薬機法の広告・表現規制とは?NG表現・罰則・違反事例をわかりやすく解説

この記事でわかること

・薬機法(旧薬事法)の広告規制の概要と対象となる商品カテゴリ

・第66条(誇大広告禁止)・第68条(未承認医薬品広告禁止)の具体的な内容

・違反した場合の罰則(懲役・罰金・課徴金)と過去の逮捕事例

・NG表現・OK表現の比較と、違反を防ぐための実践的な対策

「この表現、薬機法的に大丈夫?」と不安を感じたことはないでしょうか。

薬機法(正式名称:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)は、医薬品や化粧品などに関する広告表現を厳しく規制する法律です。2021年の改正で課徴金制度が導入され、違反した際の経済的リスクは以前と比べて格段に高まっています。

特に注意が必要なのは、規制対象が「何人も」とされている点です。製造メーカーや販売会社だけでなく、広告代理店・アフィリエイター・インフルエンサー・ライターに至るまで、広告に関わるすべての人が対象になります。

本記事では、マーケティング担当者や広告制作者が知っておくべき薬機法の広告規制の基礎知識を、条文・過去事例・具体的なNG/OK表現を交えて解説します。

薬機法の広告・表現規制とは?

薬機法における「広告」の定義

薬機法の広告規制が適用されるのは、単に情報を発信しているだけの場合ではありません。厚生省(現・厚生労働省)の通知(平成10年9月29日 医薬監第148号)では、次の3つの要件をすべて満たすものが「広告」に該当するとされています。

  1. 顧客を誘引する意図が明確であること(購買意欲を高める目的がある)
  2. 特定の商品名が明らかにされていること
  3. 一般人が認知できる状態にあること(不特定多数が閲覧可能)

SNS投稿・ランディングページ・アフィリエイト記事・動画広告など、媒体の種類を問わず、この3要件を満たせば広告と判断されます。

広告規制の主な3条文

薬機法における広告規制の中心は、第66条・第67条・第68条の3つです。

第66条|誇大広告等の禁止

何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。

3 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

出典:薬機法 第十章 医薬品等の広告 第六十六条(誇大広告等)

第66条の重要なポイントは、「明示的であると暗示的であるとを問わず」という文言です。直接的な表現だけでなく、消費者に誤解を与えるような間接的な示唆も規制対象になります。また、第2項では医師・研究者・著名人などが効果を「保証している」と受け取られる表現も禁じています。

第67条|特定疾病の医薬品広告の制限

がん・白血病・肉腫などの特殊疾病に使用する医薬品については、医師や歯科医師の指導なしに使用すると重大な健康被害を生じるおそれがあるため、医薬関係者以外の一般消費者に向けた広告が禁止されています(第86条15号、1年以下の懲役または100万円以下の罰金)。

第68条|承認前の医薬品等の広告禁止

何人も、第14条第1項又は、第23条の2の5第1項若しくは第23条の2の23第1項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であって、まだ(中略)承認又は認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

出典:薬機法 第十章 医薬品等の広告 第六十八条(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止)

第68条は、国の承認・認証を受けていない医薬品や医療機器の広告を全面的に禁止する規定です。健康食品やサプリメントが事実上の主要な規制対象となっており、医薬品としての承認なしに「病気が治る」「症状が改善する」などと宣伝すると、この条文違反になります。

⚠️ 健康食品・サプリメントも対象になる

「健康食品やサプリだから大丈夫」は誤りです。医薬品的な効能効果を標榜すると、食品であっても「未承認の医薬品」とみなされ、第68条違反となります(例:「バストアップ効果」「脂肪燃焼」など)。

薬機法が適用される商品とは?

薬機法の広告規制の対象となる商品は次の5種類です(第66条・第68条)。

商品カテゴリ 主な例
医薬品 処方薬、市販薬(OTC医薬品)、漢方薬
医薬部外品 育毛剤、薬用化粧品、歯磨き粉(薬用)、制汗剤
化粧品 スキンケア、日焼け止め、ファンデーション、シャンプー
医療機器 家庭用電位治療器、超音波美顔器、コンタクトレンズ
再生医療等製品 細胞加工物を利用した治療製品など

さらに、上記に該当しない健康食品・サプリメント・雑貨類であっても、医薬品的な効能・効果を標榜した広告を出して販売した場合、「未承認の医薬品」とみなされ第68条が適用されます。

具体的に医薬品とみなされやすい表現の例としては、次のようなものがあります。

  • 「○○病の治療・予防に効く」(疾病への効果を断言)
  • 「血糖値を下げる」「脂肪を分解する」(身体機能への作用を直接示す)
  • 「バストアップ」「ダイエット効果」(身体の形態的変化を約束する)
  • 「毎食後に1錠」(医薬品的な用法・用量の記載)

薬機法に違反するとどうなる?

① 行政指導・措置命令

最初の段階として、厚生労働省や都道府県から行政指導が入ります。違反が認められると措置命令(第72条の5)が発令され、違反広告の停止・是正・公示などが命じられます。インターネット上の違法広告については、特定電気通信役務提供者(プラットフォーム事業者)に対して送信防止措置を要請できる仕組みも定められています。

② 課徴金の納付命令(2021年8月〜)

2021年8月1日に施行された改正薬機法により、課徴金制度(第75条の5の2)が新設されました。第66条第1項の虚偽・誇大広告に違反した場合、逮捕されなくても行政処分として課徴金の納付が命じられます。

第六十六条第一項の規定に違反する行為をした者があるときは、厚生労働大臣は、当該課徴金対象行為者に対し、課徴金対象期間に取引をした課徴金対象行為に係る医薬品等の対価の額の合計額に百分の四・五を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。

出典:薬機法 第七十五条の五の二(課徴金納付命令)

課徴金の計算式は次のとおりです。

課徴金額 = 違反期間中の対象商品売上額 × 4.5%(最大3年間遡及)

たとえば、違反広告によって3年間で1億円の売上があった場合、課徴金は450万円となります。利益ではなく「売上」に対して課されるため、実質的な負担は非常に大きくなります。なお、課徴金額が225万円未満の場合は命令の対象外となります。

③ 刑事罰(懲役・罰金)

悪質な違反と判断された場合、刑事罰が適用されます。

違反条文 罰則
第66条第1項・第3項(誇大広告等)/第68条(未承認広告) 2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその両方(第85条4号・5号)
第67条違反(特殊疾病医薬品の一般向け広告) 1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方(第86条15号)

⚠️ 担当者個人も逮捕される

「会社の指示に従っただけ」であっても、実際に広告制作・掲載を行った担当者個人が逮捕・起訴されるケースがあります(2025年の事例でも確認されています)。また、広告代理店・制作会社・アフィリエイター・インフルエンサーも「何人も」の規定により規制対象になります。

過去の薬機法違反事例

【事例1】健康食品の肝臓改善広告で広告代理店ごと逮捕(2020年)

大阪府警は2020年7月、健康食品の広告に「脂肪肝がお酒も食事も我慢せず正常値に」「ズタボロだった肝臓が半年で復活…?!」などの記述を掲載したとして、健康食品会社の広告担当と大手広告代理店の役員ら男女6名を逮捕しました。

広告主と広告代理店の従業員が同時に逮捕されたのは業界初の事例として注目を集め、広告業界全体に大きな衝撃を与えました。最終的に罰金刑が科されています。違反内容は第68条(承認前医薬品の広告禁止)です。

【事例2】「がんが治った」健康食品のHP掲載で書類送検(2022年)

2022年12月、神奈川県警のサイバーパトロールにより「商品を飲んだらがんが治った」という趣旨の記載があるホームページが発見されました。がんや発達障害、アルツハイマーへの効果をうたう健康食品を販売し、約3年間で約1億480万円を売り上げていた一般社団法人の代表らが書類送検されました。課徴金は売上の4.5%にあたる約471万円が課される計算となります。

【事例3】タンポポ茶に「コロナウイルスに有効」と広告(2021年)

大阪府警は、健康食品の輸入販売会社がホームページやチラシで「タンポポの葉から抽出した成分にウイルス感染を防ぐ効果がある」などと記載してタンポポ茶を販売していたとして、会社の社長らを逮捕しました。コロナ禍の特殊な状況を利用した事例として、食品への疾病予防効果の標榜が第68条に抵触することを改めて示した事例です。

【事例4】サプリの「がんに効く」広告でパート従業員も逮捕(2025年)

2025年2月、健康食品会社に勤務していたパート従業員が、サプリメント等を「がんに効く」「抗がん作用がある」などと自社ホームページで宣伝して販売したとして逮捕されました。本人は「会社の指示でやっただけ」と話していたとされていますが、実行者個人も逮捕の対象となることを示す典型的な事例です。

【事例5】「アトピーが治る」と無許可販売(2013年)

医薬品として無許可のまま「アトピーが治る」と標榜して液体を販売した製造販売業の男性が逮捕されました。「治る」という断言表現が誇大広告にあたるとして摘発されたケースです。この事例は現在でも薬機法違反の教科書的な事例として広く引用されています。

薬機法の表現規制 具体的なNG・OK表現

薬機法上の広告規制は、厚生労働省が定める「医薬品等適正広告基準」(平成29年9月29日 薬生発0929第4号)に基づいて判断されます。以下に商品カテゴリ別の具体的なNG/OK表現をまとめます。

⚠️ 「暗示的な表現」もNGである点に要注意

薬機法第66条第1項には「明示的であると暗示的であるとを問わず」と明記されています。

つまり「効く」と直接書かなくても、消費者が効果・効能を連想・期待するよう誘導する表現はすべて規制対象になります。アフィリエイターやインフルエンサーが多用する「ギリギリ表現」も例外ではありません。

特に注意が必要な暗示的表現のパターン:

  • 結果を連想させる写真・画像…Before/After写真の並列、ビフォー写真への矢印演出など
  • 遠回しな断言…「飲み始めてから、なんか違う気がする」「あの頃の自分に戻れた」
  • 症状名・疾病名を使った課題提示…「肝臓が気になる方に」「血糖値が心配な方へ」
  • 数値・グラフの演出…根拠が曖昧なまま「モニター調査で90%が実感」と示す
  • 文脈による誘導…効能を語る成分説明ページと商品購入ページをリンクでつなぐ

「断言していないから大丈夫」は通用しません。消費者が受け取る印象・誤解のおそれが判断基準であることを、広告に関わるすべての関係者と共有することが重要です。

化粧品・スキンケア

化粧品に認められる効能効果は、厚生労働省が告示で定めた56種類の効能効果の範囲に限定されます(例:「皮膚をすこやかに保つ」「乾燥による小じわを目立たなくする」など)。それを超えた表現はNGです。

NG表現 NG理由 OK表現の例
ニキビを治す 疾病の治療効果(医薬品的表現) 肌を清潔に保つ
シミが消える 効果の断言(根拠不十分) 透明感のある肌へ導く
アンチエイジング効果で10歳若返る 効果の過大表現・数値による断言 ハリ・弾力のある肌をサポートする
○○大学教授も認めた美容液 専門家・著名人による保証表現(第66条第2項) ○○成分(△△mg配合)

健康食品・サプリメント

健康食品は医薬品ではないため、疾病の治療・予防・改善を示す表現は一切使えません。トクホ・機能性表示食品として届出・認定を受けていない限り、身体への機能的作用を標榜することも原則NGです。

NG表現 NG理由 OK表現の例
脂肪肝が改善される 疾病の治療効果を標榜(第68条違反) 健康的な生活習慣をサポート
免疫力アップ 医薬品的効能の標榜 (機能性表示食品・トクホの場合のみ届出表示可)
毎食後に2粒服用 医薬品的な用法・用量の記載 1日2粒を目安にお召し上がりください
がんに効く成分配合 疾病への効能断言(逮捕事例あり) ○○(栄養素名)を○mg含有
老化防止 医薬品的効能の標榜 イキイキとした毎日に

医療機器・美容機器

NG表現 NG理由
糖尿病が治る、血糖値が正常になる 疾病の治療効果を断言(2025年逮捕事例あり)
承認申請中・承認取得見込み○月 未承認機器の広告に該当(第68条)
医師も推奨する最先端医療機器 専門家による保証表現(第66条第2項)

体験談・口コミへの注意点

「個人の感想です」という注釈をつけても、医薬品的な効能効果を示す体験談は薬機法上NGとなります。広告として誤認されるほどの効能を示す表現が問題なのであって、注釈はその判断を左右しません。特に次のような体験談表現には注意が必要です。

  • 「○ヶ月で○kg減量しました」(数値による効果の断言)
  • 「長年のアトピーが劇的に改善!」(疾病の改善を示す体験談)
  • 「医師に驚かれた」(医療関係者の推薦・保証を示唆)

ステルスマーケティング(ステマ)にも要注意

体験談・口コミマーケティングと切り離せないのが、ステルスマーケティング(ステマ)規制です。2023年10月1日、消費者庁の告示によりステマは景品表示法上の「不当表示」として正式に規制対象となりました(景品表示法第5条第3号に基づく内閣府告示第19号)。

ステマとは、企業が広告・宣伝として依頼・関与しているにもかかわらず、広告であることを明示しないまま投稿する行為です。消費者は、企業の広告であれば多少の誇張を織り込んで判断しますが、第三者の中立的な感想として受け取ると内容をそのまま信じてしまいます。こうした消費者の合理的な判断を歪める表示が禁止されました。

⚠️ ステマ規制のポイント:規制対象は広告主(事業者)

ステマ規制の処分対象は、依頼・関与した広告主(事業者)です。依頼を受けたインフルエンサーや個人は対象外とされていますが、事業者の依頼により投稿した場合は関係性を明示する義務があります。事業者は依頼先の投稿内容についても管理責任を負う点に注意が必要です。

ステマ告示違反が発覚した場合は措置命令・社名公表の対象となり、措置命令に従わなかった場合は2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります(景品表示法第36条)。なお、ステマ告示違反自体は課徴金の対象外ですが、誇大な効果表示(優良誤認)を同時に行っていた場合は景表法の課徴金対象にもなり得ます。

薬機法×ステマの「二重リスク」

医薬品・化粧品・健康食品のマーケティングでは、薬機法違反とステマ規制違反が同時に成立するケースが多く見られます。インフルエンサーに依頼した際に「PR」表記なしで投稿させると景表法のステマ規制に抵触し、さらにその投稿内容に医薬品的な効能表現が含まれていれば薬機法第66条・第68条違反にも当たります。

具体的にステマに該当する行為の例として、消費者庁は次のようなケースを示しています。

  • 報酬を支払ったインフルエンサーの投稿に「PR」「広告」「#ad」等の表記がない
  • 無償でサンプル提供したブロガーのレビュー記事に関係性の明示がない
  • 自社サイトに転載したインフルエンサー投稿で、転載先に改めてPR表記をしていない
  • 「#PR」を投稿末尾に小さく記載し、一般消費者が気づきにくい状態にしている
  • 口コミサイト・Googleマップの高評価投稿に対して対価(割引・プレゼント等)を提供している

なお、過去の投稿であっても現在も一般消費者が閲覧できる状態にあればステマ規制の対象となるため、2023年10月以前のPR表記のないインフルエンサー投稿やアフィリエイト記事についても見直しが必要です。

ステマ規制の詳細(具体的なNG・OK事例・違反事例)については、別記事「ステルスマーケティング規制とは?景品表示法の告示内容と対策を解説」もあわせてご確認ください。

薬機法違反を避けるための具体的な対策

① 医薬品等適正広告基準を把握する

広告制作の前提として、厚生労働省が定める「医薬品等適正広告基準」を確認することが不可欠です。この基準は、第66条の解釈指針として機能しており、NG表現の判断根拠となっています。

また、化粧品であれば厚生労働省告示の効能効果リスト(56種類)、健康食品であれば機能性表示食品の届出制度など、商品カテゴリ別の規制ルールもあわせて確認してください。

② 承認・届出の範囲を超えた表現をしない

医薬品・医薬部外品・化粧品は、承認書や認証書に記載された効能・効果の範囲内でのみ宣伝できます。承認内容を超えた表現や、承認を受けていない商品への医薬品的表現は即座にアウトです。また機能性表示食品の届出表示も、届出内容を逸脱した表現は認められません。

③ 「何人も」を意識した体制を作る

薬機法は「何人も」と規定しているため、広告主だけでなく広告に関わるすべての関係者が対象です。特にアフィリエイト広告・インフルエンサー活用の場合、掲載先の表現についても広告主が管理責任を問われることを意識した体制が必要です。

  • アフィリエイターへの薬機法ガイドラインの事前提示
  • 掲載前の記事・投稿内容の事前確認フロー
  • 定期的な掲載内容の監査

④ 自社サイト内の「成分説明ページ」との一体性に注意

巧妙なNG事例として、商品ページとは別に「成分の医薬品的効能を説明するページ」を作成し、そこから商品購入ページへリンクを貼るという手法があります。この場合、2つのページが「実質的に一体の広告」と判断され、第68条違反と認定されたケースがあります。

⑤ チェックリストで広告審査を習慣化する

  • 承認・届出された効能効果の範囲内に収まっているか
  • 「治る」「改善する」「予防する」など疾病への効果を断言していないか
  • 「必ず効く」「100%」「確実に」など効果を保証する表現を使っていないか
  • 「安全」「副作用なし」など安全性を断言していないか
  • 医師・薬剤師・著名人・研究者が推薦・保証していると受け取られる表現がないか
  • 体験談に医薬品的な効能効果の表現が含まれていないか
  • 他社製品を誹謗中傷するような比較広告になっていないか
  • アフィリエイト・インフルエンサーの掲載内容を事前確認しているか
  • インフルエンサー・アフィリエイターの投稿に「#PR」「広告」等の関係性表示があるか(ステマ規制)
  • インフルエンサー投稿を自社サイトに転載する際、転載先でも改めてPR表記をしているか
  • 口コミ・レビュー投稿に対して対価(報酬・割引・プレゼント等)を提供していないか
  • 成分説明ページと商品ページが一体の広告として解釈されないか

⑥ 疑問が生じたら専門家・行政窓口に相談する

表現の適否について判断に迷う場合は、自己判断せず専門家に相談することが重要です。

  • 薬機法専門の弁護士・薬事コンサルタントへの事前相談
  • 厚生労働省の「医薬品等の広告規制について」のページ(公式情報の確認)

まとめ:薬機法の広告規制で押さえるべきポイント

薬機法の広告規制は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品を対象に、第66条(誇大広告禁止)・第67条(特定疾病広告制限)・第68条(未承認医薬品広告禁止)の3条文を中心に構成されています。

違反した場合のリスクは、①行政指導・措置命令、②課徴金(売上の4.5%・最大3年遡及)、③刑事罰(2年以下の懲役または200万円以下の罰金)の3段階で、2021年の改正により課徴金制度が加わったことで経済的リスクが格段に高まっています。

規制対象は「何人も」です。広告主だけでなく、広告代理店・制作会社・アフィリエイター・インフルエンサー・ライターも含めた広告関係者全員が当事者となります。「会社の指示だった」という言い訳は通用しないことも、最近の逮捕事例が示しています。

特に健康食品・サプリメントを扱うマーケターは、医薬品適正広告基準を理解したうえで、承認・届出の範囲内での訴求を徹底し、定期的な広告審査体制を整えることが不可欠です。

また、2023年10月から施行された景表法のステマ規制にも注意が必要です。インフルエンサーや口コミを活用するマーケティングでは、PR表記の徹底・依頼先の投稿管理・転載時の関係性明示が求められます。薬機法違反とステマ規制は同時に成立する「二重リスク」があるため、体験談・口コミ施策を行う際には両方の観点からの審査が欠かせません。

小形 洸太

この記事を書いた人

小形 洸太

マーケティングプロデューサー、集客コンサルタント。大学卒業後、店舗マーケティングツールのASPにて、500店の顧客フォロー及び導入支援業務に従事。その後、2009年からコンサルティングを提供開始。助言だけではなく、対策もできるコンサルタントとして活動。主に、マーケティング関連のディレクション業務を行い、オウンドメディア運用、SNSキャンペーン、実店舗の集客支援を実施。

集客の専門家として、ミラサポや信用保証協会専門家、商工会専門家などの立場で事業主向けに助言業務を実施。また、リクルートや第一興行のメディアでSNSを使った集客の記事の監修。

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