立地が悪い飲食店が行うべき対策と集客方法を解説

飲食店にとって立地は死活問題と言われますが、立地が悪くても繁盛している店舗は実際に多く存在します。
本記事では、まず「立地が悪い」とはどういう状態かを整理したうえで、成功している飲食店の共通点を紹介し、具体的な克服策をお伝えします。
1. 飲食店にとっての「立地が悪い」とは?
飲食店にとって立地が悪いとは、「対策をしないと自然な来店が期待できない立地」を指します。具体的には以下の5つのパターンが挙げられます。
- 人通りが少ない立地——メイン通りから外れるだけで視認性が激減し、存在に気づかれない
- 交通の便が悪い立地——人通りが少ない×交通不便が重なると集客難易度が一気に上がる
- 都市部近くの住宅街(ベッドタウン)——金土に需要が集中し、平日の集客が極めて難しい
- 平均給与が低い立地——顧客単価を上げにくく、値上げが集客に直撃しやすい
- 空中店舗・地下店舗——人通りがあっても視認性がなく、テナント料が高い二重苦になりやすい
これらに共通するのは、「存在を知られにくい」「来店ハードルが高い」という2点です。裏を返せば、この2点を解消する手を打てれば、立地の悪さは十分に克服できます。
⚠ 居抜き物件を選ぶ際の注意点
立地が悪い店舗は初期コスト削減のために居抜き物件を選びがちですが、前店舗の「立地の悪さで閉店した」原因をそのまま引き継ぐリスクがあります。コストだけで判断せず、自店のコンセプトや戦略に合致するかを必ず検討しましょう。
2. 立地が悪くても集客できている飲食店の話
立地の悪さを補えるほどの「強い来店動機」があれば、お客様は遠方からでも足を運びます。成功している飲食店には、次の3つのパターンが見られます。
2-1. 田舎の観光地にある「A級料理店」
島根県邑南町(人口約1万人)には、地元食材にこだわったイタリア料理店「Ajikura」をはじめとするA級料理店が集積しており、大阪など遠方からドライブを兼ねて訪れる客も多くいます。山形県のイタリア料理店「アルケッチャーノ」も、地産地消とメディアブランディングで一時期は観光バスが駐車場を埋めるほどの人気になりました。
これらに共通するのは「ここでしか食べられない料理」という圧倒的な来店動機です。観光地近隣であれば、バスツアーへの組み込みも視野に入ります。
2-2. 古民家の蕎麦屋など「雰囲気そのものが目的」の店舗
古民家を活用した蕎麦屋やカフェは、立地の不便さよりも「空間体験」が目的となるため、むしろ郊外であることが魅力に変わります。広い客席・駐車場の確保もしやすく、ドライブコースに設定されやすいという副次効果もあります。単価も自然に高く設定できる点がビジネス的な強みです。
2-3. 名物料理に特化した飲食店
食べログ百名店に入る店舗の多くは、実は立地が良いわけではありません。「元和食料理人が出汁にこだわった日替わりラーメン」「ホッキ貝をふんだんに使った一点特化のカレー」など、わかりやすく尖ったコンセプトがSNSやグルメメディアで拡散し、フリークを全国から引き寄せます。
3つに共通するのは「口コミが直接来店動機になる」という点です。立地が悪い店舗ほど、料理・空間・ストーリーのどれかで「話したくなる体験」を設計することが集客の根幹になります。
3. 飲食店が立地の悪さを克服するための方法
克服策は「立地タイプ別の戦略」と「共通して使える集客手段」の2軸で考えるとシンプルに整理できます。
3-1. 立地タイプ別の基本戦略
| 立地タイプ | 基本戦略 |
|---|---|
| 人通りが少ない | メイン通りに誘導看板を設置。SNS広告・グルメサイトで近隣エリアに継続リーチして「1度来店」を生み出す |
| 交通の便が悪い | 観光地・景観の強みがあればバスツアー誘致。それ以外はケータリング・催事出店で顧客側に近づく |
| 都市部近くの住宅街 | 小規模経営で地域密着。デリバリーサービス(UberEats等)を活用して立地ハードルを下げる |
| 平均給与が低いエリア | おひとり様前提のレイアウトと名物メニューでランチ特化。単価設計を低めに最適化する |
| 空中・地下店舗 | 近隣エリアで視認性を高める(駅看板・野外広告・SNSバズ・メディア露出)。来店ルートの目印画像を用意する |
3-2. 立地が悪い飲食店に特に有効な集客手段
以下の5つは、通常の集客手段の中でも「立地の悪さを補う効果」が特に高いものです。
① SNS広告(Meta広告)
都道府県・市区町村・特定住所からの半径○km圏内など、精密なエリア指定が可能。通常は自店舗周辺を指定しますが、立地が悪い場合は「来店可能性が高く人口の多いエリア」を指定することで、次回近隣を訪れた際に足を運んでもらえる仕込みができます。SNS運用との組み合わせでフォロワー獲得にもつながります。
② 看板(誘導・視認性確保)
人通りのある通りから店舗への誘導看板を設置します。特に空中・地下店舗は規制や構造上、外から見えないケースがあるため、別の場所に看板を出さないと「閉店した」と思われてしまいます。来店ルートの目印写真をSNSやホームページに掲載するのも有効です。
③ ローカル検索広告(Googleマップ広告)
地図検索時にビジネスプロフィールを上位表示できる広告。MEO対策(口コミを増やす施策)は現在地からの距離で順位が変動するため、立地が悪いと不利になりますが、ローカル検索広告を組み合わせることで検索者に住所を含めて視認してもらえます。
④ ポスティング広告
来店可能性が高く人口の多いエリアを指定して投函します。都市部は密集しているのでコスパが高く、地方の戸建てが多い地域はコミュニティペーパーへの掲載も選択肢に入ります(裏表紙以外は視認されにくいため出稿面には注意)。
⑤ LINE公式アカウント(リピーター育成)
一度来てもらった顧客に、キャンペーン・新メニュー情報をリアルタイムで届けます。国内ユーザー数9,000万人超のLINEはメールより情報到達率が高く、立地のハンデを継続的なコミュニケーションで補えます。来店時にLINE登録を促す仕組み(モバイルオーダー連携等)を用意することが先決です。
4. まとめ
立地の悪さは「存在が知られにくい」「来店ハードルが高い」という2つの問題に分解できます。
- コンセプト・料理・空間で「話したくなる来店動機」を設計する
- 立地タイプに合わせた経営スタイル(小規模密着・ケータリング・デリバリー等)を選ぶ
- SNS広告・看板・ローカル検索広告・LINE等で「知ってもらう→来店してもらう」を補完する
この3つを組み合わせることで、立地が悪くても着実に集客を伸ばせます。最も重要なのは「立地が悪いから仕方ない」と諦めず、自店舗の立地タイプに合った戦略を選んで実行し続けることです。
飲食店の集客方法全般については飲食店の集客方法を徹底解説で詳しく解説しています。立地の悪さによる集客施策の違いはありますが、基本の集客手段を押さえたうえで、本記事の内容を組み合わせてご活用ください。
