マーケティングの4P(マッカシーの4P)とは何か?

4Pとは?

マーケティング戦略を具体的に考える上で、構成要素ごとに分解して戦略を組み立てます。この考え方が、俗に言われるマーケティングミックスであり、代表的な存在がマーケティングの4P(マッカシーの4P)です。

目次

マーケティングの4Pとは?

マーケティングの4Pとは、プロダクト(Product)、プライス(Price)、プレイス(Place)、プロモーション(Promotion)の4つの要素からなるマーケティングミックスのことです。

プロダクトは提供する商品やサービス、プライスはその価格設定、プレイスは流通経路、プロモーションは販売促進活動を指します。これらの要素をバランスよく組み合わせることで、顧客のニーズに応え、競争力を高め、売上を最大化する戦略を構築します。

①マーケティングの4Pで考えるメリットとは?

ビジネスオーナーが4Pで戦略を考えるメリットは、マーケティングの構成要素を分解することで具体的な対策を考えやすくなることです。プロダクト(Product)、プライス(Price)、プレイス(Place)、プロモーション(Promotion)それぞれの要素ごとに施策を評価できるため、どの部分が効果的であり、どこに改善が必要かを明確に把握できます。結果として、各要素の改善がしやすくなり、全体的なマーケティング戦略の効果を最大化することが可能になります。

②マーケティングの4Pの歴史とは?

マーケティングミックスは、1950年代にハーバード大学の教授ニール・ボーデンによって広められました。その後、1960年にエドマンド・ジェローム・マッカーシーが「Basic Marketing: A Managerial Approach」で正式にマーケティングの4Pを概念化しました。そのため、マッカシーの4Pと呼ばれることが多いです。

③マーケティングの4Pはどのような業種に使えるのか?

マーケティングの4Pは、製品、サービス、ビジネスの種類を問わず、幅広く活用できます。具体的には、以下のような業種が該当します。

  • 消費財(例:食品や衣料品)
  • 耐久財(例:自動車や家電)
  • サービス業(例:レストランや美容院)
  • B2B(例:産業機械やソフトウェア)
  • オンラインビジネス(例:eコマースやデジタルサービス)

さまざまな分野に適用可能です。各要素(プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション)を適切に組み合わせることで、顧客のニーズを満たし、競争力を高める戦略を構築できます。

マーケティングの4Pの構成要素を解説

マーケティングの4Pのそれぞれの要素を解説します。具体的に施策をどのように分けて考えれば良いのかをイメージづけることで、自社のマーケティングに活かすことができます。

要素具体的な施策例
プロダクト(Product)新製品の開発と差別化:顧客ニーズに応じた新製品の開発。ユニークな機能やデザインを追加し、他社製品との差別化を図る。
品質向上:製品の品質管理を徹底し、顧客満足度を向上させる。
パッケージデザイン:魅力的なパッケージを設計し、購買意欲を刺激する。
プライス(Price)競争価格戦略:市場調査を行い、競合他社の価格を分析し、適正な価格設定を行う。
ディスカウントキャンペーン:期間限定の割引やセールを実施し、購買を促進する。
プレミアム価格設定:高品質な商品に対して高価格を設定し、ブランドの高級感を強調する。
プレイス(Place)マルチチャネル戦略:実店舗とオンラインストアを組み合わせ、顧客が購入しやすい環境を整える。
物流改善:迅速かつ効率的な配送システムを構築し、顧客満足度を向上させる。
販売地域の拡大:新しい市場に進出し、販売地域を広げる。
プロモーション(Promotion)SNS:XやInstagramなどのSNSを活用し、製品の認知度を高める。
インフルエンサーマーケティング:影響力のあるインフルエンサーと提携し、製品を広める。
広告キャンペーン:テレビ、ラジオ、オンライン広告を組み合わせた総合的なプロモーションを展開する。

①製品戦略(プロダクト)

製品戦略の中心は、会社が提供する商品やサービスの開発や改善です。目的は、顧客のニーズを満たし、競争力を持つ製品を作ることです。例えば、新しいスマートフォンを開発する場合、ユーザーがどんな機能を求めているかを考えます。高性能カメラや長持ちするバッテリーなど、他の製品とは違う特徴を持たせることが重要になります。

②価格戦略(プライス)

価格戦略の中心は、商品やサービスの価格設定です。目的は、売上と利益を最大化することです。市場を調査し、競合他社の価格や顧客がどれくらいの価格を受け入れるかを考えて決めます。例えば、新商品を出すときは、初めは高めの価格にしてブランド価値を高め、その後割引を行うこともあります。価格設定は、顧客が買いたくなるかどうかに大きく影響するので、慎重に行います​。

③流通戦略(プレイス)

流通戦略は、商品やサービスが顧客に届くまでの流通方法を最適化します。目的は、顧客にとって買いやすい場所や方法で商品を提供することであり、主に利便性をよくすることが中心になります。例えば、食品メーカーが新製品を売り出すときは、スーパーやコンビニ、オンラインショップなど、いろいろな場所で売ることを考えます。物流や在庫管理も大事で、迅速に配送できるような仕組みを作る必要があります​。

④プロモーション

プロモーションは、商品やサービスを知ってもらい、買ってもらうための活動です。目的は、ターゲットの顧客に効果的にアピールして、ブランドの知名度を上げることです。集客や営業の施策といえば、プロモーションの施策を指します。例えば、新しい化粧品を売り出すときは、SNSでインフルエンサーに紹介してもらったり、期間限定の割引を行ったりします。

マーケティングの4Pの具体例を解説

マーケティングの4Pを解説する上で、誰もが知っているセブンイレブン、マクドナルド、スターバックス、Amazonがイメージしやすいです。

①セブンイレブンの4P

POINT
プロダクト

セブンイレブンは、幅広い商品ラインナップで顧客のニーズを満たしています。国内のコンビニの中では、高品質な商品を取り揃えています。また、日用品や飲料、雑誌、日配品なども取り揃えており、一度の訪問で様々な商品を購入できる便利さが魅力です。季節ごとの新商品や地域限定商品を定期的に投入することで、顧客の関心を維持しています​。

POINT
プライス

セブンイレブンは、競争力のある価格設定を行いながらも、品質を維持しています。特にプライベートブランドの商品(俗にいわれるPB商品)は、高品質ながらリーズナブルな価格で提供されています。また、頻繁にプロモーションや割引キャンペーンを実施し、顧客にお得感を提供しています。これにより、リピーターの獲得と売上の最大化を図っています​。

POINT
プレイス

セブンイレブンは、立地戦略に非常に優れています。都市部から郊外まで、主要な交通の要所や住宅街など、顧客の生活圏に密着した場所に店舗を展開しています。さらに、24時間営業を行うことで、いつでも利用できる利便性を提供しています。

POINT
プロモーション

セブンイレブンは、SNSを活用した積極的な広告展開を行っています。アプリを通じたロイヤリティプログラムも充実しており、顧客のリピート購入を促進しています​。

②マクドナルドの4P

POINT
プロダクト

マクドナルドは、幅広いメニューを提供し、顧客の多様なニーズに応えています。定番のハンバーガーやフライドポテトに加え、サラダやヘルシーメニュー、季節限定商品なども展開しています。キッズ向けのハッピーセットなど、家族全員が楽しめるメニューも魅力です。

POINT
プライス

マクドナルドは、手頃な価格で食事を提供しています。バリューセットやランチタイムの特別価格など、価格競争力を高める施策を実施しています。また、アプリを通じてクーポンを提供し、さらにお得な価格で食事を楽しめるようにしています。これにより、幅広い顧客層にアピールし、来店頻度を高めています。

POINT
プレイス

マクドナルドは、都市部の繁華街やショッピングモール、主要交通拠点など、顧客がアクセスしやすい場所に店舗を展開しています。また、ドライブスルーやデリバリーサービスを強化し、顧客の利便性を高めています。これにより、多忙な生活を送る顧客にも利用しやすい環境を提供しています。

POINT
プロモーション

マクドナルドは、テレビやSNS、オンライン広告を活用した大規模なプロモーションを行っています。また、地域限定のキャンペーンや新商品のプロモーションを頻繁に実施し、顧客の関心を引き続けています。アプリを通じたロイヤリティプログラムやクーポン提供も、顧客のリピート来店を促す効果的な手段となっています。

③スターバックスの4P

POINT
プロダクト

スターバックスは、高品質なコーヒーと多彩なドリンクメニューを提供しています。月ごとの限定フレイバーのフラペチーノやドリンクを提供しています。常に新しい体験を顧客に提供しています。また、フードメニューも充実しています。顧客が店内でリラックスできる環境を提供することにも注力しています。店舗ごとにカフェセミナーを開催し、教育にも力を入れているのが特徴です。

POINT
プライス

スターバックスは、カフェブランドの中では、プレミアムブランドとしてのポジショニングを維持するために、価格設定を慎重に行っています。高品質な素材とサービスを提供することで、顧客に納得してもらえる価格を設定しています。

POINT
プレイス

スターバックスは、主要都市や交通の要所、商業施設など、人々が集まりやすい場所に店舗を展開しています。また、店内のデザインや雰囲気にもこだわり、顧客が快適に過ごせる空間を提供しています。オンライン注文やデリバリーサービスも拡充し、多様なニーズに応えています。

POINT
プロモーション

スターバックスは、SNSを通じて、季節ごとの新商品やキャンペーンの情報を効果的に発信しています。また、スターバックスカードやモバイルアプリを活用し、リピーター顧客への特典を提供しています。定期的に行われるプロモーションイベントや限定商品の販売も、顧客の関心を引き続けるための重要な施策です。​

④Amazonの4P

POINT
プロダクト

Amazonは、世界最大級の品揃えを誇るオンラインマーケットプレイスです。書籍、電子機器、衣料品、食品、家具など、多岐にわたる商品を提供しています。さらに、Amazon独自のブランドやサービス(例:Kindle、Amazon Prime、Amazon Web Services)も展開し、幅広い顧客ニーズに対応しています。

POINT
プライス

Amazonは、競争力のある価格設定を行い、顧客に対して常に最適な価格を提供しています。価格比較機能やセール、割引キャンペーンを通じて、消費者にとって魅力的な価格を実現しています。また、Amazon Primeの会員には特別価格や送料無料などの特典を提供し、付加価値を高めています​。

POINT
プレイス

Amazonは、オンラインプラットフォームを活用し、世界中の顧客に商品を届けています。豊富な物流ネットワークと効率的な配送システムにより、迅速かつ確実に商品を届けることができます。

POINT
プロモーション

Amazonは、インターネット広告、メールマーケティング、SNSを活用したプロモーションを展開しています。また、Amazon Prime Dayやブラックフライデーなどの大規模セールイベントを実施し、顧客の購買意欲を刺激しています。また、どのプラットフォームでも使えるアフィリエイトプログラムのAmazonアソシエイトがあり、​口コミも拡散しやすいことが特徴です。

マーケティングの4Pと4Cの違いとは?

4Cとは、顧客中心のマーケティング戦略を構築するためのフレームワークです。4Pが企業視点でのプロダクト(Product)、プライス(Price)、プレイス(Place)、プロモーション(Promotion)を重視するのに対し、4Cは顧客視点での戦略を重視します。

具体的には、顧客のニーズ(Customer Needs)に基づいて商品やサービスを提供し、顧客が支払う総コスト(Cost)を考慮します。また、商品の入手や利用の利便性(Convenience)を追求し、双方向のコミュニケーション(Communication)を通じて信頼関係を築くことを目的とします。これにより、顧客満足度を高め、長期的な関係を築くことができます。

プロダクト(Product) vs. 顧客ニーズ(Customer Needs)

  • 4P: 企業が市場に提供する商品やサービスを中心に考えます。例えば、新しいスマートフォンの機能やデザインを決定する際に、技術的な特徴や企業のブランド戦略が重視されます。
  • 4C: 顧客が何を必要としているのかを中心に考えます。例えば、顧客がどんな機能を求めているか、どんな問題を解決したいのかに基づいてスマートフォンを設計します。

価格(Price) vs. コスト(Cost)

  • 4P: 企業が設定する販売価格に焦点を当てます。コストや利益を考慮し、市場の競争状況に応じて価格を決定します。
  • 4C: 顧客が支払う総コストに焦点を当てます。購入価格だけでなく、使用中のコストや維持費なども含まれます。顧客が感じる価値とコストのバランスを考えます。

場所(Place) vs. 便利さ(Convenience)

  • 4P: 商品が販売される場所や流通経路に焦点を当てます。店舗の立地や物流システムを最適化することで販売を促進します。
  • 4C: 顧客がどれだけ簡単に商品を入手できるかに焦点を当てます。オンライン購入やデリバリーサービス、店舗のアクセスのしやすさなど、顧客の利便性を重視します。

プロモーション(Promotion) vs. コミュニケーション(Communication)

  • 4P: 広告や販売促進活動を通じて商品を宣伝し、顧客にアピールすることに焦点を当てます。テレビ広告やSNSキャンペーンなどが含まれます。
  • 4C: 顧客とのコミュニケーションに焦点を当てます。信頼関係を築き、顧客に対して有益な情報を提供し、双方向のコミュニケーションを重視します。

最終更新日 2024年6月6日

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