ホームページから人材を獲得できる?AI時代の採用サイト活用法

ホームページから人材を獲得できる?AI時代の採用サイト活用法
結論

ホームページから人材を獲得することはできる

ただし、求人ページを1ページ作るだけでは不十分です。アクセスを集め、自社の働き方を具体的に発信し、応募までの導線を整える必要があります。

今後は、求職者が求人サイトを一件ずつ確認するだけでなく、ChatGPTなどの生成AIを使って、求人の検索、企業の比較、働き方の確認、応募先の選定まで行う機会が増えると予測されます。

このような求人探しが広がるほど、企業の公式ホームページに掲載された情報が重要になります。求人サイトでは掲載しきれない仕事内容、職場環境、研修制度、社員の声、経営者の考え方などを、公式サイトでは企業自身の言葉で発信できるからです。

公式ホームページに求人サイト以上の詳しい情報と分かりやすい応募方法がなければ、求職者から見つけてもらう機会だけでなく、AIがその企業を候補として説明するための材料も失います。

採用情報が不足している状態は、AIを介した求人探しが広がるほど、大きな機会損失になる可能性があります。

ただし、ホームページを活用した採用は中長期的な施策です。早急に人材を確保しなければならない場合は、求人広告や人材紹介会社を利用しながら、並行して自社ホームページの採用コンテンツを整備するのが現実的です。

ホームページから求人応募を獲得できる理由

SEOやオウンドメディアマーケティングによって継続的にアクセスを獲得しているホームページには、商品やサービスに関心を持った人だけでなく、その企業や仕事に興味を持つ人も訪れます。

例えば、次のような人が採用候補になる可能性があります。

  • 企業名や店舗名を検索した人
  • 商品やサービスについて調べている人
  • 地域の会社や店舗について調べている人
  • 専門記事を読んで会社を知った人
  • 顧客や取引先として接点を持った人
  • 生成AIから企業を紹介された人

最初から求人情報を探していなかった人でも、記事やスタッフ紹介を通じて企業を知り、「この会社で働いてみたい」と興味を持つことがあります。

求人媒体は、すでに就職や転職を検討している人へ接触する手段です。一方、自社ホームページは、積極的に求人を探していない潜在的な求職者とも接点を持てる可能性があります。

早急に採用したい場合は求人広告や人材紹介も利用する

採用ページを公開しても、ホームページ自体にアクセスがなければ求職者には見てもらえません。SEOやオウンドメディアマーケティングによるアクセス獲得にも一定の時間がかかります。

早急に人材を確保する必要がある場合は、人材紹介会社、求人情報サイト、求人検索エンジン、Web広告、SNS広告、リファラル採用などを併用した方が現実的です。

短期的な採用活動を進めながら公式サイトを育て、将来的に求人広告や人材紹介だけに依存しない採用経路を作ります。

今後は求人探しにもAIが介在する

今後の求人探しでは、求職者が自分だけで企業を検索し、求人票を一件ずつ比較するとは限りません。ChatGPTなどの生成AIに、次のような相談をすることが考えられます。

1条件に合う会社を探す

「地元で子育てと両立しやすい職場」など、希望条件を自然な文章で相談する。

2複数企業を比較する

給与、福利厚生、研修制度、働き方などの違いを整理してもらう。

3企業について調べる

職場環境やキャリア形成など、求人票だけでは分からない情報を確認する。

4応募方法を確認する

公式な応募窓口、必要書類、選考の流れをAIに調べてもらう。

生成AIは求人を見つけるだけでなく、企業の比較、応募先の絞り込み、面接前の情報収集にも利用できます。

企業は求職者本人だけでなく、求職者に情報を整理して伝えるAIにも、自社の特徴を理解してもらう必要があります。

AI時代には公式ホームページの情報がさらに重要になる

ChatGPTなどの生成AIが特定の企業について調べる場合、その企業の公式ホームページは、企業自身が公開している一次情報になります。

求人媒体には給与、勤務地、勤務時間などの基本条件を掲載できます。しかし、実際の働き方、職場環境、教育体制、経営者の考え方まで十分に伝えられるとは限りません。

  • 実際の仕事内容と1日の流れ
  • 職場の雰囲気や社員の考え方
  • 研修・教育制度
  • キャリアアップの方法
  • 子育てや介護との両立
  • 有給休暇や育児休業の取得状況
  • 経営者の採用に対する考え方
  • 会社が目指している方向性

これらがインターネット上に公開されていなければ、AIがその企業の特徴を説明しようとしても、判断材料が不足します。反対に、働き方や採用条件が具体的に公開されていれば、求職者の希望条件と照らし合わせて説明するための材料になります。

ChatGPTが公式サイトを必ず優先するわけではありません

OpenAIは、公式サイトを必ず優先するという検索順位の仕組みを公表していません。ただし、ChatGPTのWeb検索はインターネット上の情報へアクセスし、参照元を示して回答できます。また、OAI-SearchBotはWebサイトをChatGPTの検索回答に表示するために使用されています。

参照:OpenAI Docs「Web search」OpenAI Docs「OpenAI Crawlers」

企業固有の仕事内容、勤務条件、制度、応募方法を確認するとき、公式ホームページは重要な一次情報です。生成AIに自社を見つけてもらうためだけでなく、自社について不正確な説明をされる可能性を減らすためにも、公式情報を充実させる必要があります。

応募方法まで明確なら公式ページを案内しやすくなる

公式ホームページには、現在募集している職種、応募条件、必要書類、問い合わせ先、応募フォーム、応募後の連絡方法、選考の流れなどを明記します。

正式な応募方法が分かりやすく公開されていれば、求職者がAIに「この会社にはどうやって応募すればいい?」と質問した際に、公式ページや公式フォームを案内するための根拠になります。

求人媒体や人材紹介会社を正式な窓口としている場合は、その方法を公式サイトに明記します。重要なのは、企業側が希望する応募経路を誰にでも分かる形で示すことです。

ホームページから求人応募を獲得した事例

薬局のオウンドメディア事例

当社では、実店舗を運営する薬局で、集客を目的としたオウンドメディアマーケティングを実施しました。もともとの目的は薬局の認知拡大や来店促進です。

しかし、薬や健康に関する記事を閲覧する人のなかには、薬局での仕事や採用情報に関心を持つ人もいると考え、記事ページ内に先輩社員へのインタビューを設置。そこから事務職や薬剤師の求人ページへ移動できる導線を整えました。

集客用の記事を閲覧
社員インタビューで興味喚起
職種別求人ページへ誘導

施策実施後は、薬剤師を中心に採用に関する応募や問い合わせが月数件程度発生するようになりました。

求人だけを目的としたメディアでなくても、企業や店舗への接触機会を増やし、関連するページに採用導線を設置すれば、ホームページから応募を獲得できる可能性があります。

集客と求人ではKPIが異なる

集客サイトでは、来店予約、商品購入、資料請求、問い合わせなどが主なKPIです。一方、採用では、求人ページの閲覧、職場見学、採用に関する問い合わせ、正式応募などがKPIになります。

求人情報を目立たせすぎると、本来の商品やサービスの導線を妨げます。しかし、フッターに小さなリンクを置くだけでは、潜在的な応募者に気づいてもらえません。

会社案内、店舗紹介、スタッフ紹介、関連性の高い記事など、求職者が閲覧する可能性の高いページを選び、自然な採用導線を設計することが重要です。

ホームページで求人を獲得するために必要なコンテンツ

求人専用のランディングページ

募集中の職種、会社の特徴、仕事の魅力、福利厚生、社員紹介、選考の流れをまとめた採用ページを作成します。すべてを1ページに詰め込まず、職種別の募集要項や社員インタビューへ移動する採用トップページとして設計します。

職種ごとに独立した求人ページ

仕事内容や応募条件が異なる場合は、職種ごとにページを作ります。例えば薬局なら、薬剤師と調剤事務では、仕事内容、必要な資格、給与、勤務条件、キャリア形成が異なります。

職種別ページには、仕事内容、必要な資格・経験、雇用形態、給与・手当、勤務時間、勤務地、休日、キャリア形成、求める人物像、選考方法を掲載します。

自社の働き方に関するコンテンツ

「アットホームな職場です」「働きやすい会社です」といった抽象的な表現だけでは、求職者もAIも、その会社の特徴を具体的に判断できません。

  • 残業時間や残業への考え方
  • 有給休暇の取得状況
  • 休日やシフトの決め方
  • 時短勤務の利用状況
  • 子育て・介護との両立事例
  • リモートワークの可否
  • 副業・兼業の可否
  • 資格取得支援や研修内容
  • 評価・昇給の考え方
  • 配属や転勤の可能性

制度が存在することだけでなく、実際にどのように利用されているのかまで紹介すると、情報の説得力が高まります。

厚生労働省も職場情報の積極的な提供を推奨

厚生労働省の手引では、テレワーク、育児休業、短時間勤務、職場の雰囲気、残業時間、有給休暇取得率、研修制度などが、求職者から求められる情報として挙げられています。また、入社前に得た情報と実際の職場環境との間に、自分にとって不都合なギャップがあった人は約6割とされています。

参照:厚生労働省「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」

先輩社員へのインタビュー

入社理由、普段の仕事内容、やりがい、大変なこと、職場の雰囲気、成長したこと、制度を利用した経験などを紹介します。良い面だけでなく、仕事の難しさや忙しさも適切に伝えることで、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。

1日の仕事の流れ

出勤から退勤までを時系列で紹介します。募集要項だけでは分からない業務の進め方、忙しい時間帯、休憩の取り方、社員同士の関わり方などを具体的に伝えられます。

福利厚生の紹介

制度名を並べるだけでなく、対象者や利用方法まで説明します。「研修制度あり」だけではなく、どのような研修を、いつ、誰が受けられるのかまで掲載しましょう。

社長メッセージと会社のミッション

なぜこの事業を行っているのか、地域や顧客へどのような価値を提供したいのか、どのような人と働きたいのかを、形式的な挨拶ではなく経営者自身の言葉で伝えます。

応募案内とカジュアルな問い合わせ

採用ページを見た人全員が、すぐに正式応募を決断できるわけではありません。最初から履歴書の提出や面接を求めると、情報収集段階の人には心理的なハードルが高くなる可能性があります。

  • まずは話を聞いてみたい
  • 職場を見学したい
  • 仕事内容について質問したい
  • 現在の募集状況を確認したい
  • オンラインで相談したい

こうした軽い問い合わせ窓口を用意し、企業や仕事への理解が深まった後に正式応募へ進めるようにします。ただし、カジュアルな窓口だけで応募数が必ず増えるわけではありません。問い合わせ数と正式応募率を確認しながら改善しましょう。

求人ページには法令に沿った募集条件を掲載する

求人ページでは、仕事の魅力だけでなく、法令に沿った募集情報を正確に掲載する必要があります。

募集広告に必要となる基本情報
  • 募集主の氏名または名称
  • 募集主の住所
  • 連絡先
  • 業務内容
  • 就業場所
  • 賃金

参照:厚生労働省「労働者の募集広告の表示について」

求人情報について、虚偽の表示や求職者に誤解を生じさせる表示をしてはいけません。連絡先として、自社サイトに設置した専用の問い合わせフォームへのリンクを掲載することも認められています。

また、2024年4月以降は、従事する業務の変更範囲、就業場所の変更範囲、有期労働契約を更新する場合の基準、通算契約期間や更新回数の上限なども、該当する場合は明示する必要があります。

参照:厚生労働省「募集時等に明示すべき事項」

求人媒体と公式ホームページで給与や勤務時間が異なると、求職者を混乱させるだけでなく、生成AIもどちらが現在の情報なのか判断しにくくなります。公開後も定期的に確認し、最新かつ一貫した状態を維持しましょう。

人間にもAIにも理解されやすい採用ページにする

生成AIへの最適化(GEO・LLMO対策)だからといって、特殊な文章を書く必要はありません。求職者が知りたい情報を、曖昧な表現ではなく、具体的な事実として整理することが基本です。

  • 仕事内容や応募条件を文章で明記する
  • 重要情報を画像内だけに掲載しない
  • PDFだけでなくWebページにも掲載する
  • 職種ごとにページを分ける
  • 勤務地や雇用形態を明確にする
  • 情報の更新日を掲載する
  • 募集終了後は掲載状態を更新する
  • 求人媒体と公式サイトの条件を一致させる
  • 正式な応募先URLを明確にする
  • 検索用クローラーを不必要に遮断しない

求人ページを作るだけでなくアクセスも増やす

採用ページを作成しても、誰にも見られなければ応募は増えません。SEOを意識した記事、地域名と職種を組み合わせたページ、SNSでの社員紹介、店舗ページや顧客向け記事からの内部リンクなどを組み合わせます。

採用ページ単体ではなく、サイト構成や問い合わせまでの動線から見直す場合は、集客導線を考慮したホームページ制作として設計する方法もあります。

求人検索エンジンや求人媒体も併用しながら、採用ページのアクセス数、問い合わせ数、正式応募率を確認し、離脱箇所を改善していきます。

まとめ|公式サイトに採用情報を蓄積する

ホームページからの採用は、求人広告のように掲載直後から応募を集める施策ではありません。すぐに人材が必要な場合は求人広告や人材紹介を使いながら、公式サイトの採用情報も並行して整備します。

まず確認したいのは、募集中の職種、仕事内容、勤務条件、実際の働き方、応募方法が、公式サイトだけで分かる状態になっているかです。

不足している情報を職種別ページや社員インタビューとして追加し、集客記事や会社案内から採用ページへ移動できるようにします。公開後はアクセス数、問い合わせ数、正式応募数を確認し、反応の悪い部分を修正していきます。

求人サイトより詳しい情報を公式サイトに蓄積しておけば、求職者が直接調べた場合だけでなく、生成AIを使って企業を比較した場合にも、仕事内容や応募方法を確認できる材料になります。

採用ページの相談・対策は、カチプロ伴走集客へ

現在のホームページと採用状況を確認し、必要なページ、記事からの導線、応募フォーム、アクセスを集める方法を整理します。提案だけでなく、ページ制作や改善作業までご依頼いただけます。

  • 職種別求人ページ
  • 社員インタビュー
  • 応募導線の改善
  • SEO・AEO・LLMO対策

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小形 洸太

この記事を書いた人

小形 洸太

マーケティングプロデューサー、集客コンサルタント。大学卒業後、店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入支援業務に従事。その後、2009年からコンサルティングを提供開始。助言だけではなく、対策もできるコンサルタントとして活動。主に、マーケティング関連のディレクション業務を行い、オウンドメディア運用、SNSキャンペーン、実店舗の集客支援を実施。

集客の専門家として、ミラサポや信用保証協会専門家、商工会専門家などの立場で事業主向けに助言業務を実施。また、リクルートや第一興行のメディアでSNSを使った集客の記事の監修。

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