バスケット分析とは?ビジネスで使えるマーケティング用語
🛒 バスケット分析とは、お客様が「一緒に買うもの」のパターンを見つけ出すデータ分析手法です。
スーパーで「おむつを買う人はビールも買う」という有名な発見もバスケット分析から生まれました。「一緒に買われやすい商品の組み合わせ」を数値で明らかにすることで、売場レイアウト・セット販売・レコメンドなど幅広いマーケティング施策に活かせます。
- バスケット分析とはなにか、なぜ「バスケット」という名前なのか
- 分析で使う3つの指標(支持度・信頼度・リフト値)をやさしく解説
- スーパーを例にした、具体的な分析のイメージ
- バスケット分析で「何ができるか」4つの目的と活用シーン
- 分析するときに気をつけたいポイント
① バスケット分析ってなに?
バスケット分析(Market Basket Analysis)は、購買データの中から「一緒に買われる商品の組み合わせ」を見つけ出すデータ分析手法です。
「バスケット」という名前は、スーパーのショッピングカート(カゴ)の中身に由来します。1回の買い物でカゴに入っている商品の組み合わせを大量に分析することで、商品間の「つながり」が見えてきます。
- バスケット分析は「アソシエーション分析(関連分析)」の代表的な手法のひとつ
- 小売業だけでなく、ECサイトのレコメンド・金融商品の組み合わせ提案など幅広く活用されています
- Amazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」も、バスケット分析の考え方を使っています
② 3つの重要な指標
バスケット分析では、商品の組み合わせを評価するために3つの指標を使います。難しそうに聞こえますが、順番に見ていけばとてもシンプルです!
同時に買った割合
全購買のうち、AとBが一緒に入っているレシートの割合。どれくらい頻繁な組み合わせかを示します。
支Bも買った割合
Aを買った人が、どのくらいの確率でBも買うか。「AならB」がどれだけ成り立つかを示します。
信Bが売れる確率
偶然の一致ではなく本当に関連が強いかを示す指標。1より大きいほど相関が高いです。
リリフト値 > 1:Aを買うとBも買いやすい(正の相関あり)→ 施策を打つ価値がある
リフト値 = 1:Aを買ってもBは関係ない(独立)
リフト値 < 1:Aを買うとBは買いにくくなる(負の相関)
「パンと牛乳」は支持度(一緒に買われる頻度)が高くても、それぞれ単独でもよく売れる商品のため、リフト値は低くなりがちです。3つの指標をセットで見ることが大切です。
③ スーパーで使ってみよう(具体例)
あるスーパーマーケットで1,000件の購買データを分析した例で見てみましょう。
| 組み合わせ | 支持度 | 信頼度 | リフト値 | 評価 |
|---|---|---|---|---|
| 🍺 ビール → 🥜 おつまみ | 20% | 70% | 2.5 | ◎ 強い相関 |
| ☕ コーヒー → 🍰 スイーツ | 15% | 60% | 2.0 | ○ 相関あり |
| 🍞 パン → 🥛 牛乳 | 35% | 50% | 1.1 | △ 弱い相関 |
| 🧴 シャンプー → 🪥 歯ブラシ | 5% | 30% | 0.8 | ✕ 相関なし |
- 「ビール→おつまみ」はリフト値2.5と高く、ビールを買った人の70%がおつまみも買っている。→ 隣に陳列・セット割引が有効!
- 「パン→牛乳」は支持度(頻度)は高いが、リフト値は1.1とほぼ独立。→ たまたま両方よく売れているだけで、相関は薄い
- リフト値だけでなく、支持度(頻度)も見ながら施策の優先度を判断しましょう
④ バスケット分析でできること・目的
バスケット分析を行う目的は、大きく4つに分けられます。それぞれ具体的なアクションにつながります。
一緒に買われる商品を近くに陳列することで、お客様の買い忘れを防ぎ、ついで買いを促進します。購買体験も向上します。
相関の高い商品をセット価格で提供したり、「よく一緒に購入されています」と表示することで客単価のアップを狙います。
ECサイトやアプリで「あなたへのおすすめ」を表示。購買履歴からその人が次に必要としそうな商品を提案します。
「Aを買った人にBのクーポンを配布」など、的を絞ったプロモーションが可能に。無駄な広告費を削減できます。
業種別の活用シーン
陳列と特売設計
購買データから売場レイアウトを改善。関連商品をまとめたコーナー展開や、週末のセール商品の組み合わせ選定に活用。
レコメンドエンジン
「この商品を買った人は〜」「よく一緒に購入されています」などの表示に活用。購入単価と回遊率を同時に改善できます。
メニュー設計・セット化
「コーヒーとスコーンのセット」など、注文データから人気の組み合わせを発見。セットメニュー化で注文単価アップ。
商品のバンドル提案
「住宅ローンを組んだ人は火災保険も検討しやすい」など、金融商品の組み合わせ提案やアップセルの根拠に。
⑤ 活用するときのポイント
最低限の支持度(しきい値)を設定する
支持度が極端に低い組み合わせは「たまたま」の可能性が高く、施策に使っても効果が出にくいです。最初に「支持度○%以上の組み合わせだけを対象にする」とルールを決めておきましょう。
リフト値が1以上の組み合わせを優先する
支持度・信頼度が高くても、リフト値が1以下なら「相関がない」と判断します。3つの指標を組み合わせて、本当に意味のある組み合わせだけに絞り込みましょう。
季節・曜日などのセグメントに分けて分析する
年間データをまとめて分析すると、季節性や曜日の違いが埋もれてしまいます。「夏のデータだけ」「週末だけ」など条件を絞って分析すると、より精度の高い知見が得られます。
「因果」ではなく「相関」であることを忘れない
バスケット分析でわかるのは「一緒に買われやすい」という相関関係であり、「Aを買ったからBを買う」という因果関係ではありません。施策を打つ際は、現場の感覚や他のデータも組み合わせて判断しましょう。
ABC分析で「売上貢献度の高いA商品」を特定したうえで、バスケット分析で「A商品と一緒に買われる商品」を見つけると、売場設計や販促施策の優先度がより明確になります。2つの分析を組み合わせると、より実践的な戦略が立てられます。
👉 ABC分析とは?ビジネスで使えるマーケティング用語
📝 まとめ
- バスケット分析は、一緒に購入される商品の組み合わせパターンを発見するデータ分析手法
- 評価には支持度・信頼度・リフト値の3指標をセットで使う
- リフト値が1より大きい組み合わせが、本当に相関がある有望な組み合わせ
- 目的は「陳列改善」「セット販売」「レコメンド」「クーポン配布」など多岐にわたる
- 小売・EC・飲食・金融などあらゆる業種に応用できる汎用的な手法
- 相関関係であることを念頭に置き、現場感覚や他分析と組み合わせて活用しよう
