優良誤認の事例集|景品表示法で措置命令を受けた9つの違反パターン

📋 この記事でわかること

  • 「優良誤認」とは何か、3行でわかる基本解説
  • 消費者庁が措置命令を出した実際の企業事例9件(根拠なし効能・No.1表示・産地偽装など)
  • 事例ごとに「どこがダメだったのか」をわかりやすく解説
  • 自社の広告・集客に活かせる不実証広告チェックポイント

「糖質59%カット」「満足度No.1」「医師も推薦」——こうした広告コピーを見かけたことはありませんか?消費者の関心を引く表現ほど、景品表示法の「優良誤認」違反になるリスクをはらんでいます。

有利誤認(価格・条件のウソ)と並ぶ景表法の2大違反類型のひとつである優良誤認は、年間40件以上の措置命令が出る最も摘発件数の多い違反です。食品・健康食品・美容・家電・不動産・サービス業と、業種を問わず発生しています。

この記事では、実際に消費者庁から措置命令を受けた事例をもとに「どこがダメだったのか」を端的に解説します。

優良誤認とは?3行でざっくり理解

景品表示法(景表法)第5条第1号が禁じる「優良誤認表示」とは、商品やサービスの品質・規格・効能などの内容について、実際よりも著しく優れているかのように消費者に誤認させる表示のことです。

わかりやすく言うと:

  • 「糖質50%カット」と表示していたが、実際には水分量が増えただけで糖質の絶対量はほとんど変わらなかった
  • 「満足度No.1」と表示していたが、自社に都合のよい調査方法・対象で取得した数字だった
  • 「カシミヤ100%」と表示していたが、実際の混用率は80%程度だった

有利誤認が「価格・条件のウソ」なら、優良誤認は「品質・効果のウソ」です。故意かどうかは問わず、結果として誤認させた事実があれば違反となります。

優良誤認を含む景品表示法の全体像(有利誤認・ステマ規制・懸賞規制まで)は、こちらの記事で詳しく解説しています。
👉 広告表現と景品表示法|優良誤認・有利誤認・ステマ・懸賞規制の実務整理

⚠️ 「不実証広告規制」に注意
優良誤認には、効能・効果の表示について15日以内に合理的根拠の資料提出を求める「不実証広告規制」が適用されます。提出できない・提出しても認められない場合、そのまま不当表示とみなされます。「根拠があると思っていた」では済まない点が厳しいポイントです。

優良誤認の実際の事例集

以下は消費者庁が措置命令を出した実際の事例です。違反パターンのタイプ別に見ていきましょう。

① 効能・効果の誇大表示(根拠なし)

事例 01 糖質カット炊飯器「糖質59%カット」が見かけ上の数字だった家電・EC2023〜2024年・8社に命令

2023年〜2024年にかけて、消費者庁は「糖質カット炊飯器」を販売する合計8社(forty-four・ソウイジャパン・EPEIOS JAPAN・HR貿易・ニトリ・Areti・リソウジャパン・AINX)に対して、2度にわたり措置命令を発出しました。

各社は「糖質33〜59%カット」「おいしさそのまま糖質を大幅に削減」などと表示していましたが、消費者庁が資料提出を求めたところ、根拠として出された試験データは、糖質カット機能で炊いたご飯が通常より水分量が多いために総重量に占める糖質の割合が低くなっているだけで、糖質の絶対量はほとんど変わらないことが判明しました。

❌ どこがダメだったか
「通常と同じ炊き上がりで糖質がカットできる」という表示の裏付けとなる合理的な根拠がなかった。水分量を増やして見かけ上の数字を作るのは、消費者が期待する効果とは別物です。不実証広告規制により、根拠を示せなかった時点で違反が確定しました。
✅ 学べること
「◯%カット」「◯%改善」などの具体的な数値表示には、学術的・科学的に裏付けられた試験データが必要です。自社に都合のよい条件での測定や、消費者が期待する使用状況と異なる条件でのデータは根拠として認められません。

業種:家電・EC措置:措置命令(2023年・2024年)違反類型:効能の合理的根拠なし

事例 02 空間除菌グッズ「二酸化塩素で除菌」に科学的根拠なし雑貨・健康

消費者庁は、二酸化塩素を使った「空間除菌」を標ぼうする商品の販売事業者4社に対して措置命令を発出しました。各社は首から下げるタイプの小型グッズについて、「空気中のウイルス・菌を除去する」「周囲の空間を除菌する」などと表示していましたが、実際には日常的な使用環境でそのような効果を示す合理的な根拠がありませんでした。

❌ どこがダメだったか
コロナ禍の需要に乗じて「除菌」「ウイルス対策」を謳う商品が急増しましたが、実験室レベルでの効果と、日常の空間で使用した場合の効果は大きく異なります。消費者が期待する実使用環境での効果を証明できなければ、優良誤認となります。
✅ 学べること
「除菌」「抗菌」「抗ウイルス」などの表示には、実際の使用環境を想定した試験データが必要です。試験管内・実験室での効果を日常使用に当てはめた表現は要注意です。

業種:雑貨・健康用品措置:措置命令違反類型:効能の合理的根拠なし

② No.1・最上級表示(根拠不十分な調査)

事例 03 「イモトのWiFi」の満足度No.1表示が不適切な調査に基づいていた通信・Wi-Fi2024年3月

エクスコムグローバル(株)が提供する海外Wi-Fiレンタルサービス「イモトのWiFi」について、消費者庁は2024年3月に措置命令を発出しました。同社は「顧客満足度No.1」などと広告していましたが、その根拠となった調査は、実際に商品を購入・利用したことのない調査モニターにウェブサイトのイメージを尋ねる方式で実施されたものでした。

❌ どこがダメだったか
「顧客満足度」とは実際に利用した顧客の満足度のはずですが、利用経験のないモニターにサイトを見せて回答を得た調査は、実態を反映していません。消費者が「No.1」から想像する意味と、調査の実態が大きくかけ離れていた点が問題でした。
✅ 学べること
「No.1」「満足度◯位」などの表示には、①調査対象(実際の利用者か)②調査機関③調査期間④比較対象を明記する必要があります。自社に有利な条件だけを使った調査でのNo.1表示は摘発リスクが高いです。

業種:通信・レンタル措置:措置命令(2024年3月)違反類型:根拠不十分なNo.1表示

事例 04 注文住宅大手の「◯冠No.1」が恣意的な調査だった不動産・住宅2024年3月

飯田グループホールディングス(株)ほかグループ4社に対して、消費者庁は2024年3月に措置命令を発出しました。同グループは「おかげさまで◯冠達成」「カリキュラム充実度No.1」などと表示していましたが、調査の設計・対象・方法が恣意的で、客観的に競合他社との比較を行ったとは認められない内容でした。

❌ どこがダメだったか
「◯冠」「No.1」は一見客観的に見えますが、その調査が①競合他社を適切に含む公平な比較か②調査会社が中立的か③調査方法が適切かが厳しく問われます。自社に都合のよい条件でのみ実施した調査は根拠として認められません。
✅ 学べること
「5冠達成」など複数のNo.1を並べる表現は摘発リスクが特に高いです。2024年前後に消費者庁はNo.1広告の一斉摘発に乗り出しており、わずか2週間で12社に措置命令が出た事例もあります。

業種:不動産・住宅措置:措置命令(2024年3月)違反類型:根拠不十分なNo.1表示

③ 原材料・産地・品質の虚偽表示

事例 05 「カシミヤ100%」表示のセーターが実際は80%程度だったアパレル

消費者庁は、カシミヤ混用率が実際には80%程度のセーターに「カシミヤ100%」と表示して販売していた事業者に対して措置命令を発出しました。これは消費者庁のウェブサイトでも代表的な優良誤認の例として明記されている典型事例です。

❌ どこがダメだったか
原材料の混用率は客観的に測定できる事実であり、「100%」と「80%」では品質・価値が大きく異なります。消費者の購入判断に直結する原材料表示の虚偽は、優良誤認の中でも特に悪質と判断されます。
✅ 学べること
原材料・産地・製法の表示は測定・検証が可能な事実情報です。「国産」「天然」「無添加」「オーガニック」なども、実態と一致しない場合は優良誤認となります。表示する前に必ず実態確認を行いましょう。

業種:アパレル措置:措置命令違反類型:原材料表示の虚偽

事例 06 「コシヒカリ純米クッキー」の主原料が実は小麦粉だった食品・菓子

(株)大藤は、焼き菓子の主原料が小麦粉であるにもかかわらず、「あきたこまち米使用純米クッキー」「コシヒカリ純米クッキー」などと表示して販売していました(消費者庁措置命令・2008年)。コシヒカリ等の米は極少量しか使用されていませんでした。

❌ どこがダメだったか
「純米」という表現から消費者は「米が主原料」と認識しますが、実際には小麦粉が主原料でした。少量の高級素材を使って商品名に入れる手法は、消費者の誤認を引き起こす典型例です。
✅ 学べること
商品名・キャッチコピーに特定素材を強調する場合、その素材が主要な原材料でなければ誤解を招く可能性があります。「使用」の程度が消費者の期待と大きくかけ離れる場合は要注意です。

業種:食品・菓子措置:措置命令違反類型:原材料表示の虚偽

④ サービス内容・機能の誇大表示

事例 07 スシローの「おとり広告」——提供終了商品をサイトで引き続き宣伝飲食・外食2022年

(株)あきんどスシローは2022年、自社ウェブサイトで「新物!濃厚うに包み」「冬の豪華三点盛り」などのキャンペーン商品を宣伝していましたが、実際には在庫不足により多くの店舗で終日提供されていない状態が続いていました。消費者庁はこれをおとり広告(優良誤認)として措置命令を発出しました。

❌ どこがダメだったか
「提供している」かのように宣伝しながら、実際には十分な在庫・供給能力がない状態での広告は「おとり広告」として優良誤認に該当します。消費者が来店しても当該商品を購入できない状況をつくり出していた点が問題でした。
✅ 学べること
飲食店での「数量限定」「本日のおすすめ」などの表示でも、実際に提供できない状況での広告はおとり広告になるリスクがあります。在庫・供給体制と広告の整合性を常に確認しましょう。

業種:飲食・外食チェーン措置:措置命令(2022年)違反類型:おとり広告(優良誤認)

事例 08 ビッグモーターの中古車「修復歴なし」表示が虚偽だった中古車2024年

(株)WECARSに対して消費者庁は2024年に措置命令を発出しました(旧・株式会社ビッグモーターによる不当表示)。修復歴のある中古自動車について「修復歴なし」と表示して販売していたことが優良誤認と認定されました。中古車の品質に関する中心的な情報を虚偽表示した典型事例です。

❌ どこがダメだったか
修復歴の有無は中古車の価値・安全性に直結する最重要情報です。事実と異なる「修復歴なし」の表示は、消費者の購入判断を根本的に誤らせる優良誤認の典型例です。
✅ 学べること
商品の品質に関する核心的な事実(修復歴・使用年数・性能検査結果など)の虚偽表示は、景表法違反の中でも最も重大なケースのひとつです。点検・検査結果を正確に開示する体制を整えることが不可欠です。

業種:中古車販売措置:措置命令(2024年)違反類型:商品内容の虚偽表示

事例 09 自転車用ヘルメット「SGマーク相当の安全性」に根拠なし雑貨・安全用品2024年12月

消費者庁は2024年12月、「SGマーク相当」「CE認証取得」などと自転車用ヘルメットの安全性を標ぼうしていた販売事業者3社に対して措置命令を発出しました。実際には表示された安全基準を満たす根拠がなく、消費者が期待する安全性が確保されているかのような表示をしていました。

❌ どこがダメだったか
「SGマーク相当」「CE認証」などの安全規格の表示は、消費者が安全性の判断をする上で極めて重要な情報です。実際の認証取得状況や試験結果と乖離した表示は、消費者の安全に関わる重大な優良誤認となります。
✅ 学べること
「◯◯認証取得」「◯◯基準相当」などの安全規格・認証に関する表示は、実際の取得状況を正確に確認してから行う必要があります。「相当」という言葉で実際の認証取得をごまかす表現も問題になります。

業種:雑貨・安全用品措置:措置命令(2024年12月)違反類型:安全性表示の虚偽

事例まとめ一覧

# 業種 表示の内容 問題のポイント
01 家電・EC 糖質カット炊飯器「糖質59%カット」 見かけ上の数値・根拠なし
02 雑貨・健康 首下げ除菌グッズ「空間除菌効果」 実使用環境での根拠なし
03 通信・Wi-Fi 「顧客満足度No.1」が利用未経験者調査 実態と乖離した調査
04 不動産・住宅 「◯冠No.1」が恣意的な調査に基づく 公平性を欠く調査
05 アパレル 「カシミヤ100%」が実際は80%程度 原材料表示の虚偽
06 食品・菓子 「コシヒカリ純米クッキー」主原料は小麦粉 商品名で主原料を偽装
07 飲食・外食 スシロー:提供終了商品を広告に掲載 おとり広告
08 中古車 ビッグモーター:修復歴ありを「なし」と表示 品質情報の虚偽
09 安全用品 自転車ヘルメット「SGマーク相当」に根拠なし 安全性表示の虚偽(★2024年12月)

自分ごとにするための6つのチェックポイント

「うちの広告は大丈夫?」と感じた方のために、優良誤認を防ぐための自社チェックリストをまとめました。

🗒️ 優良誤認チェックリスト

  • 「◯%改善」「◯倍効果」などの数値表示に、客観的な試験データ・論文等の合理的な根拠がありますか?
  • 「No.1」「満足度1位」の根拠となる調査は、実際の利用者を対象にした公平な比較調査ですか?
  • 原材料・産地・製法(「国産」「天然」「無添加」等)の表示は、実態と一致していますか?
  • 「◯◯認証取得」「◯◯基準相当」などの安全規格表示は、実際の取得状況と合っていますか?
  • 広告した商品・サービスを実際に提供できる在庫・体制がありますか?(おとり広告防止)
  • 第三者の推薦・口コミを使う場合、その内容は実際の使用体験に基づいていますか?

まとめ

優良誤認は、景品表示法の違反類型の中で最も摘発件数が多く、年間40件以上の措置命令が出ています。食品・家電・美容・住宅・飲食など、あらゆる業種で起こりうる違反です。

特に注意が必要なのは、「根拠があると思っていた」ケースです。不実証広告規制により、消費者庁から資料提出を求められた際に合理的な根拠を示せなければ、そのまま違反確定となります。「効果があると信じていた」では済まないのが景表法の厳しいところです。

広告を作る前に「この表現の根拠を15日以内に消費者庁に説明できるか?」と問いかける習慣を持つことが、優良誤認を防ぐ最大の対策です。

広告表現のチェックや集客施策のご相談は、ぜひ集客のカチプロまでお気軽にどうぞ。

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この記事を書いた人

マーケティングプロデューサー、集客コンサルタント。大学卒業後、店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入支援業務に従事。その後、2009年からコンサルティングを提供開始。助言だけではなく、対策もできるコンサルタントとして活動。主に、マーケティング関連のディレクション業務を行い、オウンドメディア運用、SNSキャンペーン、実店舗の集客支援を実施。

集客の専門家として、ミラサポや信用保証協会専門家、商工会専門家などの立場で事業主向けに助言業務を実施。また、リクルートや第一興行のメディアでSNSを使った集客の記事の監修。

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