リピート率とは?よくわかるマーケティング用語

リピート率は、顧客が再び商品やサービスを購入する割合を示す指標です。事業者にとって、顧客維持の状況を把握し、経営戦略を立てる上で重要な数値となります。

この記事では、リピート率の意味や活用方法、分析例を解説します。

目次

リピート率とは?

リピート率は、全体の顧客数に対して再購入した顧客の割合を表す指標です。この数値を通じて、顧客の満足度や事業の安定性を測ることができます。

新規顧客とリピーターを区別し、顧客維持の状況を数値化することで、経営判断に役立てられます。

顧客維持を数値化する指標

リピート率は、顧客が商品やサービスを繰り返し購入する割合を示します。例えば、100人の顧客のうち30人が再購入した場合、リピート率は30%となります。この数値が高いほど、顧客満足度が高く、安定した事業基盤があると考えられます。

特に、新規顧客から2回目の購入に至るリピーター率は一般的にかなり低いとされており、2~3割程度です。3回目に至る顧客は、2~3割程度とされており、新規顧客に働きかけて2回目の購入を引き起こすことが、顧客定着を図る上でいかに重要なのかがわかります。

店舗系ビジネスの場合、一定期間内に3回来店させると、それ以降の離脱する顧客の割合が低いことから、3回安定の法則と呼ばれています。

新規顧客とリピーターの区別

リピート率を計算する際は、初めて購入した顧客(新規顧客)と2回目以降の購入者(リピーター)を区別します。この区別により、新規顧客の獲得状況とリピーターの維持状況を把握することができます。両者のバランスを見ることで、効果的な経営戦略を立てられます。

顧客満足度の反映

高いリピート率は、顧客満足度の高さを示す指標となります。顧客が繰り返し商品やサービスを利用するということは、その価値を認めているということです。ただし、リピート率だけでなく、顧客の声や他の指標も合わせて分析することが大切です。

リピート率の具体的な分析方法

リピート率の分析方法を、美容室とカフェを例に説明します。実際の数値を使って計算し、その結果をどのように解釈するかを見ていきましょう。

美容室を例に

美容室でのリピート率分析を、以下の例で説明します。

項目数値
総顧客数1000人
リピート顧客数300人

リピート率の計算:
リピート率 = (リピート顧客数 ÷ 総顧客数) × 100
= (300 ÷ 1000) × 100 = 30%

この結果から、美容室の顧客の30%がリピーターであることがわかります。業界平均(仮に25%とする)と比較して良好な状態にあると判断できます。

POSレジを用いて具体的に分析する場合

データの収集と設定
1. 分析期間の設定: 通常、1ヶ月単位で集計を行います。例えば、2024年12月の1ヶ月間に来店した顧客を対象とします。
2. 追跡期間の設定: リピート判定の期間を決めます。一般的に美容室では6ヶ月間を設定します。
3. 顧客データの収集: POSシステムに登録された顧客情報を使用します。カルテ登録されていない顧客は分析対象外となるため、正確な登録が重要です。
分析の実行
1. 集計条件の入力: POSシステムの分析機能で、設定した期間や条件を入力します。
2. セグメント分け: 新規客、再来客、準固定客、固定客などに顧客を分類します。
3. リピート率の計算: システムが自動で計算を行います。計算式は以下の通りです:
リピート率(%) = (リピート顧客数 ÷ 累計新規顧客数) × 100

カフェを例に

次に、カフェでの月間リピート率の分析例を見てみましょう。

項目数値
月間新規顧客数500人
翌月のリピート顧客数150人

月間リピート率の計算:
月間リピート率 = (リピート顧客数 ÷ 新規顧客数) × 100
= (150 ÷ 500) × 100 = 30%

この結果から、新規顧客の30%が翌月もカフェを利用したことがわかります。この数値を前月比や季節変動と比較し、トレンドを把握することが重要です。

また、メニュー改善やサービス向上の効果を測定する指標としても活用できます。

まとめ

リピート率は、事業者が顧客維持の状況を把握し、経営戦略を立てる上で重要な指標です。定期的な分析と改善策の実施により、安定した顧客基盤を構築し、長期的な事業成長につなげることができます。

ただし、リピート率だけでなく、他の指標も合わせて総合的に分析することが重要です。顧客データの適切な管理と分析を行い、リピート率の向上を通じて、効率的な経営戦略の立案と実行が可能となります。

最終更新日 2024年12月4日

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