マーケットバスケット分析とは?よくわかるマーケティング用語
マーケットバスケット分析は、顧客の購買パターンを調べて、商品間の関係を見つける方法です。
この分析を使うと、お店の商品配置や販売戦略を改善できます。顧客のニーズを深く理解し、売上アップにつなげられる可能性があります。
マーケットバスケット分析とは?
マーケットバスケット分析は、顧客が同時に買う商品の組み合わせを調べる方法です。この分析を使うと、関連商品を見つけたり、セット販売の戦略を立てたりできます。主に店舗やネットショップの販売データを使って行います。
顧客の購買パターンを解析する手法
マーケットバスケット分析は、お客さんがどんな商品を一緒に買うかを調べる方法です。例えば、パンを買う人がよくジャムも買うことがわかれば、パンとジャムを近くに置いたり、セットで売ったりする作戦を立てられます。
この分析では以下のような発見をすることができます。
- 関連商品を見つける
- セット販売の計画を立てる
- お客さんに他の商品も買ってもらう作戦を考える
POSデータを活用した分析
マーケットバスケット分析では、主にPOSデータやネットショップの販売データを使います。
用いるPOSデータから、次のような情報を得られます。
- いつ買ったか
- 誰が買ったか
- どの商品を買ったか
これらの情報を使って、一緒に買われやすい商品を見つけ出します。
4つの重要指標
マーケットバスケット分析では、主に4つの指標を使います。これらの指標を使って、商品同士のつながりを数字で表します。
- 支持度(同時購買率):二つの商品が一緒に買われる割合
- 信頼度:ある商品を買った人が、別の商品も買う確率
- 期待信頼度:ある商品が単独で買われる確率
- リフト値:二つの商品の関連性を示す値
指標 | 説明 | 計算方法 |
---|---|---|
支持度 | 二つの商品が一緒に買われる割合 | (同時購入者数) ÷ (総顧客数) |
信頼度 | ある商品を買った人が、別の商品も買う確率 | (同時購入者数) ÷ (ある商品の購入者数) |
期待信頼度 | ある商品が単独で買われる確率 | (ある商品の購入者数) ÷ (総顧客数) |
リフト値 | 二つの商品の関連性を示す値 | (信頼度) ÷ (期待信頼度) |
これらの指標を使って、商品同士のつながりを数字で表し、分析します。
マーケットバスケット分析の具体的な活用方法
マーケットバスケット分析を使うと、お店の売り方を工夫できます。商品の置き方を変えたり、セット販売をしたり、キャンペーンを企画したりして、売上を増やすことができます。また、在庫管理も上手くできるようになります。
効果的な商品配置とレイアウト最適化
分析結果を使って、一緒に買われやすい商品を近くに置くことができます。例えば、パンとジャムがよく一緒に買われることがわかれば、パン売り場の近くにジャムを置きます。
こうすることで、同時購入率が高い商品同士なので、顧客が購買しやすくなり、買い物がしやすくなります。結果的に店舗の売上が向上します。
クロスセル・アップセル戦略の立案
関連性の高い商品を見つけて、セットで売ったり、おすすめ商品として紹介したりできます。
- クロスセル:関連商品を追加で買ってもらう
- アップセル:より高級な商品を買ってもらう
例えば、クロスセルでは、コーヒー豆にお菓子やミルクなどを合わせて販売します。これがクロスセルです。よく売れるコーヒー豆の近くに高級なコーヒー豆を置くことでワンランク顧客単価を上げるのがアップセルです。
これらの戦略を使うと、一人のお客さんが買う金額を増やせる可能性があります。
キャンペーン企画の立案
一緒に買われやすい商品の組み合わせを使って、効果的なセール企画を考えられます。
例:
- パンとジャムのセット割引
- コーヒーを買うと、ケーキが半額になるクーポン
このような企画を立てると、お客さんの興味を引き、売上を伸ばせる可能性があります。
在庫管理の最適化
関連商品の需要予測ができるので、適切な在庫管理ができます。
- 一緒によく売れる商品の在庫を同じくらい用意する
- セール時に関連商品の在庫も増やす
こうすることで、商品切れを防いだり、過剰在庫を減らしたりできます。
マーケットバスケット分析の具体的な分析方法
カフェでのマーケットバスケット分析の手順を、実際の計算例を交えて説明します。この例を通じて、分析の流れと結果の解釈方法を学びましょう。
まず、カフェでの1か月間の販売データを集めます。
- 総来店客数:1000人
- コーヒーを買った人:500人
- サンドイッチを買った人:300人
- コーヒーとサンドイッチを一緒に買った人:200人
項目 | 人数 |
---|---|
総来店客数 | 1000人 |
コーヒー購入者 | 500人 |
サンドイッチ購入者 | 300人 |
コーヒーとサンドイッチの同時購入者 | 200人 |
収集したデータを使って、4つの指標を計算します。
支持度(同時購買率)
支持度 = 同時購入者数 ÷ 総来店客数
= 200 ÷ 1000 = 0.20 (20%)
信頼度
信頼度(コーヒー→サンドイッチ) = 同時購入者数 ÷ コーヒー購入者数
= 200 ÷ 500 = 0.40 (40%)
期待信頼度
期待信頼度 = サンドイッチ購入者数 ÷ 総来店客数
= 300 ÷ 1000 = 0.30 (30%)
リフト値
リフト値 = 信頼度 ÷ 期待信頼度
= 0.40 ÷ 0.30 = 1.33
指標 | 計算結果 |
---|---|
支持度 | 20% |
信頼度 | 40% |
期待信頼度 | 30% |
リフト値 | 1.33 |
計算結果から、コーヒーとサンドイッチの関係を解釈します。
- リフト値が1.33で、1より大きいです。
- これは、コーヒーとサンドイッチには正の相関関係があることを示しています。
- つまり、コーヒーを買う人は、普通の確率よりも高い確率でサンドイッチも買う傾向があります。
分析結果を基に、売上を伸ばすための作戦を考えます。これらのデータを元に以下のような具体的な施策を考案することもできます。
- コーヒーとサンドイッチのセット販売を始める
- サンドイッチコーナーをコーヒーマシンの近くに移動する
- コーヒーを買った人に、サンドイッチの割引クーポンを渡す
これらの作戦を実行することで、コーヒーとサンドイッチの同時購入を増やし、売上アップにつながる可能性があります。
まとめ
マーケットバスケット分析は、お客さんの買い物の傾向を調べる便利な方法です。この分析を使うと、一緒に買われやすい商品がわかり、お店の売り方を工夫できます。例えば、商品の置き方を変えたり、セット販売をしたり、キャンペーンを企画したりできます。
ただし、分析結果をそのまま使うだけでなく、市場の動きやお客さんの好みの変化にも注意を払う必要があります。また、定期的に分析を行い、作戦を見直すことが大切です。
マーケットバスケット分析を上手に使えば、お客さんの満足度を高めながら、売上も増やせる可能性があります。ぜひ、自分のお店やビジネスで試してみてください。
最終更新日 2024年12月4日