人も雇えないということや、新型コロナウィルス禍で急激に広がったリモートワークの影響で、見込まれる集客数がわからず、客席を小規模化したいわゆる小さな飲食店の開業に注目されています。
実際に小さな飲食店の開業の相談は増えており、昨年は特にゴーストレストランについてのご相談が多い傾向でした。
小さな飲食店であっても、成功するポイントとしては売上を最大化することにあります。
- 立地
- 生産性
- 機会を最適化するシステム
今回は、この3つのポイントに分けて、開業のポイントを紹介したいと思います。
なお、規模によらない飲食店の開業に関する記事は以下のようにまとめています。

基準は人によって変わると思われますが、坪面積で言えば10〜15坪程度と定義されているケースが多いようです。
席数は調理のスペースをどの程度用意するのかによっても変わってきます。坪売上は15万円以上を目指すことになりますので、客席の面積がわかった段階で、逆算して席数を決定しましょう。

また、席の大半をカウンターにすることで、ホール専用の人員を減らすことができます。
小さな飲食店の成功はやっぱり立地に影響するのか?
飲食店における立地は非常に重要な要素です。
「立地は関係ない」という合言葉がコンサル業界でも一時期流行りましたが、その事例のひとつひとつを確認すると、ハイキングコースでみれば一等地の立地であったり、マーケティングにかなり力を入れている印象が強いものばかりでした。
飲食店は、Ubereatsでは配達エリアがあり、当然イートインの顧客は、それより小さな商圏から来店することが多いです。
また、ビジネス街であれば平日の集客は困りませんが、休日の集客は困ります。それに対して、住宅街は平日の集客は困り、休日に満席になる傾向があります。
これらの傾向には挑まない方が、失敗を防ぐことができます。特に小さな飲食店のメリットは、大きなテナントを選択する必要がないことにあり、可能な限り人通りの多い立地に面した方が集客は楽になります。
立地が完璧に良いテナントには、最初から入れるわけではありません。路面店が理想ではありますが、路地裏・空中店舗・地下店舗であれば、それぞれを冷静に比較する必要性があります。
例えば、過去にあった例でお話しますと、集客施設の7階の店舗では、広告規制がありましたし、完全にその施設の集客頼りで、コンセプトの見直しぐらいしかできなかったと思います。
地下店舗であれば、主要駅の駅近であったにもかかわらず、何も対策をしていなかった時は、顧客はほぼいませんでした。Webマーケティングを強化した結果、客数が急上昇しました。
賃料にもよりますが、1階上下するごとに見込み客数は大きく減少すると考えて間違いはないです。そのため、裏路地に入るところであっても、比較的入店しやすいという理由で、路面に接している店舗を選んだ方が良いことが多いです。
最小限の雇用で継続的な営業をできるようにする。
飲食店が開業する上で大きなハードルは、人材を確保することができないことにあります。必要な人員が多ければ多いほど、人件費は変動費ですので、損益分岐点が上がります。
そのため、小さな飲食店では、必要な人員を少なくした営業スタイルが取れることがメリットです。スタッフ不足が原因で、通常営業ができないことが回避できます。
労働生産性の向上が必要です。飲食店の場合は、オーダー、配膳、レジ打ちが手間になりやすいので、その部分にテコ入れします。
券売機の導入、完全予約制のコース専門店化、タブレットオーダーシステムの導入など。
カウンター席を増やし、ホールに出る回数を減らす。
PayPayやクレジットカードなどの電子決済の導入など
売上アップの機会を最大化する
小さな店舗では、客席を小さくとっているため、比較的満員にはしやすいですが、売上にキャップがあります。
同じような店舗を増やすことで利益を出していけるのですが、良いテナントが見つからない時には、既存店の売上を最大化することを考えます。
簡単なのが、やはりテイクアウトです。その次にUbereatsなどのデリバリーです。デリバリーがないエリアでは自分から催事に出向くケータリングを行なっている店舗があります。
テイクアウトは、用意した入れ物に既存のメニューをお土産として提供すれば良いです。特に、イートインの顧客がお土産として持ち帰ることもあり得ますので、店内でオーダーをとるようにしておくのが良いでしょう。
路面店であれば、門前にテイクアウトでお持ち帰りができることを訴求しましょう。SNS、Googleマイビジネスで訴求し、ホームページやアプリなどで予約を受け付けるのも効果的ではあります。
Ubereatsでは、配達エリアは配達員の人数によるので、地域によって異なります。
また、専用の容器が必要になり、全体の売上の35%が手数料になりますし、顧客は個人であることが考えられると、イートインに比べると効率良く稼げるわけではありません。
しかし、出店した地域性によっては、集客に苦戦する時間帯や曜日が存在することが事実ですので、対策として置いておくことがありです。ただし、Ubereatsには、グリーンスタンダードという仕組みがあり、イートインのピーク時間などにオフラインにすると掲載順位が低下しやすくなるのも注意が必要です。
観光地などの催事に出向くケータリングは、認知度を拡大する上では重要な対策の一つです。コロナ禍では、催事も自粛傾向にありましたが、今後は増加傾向です。遠方の催事へのケータリングは、売上の対策にしかなりませんが、近隣ではチラシを配る機会になります。
まとめ
今の時代は、特に雇用が思ったタイミングでできない、経済的な制限がいつ起こるかわからないなどの外部要因によるリスクがありますので、小さい飲食店でリスクを最小限にするのが賢明でもあります。
また、小さい飲食店では、名物メニューが看板として口コミされる傾向にあります。そのため、名物メニューには特に力を入れていきたいところです。