集客力を向上させる具体的な戦略や対策とは?集客力関連の指標も解説

集客力が高い状態になると、同じ集客の施策でも高い効果を得ることができますし、広告費を特別に捻出しなくても顧客が集まるようになります。
集客力を向上させるための重要なポイントは、魅力的な価値がどれだけ多くの人に伝わっているかです。具体的には、ベースになる顧客数が多く、顧客維持率が高い状態を指します。ベースになる顧客数が多くなければ、口コミなどの派生して生まれる集客が発生しません。
このコンテンツでは集客力が高い状態を作り出す方法について紹介したいと思います。
集客力が高い状態とは?

集客力が高い状態とは、同じ製品やサービスを提供する事業者が並んでいる時に、知っている方を選択してしまうことを指したり、有名アーティストと知らないアーティストがイベントを開催した時に、高い参加費用を支払っても有名アーティストを選んでしまう状態のことを指します。
これには、単純な知名度もありますが、顧客にとってのロイヤリティ(忠誠心や信頼性)の高さが影響します。ロイヤリティの形成には、愛着や利便性の高さを感じてもらうことが重要であり、製品やサービスを一度購入してもらうことが重要です。
集客力を高める戦略とは?

集客力向上に直接つながる方法について紹介をしたいと思います。
集客力向上には、ベースになる顧客数と顧客維持率に着目します。これは、集客力が高いことを簡単に言い換えてしまえば、「新規の顧客も多いけれど、リピーターも多い」と取れるからです。
マーケティング戦略の確立
全体の施策の設計図となるマーケティング戦略の立案は、集客力向上には必要不可欠です。このあたりの話題は、「集客とは?集客の策の作り方と方法の選び方をプロが解説」でも紹介しています。
セグメントとは、特定の市場の中で、自社の製品やサービスの価値を特に必要とするグループのことを指します。標的セグメントを決定することをターゲティングと呼びます。
標的セグメントは、事業が成立するだけ十分な規模がなければなりません。よくある失敗例としては、ニッチな市場を狙いすぎてしまい、実際は実在しない市場を追ってしまい、コストをかけても集客ができないことです。
ペルソナとは、標的セグメントを代表する具体的な顧客像のことを指します。ペルソナを決定する目的は、広告や訴求方法を決定することです。
ペルソナを作成する上では、以下のような要素を決定します。
- 氏名
- 家族構成
- 年齢
- 職業
- ライフスタイル
- インサイト(悩みなど)
自社が提供できる価値の洗い出しを行い、特に顧客にとって魅力的であるものを探し出します。魅力的な価値の言語化が訴求点になり、キャッチコピーなどの元になり、顧客の誘引性を高めます。
魅力的な価値はこの段階では仮説でよく、後述の「集客の施策・キャンペーンの実施」でテストして入れ替えることはあります。
カスタマージャーニーとは、顧客が企業やブランドとの接触から購入までの経験プロセスを指します。カスタマージャーニーには以下の要素を考慮します。企業はこのステップを理解し、顧客にとって最適な体験を提供することが大切です。カスタマージャーニーを理解することで、企業は顧客のニーズや期待に合わせたマーケティングやサービス提供を行うことができます。
要素 | 詳細 |
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消費者行動 | 認知、考慮、評価、購入など、顧客と製品・サービス・ブランドが接する時系列順のステップ。 消費者行動には、AIDMAやAISASなどのモデルがあり、顧客の検討方法によって異なる。 |
行動 | 目的を満たすためにどのように行動をするのかを具体的に洗い出す。 この時の手段と一致した広告を活用すると、集客に効果があると仮定できる。 |
心理(インサイト) | 各行動段階で心理状況を洗い出す。 心理状況を満たす情報を提供することで、次のステップに移りやすくなる。 |
集客施策・キャンペーン | 消費者行動を円滑にするための施策やキャンペーンを実行する。 指標を設定し、管理する。 集客の方法を具体的に知りたい方はこちらのコンテンツを参照 |
集客施策には、適切なコストを確保することとテストも兼ねることも重要です。
- A/Bテスト:2つの訴求点やクリエイティブが違う広告を出稿し、コンバージョン率や顧客獲得単価などの指標で比較し、優れた訴求力のある広告を特定するテスト。
- ランディングページテスト: ランディングページのレイアウトやコンテンツを変更して、顧客のコンバージョン率にどのような影響があるかを測定するもの。
顧客維持率を高める対策を実施する
顧客維持率とは、顧客が企業やブランドからの製品やサービスを引き続き利用する割合を示します。顧客維持率の算出方法は次のようになります。
顧客維持率 = (前期顧客数 – 当期顧客数)/ 前期顧客数 × 100%
例えば、前期に1000人の顧客がいて、当期に800人の顧客がいる場合、顧客維持率は80%となります。顧客維持率が高いほど、顧客は長期的に製品やサービスを利用する傾向があるということになります。
顧客維持率を高める具体的な対策としては以下の方法が挙げられます。
- 会員制の導入:ファンクラブや有料会員制(コストコなど)を導入する。
- サブスクの導入:基本的に月額制課金にする。
- コミュニケーション方法の最適化:メールやLINEなどのコミュニケーションの最適化をする。
サブスクの導入などはビジネスモデルそのものが変更になるため、手軽にできる顧客維持率を高める方法は、メールやLINEの導入です。どちらも行った方が良いわけではなく、基本的にビジネス上のやり取りであれば、メールの方が確認されやすく、個人向けのやり取りであれば、LINEの方が確認されやすくなります。
そのため、SaaSなどのBtoBビジネスであれば、メールリストを構築します。そして、通販などのBtoCビジネスであれば、LINE公式アカウントを中心に運用します。
注意すべき点としては、ロイヤリティを下げてしまう施策は、休眠顧客の復活が起こらない原因になってしまいます。例えば、他のサービスを受けてみたいと思って、客離れをした顧客の解約を難解にすることで、他のサービスが納得いくものでなかった時に顧客復帰しない原因を作ってしまいます。
集客力を向上させる具体的な対策とは?

記憶に残りやすい広告を活用する。
竹本ピアノの「電話してちょうだい」やindeedの「バイト探しはindeed」のようなフレーズは、一度見ると記憶に定着しやすく、このフレーズを聞くと社名がすぐに想起されます。
多くの人の記憶に定着する広告は、口コミも発生しやすく、友人関係にある人と雑談をしている時にも話題になり、企業のブランディングにもつながります。
いざ、その製品やサービスを購入するタイミングになった時は、認知しているブランドとして候補に上がり、集客力の強化につながります。
集客イベントの頻度を高める。
集客を目的にイベントの開催を行います。ただし、毎回同じようなイベントでは飽きてしまいますし、あまり期間を空け過ぎてしまうと、集客の機会損失にもつながってしまいます。
そのため、集客を目的としたイベントやキャンペーンでは、飽きられないようにコンテンツを変更したり、流行を取り入れることで興味を惹きつけるなどの工夫は必要です。
集客イベントの例としては以下のようなものがあります。
セミナー・講演会 | 著名な有名人の話を聞くことができる機会を作る。 販売する製品やサービスの販売促進につながるような専門家の話を聞く機会を作る。 |
展示会 | 例えば、学習机・ランドセル・ペルシャ絨毯など特定の製品を購入したい顧客向けに展示会を実施する。 |
感謝祭 | 顧客とのコミュニケーションを目的としたイベントを開催する。 |
キャンペーン | 特定の期間中に購入すると景品をプレゼントするキャンペーンを開催する。 |
情報発信力を強化する。
例えば、特定のイベントに参加した記憶があっても、検索できる情報がなければ、製品・サービス・ブランド・店舗に結びつきません。また、優れた製品やサービスであっても、価値を知られていないことで売上に繋がらないことは多々あります。
SNSやブログなどで情報発信力を強化することで、情報の検索性や新たな気づきを促し、集客力を強化することができます。
ブログ | 製品やサービスと関連性の高いコンテンツを掲載し、SEOで自然流入を増やす。 過去のイベントのレビュー記事を忘れずに掲載し、イベント参加者の集客につなげる。 |
Youtube | 関連性の高いコンテンツを中心に発信し、製品やサービスの使い方を紹介する。 相性の良い他社製品なども紹介することで、視認性が高まり、セット購入の増加が見込める。 |
小売店などでは、取り扱い製品のカタログのような使い方ができる。 3coinsなどでは社内インフルエンサー制度があり、おしゃれな製品の使い方などを発信している。 | |
Twitterは情報収集を主体にされているため、関連性の高いコンテンツを配信するアカウントを運用する。視認性を高めるためには、Twitter Blueを導入し、動画コンテンツや画像を多用するのが良い。 |
有料会員数を重視する。
有料会員制度があると、集客力向上の対策が非常にわかりやすくなります。有料会員制度は、出したお金の分を取り戻そうとしますし、会費で収益性が改善されます。例えば、コストコでは、年会費の支払いがなければ入場することができません。この会費収入は、全体の収入の約2%であり、この会費があるから1年に複数回の来店が期待できます。
有料会員制度は、サブスク決済ができるシステムを導入すれば簡単に実装することができます。また、例えば、ハイボール1杯無料などの小さなサービスに対して少額な会費でも実装自体ができます。
顧客維持に用いる集客方法の会員数を重視する。
有料会員制度ほどの効果は見込めませんが、顧客維持に用いる集客方法に力を入れることで、リピーターの集客を制御する方法があります。これには、LINE、メールマガジン、アプリなどを用いますが、人的リソースがない中で、複数の施策の運用は難しくなります。
そのため、一番力を入れたい施策を選択し、会員数を増やすために力を入れます。例えば、抽選会を実施し、この抽選にはLINEで配信される引換券を必要とします。抽選会に参加するためには、LINEのおともだち登録が必要になりますので、LINEの会員数を増やすことができます。
集客力向上で重要なポイントとは?
集客力向上をやみくもに目指しても、方向性が見えないことで戦略を構築できないのでは意味がありません。そのため、具体的な指標を設定し、その指標値を改善することで、集客力を高めましょう。
この指標には、新規顧客の増加数・顧客維持率・有料会員数・媒体登録者数などが含まれます。
これらの指標の向上に直結するような施策設計を行うことで、着実な集客力向上につなげることが可能になります。