予約システムの選定に悩んでいます【高級飲食店のお悩み50】

高級飲食店の予約管理は、顧客体験とビジネス運営の両面で極めて重要な要素です。

適切な予約システムを選ぶことで、高単価のお客様に最適なサービスを提供しながら、予約の取りこぼしを最小限に抑えることができます。また、高級飲食店では、訪日外国人の集客に力を入れる必要もありますので、外国語で対応する必要があります。

本記事では、高級飲食店のオーナーが予約システムを選ぶ際のポイント、比較すべき主要システム、そして実際の成功事例までを詳しく解説します。

なぜ、予約システムの選定に悩んでしまうのか？

高級飲食店の予約システム選びが難しいのは、市場に多くの選択肢が存在し、それぞれが異なる機能や料金体系を持っているためです。

特に客単価15,000円～30,000円の高級店では、予約をシステムに依存するため、システムの使いやすさや外国語対応やがとても重要になります。それに加えて、予約システムは、POSシステムと連携しないと管理が煩雑になってしまうこともあります。

条件を絞り込むと、結局どれが良いのかわからなくなってしまいます。

予約システムの選定に悩みを解決する具体的な方法

高級飲食店に適した予約システムを選ぶには、いくつかの重要なステップがあります。自店舗のニーズを明確にし、各システムの特徴を理解した上で、比較検討を行うことが大切です。

①導入目的と優先すべき機能を明確にする

予約システム導入の目的をまず明確にしましょう。

予約管理の効率化なのか、顧客サービスの向上なのか、売上増加が目的なのかによって選ぶべきシステムが変わります。高級飲食店では特に顧客管理機能が重要で、常連客の好みや過去の利用履歴を記録し、パーソナライズされたサービス提供ができるシステムが望ましいです。

また、無断キャンセル対策としてクレジットカード保証機能や、多言語対応、データ分析機能なども検討すべきポイントです。自店舗にとって必要な機能をリストアップし、優先順位をつけることで選択肢を絞り込むことができます。

②既存システムとの連携可能性を確認する

新しい予約システムを導入する際は、現在使用しているPOSシステムなどのシステムとの連携が可能かどうかを確認することが重要です。POSシステムとの連携により、予約情報と顧客情報、売上データを一元管理できれば業務効率が大幅に向上します。

特に注意すべきは、POSシステムによって連携できる予約システムが異なる点です。事前に現在利用しているPOSレジの提供事業者に確認を取り、互換性のある予約システムを選ぶようにしましょう。シームレスな連携ができない場合、スタッフの二重入力などの負担が増え、かえって非効率になる可能性があります。

③コスト構造と投資対効果を見極める

予約システムには初期費用、月額費用、そしてオプション料金などさまざまなコストが発生します。高級飲食店では機能性を重視する一方で、投資に見合うリターンが得られるかを冷静に判断する必要があります。月額費用は予約件数や利用人数によって変動する場合もあるため、自店舗の規模や将来的な成長予測も考慮しましょう。

また、導入後のトレーニング費用やカスタマイズ費用なども含めた総コストを計算し、予約業務の効率化や顧客満足度向上、売上増加などの効果と比較して判断することが重要です。短期的なコスト削減だけでなく、長期的な競争力強化の視点からシステム選定を行いましょう。

高級飲食店におすすめの予約システム比較

高級飲食店向けの予約システムには、それぞれ特徴が異なる複数のサービスがあります。ここでは主要なシステムの特徴を比較し、高級店に適したシステム選びの参考にしていただきます。

①TableCheck（テーブルチェック）

TableCheckは高級飲食店に特に人気の予約管理システムです。多言語対応（18カ国語）が充実しており、インバウンド需要の取り込みに強みがあります。ドタキャン対策「キャンセルプロテクション」機能で、予約時にクレジットカード情報を登録させることで無断キャンセルを大幅に減少させることができます。

予約のオンライン受付はもちろん、グルメサイトや電話予約を含む全ての予約を一元管理できるのも魅力です。顧客情報の詳細な管理機能により、お客様の好みや記念日情報などを記録し、パーソナライズされたサービスが提供できます。データ分析機能も充実しており、予約状況や顧客傾向を分析して戦略的な経営判断に活用できるでしょう。

連携ができるPOSシステムは以下の通りです。

• POS+(ポスタス)
• Uレジ FOOD
• タップPOSシステム
• スマレジ
• NECモバイルPOS

②トレタ予約台帳

トレタは日本国内で広く利用されている予約管理システムで、使いやすさに定評があります。シンプルで直感的な操作画面が特徴で、スタッフの教育コストを抑えられます。オンライン予約の受付から顧客情報の管理、予約状況の確認まで一元管理が可能です。

AIによる予約電話対応機能により、電話対応の負担を軽減し、スタッフが接客に集中できる環境を作れます。また、グルメサイトやPOSシステムとの連携機能が充実しており、様々な経路からの予約情報を統合管理できます。トレタもキャンセルプロテクションに対応していますので、ドタキャンの対策ができます。

顧客データの活用により常連客の嗜好を把握し、来店時にはきめ細かなサービスが提供可能です。2024年2月時点で19,000店以上の導入実績があり、安定したサービスが期待できます。

連携ができるPOSシステムは以下の通りです。

1. POS+（ポスタス）
2. NECモバイルPOS
3. スマレジ
4. ユビレジ
5. oishino
6. 東芝テックの飲食店向けPOSシステム

③ebica（エビカ）

ebicaは直感的な操作性に優れた予約管理システムです。カレンダーやテーブルレイアウトから視覚的に予約状況を把握できるため、ミスなく効率的に予約管理ができます。

AIレセプション（AIスタッフ”さゆり”）という電話予約の自動応対機能が特徴で、24時間予約受付が可能になります。グルメサイトコントローラー機能により複数のグルメサイトからの予約を一元管理でき、ダブルブッキングのリスクを大幅に軽減します。顧客管理機能も充実しており、お客様の好みや過去の利用履歴を記録して接客品質の向上に役立てられます。

様々な業態・規模の飲食店への導入実績があり、特に高級店では顧客情報の活用による接客品質向上やリピート率増加の効果が報告されています。

予約システムを解決している成功事例

実際に予約システムを導入して成果を上げている高級飲食店の事例を紹介します。それぞれの店舗がどのようにシステムを活用し、どんな効果を得ているかを見ていきましょう。

高級和食レストランの事例

東京・銀座にある客単価25,000円の高級和食店では、TableCheckを導入して予約管理と顧客満足度の向上に成功しています。導入前は電話予約が主体で、繁忙時間帯は電話対応しきれずに予約機会を逃していました。また、電話予約では顧客情報を十分に取得できず、個別対応が難しい状況でした。

TableCheck導入後は、24時間オンライン予約が可能になり、月間予約数が約30%増加しました。特にキャンセルプロテクション機能により、無断キャンセル率が導入前の15%から2%以下に激減し、売上の安定化に貢献しています。さらに、顧客データベースを活用して常連客の好みや記念日情報を記録し、次回来店時のおもてなしに活かすことで顧客満足度が向上し、リピート率も20%上昇しました。

高級焼肉店の業務効率化成功例

全国に店舗展開する高級焼肉チェーンでは、トレタを導入して予約管理の効率化とスタッフの負担軽減を実現しています。特にトレタのAIによる予約電話対応機能を活用し、繁忙時間帯の電話対応の負担を軽減しました。これにより、スタッフは接客に集中できるようになり、サービス品質が向上しました。導入前は紙の予約台帳で管理していたため、店舗間での情報共有が難しく、常連客が別店舗を利用する際に過去の利用履歴が活かせませんでした。

トレタ導入後は全店舗で顧客情報を共有できるようになり、どの店舗でも一貫したサービスが提供できるようになりました。また、POSシステムとの連携により予約情報と売上データを一元管理できるようになり、データ分析による経営判断が容易になりました。予約管理の時間が約1/10に削減され、その分を接客時間に充てることで顧客満足度の向上に成功しています。

高級フレンチレストランの活用術

関西を拠点とする高級フレンチレストラングループでは、ebicaとグルメサイトコントローラーを活用して予約管理の効率化と売上向上を実現しています。導入前はHotpepperやぐるなびなど複数のグルメサイトと自社サイトからの予約を個別に管理していたため、ダブルブッキングが月に数回発生していました。

ebica導入後は全ての予約を一元管理できるようになり、ダブルブッキングが完全になくなりました。また、AIレセプション機能により営業時間外や通話中でも予約の取りこぼしがなくなり、月間予約数が20件増加し、一店舗あたり20万円～30万円の売上アップに成功しました。顧客管理機能を活用してお客様の好みや記念日などの情報を記録し、パーソナライズされたサービスを提供することでリピーターの増加にもつながっています。

まとめ

高級飲食店における予約システムの選定は、単なる業務効率化だけでなく、ブランド価値向上と顧客満足度の最大化に直結する重要な経営判断です。

本記事の要点をまとめると…

• 予約システムはお店の顔となる重要な顧客接点であり、高級店にふさわしい品質と機能を備えたものを選ぶべき
• 導入目的を明確にし、特に顧客管理機能やキャンセル対策機能を重視する
• POSレジなど既存システムとの連携可能性を事前に確認する
• 初期費用や月額費用だけでなく、投資対効果を総合的に判断する

高級飲食店におすすめの予約システムとしては、以下の3つのサービスが普及しています。

• TableCheck
• トレタ
• ebica

予約システムを高級飲食店が導入すると、次のことを削減することができます。

• 予約数の増加と売上向上
• 無断キャンセルの大幅減少
• 顧客情報の活用によるおもてなしの質向上
• スタッフの業務効率化と接客時間の創出

最終更新日 2025年3月27日