士業の集客方法14選!士業の先生が今すぐできる対策

士業は毎年のように新規参入者が生まれ、定年が基本的にありません。そのため、同一の業務を熾烈な競争で、奪い合うレッドオーシャン(競争激戦事業)と判断されがちです。

その反面、国家資格の強みを使い、新規顧客を獲得し、成長を続けている士業事務所や法人があるのは事実です。

この記事では、士業の集客の対策について紹介します。

目次

士業とは?

士業とは、弁護士や税理士など、高度な専門性を活かす職種のことを指し、業務を行うためには、国家資格を通過する必要がある職種のことを指します。名前の由来は、この職業には、末尾に「士」がついていることです。

原則として、士業には独占業務と呼ばれる有資格者のみに認められた業務があります。例外では、中小企業診断士のように能力を補完する資格には、独占業務がありません。

毎年1回の国家試験のほかに、特定の条件を満たすことで資格合格相当と認定されることがあります。そのため、士業は、毎年のようにライバルが増えるのが問題点とされています。

分野士業
法律弁護士、司法書士、行政書士、弁理士、社会保険労務士、海事代理士
会計税理士、公認会計士
不動産不動産鑑定士、土地家屋調査士
マーケティング中小企業診断士

士業に集客は必要なのか?

士業にまず必要なのは営業です。特化する事業を決めたのであれば、いわゆるターゲットが集まるような場に積極的に出向きましょう。これがないと、一番の顧客化の機会を無視していることになりますので、注意が必要です。

また、士業の仕事の取り方は、何を専門にするかで大きく異なります
例えば、テレビCMでよく見る借金整理は、全国どこにいても対応可能で利益率が高い業務で、見込み客もBtoCなので豊富です。そのため、広告費を注ぎ込むことができます。
これに対して、風営法の許認可申請などの場合は、図面を作成する必要があるため、全国どこにいても良いわけではないですし、重要度も高いので、仕事をストレスなく進めたいと考えている人が依頼主なので、近隣の行政書士の中から選ぼうとします。

そのため、どの士業でも一律に、SEOやGoogle広告が良いという判断にはならないです。また、広告の予算も事業のLTV(1回の業務で得られる利益×継続回数)によりますから、LTVを最大化している大手事務所とは、勝負することが難しいといえます。

集客は、営業力を補充するものと考えるのがよいでしょう。営業力に自信のない士業は、集客で補おうとするのは厳しいと考えます。

士業が行わなければならない集客方法4選

士業の場合、必ず行うべき集客の対策と、必要に応じて積極的に行うべき集客の対策に分かれます。

積極的に集客をする施策は、士業名よりも事業内容によります。これは、前述の通り、債務整理の市場規模は大きいのに対して、風俗業の営業許可申請は、市場規模が小さいので、当然施策も変わってくるからです。

まずは、必ず行うべき集客の対策について解説をします。

ホームページの作成

士業では、ホームページが必要です。士業の場合は、契約可能な業種や料金を公にすることが法的義務になっていることも多く、事業主になれば、その手段の代表になるのが、ホームページだからです。

ホームページを作成する際に、原則SEOを考慮する必要があるのかと言われますが、特定業務に絞り込みを行う行政書士などの士業では、SEOを考えて作成した方が良いでしょう。

ホームページは外注した方が時間の節約になります。しかし、個人事務所のホームページには、予算をかけることができませんので、WordPressにEmanon Premiumなどのテーマを適用したものがほとんどです。

そのため、自作する場合は、これらを購入して構築すれば、外注と遜色のないホームページを構築することもできます。

Googleビジネスプロフィールの作成

Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップに表示されるプロフィールのことです。

Googleマップで検索をした時に、近隣の関連する事業所が表示されます。特に、商圏が決まっている事業内容を行なっている士業事務所の場合は、Googleマップで表示されることが、見込み客が依頼先を決める決定要素になりやすいです。

Googleビジネスは無料で作ることができ、基本情報を掲載することができます。事務所の営業日時の確認はGoogleマップで見られる傾向がありますので、Googleプロフィールの管理が、最初の印象を形成し、顧客が増えるきっかけになります。

交流会用の名刺と営業用の名刺を分ける

名刺は2種類用意するのが良いでしょう。これは、士業同士の横のつながりを作る目的の交流と、見込客が多数参加する場や営業が目的の活動では、それぞれ目的の方向性が異なっており、当然掲載すべき情報も異なるからです。

名刺は、直接会った人が情報を入手するためのコンパクトなチラシのようなものです。そのため、伝えるべき情報は同業と他業種では分けた方が良いことはわかりますよね。

チラシの作成

士業の集客において、名刺交換後のフォローアップチラシは重要なツールです。このチラシは、士業の専門性や強みを効果的にアピールし、潜在顧客の記憶に残る役割を果たします。

内容には事務所の特徴、専門分野、具体的なサービスなどを盛り込み、ホームページを見なくてもの価値が伝わるようにします。

作成方法は、Canva Proなどのテンプレートサービスを使用した自作や、プロのコピーライターへの依頼があります。士業チラシは名刺よりも情報量が多く、顧客との関係強化に効果的で、将来的なビジネスチャンスにつながる可能性を高めます。そのため、プロのコピーライターに依頼したものを一つデータとして保有しておくのが良いでしょう。

士業が行う積極的な集客方法10選

次に士業に関する事業で、積極的な集客をするための方法を解説していきます。

前述の4つは、「士業事務所を見つけてもらう」もしくは、「営業を補充する」対策といえますが、以下で取り上げる方法は積極的に見つけてもらうための方法に該当します。

SEOやリスティング広告は、代表的なキーワードを使ったマーケティングであり、今すぐ客を獲得するための代表的なウェブマーケティングです。そのため、参入している士業事務所は非常に多く、資金戦になりがちです。

施策として解説はしますが、士業が積極的に行うことができる集客方法はそれだけではありませんので、事業内容とターゲットをすり合わせて対策を選択していきましょう。

SEO

SEOでは、専門性の高いコンテンツを作成し、キーワード最適化を行うことで、検索エンジンでの上位表示を狙います。

最近は、大手士業事務所が、子会社にシステム開発やマーケティング部隊を持っていることも多く、個人ではなかなか太刀打ちをすることが難しいとされています。そのため、特定の分野に絞り込んで深い情報をホームページに盛り込んでいく戦略がおすすめです。

SEOの施策で代表的なものは、「ホームページと共通のドメインでブログを書く」ということですが、ブログを書く感覚では、検索エンジンでは、上位表示されることがありません。特定のキーワードで上位表示をしたい時は、そのキーワードをわかりやすく説明し、どのようなメリット・デメリットがあり、その問題で困っている場合は、具体的な行動案まで記述しなければなりません。どちらかといえば、ウェブ上に非専門家向けのテキストを作成するイメージで作成していきましょう

また、ドメイン(ホームページを独自のURLにするのに必要なもの)は、士業事務所が法人であれば法人ドメイン(co.jp)、個人事務所であれば日本ドメイン(jp)ドメインを使いましょう。これは、Googleをはじめとした検索エンジンが、事業者が発信する情報を優遇している傾向があるためで、日本国内の事情では、これらのドメインが上位に表示されやすい傾向があるからです。

リスティング広告

リスティング広告とは、検索エンジンで、特定のキーワードで検索した結果に任意のフレーズの広告を表示させ、ウェブサイトに誘導する集客方法です。GoogleにはGoogle広告を、Yahoo!にはYahoo!広告を使います。

SEOとの違いは、表示可能な金額を超えた入札を行うことで、検索結果の上部に任意の広告を表示することができる点で、SEOに比べると即効性があります。

その反面、異なるユーザーにクリックされると予算が消費されてしまうデメリットがあります。士業は、同業の人数の方が見込み客よりも多い場合もありますので、広告予算を同業のクリックで消費してしまう傾向があります。そのため、大手事務所しか残らない傾向があります。

リスティング広告を運用する場合は、ランディングページ(LP)を作成します。

SNS広告

SNS広告は、ターゲットを絞った効果的な集客が可能です。年齢、職業、興味関心などの詳細な条件設定により、潜在的なクライアントに直接アプローチできます。また、視覚的な訴求力が高く、士業の人柄や専門性を効果的にアピールできる点がメリットです。

SNS広告では、依頼先を探す人は少ないですが、リスティング広告やディスプレイ広告では、過去の行動を参考にして表示結果を変えることがあります。そのため、継続的に広告を表示させるきっかけとして期待することもできます。また、SNSを運用しているのであれば、フォローされる可能性もありますので、無駄が少ない広告といえます。

YouTubeの運用

YouTubeは世界最大の動画プラットフォームで、年代を問わず高い利用率を誇っています。士業は、無形のサービスであるため、依頼先を決定する要素は、説明ができないことも多いです。そのため、文章だけではなく、動画などで自分をアピールできる機会を増やすことで知名度を高め、依頼に結びつくことが期待されます

Youtubeを運用する場合は、質問してくれる人を用意したり、映像が綺麗に見えるように工夫することが重要です。近隣に協力者がいないのであれば、ZOOMを使うなどの工夫はできます。SEOで作ったページをわかりやすく解説する動画を用意することで、ホームページにも掲載しやすい動画を用意できます。

DM(ダイレクトメール)

DMは、ターゲットを絞った直接的なアプローチが可能な集客方法です。適切なリストを利用することで、一定の反応を期待することができます。ただし、業者から購入したリストは、競合になっている士業も同様のDMを送っている可能性があります。

交流会で一緒になった相手宛にDMを送信するのは、人によって意見が分かれるところですが、サービスを理解してもらうためには、こちらから伝えることは必要な行動です。作成したチラシなどを同封して、相談事があれば受け付ける意思を表示しましょう。

地域のイベントに参加

地域のイベントへの参加は、地元での認知度向上と信頼構築に効果的です。商工会議所や業界団体のイベントに参加し、無料相談会を開催するなど、直接顧客と接点を持つことで、長期的な関係構築につながります。

士業の相談会は、比較的開催が用意で、チラシを置いてもらうことも簡単です。地域密着型の業務であれば、積極的にイベントに参加し、見込み客となる事業者や個人との関係性を深めましょう。

出版

本を出版することで儲けることができませんが、複数の本を出版することで、見込客の獲得や専門性の高い専門家と客観的に認識されるようになります。

現在は、商業出版にこだわる必要はなく、Kindle本を簡単に出版することができます。これらをいくつかAmazonに出品することで、専門性が高まります。これらは、その他のマーケティング(特にSEO)に良い影響を与えます。

駅内の看板・広告

通勤・通学者の目に留まりやすい駅構内での広告展開です。多くの人が行き交う場所で、地域密着型のアプローチが可能です。看板や電車内広告を活用し、近隣での認知度を向上することができます。また、特定の駅で広告を出すことで信頼性が高まることも期待できます。

ポスティング

チラシを地域の家庭や事業所に直接配布する方法です。ターゲットエリアを絞り込んで、効率的に情報を届けられます。サービス内容や特徴、問い合わせ先などを分かりやすく記載し、潜在的なニーズを持つ顧客へアプローチできます。

FAXDM

ファックスを使用したダイレクトメールの送信方法です。企業や事業主向けに、専門的なサービスや相談会の案内を効率的に配信できます。即時性が高く、受信者の目に留まりやすい反面、FAXが次第になくなっており、リスト次第では、すでに何らかの形で関わっている事業所にも送信してしまうことがあります。

FAXDMは、そのためあまり使われなくなった集客手法と言えます。

士業での集客を有利にする方法とは?

士業は毎年合格者が出る反面、登録抹消にならない限り定年なしに継続することができます。つまり、競争相手は年々増える一方なので、競争に勝つ必要はあります。

その中で、重要になってきているのが、顧客にとっての利便性向上のためのダブルライセンスや独自の価値創出の考え方です。

関連性の高い国家資格を持つことは、士業の集客では有利に働く

例えば、契約書などの書面の作成を代行できるのは行政書士の独占業務ですが、法人登記や不動産登記ができるのは司法書士の独占業務です。これらは、依頼者からすると、関連性が非常に近いため、どちらも対応できる士業事務所に依頼した方が手間が省けます。

上記の例のように依頼者から見て、専門性が高かったり、依頼の手間が省略される士業事務所の方が依頼を受けやすくなります。

掛け算で独自の価値を生み出せる方が、士業の集客では有利に働く

士業資格を持つということは、その分野に専門性が高いことを表示していることになります。これに自分の得意なスキルを掛け合わせることで、独自の価値を生み出すことができます。

独自の価値=特定の士業資格×その他の関連性の高い資格×自分の得意なスキル

例えば、会計系の国家資格×経営系の資格×コーチングスキルで経営コンサル、法律系の資格×IT系の資格×マーケティングスキルの資格で、IT投資コンサルなどの参入障壁が高い事業を作ることも可能です。

「無資格でもその業種はできる」と口にする人がいますが、例えば補助金が絡む業務の場合は、有資格者が優先ですし、要件になっている場合も多いです。

まとめ

代表的な士業の集客方法を紹介しました。まずは当たり前の環境を整備した後に、見込み客にリーチする方法を追加していきます。どの業種でも共通していますが、見込み客に開業していることを知られなければ契約してもらえることはありません。そのため、開業したら、見込み客が誰なのかを定義して、積極的な営業活動をしていきましょう。

最終更新日 2024年12月10日

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