LLMOとSEOの違いとは?ChatGPT・Google系AIの特徴と対策

LLMOと従来のSEOでは、目指す接点と、情報整備で重点を置く内容が異なります。
SEOは、検索意図を満たすページを検索結果に表示させ、訪問につなげる施策です。LLMOは、想定される質問に対して、自社の商品・サービス・店舗がAIの回答で紹介される状態を目指します。
LLMOでは、自社が選ばれる根拠を公式情報として具体的に示し、口コミや取材記事などの第三者情報でも裏づけられる状態をつくることが中心になります。重点対象はChatGPTとGoogle系AIです。SEOの基盤を生かしながら、ウェブ全体で自社のオンラインプレゼンスを高めていきます。
この記事の目次
LLMOと従来のSEOの違い
従来のSEOは、顧客とのタッチポイントになるキーワードを選び、検索意図に合ったページを作成し、検索結果で見つけてもらうことを目指します。商品ページ、店舗ページ、比較記事、専門的な解説記事などが対象になります。
LLMOでは、「どのような質問で、自社を紹介してほしいか」から情報を設計します。この記事では、商品・サービス・店舗の紹介や推薦を目的としたLLMOを中心に扱います。
表は横にスクロールしてご覧いただけます。
| 比較する点 | 従来のSEO | LLMO |
|---|---|---|
| 目指す接点 | 検索結果から自社ページへの訪問 | AIの回答での自社の紹介・推薦や、情報の引用 |
| 情報設計の起点 | キーワードと、その背後にある検索意図 | 想定する質問と、会話で追加される条件 |
| コンテンツの重点 | 商品・店舗情報や業界の解説など、検索意図を満たす情報 | 自社の特徴・価格・対応条件など、候補に選ばれる具体的な根拠 |
| 外部サイトとの関係 | 関連性の高いサイトからの被リンクや紹介 | 自社について、何がどのような文脈で紹介・評価されているか |
| 重点対象 | 主にGoogle検索 | ChatGPT、Gemini、GoogleのAI Overviews・AIモード |
| 主な確認指標 | 検索順位、表示回数、クリック、予約・購入 | 回答への登場頻度、推薦理由、引用、送客、予約・購入 |
情報の正確性、検索エンジンがページを取得できる構造、読み取りやすい文章は両者に共通する基盤です。LLMOでは、その基盤の上に「自社を選ぶ理由が、質問の条件に沿って説明できるか」という視点を加えます。
重点対象はChatGPTとGoogle系AI:2つの統計で見る
対策先の優先順位を考えるときは、各AIに入力されるプロンプト数の構成比と、AI経由のサイト訪問の構成比の両方を見ると、利用と集客の接点を捉えられます。
ユーザーの質問や指示が、どのAIに入力されているかを見る指標。AIの回答を通じた認知や比較検討の接点を考える材料になります。
AI経由のウェブ訪問が、どのAIから発生しているかを見る指標。公式サイトへの集客や、その後の予約・購入を考える材料になります。
プロンプト数ではChatGPTが5割、Geminiが3割
Comscoreが2026年9月に公表した調査では、2026年6月のAIプロンプト数のシェアはChatGPTが50%、Geminiが30%、Claudeが11%でした。ChatGPTとGeminiを合わせると80%となり、両者が主要な質問先となっています。
Comscore調査パネルで観測したプロンプト数の構成比。横棒はすべて0〜100%の共通スケールです。
ChatGPTとGeminiで80%。ユーザーがAIに相談する接点として、両者を重点対象にする。
日本の送客シェアではGeminiとChatGPTが約8割
Statcounterの2026年10月の日本の集計では、AIチャットボットから外部サイトへの送客シェアは、Geminiが45.62%、ChatGPTが34.94%でした。両者の合計は80.56%です。
Statcounterが観測した、AIチャットボット経由の外部サイト訪問の構成比。対象は全端末です。
GeminiとChatGPTで80.56%。外部サイトへの集客という観点でも、両者への対応を優先する。
Comscoreは質問・指示の入力先、Statcounterは外部サイトへの送客元を捉えています。調査対象・時期・測定方法を添えて読み、質問される接点と訪問につながる接点の両方を把握します。Google検索内のAI Overviews・AIモードは、検索ユーザーに届く接点として追加して考えます。
ChatGPT・Google系AIの特徴と対策
共通の情報基盤を整えたうえで、それぞれのサービスが情報を取得・提示する仕組みに合わせて対策します。
ChatGPT:会話で追加される条件まで、推薦理由を用意する
ChatGPTでは、会話を通じて希望や条件を追加しながら候補を絞り込めます。ウェブ検索を使う回答では、取得した情報と出典が示されます。
「子連れで利用したい」
「ベビーカーで入れて、ランチが3,000円以内のお店に絞って」
この会話で自店を候補として紹介してもらうには、所在地や料理ジャンルに加え、子ども向け設備、入店条件、ランチ価格などが判断材料になります。施策として、対象となる顧客・利用場面・対応条件を具体的に掲載することを重視します。
また、公式サイトをChatGPTの検索で発見してもらうために、検索用クローラーであるOAI-SearchBotがページを取得できる状態を確認します。OpenAIは、検索用のOAI-SearchBotと、学習用のGPTBotを別の用途として提供しています。
AI Overviews・AIモード:検索で取得できる情報を充実させる
AI Overviews(AIによる概要)は、Google検索の結果画面で質問の要点をまとめる機能です。AIモードは、複数の条件を含む質問や詳しい比較、追加の質問に対応する検索体験です。
Googleは、これらの機能で、関連する複数の検索を実行して回答を組み立てる「クエリファンアウト」を使う場合があると説明しています。例えば「新宿・子連れ・個室・ランチ3,000円以内」という質問では、場所、設備、価格などが判断材料になります。
対策では、店舗ページ・メニューページ・設備案内などに根拠を掲載し、Google検索で取得できる状態を整えます。GoogleのAI検索には、SEOの基盤が直接つながります。引用元リンクとして表示されるための条件には、ページが検索に登録され、スニペットを表示できる状態であることが含まれます。
Gemini:Googleマップ上の公開情報も整える
Geminiの場所探しでは、Googleマップの公開情報が使われます。店舗の住所、説明、評価、営業時間などが案内に利用されます。
飲食店では、公式サイトとあわせてGoogleビジネスプロフィールの情報を充実させます。店名、住所、営業時間、メニュー、価格、設備を更新し、臨時休業や季節メニューなどの変更も反映します。
口コミや投稿写真は、利用者が体験した特徴を知る材料にもなります。「家族で利用した」「個室で落ち着いて食事ができた」といった体験から、自店の強みや、公式サイトで詳しく説明すべき情報を把握できます。
公式情報と第三者の言及を、推薦の根拠として整える
公式情報では、自社が質問の条件に合うことを示す
LLMOでは、「おすすめしてほしい場面」と「その場面に適している根拠」を結びつけることが重要です。公式情報は、自社が責任を持って提供できる事実を示す場所になります。
飲食店なら、メニューや価格、席、設備、予約条件まで具体的に掲載します。商品なら、仕様、価格、適した用途、購入方法、保証などが該当します。
表は横にスクロールしてご覧いただけます。
| 想定する質問の条件 | 公式情報で示す根拠 | 掲載先の例 |
|---|---|---|
| 子連れで利用しやすい | 子ども用椅子、ベビーカーの入店条件、子ども向けメニュー | 設備案内・家族向け利用案内 |
| 予算3,000円以内 | 税込価格、セット内容、席料・サービス料などの追加料金 | メニュー・料金案内 |
| 6人で個室を使いたい | 個室の定員、利用料金、予約方法、コースの注文条件 | 席・個室紹介、予約案内 |
| 駅から近い | 最寄り駅、出口、徒歩ルート、所要時間の目安 | 店舗情報・アクセス |
「子連れ歓迎」「リーズナブル」といった紹介文に、設備・価格・利用条件の説明を添えることで、利用者とAIの両方が適合性を判断しやすくなります。
第三者情報では、自社がどう紹介されているかを見る
SEOでは、関連性の高い他サイトからの被リンクが評価に関わります。LLMOでは、自社の商品・サービス・店舗について、何が、どのような文脈で語られているかにも目を向けます。
例えば、地域メディアの取材記事で家族向けの設備が紹介され、口コミにも家族で利用した体験が記載されていれば、公式情報と第三者の体験を照合する材料になります。商品では、レビュー記事や比較コンテンツに掲載された仕様、使い勝手、適した用途などが該当します。
実務では、取材に使える資料、具体的な商品情報、利用場面が伝わる事例や写真を用意し、第三者が紹介しやすい状態をつくります。掲載後は、店名・商品名、価格、特徴、利用条件が正確に伝わっているかを確認します。
自社の特徴を公式情報で示し、第三者の紹介や体験によって裏づけとなる情報を蓄積する。紹介内容の具体性・情報源の信頼性・公式情報との整合性を軸に、ウェブ全体で自社の存在感を高めます。
情報の反映と、成果の確認方法
学習による知識と、検索で取得する情報を分けて捉える
AIの回答には、モデルが学習した知識と、回答時の検索などで取得する情報が使われます。情報が反映される経路に合わせて、対策と確認を進めます。
検索を使う回答への対応では、公式ページの公開、クローラーによる取得、検索への登録、情報の更新が重要です。モデルの学習に関する対応では、各サービスの学習用クローラーの設定や方針を確認します。
更新後は、想定する質問で回答を確認し、表示された引用元のページや掲載情報の日付を記録します。引用元をたどって情報の内容と鮮度を確認することで、次に改善する掲載先が明確になります。
自社の紹介と、公式サイトへの送客をそれぞれ確認する
LLMOの成果は、回答内でのブランド認知から、サイト訪問、予約・購入まで段階を分けて確認します。AIの回答での紹介状況と、公式サイトへの訪問、その後の予約・購入をそれぞれ記録し、改善につなげます。
- 紹介・推薦:どの質問で自社が登場したか、どのような理由で選ばれたか。
- 情報の正確性:メニュー、価格、営業時間、設備、利用条件が正しく紹介されたか。
- 引用:公式サイトや第三者の紹介記事のうち、どのページが出典に使われたか。
- 送客と成果:AI経由で何件の訪問、予約、問い合わせ、購入につながったか。
回答の記録には、確認日、サービス、質問文、会話履歴の有無、地域設定などを添えます。主要な質問を定点観測し、複数回の結果から変化を把握します。
LLMO対策を進める5つの手順
- 紹介されたい質問と利用場面を決める
商圏、顧客層、予算、利用目的を組み合わせて、具体的な質問を用意します。飲食店なら「新宿・子連れ・個室・ランチ3,000円以内」のように、来店判断の条件まで整理します。
- 自社が選ばれる根拠を公式情報に掲載する
価格、設備、仕様、対応範囲、利用条件を明確にします。質問ごとに、根拠を示すページを対応づけます。
- 検索と店舗情報の基盤を整える
Google検索へのページの登録状況、ChatGPTの検索用クローラーがページを取得できるか、Googleビジネスプロフィールの掲載内容を確認します。変更情報は関連する掲載先へ反映します。
- 第三者に紹介される材料と機会を増やす
取材資料、商品データ、事例、写真を整備します。地域メディア、業界メディア、レビュー・比較コンテンツなど、見込み顧客との接点になる掲載先を検討します。
- 回答・引用・送客・予約を確認し、情報を更新する
ChatGPT、Gemini、GoogleのAI検索で、紹介内容と参照先を確認します。説明が不足している条件や、古い情報が残る掲載先を特定し、更新を続けます。
LLMOは、想定する質問を起点に、自社が紹介される理由を具体化する取り組みです。公式情報の充実と第三者による紹介を両輪に、ChatGPTとGoogle系AIを通じた顧客との接点を増やしていきます。
出典・参考資料
統計・サービスの仕組みに関する主な参照先。2026年11月7日確認。
- Comscore:Q2 2026 AI Intelligence Report 公表資料2026年9月22日公表。2026年6月のプロンプト数シェア(ChatGPT 50%、Gemini 30%、Claude 11%)を参照。
- Statcounter Global Stats:AI Chatbot Market Share Japan2026年10月・日本・全端末の送客シェアを参照。指標の背景は同社のAIチャットボット送客に関する説明を参照。
- OpenAI:ChatGPTのウェブ検索/OpenAIのクローラーに関する説明ChatGPTの検索・出典表示、および検索用・学習用クローラーの用途を参照。
- Google 検索セントラル:AI機能とウェブサイトAI Overviews・AIモードの情報取得、クエリファンアウト、引用元リンクとして表示されるための条件を参照。
- Google:Geminiアプリで場所や経路の検索をする場所探しでGoogleマップの公開情報を利用する仕組みを参照。
