クリニックのブランディングとは|コンセプト設計・採用・接遇で選ばれるクリニックを作る

この記事でわかること
  • クリニック開業時に「患者が来ない」原因と構造的な理由
  • 開業前・開業直後・開業3ヶ月後それぞれでやるべき集患施策
  • 医療広告ガイドラインに抵触しない広告・SNS活用の考え方
  • 費用対効果の高い施策と、開業期に避けるべきNG行動

「開業したのに患者が来ない」

これは開業医の間で非常によく聞かれる悩みです。立地が良くても、設備が整っていても、患者に知ってもらわなければ来院は生まれません。

クリニックの集患は、開業前から計画を立て、段階的に施策を積み上げる必要があります。この記事では、開業前・開業直後・開業3ヶ月以降の3フェーズに分けて、実践的な集患の手順を解説します。

なぜ開業直後は患者が来ないのか

開業したばかりのクリニックには、地域での認知がありません。患者が医療機関を探す際、多くの人がGoogleマップや検索エンジンを使います。しかし開業直後のクリニックは、こうした検索に表示されるための「実績」と「情報」が不足している状態です。

原因①
Webでの存在感がない

ホームページがない、またはGoogleビジネスプロフィールが未設定のため、検索しても出てこない状態。

原因②
口コミ・実績がゼロ

Googleマップのレビューが0件では、候補に入っても不安で来院を見送られるケースが多い。

原因③
地域の認知がない

看板や内装を整えても、そもそも「クリニックができた」という情報が地域住民に届いていない。

原因④
競合クリニックとの差別化不足

同じ診療科のクリニックが周辺にある場合、「なぜここを選ぶか」が患者に伝わっていない。

⚠ 「開業すれば患者が来る」は過去の話

10〜20年前は、開業すれば口コミや紹介で自然と患者が増えていました。しかし現在は競合クリニックの数が増加し、患者のWeb検索が当たり前になったことで、意図的なマーケティング施策なしに集患することは難しい時代になっています。

開業集患の3フェーズ・ロードマップ

開業時の集患は「開業前・開業直後・開業3ヶ月以降」の3段階で考えるのが基本です。各フェーズでやるべきことが異なります。

開業3ヶ月前〜開業前日
「知ってもらう」基盤を整える

Web上の存在を先に作っておくことが最優先です。ホームページとGoogleビジネスプロフィールは、開業前から公開しておくことで検索エンジンの評価が早期に積み上がります。

  • ホームページを開業前に公開する(「〇月開院予定」でもOK)
  • Googleビジネスプロフィールを登録・情報を充実させる
  • 近隣住民向けのチラシ・ポスティングを実施する
  • 地域の紹介元(かかりつけ医・調剤薬局)へのあいさつ回りをする
  • SNSアカウントを開設して「開院準備中」の情報を発信する
開業直後〜1ヶ月
「来てもらう」仕組みを動かす

開院したことをできるだけ多くの人に届ける期間です。広告を活用しながら、来院した患者に口コミをお願いする仕組みも同時に作ります。

  • Googleリスティング広告・地域ターゲティング広告を開始する
  • 来院患者へGoogleマップへの口コミ投稿をお願いする
  • ホームページに「院長挨拶」「診療方針」を充実させる
  • LINE公式アカウントを開設し、再来院を促す導線を作る
  • 予約システムを導入し、Web予約を受け付けられるようにする
開業3ヶ月以降
「また来てもらう・選ばれ続ける」仕組みへ

口コミが一定数たまり、リピーターも出始めるこの時期から、中長期の集患基盤づくりに移行します。SEOコンテンツやMEO対策を本格化させることで、広告費に依存しない安定した集患を目指します。

  • MEO対策を強化し、Googleマップ上位表示を目指す
  • 症状・疾患コラム記事を定期的に更新してSEO流入を増やす
  • LINEで定期的な情報発信を行い、既存患者のリピートを促す
  • 近隣の大通りや視認性の高い場所に看板を設置し、地域での認知度を高める
  • 広告効果を分析し、費用対効果の低い媒体を見直す
  • 患者アンケートを実施してサービス改善に活かす
開業前に必ず整えるべき3つのWeb基盤
① ホームページの早期公開

クリニックのホームページは、開業日に合わせて公開するのではなく、開業の2〜3ヶ月前から公開しておくことが理想です。Googleはサイトを認識してから検索結果に反映するまで時間がかかるため、早く公開するほど開業時に検索されやすくなります。

✓ 開業前のホームページに入れるべき情報

診療科目・院長プロフィール・開院予定日・アクセス情報・診療方針。「〇月開院予定」と明記するだけでも、Googleがクリニックの存在を認識し始めます。

ホームページ制作の費用感や制作会社の選び方については、クリニックのホームページ作り方完全ガイドで詳しく解説しています。

② Googleビジネスプロフィール(GBP)の登録

「近くの内科」「駅近 皮膚科」といった検索をしたときに表示されるGoogleマップのリスト、これがMEO(マップエンジン最適化)です。開業前からGoogleビジネスプロフィールに登録しておくことで、開業初日から検索対象に入ることができます。

1
Googleビジネスプロフィールにクリニック情報を登録する

診療時間・電話番号・住所・写真を全て入力。情報が充実しているほど上位表示されやすくなります。

2
「開院予定」の投稿を追加する

投稿機能を使って「〇月〇日オープン」「現在開院準備中」などの情報を発信します。

3
開院後、口コミを積極的に集める

来院患者に口コミをお願いする声かけと、QRコードを活用したスムーズな投稿導線を整備します。

MEO対策の詳細と口コミ収集の正しい方法は、クリニックのMEO対策|口コミの正しい集め方と景品表示法のリスクをご覧ください。

③ 地域住民へのオフライン告知

Webだけでなく、開業エリアへのポスティング(チラシ配布)も有効です。特に高齢者の多い地域ではWeb検索よりもチラシや看板が来院のきっかけになるケースが多く、オンラインとオフラインを組み合わせることが重要です。

  • 半径500m〜1km圏内にポスティングを実施する
  • 近隣の調剤薬局・整骨院に紹介カードを置いてもらう
  • 地域の医師会・病院への挨拶回りを行い、紹介ルートを作る
開業直後に使える広告手法と費用の目安

開業直後はSEOが育っていないため、広告で短期的に集患を補うことが有効です。ただし、医療広告ガイドラインによる制限があるため、使える表現には注意が必要です。

広告手法 特徴 費用目安 効果が出る時期 難易度
Googleリスティング広告 「〇〇 クリニック」などの検索時に表示。来院意欲の高い患者にリーチ 月5〜30万円 即日〜
ローカル広告 Googleマップ上位に広告表示。地域密着の集患に効果的 月3〜15万円 即日〜
ポスティング 周辺住民へのチラシ配布。高齢者層・ファミリー層に届きやすい 1回3〜10万円 配布後1〜2週間
Instagram・Facebook広告 エリア・年齢・性別でターゲティング可能。美容・皮膚科に特に有効 月3〜20万円 1〜2週間〜
看板・電柱広告 設置後は継続的に地域住民の目に触れる。通院導線上への設置が効果的 看板:設置費+月1〜5万円
電柱:月数千円〜
設置直後〜
雑誌記事広告 「〇〇先生に聞きました」形式の企画型広告。直接集客より権威付け・信頼性の補強が目的。HPやSNSで「掲載されました」と紹介することで効果を発揮 誌面により異なる(数万〜数十万円) 掲載後・HP掲載で持続
疾患・症状コラムで長期的な流入。費用対効果が高い 記事1本2〜8万円 3〜6ヶ月後〜
⚠ 医療広告で注意が必要な表現

「No.1」「最高水準」「完治」「絶対」などの誇大表現は医療広告ガイドライン違反になります。また、患者の体験談・ビフォーアフター写真は原則禁止です。広告を出す前に必ずガイドラインを確認してください。詳しくはクリニックの宣伝は何が禁止?医療広告規制をご覧ください。

開業クリニックのSNS・LINE活用
Instagramは「クリニックの雰囲気」を伝える場

Instagramは、院内の雰囲気・スタッフの様子・設備を視覚的に伝えるのに適しています。特に女性患者が多い皮膚科・婦人科・美容クリニックでは、Instagramが来院の決め手になるケースが増えています。

  • 院内の清潔感・明るい雰囲気が伝わる写真を定期投稿する
  • 院長・スタッフの人柄が伝わるリール動画を活用する
  • 患者が「ここなら安心」と感じられる投稿内容にする
  • 疾患の啓発情報・健康情報を分かりやすく発信する(体験談はNG)
LINE公式アカウントはリピート来院の要

LINE公式アカウントは、新規患者の獲得よりも既存患者のリピート来院を促すツールとして特に効果的です。特に近年は、LINE連携の予約管理システムを導入することで、LINEユーザーである患者がそのままLINE上で予約・リマインドを完結できる環境を整えることができます。

予約管理システムとLINEを連携させることで、患者側の利便性が大幅に向上し、LINE登録を自然に促す導線にもなります。受付スタッフの電話対応の負担軽減にもつながるため、開業初期からの積極的な導入が望ましい施策の一つです。

✓ LINE連携で実現できる集患アクション

LINE上での予約受付・予約リマインド自動配信・季節に合わせた健診案内(インフルエンザ・健康診断など)・休診日のお知らせ。患者との接点を継続的に維持しながら、再来院を促す仕組みが整います。

よくある質問
開業前にホームページは必要ですか?
はい、開業の2〜3ヶ月前には公開しておくことをおすすめします。認知の浸透には時間がかかるため、内装工事などで気になった周辺の住民の方々に開業予定を伝えておくことで、順調に患者数を増やすことができます。最初は「〇月開院予定」というシンプルなイラスト中心のページにしておき、開業後に本格的なホームページを公開する方法も有効です。
開業時の広告予算はどのくらい必要ですか?
規模や診療科にもよりますが、開業初月はGoogleリスティング広告とポスティングを合わせて月10〜30万円程度を想定しておくと良いでしょう。3〜6ヶ月で口コミと検索流入が増えてきたら、広告費を徐々に下げてSEOや看板にシフトするのが一般的です。
口コミをお願いしても良いですか?
患者に口コミをお願い(依頼)すること自体は問題ありません。ただし、口コミの見返りとしてプレゼントや割引をすることは景品表示法・医療広告ガイドライン上のリスクがあります。「応援の言葉をいただけると励みになります」などのポジティブな文言でお願いするのが適切です。また、院内にクレーム・ご意見の窓口を設けておくことで、不満を持った患者が口コミに流れる前に対応できるため、低評価を防ぐ効果も期待できます。
開業後、患者が増えてきたらマーケティングはやめても良いですか?
やめてしまうのはリスクがあります。競合クリニックの開院・近隣の人口動態の変化などで患者数は変動します。SEOコンテンツやMEO対策など、費用がかかりにくい施策を継続しながら、安定した集患基盤を維持することをおすすめします。
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小形 洸太

この記事を書いた人

小形 洸太

マーケティングプロデューサー、集客コンサルタント。大学卒業後、店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入支援業務に従事。その後、2009年からコンサルティングを提供開始。助言だけではなく、対策もできるコンサルタントとして活動。主に、マーケティング関連のディレクション業務を行い、オウンドメディア運用、SNSキャンペーン、実店舗の集客支援を実施。

集客の専門家として、ミラサポや信用保証協会専門家、商工会専門家などの立場で事業主向けに助言業務を実施。また、リクルートや第一興行のメディアでSNSを使った集客の記事の監修。

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集客のカチプロ 代表

ここまで読んでくださりありがとうございます。集客代行は業者によって得意領域が大きく異なるため、まずは現状をお聞かせいただくのが最善の一歩です。「何から始めればいいか分からない」という方こそ、お気軽にご相談ください。

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