飲食店がSNS広告で集客を攻略するためのポイント

飲食店が集客をネックに感じていることの1つが、集客のコストの高さです。
例えば、グルメサイトのメリットは、集客の手間がかからず、予約まで獲得することができますが、月額固定費の他に予約手数料がかかるデメリットがあります。
そこで、SNS広告を使います。SNS広告は、画像や動画を特定のエリア内のユーザーに広告することができます。また、エンゲージメントを目的にすることで、集客だけでなく、アカウントの育成もできることから、店舗の集客力の育成にもつながります。
飲食店がSNS広告から得られる効果とは?

SNS広告を使うと、直接ターゲットに写真や動画が含まれる投稿を表示させることができます。
例えば、人気メニューを紹介する画像や動画を用意し、店舗から半径10キロ圏内の25歳以上の女性のみに広告を表示する設定ができます。
こちらから直接訴求することができるので、店舗の知名度を上げるだけではなく、集客をすることも可能です。また、フォローしてもらうことで、その後の投稿も継続的に見てもらうことができるため、集客にかかるコストも節約することができます。
飲食店はどのSNSで広告を出すべきか?

総務省の「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、LINEとYoutubeを除くソーシャルメディア系サービスの利用率は、高い順からInstagram(56.1%)、X(旧Twitter)(49.0%)、TikTok(32.5%)、Facebook(30.7%)となっております。
飲食店は、画像やショート動画の方が食欲をそそる訴求ができることから、SNSの運用はInstagramを選択することが多いです。SNS広告は広告から得られるエンゲージからフォローされることもありますので、Instagramを運用している場合は、Instagramを選択するのが良いでしょう。
ただし、X(旧Twitter)や将来性のあるTikTokの利用率も高くなっているため、これらの広告も候補に挙げられます。
Instagram広告

Instagram広告は視覚で訴求した広告を自然な形でターゲットに見せることができます。最も詳細なターゲティングをすることができることも特徴で、例えば、店舗の半径5km圏内のみに広告を表示することができます。
反応の良い投稿には、いいねなどのエンゲージがつくため、Instagram広告を継続的に運用することで、近隣に住むユーザーを特定することも可能です。こちらからフォローすることで、一定のフォローバックも期待することもできます。
どのような広告を出稿すれば良いのか?
Instagram広告の強みは、自然な形で広告が表示されることなので、目線を止めて、興味をそそる画像や動画を用意することが重要です。
メインの看板メニューやシーズンの限定メニューなど、ただの出来上がりの画像を広告にするのではなく、湯気が漂っていることがわかる画像や、熱々に煮立っていることがわかる動画を用意した方が反応率は高くなりやすいです。
画像サイズ
- 縦長(推奨):1080×1350ピクセル(アスペクト比4:5)
- 正方形:1080×1080ピクセル(アスペクト比1:1)
- 横長:1080×566ピクセル(アスペクト比1.91:1)
ショート動画のサイズ
推奨サイズ:1080×1350ピクセル(アスペクト比4:5)
最大60秒で作成可能
ストーリーズのサイズ
推奨サイズ:1080×1920ピクセル(アスペクト比9:16)
最大180秒で作成可能
出稿ができる広告の種類
写真広告 | 高品質な料理写真で視覚的に訴求 |
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動画広告 | 動きや音声を活用して印象に残る内容を配信 |
ストーリーズ広告 | 短期間で自然にユーザーにリーチ可能 |
カルーセル広告 | 複数の写真や動画を組み合わせて情報量を増加 |
発見タブ広告 | ユーザーの興味関心に基づいたおすすめタブに表示 |
コレクション広告 | デリバリー商品やECサイトへの誘導に最適 |
ターゲティングの種類
エリア設定 | 店舗周辺(例:5km以内)など、来店可能な範囲に絞ることができる。国、都道府県、市町村でも絞り込みが可能 |
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興味・関心 | 料理ジャンル(例:「ラーメン」「グルメ」)や飲食関連キーワードで絞り込み |
年齢・性別 | 特定の年代のみ、男性・女性のみなどのターゲティングも可能。 |
カスタムオーディエンス | 既存顧客やウェブ訪問者データを活用したターゲティング |
類似オーディエンス | 既存顧客と似た属性の新規顧客を狙うことができる。このターゲティングを行うには、相当数の既存顧客のメールアドレスが必要 |
飲食店はどのように広告を出すべきか?
Instagram広告を出す時は、先にアカウントを作り込みます。
店舗の特徴や売りがわかる程度の投稿数10〜15程度のフィード画像や動画を投稿し、看板メニューや今が推しの旬なメニューの魅力がわかるストーリーズを投稿しましょう。ストーリーズは、アクションボタンを設置すると、24時間で消えずに、プロフィールから常時確認をすることができるようになります。また、予約ボタンも忘れずに実装します。
次に、店舗の魅力を紹介するストーリーズやカルーセルを投稿し、広告をかけます。
広告の予算は、最初は1日1,000円程度で広告をかけます。(定休日は営業をしていると勘違いを受けることから除外します。)
地域設定は、来店が可能な範囲で半径で指定するのが良いでしょう。ただし、利用者が多い駅の近くの立地である場合は、それらの導線も考えた地域設定を行います。
年齢は、明らかにターゲットではない年齢を除外します。性別は、目に見えて顧客の男女差がある場合は多い方を設定しますが、同等程度であれば、設定をしません。
これらのアカウントの運用は、集客次第で、微調整を行います。
X(旧Twitter)広告

飲食店といえば、Instagramの印象が強いですが、最近では、X(旧Twitter)の方が幅の広い年代層に情報が閲覧されるということもあり、大手飲食店は、Xの運用に力を入れる傾向があります。
情報収集を目的にしている人も多く、話題の拡散もされやすいこと、Instagramにはいない層もターゲティングすることができます。
どのような広告を出稿すれば良いのか?
Xであっても、Instagramと同じで来店意欲を掻き立てる内容を重視するので、食欲をそそる看板メニューや限定メニューの画像や動画を用意します。
画像の適切な規格
- アスペクト比 1:1(正方形): 推奨サイズは 1200×1200ピクセル(最小600×600ピクセル)
- アスペクト比 1.91:1(横長): 推奨サイズは 1200×628ピクセル(最小600×335ピクセル)
- 最大ファイルサイズ: 3~5MB(フォーマットにより異なる)
- サポートされる形式: PNG、JPEG
動画の適切な規格
- アスペクト比 1:1(正方形): 推奨サイズは 1200×1200ピクセル
- アスペクト比 16:9(横長): 推奨サイズは 1920×1080ピクセル
- アスペクト比 9:16(縦型): 推奨サイズは 1080×1920ピクセル
- 最大ファイルサイズ: 1GB
- 推奨動画形式: MP4またはMOV
- 動画の長さ:
- 推奨: 6~15秒
- 最大: 2分20秒
出稿ができる広告の種類
広告の種類 | 説明 |
---|---|
プロモ広告 | タイムラインや検索結果に表示される基本的な広告形式。通常の投稿と同様に、いいねやリポストなどのエンゲージメントが可能。 |
縦型動画広告 | 2024年2月に導入された9:16アスペクト比の全画面表示動画広告。ユーザーが動画を視聴し、数回スクロールした後に表示される。 |
テイクオーバー広告 | 「話題を検索」タブ内の「おすすめ」や「トレンド」のハッシュタグ一覧の最上部または2番目に表示される広告。24時間独占で表示可能。 |
Amplify広告 | プレミアムな動画コンテンツと連動させて広告を配信できる形式。 |
ライブ広告 | リアルタイムでイベントや製品発表を配信できる広告形式。 |
ダイナミック商品広告 | ユーザーの興味関心・行動をもとに自動生成され配信される広告。高い購買率が期待できる。 |
コレクション広告 | メイン画像や動画の下に複数の商品画像を表示できる広告形式。1画面で複数の商品を確認可能。 |
カンバセーションボタン付き広告 | ハッシュタグ付きのCTAボタンを最大4つまで設定可能な広告フォーマット。 |
ターゲティングの種類
X広告のターゲティングの種類を以下のテーブルでまとめました。
カテゴリー | ターゲティングの種類 | 説明 |
---|---|---|
オーディエンスの特性 | 地域ターゲティング | 国、都道府県、市町村、特定の場所を中心にした半径(広告エディタのみ)で運用可能 |
言語ターゲティング | ユーザーの設定言語に基づくターゲティング | |
端末・プラットフォーム・Wi-Fiターゲティング | 使用デバイス、OS、ネットワーク接続タイプに基づくターゲティング | |
年齢ターゲティング | ユーザーの年齢層に基づくターゲティング | |
性別ターゲティング | ユーザーの性別に基づくターゲティング | |
オーディエンスタイプ | 会話トピックターゲティング | 25以上のカテゴリーと10,000種類以上のトピックから選択可能 |
イベントターゲティング | 特定のイベントに関心を持つユーザーへのターゲティング | |
エンゲージャーターゲティング | 広告主のコンテンツとエンゲージしたユーザーへのターゲティング | |
キーワード・絵文字ターゲティング | 特定のキーワードや絵文字を使用・反応したユーザーへのターゲティング | |
映画とテレビ番組のターゲティング | 特定の映画やTV番組に興味を持つユーザーへのターゲティング | |
興味関心ターゲティング | 300以上のカテゴリーからユーザーの興味関心を選択してターゲティング | |
フォロワーが似ているアカウントのターゲティング | 特定のアカウントのフォロワーに類似したユーザーへのターゲティング | |
既存のオーディエンス | フォロワーターゲティング | 広告主のアカウントのフォロワーへのターゲティング |
カスタムオーディエンスターゲティング | 広告主が独自に作成したユーザーリストに基づくターゲティング | |
類似オーディエンスターゲティング | 既存の顧客や見込み客に類似したユーザーへのターゲティング |
飲食店はどのように広告を出すべきか?
広告は、メニューの広告から出稿します。広告キャンペーンには、単純なルールのみを設定するシンプルと、詳細なターゲットを設定するアドバンスがありますが、飲食店ではシンプルを選択します。
また、広告のタイプにはリーチ、エンゲージメント数、ウェブサイトの訪問数、キーワードの4つがありますが、リーチまたは、エンゲージメント数を選択します。
過去の投稿から反応率の良かった料理の画像や動画を使い広告を作成します。
オーディエンスの特性は、Instagram広告と同様に、性別と年齢は広くとります。エリアの指定が最も重要なので、来店可能なエリアに絞り込みましょう。

ターゲティング機能では、趣味趣向で絞り込むことも可能ですし、スマホのみに表示させることもできます。例えば、ラーメン店であれば、フォロワーが似ているアカウントに有名なラーメンのインフルエンサーを指定したり、デスクトップ以外にチェックを入れることで、PCに表示しない設定にすることもできます。

広告の予算は、1日1,000円程度で設定しても十分に効果が見込まれます。これを特に重点的に集客したい期間を設定し、広告を出稿します。
最終更新日 2025年2月10日