的なフォロー業務がある:手作業が多い施策から、自動化する条件を決めます。
  • 来店者やWeb訪問者との連絡手段が少ない:友だち追加、会員登録、資料請求など、次の接点につながる導線を整えます。
  • 少人数への案内から試したい:利用中のメール配信・予約・POSなどの自動化機能を確認し、必要な範囲で始めます。

採算は、顧客単価、購入・来店頻度、顧客数、削減できる作業時間、運用費を合わせて考えます。日常的に購入される商品や店舗サービスでも、繰り返しの利用や多くの顧客への対応が価値につながります。

① 成果と、最初に自動化する施策を決める

「資料請求後の商談を増やす」「初回購入後の再購入を増やす」「2回目の来店を増やす」など、目的を具体化します。最初の施策を一つに絞ると、設定内容と必要な配信素材を整理できます。

最初の施策の決め方
「誰に」「どの出来事をきっかけに」「何を届け」「どの行動につなげたいか」を一文にします。例えば、「初回来店後のお客様に、お礼と次回の楽しみ方をLINEで届け、2回目の来店につなげる」という形です。

② データ・チャネル・連携の条件を確認する

顧客情報がどこに保存されているか、何をきっかけに配信できるかを確認します。EC、予約、POSレジ、CRMなどとの連携に加え、更新されるタイミングや、同じ顧客を識別する方法も確認します。

  • 対象者:どの顧客に連絡できるか。メールやLINEなどの接点があるか。
  • データ:購入日、来店回数、関心テーマなど、必要な情報があるか。
  • 条件:開始、分岐、終了、送信回数の設定ができるか。
  • 連携:既存のシステムと接続できるか。設定や保守を誰が担当するか。

顧客情報の利用目的、必要な同意の取得、配信停止の反映、管理画面へのアクセス権限も整理します。顧客が安心して利用できる運用を、最初の設定に組み込みます。

③ 導入・運用にいくらかかるか、総費用で比較する

費用は、初期設定、月額利用、顧客データ件数、配信通数、外部システム連携、導入支援、運用作業などから成ります。料金に含まれる機能と、追加費用になる項目を確認します。

比較するのは、初期費用と「月額利用料+配信・データ量に応じた費用+運用費」の合計です。 同じ月額料金でも、登録できる顧客数や自動化機能、連携・支援の範囲によって総額が変わります。想定する顧客数・月間配信数・必要な連携をそろえて見積もりを取ると比較しやすくなります。

無料プランや試用期間がある場合は、実行したいシナリオを試してから判断します。条件分岐や外部連携が使えるプランと、配信数が増えた場合の料金まで確認します。

④ 配信内容と運用担当を決め、小さく始める

配信する素材には、導入事例、使い方、季節の商品、来店のお礼、予約の案内などを使えます。顧客がその時点で知りたい情報を用意し、実際の受信内容と配信の流れを確認してから開始します。

運用担当者は、配信内容の更新、動作確認、結果の振り返りを継続します。BtoBでは営業への引き継ぎ後の対応、店舗では予約や来店情報の更新も含め、担当範囲を決めます。

⑤ 事業の成果と運用負担を確認する

指標は、配信の反応と事業の成果を分けて確認すると、施策のどこを改善すべきか判断しやすくなります。

目的に合わせて確認する指標の例
目的配信・行動の指標成果の指標
商談を増やすクリック、資料閲覧、相談申込商談数、商談化率、受注
再購入を増やす商品ページへの訪問、購入への進行再購入率、継続率、顧客ごとの売上
再来店を増やす予約、クーポンの利用2回目来店率、再来店人数、粗利益
業務負担を減らす手作業の件数、対応の所要時間削減できた作業時間、運用にかかる総費用

再来店率や再購入率は、対象者と集計期間をそろえて比較します。クーポンを使う施策では、割引額や配信・運用費も含めて評価すると、続ける施策を選びやすくなります。

MAのデメリットと、運用でつまずきやすい点

MAの導入では、利用料に加えて、初期設定・データ整備・配信内容の更新に費用と時間がかかります。設定した誤りが繰り返し実行されたり、案内が多すぎて配信停止やLINEのブロックにつながったりする点も運用上の課題です。担当者を決め、開始前のテストと定期的な見直しを行います。

運用で起こりやすい課題と見直すポイント
課題見直すポイント
配信対象者が少ない資料請求、会員登録、来店時の友だち追加など、顧客と接点を持つ導線を整える
顧客情報がつながらないメール・会員・LINE・購入情報の紐づけと、データ更新の方法を確認する
送る内容が続かないお礼、使い方、季節の案内など、日々の業務から用意できる素材で始める
分岐が増えて管理しづらい目的を一つに絞り、開始・終了・担当者を明確にしてから範囲を広げる
配信が重なる・多すぎる購入や予約に応じた配信の切り替えと、回数の上限を設定する
配信後の成果が分からない商談、購入、来店まで追えるデータと集計期間を整える

最初の施策が安定して動けば、次の対象者や別のタイミングへ広げていけます。担当者が更新・確認できる範囲を保つことが、継続的な成果につながります。[6]

マーケティングオートメーションに関するよくある質問

MAを始めるには、オウンドメディアが必要ですか?

MAの起点には、資料請求のほか、展示会、店舗への来店、ECでの購入、アプリの登録などを使えます。自社が顧客と接点を持つ場面から、データの取得と継続的なフォローを設計できます。

小規模な店舗でも使えますか?

LINE公式アカウントのステップ配信や、予約・POS等に含まれる自動化機能から始められます。最初に自動化したい作業を決め、顧客数と運用費に合う機能を選ぶと導入しやすくなります。

MAとAIにはどのような違いがありますか?

MAは、顧客の状況や設定した条件に応じて施策を実行する仕組みです。AIは、文章の作成、行動の予測、配信の最適化などを支援する技術です。AI機能を備えたMAでは、これらを組み合わせて運用できます。

導入後、どのくらいで効果を判断できますか?

顧客が商談・購入・再来店へ進む周期に合わせて評価期間を決めます。まず配信やデータ連携の動作を確認し、その後に顧客の反応と成果を追います。施策開始時に、対象者・指標・評価する時期を決めておくと判断しやすくなります。

MAで自動化できる集客と、人が担当することは何ですか?

MAは、条件に合う対象者への配信、情報の更新、担当者への通知などを継続して実行します。顧客との接点を作る施策、伝える内容、商品・サービスの改善、個別の相談や接客は、担当者が設計・対応します。

顧客との接点に合わせて、MAの使い方を考えよう

マーケティングオートメーションは、顧客情報や行動を使い、次の働きかけを自動化する仕組みです。BtoBの商談創出、BtoCの再購入、店舗の再来店など、目的に合わせて使い方を設計できます。

まずは顧客と接点を持つ場面を整理し、「誰に、いつ、何を届けるか」を一つ決めるところから始めましょう。 その施策に必要なデータ・機能・運用体制を整えることで、自社に合うMAを選びやすくなります。

顧客との接点から、集客の仕組みを整えたい方へ

集客のカチプロでは、顧客と出会う導線、継続的な情報提供、店舗のリピーター施策などを、事業や運用体制に合わせて整理します。自社に必要な施策と、それを続ける仕組みづくりからご相談いただけます。

集客の仕組みづくりを相談する
出典・参考資料(2026年10月確認)
  1. IBM:マーケティング・オートメーションとは(MAの概要・用途・AIとの関係)
  2. Salesforce:マーケティングオートメーションの機能と選び方(BtoB・BtoCの目的、主な機能)
  3. HubSpot:マーケティングオートメーション(CRMを基盤とした自動化)
  4. LINEヤフー:CRMオプション(顧客情報・タグ・オートメーション)
  5. funfo:LINE友だち獲得・CRM(来店・注文データの活用)
  6. Salesforce:MA導入の準備と進め方(目的・データ・運用体制の整理)

各製品の機能は、比較表内の公式ページも参照しています。料金や提供機能の詳細は、利用時の契約プランに合わせて確認してください。

小形 洸太

この記事を書いた人

小形 洸太

マーケティングプロデューサー、集客コンサルタント。大学卒業後、店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入支援業務に従事。その後、2009年からコンサルティングを提供開始。助言だけではなく、対策もできるコンサルタントとして活動。主に、マーケティング関連のディレクション業務を行い、オウンドメディア運用、SNSキャンペーン、実店舗の集客支援を実施。

集客の専門家として、ミラサポや信用保証協会専門家、商工会専門家などの立場で事業主向けに助言業務を実施。また、リクルートや第一興行のメディアでSNSを使った集客の記事の監修。

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