コンジョイント分析とは?よくわかるマーケティング用語
コンジョイント分析は、商品やサービスの特徴がどのように消費者の選択に影響するかを数値で示す方法です。
企業が新しい商品を作る時や、価格を決める時に役立ちます。
コンジョイント分析とは?
コンジョイント分析は、消費者が商品を選ぶ時の判断を数字で表す統計の方法です。商品の価格、機能、デザインなどの特徴が、どれくらい重要かを調べます。この分析を使うと、消費者が本当に欲しい商品を作れます。
消費者の選好を定量化する統計手法
コンジョイント分析は、消費者が商品を選ぶ時の考え方を数字で表します。例えば、スマートフォンを買う時、価格、画面の大きさ、カメラの性能など、様々な特徴を考えます。
コンジョイント分析は、これらの特徴のどれが一番重要かを数字で示してくれます。
複数の属性を同時に評価
普通のアンケートと違って、コンジョイント分析では商品の複数の特徴を一緒に評価します。
例えば、「画面が大きくて高い」スマートフォンと「画面が小さくて安い」スマートフォンのどちらが良いか、選んでもらいます。これによって、消費者が本当に重視している特徴がわかります。
現実の購買行動に近い分析が可能
コンジョイント分析では、実際に店で商品を選ぶような状況を作り出します。これにより、本当の買い物の時と同じような判断をしてもらえます。そのため、より正確な結果が得られます。
コンジョイント分析の具体的な活用方法
コンジョイント分析は、新しい商品を作る時や価格を決める時に使います。消費者が何を求めているかを知り、それに合わせた商品開発や価格設定ができます。また、競合他社との比較もできるので、市場での成功の可能性を予測できます。
新商品開発における最適な属性の組み合わせの決定
コンジョイント分析を使うと、消費者が最も好む商品の特徴がわかります。
例えば、新しいスニーカーを作る時、「軽さ」「デザイン」「価格」のどれが一番大切かがわかります。これにより、売れる可能性が高い商品を作れます。
価格戦略の立案
コンジョイント分析では、価格が変わると需要がどう変化するかも予測できます。
例えば、100円値上げすると売上がどれくらい減るか、といったことがわかります。これにより、最適な価格を決められます。
市場シェアのシミュレーション
コンジョイント分析の結果を使って、新商品を出した時の市場シェアの予測にも使われます。例えば、「この特徴のスマートフォンを出すと、市場の何%を獲得できるか」といったことがわかります。これにより、新商品を出す前にその影響を予測できます。
スマートフォンを例にしたコンジョイント分析の手順
新しいスマートフォンを開発する例で、コンジョイント分析の手順を説明します。この分析により、消費者が最も好むスマートフォンの組み合わせがわかります。
まず、スマートフォンの特徴(属性)と、その選択肢(水準)を決めます。
属性 | 水準 |
---|---|
価格 | 5万円、8万円、11万円 |
画面サイズ | 5.5インチ、6.1インチ、6.7インチ |
カメラ性能 | 標準、高性能、超高性能 |
次に、これらの特徴を組み合わせたカードを作ります。例えば、「5万円、5.5インチ、標準カメラ」といった具合です。全部で9種類のカードを作ります。
作ったカードを人々に見せて、それぞれのスマートフォンをどれくらい好きか、1から9点で評価してもらいます。
集めた評価を分析して、各特徴がどれくらい重要かを計算します。例えば、以下のような結果が得られます。
属性 | 水準 | 重要度 |
---|---|---|
価格 | 5万円 | 1.5 |
8万円 | 0.5 | |
11万円 | -2.0 | |
画面サイズ | 5.5インチ | -1.0 |
6.1インチ | 0.5 | |
6.7インチ | 0.5 | |
カメラ性能 | 標準 | 0.0 |
高性能 | 1.0 | |
超高性能 | -1.0 |
上記の結論からは以下のようなことが挙げられます。
- 価格は安いほど好まれる
- 画面サイズは6.1インチと6.7インチが同じくらい好まれ、5.5インチは好まれない
- カメラ性能は高性能が一番好まれ、超高性能は好まれない
これらの情報を基に、「8万円、6.1インチ、高性能カメラ」のスマートフォンが最も売れる可能性が高いと予測できます。
まとめ
コンジョイント分析は、消費者の好みを数字で表す強力な方法です。新商品の開発や価格設定に役立ちます。
ただし、正確な結果を得るには、適切な特徴の選び方や十分な回答者数が必要です。この分析を上手に使えば、消費者のニーズに合った商品やサービスを提供できる可能性が高まります。
最終更新日 2024年12月4日