チラシ集客を成功させるために押さえておきたいポイントとは?

チラシは、オフライン集客の代表的な媒体の1つです。情報量を絞り込み、受け手に利点を感覚的に伝えることで、商品やサービスに興味を持ってもらい、来店、予約、お問い合わせ、購入などの行動を引き起こします。

オンライン集客の方が、詳細なターゲティング設定やリアルタイム性が高い上に、効果検証がしやすいという利点がありましたが、オンライン広告は、競合が増加し、複雑さも増してきているという近年の事情から、シンプルに訴求ができるチラシを使った集客も重要視されるようになりました。

目次

チラシ集客の概要

チラシ集客とは、企業や店舗が顧客を引き付けるために紙媒体の広告を使用する方法です。チラシは、ターゲット地域の郵便受けに配布したり、イベントや店舗で手渡しすることで、直接的に情報を伝えることができます。視覚的に訴えるデザインと明確なメッセージを組み合わせることで、顧客の関心を引き、具体的な行動(来店や購入など)を促します。

特に地域密着型のビジネスにとって、効果的な集客方法で、オープンやイベントの際にポスティング広告や新聞折込はよく使われる手法です。

チラシ集客が向いている業種とは?

チラシを使った集客は、近隣に配布すれば店舗の集客に、遠方に配布すれば通販やイベントの集客に活用できます。また、特定の事業者向けにDMとして送付することもできるために、BtoBの集客にも活用することができます。

①飲食店

飲食店は、地域密着型のビジネスとして、チラシ集客の効果が高い業種です。新メニューの紹介や期間限定のプロモーション、クーポン提供などをチラシに掲載することで、直接的に顧客を誘導できます。特に開店前やリニューアル時には、地域住民への認知度を高めるために有効な手段です。

②美容院・理容室

美容院や理容室も、チラシ集客に適した業種です。新規オープンやキャンペーン情報、割引クーポンをチラシで配布することで、新規顧客の獲得や既存顧客のリピート来店を促進できます。地域の住宅地や商業施設周辺での配布が効果的です。

③小売店

地域の小売店も、チラシを活用することで集客効果を高めることができます。セール情報や新商品の紹介、特別割引の告知をチラシに載せることで、直接的に顧客を店舗に誘導します。スーパーマーケットやファッションブティックなど、幅広い業種で利用可能です。

④フィットネスセンター・ジム

フィットネスセンターやジムも、チラシ集客が有効です。入会キャンペーンやトライアルクラスの案内、特別プランの紹介などをチラシに盛り込むことで、地域住民にアプローチできます。特に、新規オープン時やリニューアル時には大きな効果が期待できます。

⑤クリーニング店

クリーニング店も、チラシを使った集客に適しています。割引キャンペーンや新サービスの案内、宅配クリーニングの紹介などをチラシに掲載し、地域の住民に直接届けることで、利用を促進します。近隣の住宅地や商業エリアでの配布が効果的です。

⑥不動産業

不動産業も、チラシを活用することで集客効果を上げることができます。新築物件の紹介やオープンハウスの案内、売買・賃貸情報をチラシに載せることで、地域の潜在顧客にアプローチできます。特に、特定エリアのポスティングが有効です。

⑦教育サービス

学習塾や家庭教師サービスなどの教育関連のビジネスも、チラシ集客が有効です。新規生徒募集や特別講座の案内、無料体験クラスの情報をチラシに掲載することで、地域の家庭にアピールできます。学校周辺や住宅地での配布が効果的です。

⑧健康・福祉サービス

整骨院、鍼灸院、マッサージ店などの健康・福祉サービスも、チラシを活用することで集客が可能です。初回割引や特別キャンペーンの案内、新サービスの紹介をチラシに載せることで、地域の住民に直接アプローチできます。特に、住宅地や商業エリアでの配布が有効です。

⑨イベント企画・運営

イベント企画・運営業も、チラシを使った集客に向いています。コンサートや展示会、地域イベントの案内をチラシに掲載し、ターゲット層に配布することで、高い集客効果を期待できます。特に、特定の地域や施設周辺での配布が効果的です。

⑩ 専門サービス(法律・会計など)

法律事務所や会計事務所などの専門サービスも、チラシを活用することで集客を図ることができます。無料相談会の案内や新サービスの紹介、特別キャンペーンの情報をチラシに載せることで、地域の住民に直接アピールできます。住宅地や商業エリアでの配布が効果的です。

チラシを集客に使うメリットとは?

①直接的なアプローチ

チラシは、ターゲットとする地域や特定の顧客層に直接アプローチする手段として非常に効果的です。郵便受けに投函したり、イベント会場で配布したりすることで、確実に手に取ってもらうことができます。これにより、デジタル広告では届かない層にもアプローチ可能です。また、紙媒体は視覚的に訴える力が強く、視認される時間も長いです。そのため、近所から客数を稼ぎたい店舗にとっては、手軽に客数を稼ぎやすいです。

②コスパの良さ

以前は、オンラインに比べるとチラシのコストは高いとされてきました。しかし、オンラインで印刷から配布まで依頼することができるようになり、一部あたりの配布コストが削減されたために、特に新規顧客の獲得に有効な検索連動型広告で競争が激しく上位が取れない場合は、チラシを集客に使った方が安く集客ができるケースも増えています。

例えば、ラクスルを使うことで、チラシのポスティングは、2.63円〜出稿することができます。(ただし、地域によってコストは異なります。)店舗の集客では、チラシの反応率は高いとされていますので、実は、非常にコスパが良いことがわかります。

③認知度の向上

チラシは視覚的なデザインを活用することで、認知度を高める効果があります。ロゴやカラーを一貫して使用し、ビジュアルアイデンティティを強調することで、顧客に強い印象を与えます。これにより、ブランドの存在感を強化し、継続的な認知度向上に寄与します。さらに、定期的にチラシを配布することで、顧客との接触頻度を増やし、その地域での存在感を作り上げることが可能です。

④高いレスポンス率

チラシは、クーポンや割引情報を含めることで、高いレスポンス率を期待できます。具体的なオファーを提供することで、顧客が行動を起こす可能性が高まり、実際の購入やサービス利用に繋がります。

チラシにクーポンをつける時は、法律により適用方法と期限を明記する必要があります。

⑤地域特化の広告手段

チラシは特定の地域やコミュニティに焦点を当てた広告手段として優れています。地域イベントや商店街での配布、特定エリアでのポスティングなど、地元の住民に対して効果的にアプローチできます。これにより、地域密着型ビジネスの集客や売上向上に直結し、ローカルコミュニティ内での認知度を高めることができます。

⑥簡単なターゲット設定

チラシは配布エリアやターゲット層を容易に設定できる点で優れています。特定の郵便番号、住宅地、商業地域などを対象に配布することで、効果的にターゲティングが可能です。さらに、異なるデザインやメッセージを地域ごとにカスタマイズすることで、より細かいターゲティングが実現できます。これにより、ターゲット層に対するメッセージの到達率を高めることができます。

チラシ集客のデメリット

①詳細なターゲット設定はできない。

オンライン広告のターゲティングでは、過去の履歴から興味関心を割り出すことが可能ですが、チラシを使った集客ではそれができません。そのため、地域やせいぜい性別までしかターゲティングができずに、反応率などで成果を計測するしかありません。

②環境への影響

大量の紙を使用するチラシ広告は、環境への影響が大きいです。製紙工程や印刷プロセスでのエネルギー消費や廃棄物の発生、配布後の廃棄物管理など、持続可能性の観点から問題視されることがあります。環境に配慮したビジネスを目指す場合には、代替手段を検討する必要があります。

③効果測定の難しさ

チラシ集客の効果を正確に測定することは難しいです。何枚配布したチラシが実際に顧客の行動につながったのか、どのデザインやメッセージが最も効果的だったのかを把握するためには、クーポンコードの使用やアンケート調査などの工夫が必要です。しかし、これらの方法も完全な効果測定には限界があります。

④廃棄されるリスク

配布されたチラシが受け手に読まれずに廃棄されるリスクが高いです。特に、受け取り手が興味を持たない内容や、タイミングが合わない場合、チラシはゴミ箱に直行する可能性があります。これは、チラシ配布にかけたコストと時間が無駄になるリスクを含んでいます。

⑤視覚的な競争

チラシは他の多くの広告媒体と同様に視覚的な競争に晒されます。特にポスティングやイベントでの配布では、他の企業のチラシや広告と一緒に配布されることが多く、埋もれてしまう可能性があります。顧客の目を引くためには、デザインやメッセージに特別な工夫が必要です。

チラシ集客を成功させるためのチラシ制作のポイント

①チラシ集客のターゲティング

チラシは販促物ですので、ターゲット像を決定する必要があります。「誰を集客したいのか?」を明確にしないと、チラシのコンテンツやクリエイティブを設定することができません。年齢、性別、居住地、興味関心などのデータを基に、ターゲットに適したメッセージやデザインを作成します。具体的なターゲティングにより、チラシの効果が大幅に向上し、無駄なコストを削減できます。

マーケティングは一貫した方が良いので、チラシを作り込むためだけにターゲティングするのではなく、事業全体の具体的なターゲット像であるペルソナを定義することがおすすめです。

②チラシの目的の定義

チラシを渡した相手に、具体的にどのような行動をとってほしいかを定義します。店舗であれば、「来店してほしい」とざっくり定義してしまいがちですが、予約方法や申し込んでほしいプランまで指定までしないと高い反応率を得ることができません。そのため、オンライン予約を導入しているのであれば、QRコードを設置したり、何を申し込めばお得なのかも、後述するキャッチコピー、キラーコピーで明確に訴求します。

③商品やサービスの強みや訴求点の洗い出し

商品やサービスの何がターゲットにとって魅力的なのかを訴求するため、強みが何なのかを洗い出します。その中で、最も訴求することで反応を得られることをキャッチコピー、キラーコピーに使い、チラシの中身を組み立てていきます。

クーポンや限定販売だけで訴求しても、どんな商品やサービスなのか分からなければ、価値を理解することができません。あくまで、クーポンなどは、成約率を高めるためだけの付加価値であり、メインではないことを理解しましょう。

④キャッチコピー、キラーコピー

キャッチコピーとは、広告や宣伝で使われる短くてインパクトのあるフレーズです。目的は、瞬時に消費者の興味を引き、商品やサービスの特徴やメリットを伝えることです。キャッチコピーは、強い印象を残し、記憶に残りやすい言葉で構成され、購買意欲を刺激します。

⑤チラシの配色や活用する画像

配色や画像は視覚的な訴求力を高めます。明るく目を引くカラーを使用し、商品の魅力を伝える高品質な画像を活用します。配色はブランドカラーを反映し、一貫性を持たせることが重要です。また、画像はプロカメラマンに撮影してもらうことで印象が良くなります。

⑥フォント

読みやすさを考慮したフォント選びが重要です。タイトルやキャッチコピーには太く目立つフォントを使用し、本文には読みやすいフォントを選びます。フォントの統一性を保つことで、全体のデザインが洗練され、情報がスムーズに伝わります。

チラシの配布方法とそれぞれの特徴

①ポスティング

ポスティングは、チラシを特定の地域や住宅地の郵便受けに直接投函する方法です。ポスティングはチラシ集客では最も定番のチラシの配布方法です。

地域密着型のビジネスに適しており、ターゲットエリアを絞り込んで効果的に配布できます。費用対効果が高く、顧客に直接情報を届けるため、見てもらいやすい反面、チラシが見落とされるリスクもあります。

自分でチラシを投函するセルフポスティングは、近隣にのみ投函することができますが、自分の時間や手間がかかるため、ポスティングは、業者に依頼した方が無難です。

②新聞折込

新聞折込は、新聞にチラシを挟み込んで配布する方法です。特定の新聞購読者層にリーチでき、信頼性が高い媒体を利用するため、効果的な宣伝が可能です。広範囲に一度に配布でき、配布日を指定できるメリットがありますが、ターゲットの絞り込みが難しく、新聞を取っていない世帯には届かないデメリットがあります。

③DM(ダイレクトメール)

ダイレクトメールは、顧客の住所に直接郵送する方法です。顧客リストを活用して、ターゲット層に合わせた個別のメッセージを送ることができ、高い効果が期待できます。専門業者に依頼することで、特定の事業者向けにチラシを配布することが可能です。

パーソナライズされた内容にすることで開封率が上がりますが、郵送コストがかかり、手間が増えることがデメリットです。

④手渡し(配布)

手渡しは、イベントや店舗前で直接チラシを手渡す方法です。受け取り手と直接コミュニケーションを取れるため、確実に手に取ってもらえ、反応率も高いことがメリットです。配布するための人員が必要で、時間と労力がかかる点がデメリットで、配布している人の印象次第では、クレームに直結します。

⑤置きビラ

置きビラは、店舗や公共施設の一角にチラシを置いて自由に持ち帰ってもらう方法です。設置場所を工夫することで、ターゲット層に自然にアプローチできます。コストが低く、継続的に情報提供が可能ですが、見てもらえる保証がなく、設置場所の選定が重要です。

チラシ作成時に注意すべき広告規制

チラシは広告ですので、さまざまな法規制がかかります。ここでは、違反になりやすい景品表示法、医師法、あはき法などを紹介します。

①景品表示法

景品表示法は、消費者が誤認するような不当な表示を禁止し、公正な取引を守るための法律です。チラシ作成時には、商品の品質、内容、価格について虚偽や誇大な表現を避ける必要があります。また、景品やプレゼントの提供に関しても、過大な景品を設定しないよう注意が必要です。例えば、「先着100名様に豪華景品!」などの表現は、抽象的で誤解を呼ぶため、規制対象になる表現です。

1. 誇大表示

商品の品質や効果について、事実と異なる内容を誇張して表現することは違反となります。

  • 「これを飲むだけで一週間で10kg痩せる!」
  • 「世界一の性能を誇るスマートフォン!」

2. 虚偽表示

商品の内容や価格について、事実と異なる情報を提供することは違反です。

  • 「純金製ネックレス(実際にはメッキ)」
  • 「通常価格1万円が、今だけ500円!」(元々その商品が1万円で販売されたことがない場合)

3. 有利誤認

他の商品やサービスと比較して、実際にはそれほど有利でないにもかかわらず、著しく有利であると誤認させる表現は違反です。

  • 「他社製品の2倍の効果があります!」
  • 「当店だけの特別割引!」(実際には他店でも同様の割引が適用されている場合)

4. 不当景品類の提供

景品やプレゼントの提供について、過大な景品を設定することは違反です。景品類の価値は、公正競争規約で定められた上限を超えてはなりません。

  • 「先着10名様に高級車プレゼント!」
  • 「抽選で豪華海外旅行が当たる!」

5. 二重価格表示

通常価格と比較して安く見せるための二重価格表示は、実際の価格が誤解を招く場合、違反となります。

  • 「通常価格10,000円が、今なら5,000円!」(通常価格が実際には存在しない場合)
  • 「50% OFF!」(実際の割引率が50%に達していない場合)

6. 景品の抽象的な表現

どんな特典があるのかが一見分からない表現やクーポンをつけている場合は、有効期限の表記も必要になります。

②医師法

医師法は、医療に関する広告を規制する法律です。医療機関や医師がチラシを作成する際には、治療効果や安全性について科学的根拠のない誇大な表現を避けることが求められます。例えば、「絶対に治る!」や「完全無痛治療!」などの表現は、誤解を招く恐れがあり、医師法に抵触する可能性があります。

③あはき法(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律)

あはき法は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師などの広告を規制する法律です。これらの業種がチラシを作成する際には、治療効果を過度に誇張したり、未承認の療法を宣伝することは禁じられています。

例えば、「一回で治る!」や「完全に治癒します!」などの表現は避けるべきです。また、使用できる広告表現は、施術者の資格、名称、施術の種別、施術所の所在地などに限定されています。

最終更新日 2024年6月23日

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