美容室の集客方法10選!新規客とリピート客を増やすコツを解説

美容室は、コンビニよりも圧倒的に多い店舗数なのに対して、飲食店のように頻繁に利用されるわけではありません。また、一度気に入った美容師を見つけることで、引越しや美容室を変えざる得ない原因が生じないと、他の美容室に移転しません。

そのため、美容室の集客は、店舗型のビジネスの中では難しいとされています。

しかし、要点を押さえることで、繁盛店を作ること自体は可能です。ここでは、美容室の集客のポイントを解説し、どのような施策を行えば良いのかを中心に解説していきます。

目次

美容室の集客のポイントとは?

美容室の集客は、簡単に言ってしまえば、1人1人の来店を促すというよりも、継続的に予約を入れるイメージです。継続的に予約を入れる継続客が増えることで、所属美容師の稼働率が上がります。

年度性別自宅近くのサロン通勤・通学圏内のサロン自宅や通勤圏から離れたサロンその他
2021年上期男性全体60.2%20.4%18.7%0.8%
2020年上期男性全体61.1%19.8%18.0%1.1%
2019年上期男性全体60.3%21.0%17.1%1.6%
2021年上期女性全体62.0%16.0%20.2%1.8%
2020年上期女性全体62.2%15.6%20.4%1.8%
2019年上期女性全体62.5%15.3%20.2%2.1%
美容センサス2021年上期(ホットペッパー総研)

上記は、美容室を選ぶ基準として、重視する立地を質問したものです。その結果、どの年度でも、男女問わず6割程度の人が自宅近くのサロンを選んでいます。それに対して、通勤・通学圏内とそこから距離が離れたサロンは、それぞれ残りの半数ずつです。つまり、美容室においても、立地が集客に大きな影響を与えることになります。

また、美容室は、満足をしているのであれば、何度も変えるものではありません。そのため、顧客の定着率が低い美容室は、顧客の定着率の高い美容室に顧客がとられた場合、なかなか客足を戻すことができません。(普通は、一度使わなくなった美容室には気まずくて戻れないです。)

そのため、美容室では、顧客を定着化させる施策も重要です。具体的にいえば、営業時間内でいつ繋がるか分からない電話予約をさせるのではなく、LINEから簡単に24時間で予約を取らせることができるようにしたり、新しいサービスが始まった時にクーポンを受け取ることができる仕組みを作ります。

美容室の集客は、新規の集客対策だけではなく、リピーターの維持対策をセットで行い、顧客生涯価値の最大化を目指します。

美容室に新規顧客を集客する方法7選

美容室に新規のお客様をどんどん集客する方法の基本は、美容室の情報を検索する代表的な方法に対応し、お客様が求めるであろうお店選びを決定する情報を掲載していきます。

美容室の情報を入手する方法には以下の方法があります。

  • Googleマップの検索順位対策(MEO対策)
  • ホットペッパービューティーや楽天ビューティーなどの美容ポータルサイト
  • Instagramを中心としたSNSで情報発信をする

ただし、競争が激しい地域では、露出順位を競うことになります。Googleマップでもホットペッパービューティーでも上位表示が難しいでしょう。

その場合、広告を使ったり、近隣にチラシを配布したり、人通りの多い道路に見やすいように看板や外観を工夫することになります。

  • InstagramなどのSNSで広告を出す
  • チラシのポスティングを行う
  • 看板や外観を工夫して視認性を高める

それでは具体的な方法の解説をしていきます。

美容室のMEO対策

美容室のMEO対策とは、Googleマップで検索した時に、自店舗の情報であるビジネスプロフィールを上位に表示させる対策を指します。

MEOの特徴は、検索結果には、競合他店しか表示されません。その上で、検索した地点からの距離に応じて検索結果が変わります。美容室を探す人にとっては、近隣の美容室の情報一覧を入手するのに便利なのが、Googleマップ検索といえます。

MEO対策の効果は、近隣の美容室を探している人に情報がリーチし、新規のお客様の来店を促すことができます。

MEO対策で重要なポイント
  • サービスなどの情報を詳細にビジネスプロフィールに掲載する。
  • 外観や店内の画像や動画を積極的に掲載し、清潔な空間であることをアピールする。
  • 高評価な口コミを積極的に集める。(*)
  • 営業日時などの情報を最新の状態に維持するように努める。

*ただし、注意すべき点として、口コミに割引や報酬を支払うことは、消費者を偽った広告であるステルスマーケティングに該当します。ステルスマーケティングは、2023年10月から違法行為になっており、違反すると、措置命令(公表)、無視すると刑事罰の対象になります。

美容ポータルサイト

美容室のポータルサイトは、地域ごとに美容室のオンライン予約ができるサービスで、主にお客様は、お得なクーポンなどを発行している美容室探しに利用しています。10〜40代の顧客を集客するのに向いており、Googleマップと同様に押さえるべき検索の1つといえます。

そして、美容ポータルサイトの中で登録すべきは、ホットペッパービューティー楽天ビューティーです。

ホットペッパービューティーの予測値
楽天ビューティーの予測値

上記のグラフは、SEOツール「SEranking」でGoogle検索からの流入の予測値を各サイトのドメインで比較したものです。ホットペッパービューティーも楽天ビューティーも強い集客力があることがわかります。

このポータルサイト内の検索で上位に表示されることで、新規のお客様にお店の情報が伝わり、オンライン予約を直接受けることができるようになります。

ただし、美容ポータルサイトは、競合が強い地域では上位表示させることが難しく、上位のプランに入っても、1ページ目に表示されないこともあることが欠点といえます。導入する際は、各サービスの営業に上位表示させられる可能性等、確認事項も多い対策といえます。

Instagram

Instagramは、10〜30代を中心に利用者が多いSNSで、飲食店の場合では、Z世代が近くのお店を探す手段として用いています。これは、美容室も同様と想定されます。また、女性のユーザー数の方が多いため、美容室が求める客層とも合致しています。

InstagramはほかのSNSに比べて、フォロワー以外にリーチさせる方法が豊富である特徴があります。24時間で消えるストーリーズやフォロワー外にもリーチするリール動画の機能を積極的に活用することで、発見される確率を向上させることができます。

発信する情報は、美容室の情報だけではなく、その地域の情報を併せて発信することをおすすめします。これによって、地域の情報を好んでいる、美容室の近くに住んでいるユーザーに情報が表示されやすくなるからです。

SNS広告

美容室が、集客にGoogleマップ検索や美容ポータルサイトを活用する際に、必ずしも上位表示ができるとは限らないことが問題点として挙げられます。それは、対策がうまくいかないことのほかに、競合他店がそもそも対策をし尽くしている場合は、対抗するのが難しいからだともいえます。

そこで、SNS広告を集客に使います。SNS広告は、性別、年齢、エリアの絞り込みがどのSNSでも可能です。これにより、近隣に限定して、反応率の高い広告を表示させることができます。

SNS広告は、Instagram広告を運用することをおすすめします。SNSの運用の中心がInstagramなので、広告をかけることで実際の集客とフォロワーの獲得が伴うため、別のSNSで運用するよりも高い効果が期待できるからです。

チラシのポスティング

チラシのポスティングとは、居住地や事業所のポストにチラシを直接投函することです。オンラインの集客方法ではリーチしない地域内の人にまで情報をリーチさせる王道の方法です。

投函するチラシは、価格で訴求するのか、天然素材にこだわるなどのコンセプトで訴求するのかを明確にした方が反応率を高めることができます。基本的に来店したことのない人向けに作るチラシなので、ほかの美容室にはない技術や訴求を行うことをすることが重要です。

自分でポスティングすることも可能ですが、自分の時間を使う上に広範囲に配布することができないため、ポスティング業者を使うことをおすすめします。

看板や外観で視認性を高める

美容室がそこにあると、人通りの多い道路から認識されることも、自然な来店を増やすためには非常に重要です。

この時重要視すべきは、通行人の視界に自然に情報が入るように工夫をすることです。例えば、特定の地点で振り向かなければわからない看板は、視認されることがなく、集客も苦戦します。

また、看板や外観で、そこが美容室であることを伝えることも一瞬でわかるようにしなければなりません。イタリア語やフランス語を屋号にした美容室では、お菓子屋なのかわからないことがあります。

紹介制度を作る

ホットペッパービューティー総研によると、美容室選びで重視したポイントとして、5人に1人は、「友人・知人からの口コミが良い」ことを挙げています。

つまり、友人や知人からおすすめされた美容室は、新しく美容室を選ぶ際の重要な基準といえます。

紹介制度を作ることで、自分が言っている美容室をおすすめしやすくなります。もちろん、制度を作ったところで、おすすめできない美容室ならば、紹介されることはありません!紹介してもらえるようなサービス設計は欠かさないようにしましょう。

美容室がリピーターを維持するための方法3選

美容室ができるリピーターの対策は、技術面や接客面を対策できることが主軸ですが、お客様が他店舗に乗り換える原因になることを回避することにあります。

例えば、お客様が、予約をすることができずに、ほかの美容室に変更するなどがありますが、これらは、予約システムやリマインダー(一定の条件で発動する通知のこと)を活用すれば、これを回避することもできます。

LINE公式アカウント

LINE公式アカウントは、企業版のLINEアカウントで、機能には、登録者にLINEでメッセージを配信したり、リッチメニューに予約システムをつけることで、直接予約を促すことができます。

LINEのユーザーは、日本国内に限定すれば、スマホユーザーの9割に達しているため、ほとんどの顧客を対象に活用することができます。

美容室では、来店後に一定期間経過したらリマインダーメッセージを発信したいと思います。例えば、来店後3ヶ月に、「前回のご利用から3ヶ月経過しました」などのメッセージを配信することで、来店のコントロールをすることができるのですが、これは、LINE公式アカウントだけの機能ではできません。

リピッテビューティーと併せて使うことで、リマインダーメッセージをLINEで送信することができるようになります。リピッテには仮予約受付機能などもあるため、LINE公式アカウントを美容室のリピーター向けツールに十分にカスタマイズすることができます。

DM

ダイレクトメール(DM)は、一度来店した経験のある人に店名で印刷物や手紙を送ることで、お客様との関係性を維持するための手段です。

年間に2〜3回ほどリピーター向けに送ることで、次回の来店の予約を引き起こせる可能性もありますし、顧客離れを起こしたリピーターとの関係性の復元が期待できます。

滞在しやすい環境の整備

美容室は、技術が最も期待される業種ではありますが、カラーやパーマの待ち時間の時に、滞在しやすい環境にすることは非常に重要です。

例えば、電子書籍が見れるタブレットを貸し出したり、待ち時間中にお茶を提供することが該当します。

まとめ:美容室の集客の要点とは?

美容室の集客の要点は以下の通りになります。

  • 顧客が美容室を探す方法を知り、その媒体に登録・運用すること。
  • ポスティングやSNS広告を使い、商圏内の見込み客と顧客接点(タッチポイント)を作る。
  • 顧客離れを防ぐにLINEやメールでコミュニケーションが取れる環境にする。
  • ネット予約の方法に簡単にアクセスが取れるようにする。
  • 次回の来店のタイミングを教える。

今回の内容は基本的なことですので、もしできていないことがあるのであれば、スタッフと共有し、見直してみましょう。

最終更新日 2024年12月10日

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この記事を書いた人

マーケティングプロデューサー、集客コンサルタント。大学卒業後、店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入支援業務に従事。その後、2009年からコンサルティングを提供開始。助言だけではなく、対策もできるコンサルタントとして活動。主に、マーケティング関連のディレクション業務を行い、オウンドメディア運用、SNSキャンペーン、実店舗の集客支援を実施。

集客の専門家として、ミラサポや信用保証協会専門家、商工会専門家などの立場で事業主向けに助言業務を実施。また、リクルートや第一興行のメディアでSNSを使った集客の記事の監修。

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