ポスティング広告の効果や予算算定の方法を解説
ポスティング広告は、新規顧客を獲得する方法として、店舗のみならず通販などにも活用ができます。詳細なターゲティングができるオンライン広告の有効性は疑いようがありませんが、オンライン広告を利用する競合数が増えると、広告費が高騰します。そのため、適切に認知してもらう方法としては、実はポスティング広告の方が確実です。
この記事では、ポスティング広告を試したい事業者向けに効果や使い道、予算算定の方法を解説しています。
ポスティング広告とは？
ポスティング広告とは、チラシやパンフレットなどを住宅やオフィスの郵便受けに直接配布する広告手法です。実際の住所に配布するため、地域を限定とした広告方法では最もリーチする可能性が高いです。視覚的なデザインやキャッチコピーが重要で、地域のイベントやセール案内だけでなく、店舗開業時のお知らせにも効果的です。デジタル広告と違い、物理的な存在感があり、高齢者やデジタルメディアを利用しない層にも効果的です。
ポスティング広告はどの程度効果があるのか？
日本では、ポスティング広告には「1,000枚配布して3組反応があるせんさん」という言葉があり、これは平均反応率が0.3%であることを示しています。
例えば、必要な客数が30組だった場合、必要な配布部数を計算するには次のようになります。
必要な客数÷平均反応率=必要な配布部数
30組÷0.003=10,000枚
したがって、30組の反応を得るためには、約10,000枚のチラシを配布する必要があります。ポスティング広告の効果を最大化するためには、ターゲットエリアの選定や魅力的なデザイン・コピーが重要です。
ポスティング広告を成功させるためのポイントとは？
ポスティング広告を成功させる要因には、成約率が決まるチラシのクリエイティブと配布数・エリアの選定が重要になります。
チラシのクリエイティブ
ポスティング広告の成功には、チラシのクリエイティブが重要です。
魅力的なキャッチコピーは、ターゲットの関心を引き、読者に行動を促すための第一歩です。チラシは2つ折りで投函される可能性が高いので、そのチラシを見た時に一瞬でどんな情報が掲載されているのかわかるサイズやフォントを使うことがポイントです。
また、提供するサービスや商品の価値を明確に伝えることが重要です。具体的なメリットや特徴を強調し、ターゲットが「これを試してみたい」と思うようにしましょう。
そして、最も重要なことは、チラシを受け取った人に、具体的にどのような行動をとって欲しいのかを明確に示すことです。特定の行動を促すメッセージをCTA（コール・トゥ・アクション）と呼びます。CTAを必ず含め、具体的な行動を呼びかけます。例えば、「今すぐ予約！」や「このクーポンを持参してご来店ください」などがあります。また、期限を明示すると、限定感が出ますので、行動をより引き起こすことができます。
配布エリアの選定
配布エリアの選定もポスティング広告の成功に欠かせない要素です。
目的の配布枚数を確実に投函することはもちろん、効果が見込めないエリアを避けることも重要です。例えば、工業地域などのビジネスや住民の少ないエリアではなく、住宅地や商業地域などターゲットが多く存在する地域に絞り込みます。
ターゲット層が多く住む地域や、競合他社が少ない地域を選定することで、広告効果を最大化することができます。事前の市場調査やデータ分析を活用し、最適な配布エリアを決定しましょう。
ポスティングは自分で行うべきか、業者を使うべきか？
結論からいえば、ポスティング広告は、業者に依頼するのが最も効率的で経済的です。以下にその理由を詳しく説明します。
自分でポスティング（セルフポスティング）のメリットとデメリット
自分で配布する場合、配布対象を選べるというメリットがあります。また、配布時に近隣住民にあいさつをすることで、地域とのつながりを深めることも可能です。しかし、広域に配布することは困難であり、多くの時間と労力を費やすことになります。特にビジネスオーナーにとっては、本業に集中する時間が削減されるため、結果的に効率が悪くなります。
業者を使うメリット
ポスティング業者に依頼することで、印刷から配布までを一括して任せることができます。業者は広範囲にわたる配布ネットワークを持っており、短期間で大量のチラシを効率的に配布することが可能です。また、ほとんどの業者は配布完了日の2週間以上前に入稿すると、費用を抑えることができます。これにより、コストパフォーマンスの高い広告キャンペーンを実施できます。
ポスティング広告の実施のプロセス
準備に必要な期間は、１ヶ月〜２ヶ月程度です。以下のプロセスを踏むことで、ポスティング広告の精度を上げることができます。
目的とターゲットの設定
ポスティング広告の目的を明確にします。新規顧客の獲得、イベントの告知、店舗開業のお知らせなど、具体的な目標を設定します。次に、ターゲットオーディエンスを決定します。年齢層、性別、居住地域などの属性を考慮して、広告が最も効果的に届くようにターゲットを絞り込みます。
| 目的 | 具体例 | ターゲットの設定 | CTAの例 |
|---|---|---|---|
| 新規顧客の獲得 | 地元の新規レストランのオープン告知 | 25歳から45歳の働く男女 家庭を持つ住民 外食好き | 「今すぐ予約して、オープニング特典をゲット！」 |
| イベントの告知 | 地元のフィットネスジムの無料体験イベントの告知 | 20歳から35歳の健康志向の若年層 運動に興味がある人 | 「無料体験クラスに今すぐ予約」 |
| 売上の増加 | 小売店の季節セールの告知 | 30歳から50歳の主婦・主夫 家庭用品・衣類をよく購入 | 「今すぐクーポンを持参して、割引を受けよう」 「通販サイトで◯日までセール中」 |
チラシのデザインとコピーライティング
ターゲットに響くデザインとコピーを作成します。魅力的なビジュアルとキャッチコピー、そして提供するサービスや商品の価値を明確に伝える内容を盛り込みます。予約や来店を促す具体的なCTA（コール・トゥ・アクション）も忘れずに記載します。
チラシは外注することもできますが、以下のデザインツールを使えば、専門知識なしに見栄えの良いチラシを作成できます。
| デザインツール | 特徴 |
|---|---|
| Canva | デザインテンプレが豊富 ドラッグ&ペーストで簡単にデザインが可能 日本国内のユーザーが多く情報も豊富 |
| Adobe Express | Adobeの豊富な素材を使うことができる デザインテンプレが豊富 操作も簡単である |
ポスティング業者の選定と発注
デザインが完成したら、印刷業者を選定し、チラシの印刷を発注します。予算や印刷枚数、納期を考慮して最適な業者を選びます。配布完了日の2週間以上前に入稿することで、費用を抑えることができます。また、印刷とポスティングは一緒に発注することができます。
以下の2社はオンラインで発注をすることができるため、格安で発注することが可能です。
どちらもオンラインで入稿が可能で格安でポスティング広告まで発注することができます。
配布エリアの選定
配布エリアを慎重に選定します。ターゲットオーディエンスが多く住む地域や、競合が少ないエリアを選びます。工業地域など効果が見込めないエリアは避け、住宅地や商業地域など効果が期待できる地域に絞り込みます。
効果測定と評価
配布後、広告の効果を測定します。専用のクーポンコードや問い合わせフォームを使用して、反応率を具体的に把握します。得られたデータを基に、次回のポスティング広告に向けた改善点を洗い出し、さらに効果的な広告戦略を構築します。
ポスティング広告の出稿の際によくある悩み
ポスティング広告の適切な予算を設定する方法が分からない。
予算は、広告の目的と目標に基づいて設定する必要があります。新規顧客の獲得やイベント告知の場合、期待する反応率を基に配布枚数を決定し、それに応じた予算を設定します。例えば、反応率が0.3%で30組の顧客を目指すなら、10,000枚の配布が必要で、それにかかる費用を見積もります。オンラインツールで入稿が可能な印刷会社はリアルタイム見積もりが可能です。
どのエリアに配布すれば効果的か分からない。
店舗の場合は、来店可能なエリアで考えます。この際に、主な顧客の移動方法を考える必要があります。例えば、自動車が主な交通手段であれば、半径を10キロ〜20キロは範囲内です。それに対し、電車であれば、2〜3駅を起点にし、それらの駅周辺からの半径も対象になります。
また、ポスティングは通販でも使えます。この場合は、世帯年収や密集度でターゲティングすることが多いです。
新聞折込とポスティング広告のどちらを選ぶべきか？
新聞折込は、新聞を購読している世帯にチラシを届ける方法です。新聞購読はまちまちであり、地域を指定した場合に購読数が足りないということが多いので、店舗であればポスティング、通販であれば新聞折込と考えるのが良いでしょう。
ポスティングで苦情が心配です。
ポスティング広告は、特に集合住宅では住居侵入していることになり、不法行為に該当します。また、チラシを受け取る意思がない人にチラシを強制的に渡していることにもなるので、苦情は他の広告方法よりも発生する可能性はあります。
ポスティング広告の効果が見込まれる業種は？
- レストラン
- カフェ
- ファストフード店
- フィットネスジム
- スポーツクラブ
- 美容室
- ヘアサロン
- エステサロン
- リラクゼーションサロン
- クリーニングサービス
- 歯科医院
- 医療クリニック
- 学習塾
- 予備校
- 不動産業
- リフォーム業
- 建築業
- 自動車販売店
- 自動車整備工場
- ペットショップ
- ペットホテル
- ペットトリミングサービス
- スーパーマーケット
- コンビニエンスストア
- 専門店（衣料品、家電、家具など）
- 観光業
- 旅行代理店
- イベントプロモーター
これらの業種は、地域密着型のポスティング広告で特に効果が見込まれます。
最終更新日 2024年6月11日