飲食店の利益率の平均は?業態別データと利益を残すための改善策を解説

飲食店の利益率の平均は?業態別データと利益を残すための改善策を解説

「売上はそこそこあるのに、手元にお金が残らない…」多くの飲食店オーナーが直面するこの悩みの正体は、利益率の低さです。

飲食業は他業種に比べて原価・人件費・家賃などのランニングコストが重なりやすく、業界平均の利益率はわずか8.6%(経済産業省「商工業実態基本調査」)。売上500万円でも手元に残る利益は約43万円というのが現実です。

本記事では、業態別の平均利益率データをもとに、自店の利益率を正しく把握し改善するための具体策を解説します。

① 利益率とは?粗利・営業利益の違いと計算式

「利益率」と一口に言っても、飲食店経営では粗利益率営業利益率の2つを使い分けることが重要です。混同すると経営判断を誤る原因になります。

粗利益率(売上総利益率)

売上から食材などの原価だけを引いた「粗い利益」の割合です。飲食店全体の平均は70〜75%程度とされています(日本政策金融公庫調べ)。

📐 計算式
  • 粗利益率(%)=(売上高 − 原価)÷ 売上高 × 100
  • 例:800円のラーメン、原価300円 → 粗利益500円、粗利益率62.5%
  • 粗利益率が高い=仕入れ効率が良い商品・メニュー

営業利益率(利益率)

粗利益からさらに人件費・家賃・光熱費などすべての経費を差し引いた「本当の儲け」の割合。経営の健全性を判断する最重要指標です。

📐 計算式
  • 営業利益率(%)= 営業利益 ÷ 売上高 × 100
  • 例:月売上500万円、経費450万円 → 営業利益50万円、利益率10%
  • 飲食業界の平均は8.6%、目標値は10〜15%
⚠️ 「売上が高い=儲かっている」は誤り

月売上1,000万円でも利益率が3%なら手元には30万円しか残りません。売上よりも利益率を意識した経営が飲食店では特に重要です。

② 飲食店の利益率 業界平均データ

まず飲食業界全体の利益率の位置づけを把握しておきましょう。

📊
8.6%
飲食業界
全体平均
経済産業省調べ
🎯
10〜15%
理想の
目標値
🏆
30%超
繁盛店の
上限目安

なお、規模によっても大きく異なります。大企業の平均は3.6%に対し、中小企業は11.4%と高い傾向があります(アスピット調べ)。これは大企業が多店舗展開で固定費が膨らみやすいのに対し、個人・小規模店はオーナー自身が現場に立つことでコストを抑えやすいためです。

⚠️ データの読み方に注意

業界データは「黒字かつ自己資本プラスの企業平均」であることが多く、赤字店舗は含まれていません。実態はこの数字よりさらに厳しいケースも多いと理解しておきましょう。

③ 業態別 利益率の平均一覧

業態によって利益率は大きく異なります。以下は日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査(2020年)」をもとにした、黒字・自己資本プラス企業の売上高営業利益率の平均値です。

業態 平均利益率 ひとこと解説
そば・うどん店 6.0% 回転率が高く原価も安定。業態内トップクラス
スナック 5.2% ドリンク中心で原価率が低い。席数が少なくても成立
一般飲食店 3.2% 業態の幅が広く平均値は中程度
日本料理店 3.2% 客単価は高いが食材コストも高め
中華料理店 3.2% 回転率で稼ぐ業態。ランチ需要が収益の柱
すし店 3.1% 高級食材の原価が重い。回転寿司は別モデル
食堂・レストラン 3.0% 競合多く価格競争になりやすい
酒場・ビヤホール 2.9% 深夜人件費が収益を圧迫しやすい
西洋料理店 2.9% 輸入食材依存でコストが変動しやすい
韓国料理店 2.8% 輸入食材が多く原価率が上がりやすい
喫茶店 2.7% 単価が低く客単価UPの工夫が必要
カレー料理店 1.7% 輸入スパイス依存でコスト管理が難しい

出典:日本政策金融公庫「小企業の経営指標調査」2020年版 飲食店・宿泊業版より。黒字かつ自己資本プラス企業の平均値。

💡 データのポイント
  • 全体的に利益率が低く見えるのは、このデータが小規模企業(個人店含む)ベースのため
  • 上位のそば・うどんは食材コストの安定+高回転が利益率を押し上げる
  • カレー・韓国料理は輸入食材への依存が原価を不安定にしやすい
  • カフェ・喫茶は単価を上げるフード強化・物販との組み合わせが改善策になりやすい

④ 利益率を下げる3大コスト

飲食店の利益率が低くなる主な原因は、3つのコストの積み重ねです。それぞれの目安と、超えたときのリスクを確認しましょう。

🥩
目安:売上の30%以内
Food Cost

原材料費(F)

食材・飲料の仕入れコスト。30%超えると他の経費を圧迫し始める。旬の食材活用・ロス削減で改善可能。

👥
目安:売上の30%以内
Labor Cost

人件費(L)

正社員給与+アルバイト代の合計。FL比率(F+L)を60%以内に抑えることが経営安定の鉄則。

🏠
目安:売上の10%以内
Rent

家賃(R)

売上が落ちても変わらない固定費の代表。売上の10%を超えてくると回収が厳しくなる。開業時の立地選定が最重要。

💡
目安:売上の5%以内
Other

光熱費・その他

ガス・電気・水道・消耗品など。省エネ設備や契約見直しで削減できる余地が大きいコスト。

📐 FL比率の計算式
  • FL比率(%)=(原材料費 + 人件費)÷ 売上高 × 100
  • FL比率60%以内 → 安定経営の目安
  • FL比率70%以上 → 利益がほぼ残らない危険水域

⑤ 目標値の目安|段階別ロードマップ

利益率の目標は一気に高くせず、段階的に引き上げるのが現実的です。開業直後は赤字になることも多いため、まずは平均値の到達を最初のゴールに設定しましょう。

1

開業〜1年目:まずプラスに(利益率3〜5%)

初期投資の減価償却が重くのしかかる時期。赤字を最小化しながら顧客基盤を作ることが最優先です。FL比率の把握だけでも始めましょう。

2

2〜3年目:業界平均を目指す(利益率8〜10%)

リピーターが定着し売上が安定してくる時期。メニュー原価の見直し・オペレーション改善で利益率を平均値(8.6%)以上に引き上げましょう。

3

3年目以降:理想値へ(利益率10〜15%)

高収益メニューの確立・スタッフ育成・データ経営が軌道に乗ってくる段階。ここで安定した利益が出ると、2店舗目・設備投資の余力が生まれます。

4

繁盛店モデル:利益率20〜30%超

テイクアウト・物販・EC販売との組み合わせや、オーナー自身のブランド力が収益に直結するレベル。一部の繁盛店が実現している水準です。

⑥ 利益率を上げる具体的な施策

① 高利益率メニューを戦略的に配置する

原価率が低いメニューを「見やすい場所」に配置するだけで注文率が変わります。ドリンク・デザート・おつまみ系は原価率が20〜30%程度で粗利が取りやすい代表格です。

✦ 原価率が低いメニュー例
  • ウーロンハイ・緑茶ハイ:原価率15〜20%前後(最も利益が取りやすいドリンク)
  • フライドポテト・ポテトサラダ:原価率20%前後
  • デザート全般:原価率20〜30%が多く、客単価UPにも貢献
  • 出汁茶漬け・〆メニュー:低コスト・短時間で提供でき二次会需要にも◎

② 食品ロスを徹底的に削減する

農林水産省の報告では、事業系食品ロスは年間279万トン超。日報・発注データを活用して「曜日・天候・イベント別の傾向」を掴むことで、無駄な仕入れを大幅に削減できます。

③ テイクアウト・デリバリーで売上の間口を広げる

店内飲食に比べて家賃コストが売上に連動しないテイクアウトは、追加の固定費ゼロで売上を積み上げられます。特に店舗の空き時間(アイドルタイム)を活用するとコスト効率が高まります。

④ オペレーションを標準化して人件費を最適化

マニュアル化・キャッシュレス対応・POSレジ導入で、少人数でも質を落とさずに運営できる体制を整えることが人件費削減の近道です。アルバイトの習熟度が上がればシフト構成も最適化されます。

⑤ 開業前に立地・家賃を慎重に選ぶ(開業予定者向け)

家賃は一度契約すると変動しない固定コストの筆頭です。「売上の10%以内」に収まるか試算してから契約しましょう。坪単価が高い好立地が、必ずしも利益率向上につながるわけではありません。

⑦ チェックリスト:利益率改善10項目

自店の現状を確認するために、以下の項目をチェックしてみましょう。

チェック項目 分類 優先度
自店の営業利益率を毎月計算しているか 数値管理
FL比率が60%以内に収まっているか コスト管理
原価率の低いメニューをメニュー表の目立つ場所に配置しているか メニュー設計
食品ロスの傾向を曜日・季節別に把握しているか 原価管理
家賃が月売上の10%以内に収まっているか 固定費管理
ドリンク・デザートなど高粗利メニューの注文を促進しているか 客単価UP
テイクアウト・デリバリーを売上の柱のひとつにしているか 売上拡大
仕入れ業者を定期的に見直しているか 原価管理
POSレジ・キャッシュレス導入でオペレーションを効率化しているか 人件費削減
光熱費の契約内容を直近1年以内に見直しているか 固定費管理

まとめ|利益率は「把握」から始まる

  • 飲食業界の平均利益率は8.6%(経済産業省調べ)。まずこの数字を自店と比較することが第一歩
  • 業態別では「そば・うどん店(6.0%)」が最も高く、「カレー料理店(1.7%)」が最も低い
  • 利益率を下げる3大コストはF(原材料費)・L(人件費)・R(家賃)。FL比率60%以内が安定経営の目安
  • 高粗利メニューの戦略的配置と食品ロス削減が、最もすぐに効果が出やすい施策
  • 開業前の方は「家賃=売上の10%以内」を立地選定の基準に組み込むことを強く推奨
  • まずは毎月の営業利益率を計算する習慣をつけることが、利益率改善の出発点

まずは無料相談してみませんか?

500店+
支援実績
16
業界経験
150%
年商UP事例あり
👤
集客のカチプロ 代表

ここまで読んでくださりありがとうございます。集客代行は業者によって得意領域が大きく異なるため、まずは現状をお聞かせいただくのが最善の一歩です。「何から始めればいいか分からない」という方こそ、お気軽にご相談ください。

あなたの事業に合った
集客の最適解を一緒に見つけます
初回30分無料 ・ オンライン対応 ・ 営業は一切しません
無料相談を予約する →
✓ 1営業日以内に返信 ✓ 相談料0円 ✓ 全国対応
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

マーケティングプロデューサー、集客コンサルタント。大学卒業後、店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入支援業務に従事。その後、2009年からコンサルティングを提供開始。助言だけではなく、対策もできるコンサルタントとして活動。主に、マーケティング関連のディレクション業務を行い、オウンドメディア運用、SNSキャンペーン、実店舗の集客支援を実施。

集客の専門家として、ミラサポや信用保証協会専門家、商工会専門家などの立場で事業主向けに助言業務を実施。また、リクルートや第一興行のメディアでSNSを使った集客の記事の監修。

目次