インフルエンサーマーケティングとは何か?
SNSの普及で、個人が情報を簡単に発信できるようになりました。それに伴い、その情報を求めたフォロワーが集まることで、独自のチャネルが生まれました。個人の影響力を活用し、商品やサービスの認知度を高める方法を総じてインフルエンサーマーケティングと呼びます。
SEOやオンライン広告が激戦の業界では、投資対効果が低くなっており、第三者視点のレビューも獲得できるということで注目されています。この記事では、インフルエンサーマーケティングとは何か、メリットやデメリット、その他、知っておく必要がある情報を紹介します。
インフルエンサーマーケティングとは?
インフルエンサーマーケティングとは、InstagramやYoutubeで影響力を持つインフルエンサーを通じて、商品やサービスを宣伝する手法です。他人の個人の影響力を用いています。
インフルエンサーはフォロワーとの強い信頼関係を活かし、自身の推薦やレビューで消費者の購買意欲を高めます。この手法により、ターゲット層に直接アプローチし、ブランドの認知度や信頼性を向上させることができます。成功の鍵は、適切なインフルエンサーの選定、コンテンツの質、成果を適切に評価することにあります。
インフルエンサーマーケティングが有効な業種・業界は以下の通りです。
業界 | 理由 |
---|---|
美容・化粧品 | 美容や化粧品は視覚的な要素が強く、インフルエンサーが実際に使用してレビューすることで、消費者の購買意欲を高めやすいです。また、個々の体験談が商品の信頼性を高めます。 |
ファッション | ファッションアイテムはインフルエンサーによるスタイリングや着こなしの提案が効果的です。インフルエンサーのフォロワーは彼らのファッションセンスに信頼を寄せており、購入の動機付けになります。 |
飲食 | 新しいレストランやカフェ、食品・飲料の商品は、インフルエンサーが実際に訪れたり試食したりすることで、その魅力を広めることができます。 ただし、飲食店の場合は、商圏が存在するため、地域性が合致するインフルエンサーを採用しなければなりません。 |
フィットネス・健康 | フィットネスや健康関連の商品やサービスは、インフルエンサーのライフスタイルや体験談が大きな影響を与えます。実際の使用例や効果を示すことで、消費者の信頼を得られます。 |
旅行・観光 | 旅行先や観光地の魅力をインフルエンサーが紹介することで、視覚的に訴えることができ、多くの人々に訪問を促すことができます。 |
テクノロジー・ガジェット | 新しいガジェットやテクノロジー製品は、インフルエンサーがレビューや使用感を共有することで、消費者の興味を引きます。実際の使用シーンを示すことで、購入を後押しします。 |
ゲーム | ゲームのセールスはプレイ動画の数が影響しています。インフルエンサー面白そうにプレイするゲームは、効果的に知名度が高まります。 |
ライフスタイル | 家具、インテリア、DIYなどのライフスタイル関連商品は、インフルエンサーが実際に使用している様子を見せることで、その魅力を伝えやすいです。 |
インフルエンサーマーケティングのメリット(利点)
①ターゲット層への直接アプローチ
インフルエンサーマーケティングは、特定のターゲット層に直接アプローチできる強力な手法です。インフルエンサーのフォロワーは興味や関心が一致しているため、商品やサービスに対する関心が高まります。これにより、効率的に見込み客にリーチし、高いコンバージョン率を期待できます。
②信頼性と共感の獲得
インフルエンサーはフォロワーとの間に強い信頼関係を築いています。そのため、インフルエンサーが推薦する商品やサービスはフォロワーにとって信頼性が高く、共感を得やすいです。この信頼性と共感は広告の効果を高め、ブランドのイメージ向上にも寄与します。
③ブランド認知度の向上
インフルエンサーマーケティングは、短期間で広範な認知を得ることができます。インフルエンサーの投稿は多くのフォロワーにリーチし、その拡散力によりブランドの認知度が急速に向上します。特に新商品のプロモーションやキャンペーンにおいて、迅速な認知度の向上が可能です。
④成約率の向上
家電や化粧品などの知ってから購入までのタイムラグが発生しやすい商品やサービスでは、商標で検索を行い、評判が検索される傾向があります。その時に、その業界に権威のあるインフルエンサーがポジティブに取り上げていることで、商品知識が深まり、購入されやすくなります。
インフルエンサーマーケティングのデメリット(注意点)
インフルエンサーマーケティングは、良くも悪くもインフルエンサーの影響力に依存しています。直接作用するファンの数はもちろん、商品やサービスと属性が一致していなければ、興味を持たれない可能性があります。これは、普段は面白系のコンテンツ配信ばかりしているのに、いきなり美容に関係する商品を宣伝し始めたら違和感しかないことを想像すればわかりやすいと思います。
また、継続的に宣伝をしなければ、なかなか商品やサービスを覚えてもらうことが難しく、効果も計測しづらいデメリットがあります。他には以下のようなデメリットもあります。
①コストが高い場合がある
インフルエンサーマーケティングは、特に人気の高いインフルエンサーと提携する場合、非常に高額な費用がかかることがあります。小規模な企業や予算が限られている場合、このコストは大きな負担となる可能性があります。限られたマーケティング予算を効率的に使いたい場合には、この手法は適さないかもしれません。
②結果が予測しにくい
インフルエンサーの影響力に依存するため、キャンペーンの結果が予測しにくいことがあります。フォロワーの反応やエンゲージメントはインフルエンサーのパフォーマンスに左右されるため、期待通りの成果が得られないリスクがあります。安定した予測可能な結果を求める企業には、この手法は適さないかもしれません。
③インフルエンサーの信頼性リスク
インフルエンサーが問題を起こした場合、そのネガティブな影響がブランドにも波及するリスクがあります。インフルエンサーの過去の行動や発言が原因で、ブランドイメージが損なわれることがあります。ブランドの信頼性を守るためには、インフルエンサーの選定に慎重を期す必要があり、リスク回避が難しい場合には、この手法は適さないかもしれません。
インフルエンサーの規模別の特徴とは?
インフルエンサーには、その規模や属性によって、宣伝価値が異なります。例えば、フォロワー数の多いメガインフルエンサーは、多くの人に商品やサービスが認知される反面、属性が一致しているわけではないので、最寄品のようなすぐに誰でも買える商品以外は、広告費が高くなるデメリットがあります。
種類 | 規模 | 特徴 | 利点 | 課題 |
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メガインフルエンサー | 100万人以上 | ・高い知名度と影響力 ・広範なリーチが可能 | ・大規模なキャンペーンに適している ・ブランド認知度を急速に高めることができる | ・高額な費用が必要 ・フォロワーとのエンゲージメント率が低め |
ミドルインフルエンサー | 10万〜100万人 | ・専門性と信頼性が高い ・特定の業界や分野で影響力がある | ・広範なリーチと高いエンゲージメントのバランス ・ターゲット層に効果的にアプローチできる | ・費用が比較的高め ・特定の市場に限られる場合がある |
マイクロインフルエンサー | 1万〜10万人 | ・フォロワーとの深い信頼関係 ・高いエンゲージメント率 | ・費用対効果が高い ・特定のニッチ市場に強い影響力 | ・リーチが限定的 ・大規模な認知度向上には時間がかかる |
ナノインフルエンサー | 1000〜1万人 | ・非常に密接なフォロワー関係 ・信頼性と親近感が高い | ・非常に高いエンゲージメント率 ・費用が低く、予算が限られている場合に最適 | ・リーチが非常に限定的 ・広範な認知度向上には不向き |
インフルエンサーマーケティングを始めるためのステップとは?
目標設定
まず、キャンペーンの目的を明確にします。ブランド認知度の向上、売上増加、新商品のプロモーションなど、具体的な目標を設定しましょう。
ターゲティング
次に、ターゲットとする顧客層を明確にします。年齢、性別、興味関心、購買行動などを考慮して、どの層にアプローチするかを決定します。
インフルエンサーのリサーチ
自社商品に適したインフルエンサーを探します。フォロワー数、エンゲージメント率、専門性などを評価し、最適なインフルエンサーを選定します。
インフルエンサーとのコンタクト
候補となるインフルエンサーに連絡を取り、提携条件や報酬について交渉します。双方にとってメリットのある条件を整えましょう。
ただし、インフルエンサーは事務所管理されている場合もあります。その場合は、交渉はスムーズにいきますが、その分コストが高くなるデメリットもあります。
コンテンツの計画と作成
キャンペーンの内容を決定し、インフルエンサーと共同でコンテンツを作成します。どのようなメッセージを伝えるかを具体的に計画します。コンテンツの作成を任せると、法律に違反した表現を採用してしまう可能性があります。インフルエンサーマーケティングのコンテンツは、広告として表示されることが原則で、責任は、広告主である皆さんにあります。
キャンペーンの実施
インフルエンサーがコンテンツを投稿し、キャンペーンを開始します。キャンペーン期間中は進捗を監視し、必要に応じて調整を行います。
効果測定と評価
キャンペーンの成果を分析し、KPI(キー・パフォーマンス・インジケーター)を基に評価します。どの程度の成果が得られたかを明確に把握します。
フィードバックと改善
インフルエンサーからのフィードバックを受け取り、次回のキャンペーンに向けて改善点を検討します。常に改善を続け、より効果的なマーケティングを目指しましょう。
インフルエンサーマーケティングで注意すべき法律
①著作権法
インフルエンサーマーケティングでは、コンテンツの作成や共有にあたり、著作権法を遵守することが重要です。
コンテンツの利用許諾 | 他人の著作物(画像、音楽、動画など)を使用する場合は、事前に許可を得る必要があります。無断で使用すると、著作権侵害となります。 |
自社コンテンツの保護 | 自社で制作したコンテンツについても、著作権を明確にし、不正利用を防ぐ対策を講じましょう。 |
インフルエンサーへの指導 | インフルエンサーが作成するコンテンツに関しても、著作権法を遵守するよう指導し、必要な許可を得る手続きをサポートします。 |
②景品表示法
インフルエンサーマーケティングでは、消費者に対する広告表示が景品表示法に適合しているかを確認する必要があります。特に、広告であることを表示しなければ、ステルスマーケティングに含まれるため、気を付ける必要があります。
誇大広告の禁止 | 商品の効果や性能を誇張して広告することは禁じられています。事実に基づいた正確な情報を提供するよう心がけましょう。 |
景品の提供 | 景品やプレゼントを提供する場合、その内容や条件が適正であるかを確認します。不当な景品提供は法律に抵触する可能性があります。 |
表示内容の明確化 | 広告表示において、消費者に誤解を与えるような表現を避け、明確かつ分かりやすい内容にすることが重要です。 |
③薬機法
インフルエンサーマーケティングで医薬品や化粧品、医療機器を扱う場合、薬機法を遵守することが求められます。
医薬品等の広告規制 | 医薬品や医療機器の広告は、許可された効能・効果のみを表示する必要があります。事実と異なる表現や誇大な表現は禁止されています。 |
化粧品の広告 | 化粧品の広告では、薬事法に基づいた効能効果の範囲内で表現する必要があります。薬ではないので、改善できるなどの表現が制限されます。 |
最終更新日 2024年6月6日