美容室の集客は、特にWebではホットペッパービューティーに依存している傾向があります。美容室選びは、価格で選ばれている傾向があり、都市部ではユーザーが集中しています。そのため、掲載費用も上がってきており、地域によっては上位表示するのに月数十万円の投資が必要になります。
ただし、販促費の高さが見合った集客および売上になるのかは全くの別問題です。販促費を1つの媒体で使い切ることは博打であり、もしそこで想定した単価の集客ができなければ赤字になってしまいます。
そもそも、美容室の集客方法は、ホットペッパービューティー以外にもあります。ここでは、美容室の集客方法でホットペッパービューティー以外の方法を紹介したいと思います。
美容室の効率の良い集客方法とは?
集客に効率性を求める時は、広告の運用が前提になります。無料集客という言葉が浸透している中、集客にホットペッパービューティー以外に広告をかけることに難を感じます。
いわゆる無料集客の代表のSNSの運用は、フォロワーを集めるところから始まります。無料集客のリスクは、すぐに情報を見てもらうことができないことです。広告は、人が見ている媒体に表示するので、認知までの時間を短縮することができます。
もちろん、全てにお金をかけていたら、販促費が高くなります。そのため、お金をあまりかけない方法で既存顧客を集客します。既存顧客は既にサービスを体験しているため、なんらかのきっかけで再来店につながりやすいことが特徴です。長くお付き合いをしてもらうことで利益を獲得していきます。
美容室の新規顧客獲得に効果のある集客方法とは?
美容室を選択する基準に関するアンケート等をみると、上位に必ず住居もしくは職場に近いことが挙げられます。時間的な制約で美容室は行動圏内で選ばれる傾向があります。つまり、商圏内の認知度を効率的に向上させます。
また、通常の美容室であることを訴求しても高い反応率を得ることは難しいと考えます。そのため、自店舗の強みを分析し、来てもらいたい顧客に対して魅力的な店舗であることを訴求することで反応率を高めることが期待できます。
Googleマップ
Googleマップは、日本で最も利用されているマップアプリです。Googleマップは近隣の店舗の発見を促すようなユーザーインターフェイスを採用しており、ここで露出することで新規の顧客に認知されることにつながります。
Googleマップの検索のアルゴリズムでは、距離、知名度、関連性です。これは、モバイルで地図検索されることが一般的になっており、近くて人気のお店を探したいというユーザーニーズに応えています。関連性とは、業種や商品名で検索した時に、それにあった結果が表示されることが該当します。
知名度とは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。ビジネスによっては、オフラインでの知名度の方が高いことがありますが、ローカル検索結果のランキングにはこうした情報が加味されます。たとえば、有名な博物館、ランドマークとなるホテル、有名なブランド名を持つお店などは、ローカル検索結果で上位に表示されやすくなります。
ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も知名度に影響します。Google でのクチコミ数とスコアも、ローカル検索結果のランキングに影響します。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ランキングが高くなります。ウェブ検索結果での掲載順位も考慮に入れられるため、検索エンジン最適化(SEO)の手法も適用できます。
上記の記述から、ウェブ上での評判を高めることやGoogleマイビジネスに評価の高いクチコミを集めることなどで、ローカル検索の順位改善に効果があるということになります。
そのため、現在は架空の人物名のGoogleアカウントを大量に生成し、評価の高いクチコミをつける対策が横行している状態です。

特定の屋号で検索すると、評価が異様に高い姉妹店が並ぶ。
これらの対策についてGoogleは具体的な対策を実施していません。SEOのリンク自演と仕組みは一緒であるため、将来的に制限するアルゴリズムが実施される可能性があるため、これらの対策を実行する時は自己責任で行わなければなりません。
インスタグラム
インスタグラムは、月3,300万アカウントのアクティブアカウントを抱えるSNSです。割合としては、若年者の女性の割合が高いため、美容室との相性が良い媒体でもあります。
インスタグラムは、写真や動画を主軸にコミュニケーションをするSNSです。ハッシュタグやいいねをたくさん獲得することで、フォロワー以外の人にも露出することが可能ですが、より確実性を求めるのであればInstagram広告もしくはFacebook広告を活用します。どちらでも、インスタグラムに広告を出稿できます。
市町村や半径を指定した地域単位での出稿が可能ですので、近隣での露出に効果があります。
ツイッター
ツイッターは、月々4,500万アカウントのアクティブアカウントを誇るSNSです。トレンドやニュースサイトが配信されていること、多くのYoutuberがコミュニケーションの手段として用いている関係で、情報を入手したい人が集まる傾向にあります。
インスタグラムとの違いは、Twitter広告は都道府県単位までしか地域指定することができません。そのため、商圏範囲が広すぎるため、美容室では活用しづらい傾向があります。
ツイッターで情報を発信する時は、近隣を表すキーワードで検索し、それについてツイートを行っているアカウントを積極的にフォローしていきます。
完全無料で効率的に認知できるSNSです。
ポスティング広告
費用対効果ではなく客数を求める時は、チラシのポスティングが最も効果があります。インターネットを活用していない人にもチラシが届けられるため、地域への情報が浸透しやすいです。
ポスティング広告は、ラクスルなどのインターネットで入稿できるサービスが便利です。PDFのチラシを作ることができれば、配布地域と部数を指定すれば、印刷から配布までしてもらえます。入稿日が配布完了日から長いほど配布費用は安くなります。
ポスティング広告の反応率の目安は、クリエイティブや美容室への力の入れ具合によって異なりますが、0.5%程度です。そのため、周囲に自分でポスティングした程度では、1人の来店がある程度です。できるだけ大きい単位で広告を出稿します。
固定客育成のために活用する集客方法とは?
一度来店した顧客は、その体験から次の来店をすでに決めています。新サービスの紹介や役立つ情報などを配信することで、次回の来店のタイミングをコントロールすることで、売上を上げていきます。
メール配信
一度来店した顧客に登録を促します。メール配信の仕組みは、POSアプリに付属しているものでも良いですし、独自に用意したメール配信システムでも良いです。厳密には、キャリアメールを活用している顧客も一定数存在するため、キャリアメールに対する到達率の対策が行われているメール配信システムが望ましいです。
配信頻度は、美容室であれば月に2回ないし1回程度で、美容室に来店した直後のタイミングに個別にメールを送信しましょう。
LINE
LINEは、月8,300万人のアクティブユーザー数のメッセージアプリです。LINE公式アカウントは、ビジネス専用のLINEアカウントであり、元々は店舗集客に特化したLINE@でした。そのため、メッセージ配信の他にスタンプカード機能もあります。
LINEは、メール配信と同じタイミングでメッセージ配信を行い、1:1メッセージで直接予約を獲得するために活用します。
はがき
非効率な方法として廃止している美容室が増えていますが、逆に印象に残る方法です。単価の高い家具店・小売店では顧客にはがきを送る文化が今もあります。担当の美容師から送られてくるはがきは、初回の印象が良ければ良いほど、顧客離反を防ぐことが望めます。
まとめ
美容室の集客では、上記の方法を徹底的に実行していけば、対象にしている顧客に対するリーチは網羅することができます。
あとはどの程度やり込むかが問題です。利用するチラシ、ホームページ、画像、コピー、訴求する内容によって反応する層が全く違うため、テストしていく必要性があります。
ホームページを作成する必要性はあるのか?
予約システムの導入やその店舗の魅力を伝えるホットペッパービューティーなどの媒体がなければ、あった方が良いです。しかし、ホームページは作成しただけでは、認知度の向上にはなりませんので、予算を超過する投資であれば、無料のツールでとりあえず作成する程度で良いと思います。
小さな店舗なので、専門分野に特化するべきですか?
立地によります。比較的利用者数が多い駅の近くでは、専門分野に特化することで商圏外でも沿線からの集客が望めます。人口が少ない地域では、幅広い顧客を対象にしていった方が良いので、専門を掲げることで逆効果になることがあります。